2020年3月 6日 (金)

「人はなぜ・・・許せないのか」② この本で学んで、今後どうするか

  

今日は令和2年3月6日。

  

前記事に引き続き、

「人は、なぜ他人を許せないのか?」(中野信子著/

岩波新書)より引用していきます。

 

今回は「はじめに」にあった文章です。

  

人の脳は、裏切り者や、社会のルールから外れた人といった、

わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるよ

うにできています。

他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、

快楽物質であるドーパミンが放出されます。この快楽にはまっ

てしまうと簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象を

常に探し求め、決して人を許せないようになるのです。

(5p)

  

一方で、自らの正義を主張する快感を知りながらも、同時に、

相手を罵(のの)ってしまう自分、相手を許せない自分を許せ

ないと感じることがあります。さんざん相手をなじっておきな

がら、後で後悔したり、自己嫌悪に陥るような感覚です。

(10p)

  

自分が相手をけなし、相手もまた自分を罵倒し、どこにも接点

を見出せずに憎悪だけが持続し、増幅していく世界。

他人の過ちを糾弾し、自らの正当性が認められることによって

ひとときの快楽を得られたとしても、日々他人の言動にイライ

ラし、許せないという強い怒りを感じながら生きる生活を、私

は幸せだとは思えません。

本書では、正義中毒が苦しいと感じている方に、脳科学的な知

見から何らかの救いになるようなメッセージを提供できればと

思っています。

(11p)

 

 

「なぜ私は、私の脳は、許せないと思ってしまうのか」を知る

ことこそが、自分の人生にとって、ひいては社会全体にとって

も大きなプラスを生むのではないでしょうか。

他人をけなして快感を得ることも、他人からけなされて傷つく

ことも、そうした摩擦を恐れてコミュニケーション不足に陥っ

たり、他人から愚かだと思われたくなくて意思表示を控えたり

することも、結局は相互理解の不足によるものだと思うのです。

(13p)

  

自分はコミュニケーション不足になってしまったり、

意思表示を控えたりするタイプなのでしょう。

それが積もって、病気につながったと自己分析しています。

少しでも改善できないかなと思って読んだ本です。

  

中野さんが言うように、私は自分のことを

意思表示していなかったと思います。

聞く方は聞いていました。

たくさん聞きました。

相手は、正論であり、親切心で言ってくれたと思いますが、

辛かったなあ。

それじゃあ、相互理解していないんだよなあ。

  

それは自分にとっていいことではありません。

私の実力が発揮できたような気持ちになれませんでした。

言われたことをやるのみで、

心の余裕も時間も切羽詰まったのです。

  

  

じゃあ、復職してどうするかです。

同じことを繰り返したくないです。

この本を読んで、人間の脳は、時には相手に

容赦ないことをするものなんだと知りました。

そういうものなのです。ここが大事です。

脳はそういうものだと、客観的に理解することが大事です。

やはりもっと自分らしさを出していかないといけないと

思っています。

行動で示し、思っていることを伝えていかないといけないです。

私は今の勤務校の現状がいいとは思っていません。

改善したいと思っています。

改善したいと思う根拠は、休職中にも勉強をして少しは蓄えました。

それを自信にして動きたいです。

 

そうすれば相互理解が始まります。

議論はあるかもしれませんが、

自分らしさが発揮できると思うんです。

「自分らしさ」を出していたら、解決するのです。

それには少し勇気がいるけど頑張らなくてはね。

泣いても笑っても、定年まであと2年です。   

    

今週の勤務では、時間を見つけて、

教室の黒板に「黒板アート」風の絵を描き始めました。

入学式の日を想定しての絵を描いています。

「黒板アート」は自己初挑戦です。

自分を日に日に変えていきたいし、現状も変えていきたいです。

その第一歩です。

「人はなぜ・・・許せないのか」① 「絶対に読まない本」を手にとる

  

今日は令和2年3月6日。

  

昨日はちょっと贅沢な時間を過ごしました。

本屋に行ってきました。

店内を歩いて、ピピッときた本を買おうとしました。

40分かけて、今日は読みたい本がないなあと諦めて

出口に向かいました。

出口というか出入り口すぐに平積みにされていた本に

ピピッときました。

独ソ戦」(大木毅著/岩波新書)です。

買ってしまいました。

  

  

次の本を読み終えました。

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「人は、なぜ他人を許せないのか?」(中野信子著/

岩波新書)です。

  

この本の中で、本屋での本の選び方について

書いてありました。

話は前頭前野を鍛える方法について書いてあるとところで、

その方法の一つが「不安定・過酷な環境に身を置く」でした。

引用します。

  

本を読むことで私たちは、異なる環境に身を置くのと同じよう

な体験を手軽に、疑似的に味わうことができます。最も効果的

なのは、普段の自分なら「絶対に読まない本」「関心のない本」

を手に取ってみることです。できるだけ自分と遠い立場、考え

の異なる著者の本や、これまで関心を持っていなかったジャン

ルの本にあえて触れていくのです。

(187~188p)

 

本に限りません。

   

ベネッセコーポレーション取締役の福武英明さんは、飛行機で

長距離移動する際には、普段なら絶対に見ない映画をわざわざ

選んだり・・・(中略)脳科学の立場からこの習慣を解釈する

と、固定化された概念や社会通念をやすやすと越えられる柔軟

な共感力を鍛えるための地道なトレーニングのように見えるの

です。

(188~189p)

  

この本を読んだのは、本屋に行ってからでした。

「独ソ戦」はいかにも社会科教師が選びそうな本でした。

目をつぶって、触れた本を買ってくるのも楽しそうです。

映画も同じことができるとなると、当然テレビ番組も。

長年、テレビ番組は、私の興味の幅をひろげてくれました。

読書とテレビ番組の2本立てで、

脳を老化させないような生活をしていきたいです。

  

  

中野信子さんが、本について書いている次の文章も

とてもよかったです。

  

こうして考えてみると、本は実によくできたツールです。その

書籍の著者が記したような内容を、本人から聞き出そうとした

ら、まずは本人に会うところから、努力を始めなければならず、

かなりのコストと時間がかかります。さらに、もはや著者が存

命でない場合には、そもそも会うことすらできないのです。し

かし、本というメディアを利用すれば、そんなハードルをやす

やすと越えて著者の思想の深いところまでアクセスできますし、

本当にどうしても肌に合わなければ途中でやめたっていいので

す。本人を目の前にしているのとは違って、角が立ちません。

(189p)

  

なるほどです。

「わたしの遺産」大賞/歩道橋ができた理由

  

今日は令和2年3月6日。

  

3月5日朝日新聞朝刊より。

  

Epson271

第7回結果発表!(中略)

第7回「わたしの遺産」には7239作品のご応募をいただきました。

令和に入り初回の募集となった今回、さまざまな世代の方から寄せら

れた400文字の物語には、時代が移り変わる中でより強く未来に伝

えのこしたいと願う「人・モノ・コト」への思いが綴られていました。

新たな幕開けに、改めて感動と発見をくれたすべての応募作品の代表

として大賞3作品(中略)をご紹介いたします。

  

3つの大賞作品が、写真付き、選定委員のコメントつきで

紹介されていました。

そのうちの一つを転載します。

Epson271a

Epson272b

Epson272c  

投稿者が元社会科教師であることが共通していて、

この文章に惹かれました。

何にでも歴史あり。歩道橋にもここに書いたような

歴史があり、それを書き残したわけです。

選定委員のコメントも興味を持ちました。

昭和40年代に各地で保津峡が次々に誕生した背景には、

交通事故による歩行者の死傷が増加したためなのですね。

  

4月25日は「歩道橋の日」です。

今日は何の日~毎日が記念日~

1963年のこの日、大阪駅前に日本初の横断歩道橋が完成した。

   ☝ ここにはこう書いてあけど、実は最も古い歩道橋は

愛知県にありました。

旧西枇杷島町(現在清須市に含まれる)にあった、

西枇杷島町横断歩道橋です。

Cimg6619thumb480x3607633 社長ブログ さようなら「日本最古の歩道橋」

こちらは1959年につくられました。

2010年に老朽化のため撤去されています。

つくられた理由は、やはり児童交通事故でした。

   

 

2020年3月 5日 (木)

休んだから出合えた本は55冊でした

 

今日は令和2年3月5日。

  

3月2日から復職プログラムがスタートしています。

今週は2時間勤務です。

ドキドキして勤めています。

何か自分の自信になるものをと、

ふと思って、休職中に読んだ本を掻き出してみました。

自己満足ですが、自信にはなります。

休んだことで出合えた本です。

本を読んだことで、頭の構造が少し変わった気がします。

「300冊を超えたあたりからだったと思うが、

自分の中から言葉があふれ出すようになった。

世間のさまざまな事象に接して、

自分も何か語りたくなるのだ。」(藤原和博)

現在55冊。300冊を目標に復職しても

読書は続けていきたいです。

   

「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(辺見じゅん著/文藝春秋)

「偉人たちのあんまりな死に方」(ジョージア・ブラック著/梶山あゆみ訳/河出文庫) 

「私何だか死なないような気がするんですよ」(宇野千代著/海竜社)

「石狩平野」(船山馨著/河出書房)

「夢見た自分を取り戻す」(井上智著/エンパワメント研究所)

「日本一心を揺るがす新聞の社説2」(水谷もりひと著/ごま書房新社)

「石狩川」(本庄陸男著/新日本出版社)

「北へ行く旅人たち ~新十津川物語1~」(川村たかし著/偕成社)

「広野の旅人たち ~新十津川物語2~」(川村たかし著/偕成社)

「石狩に立つ虹~新十津川物語3~」(川村たかし著/偕成社)

「北風にゆれる村~新十津川物語4~」(川村たかし著/偕成社)

「朝焼けのピンネシリ~新十津川物語5~」(川村たかし著/偕成社)

「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日」(門田隆将著/PHP研究所)

「雪虫の飛ぶ日 新十津川物語6」(川村たかし著/偕成社)

「薬のやめどき」(長尾和宏著/ブックマン社)

「吹雪く大地 ~新十津川物語7~」(川村たかし著/偕成社)

「異常気象と人類の選択」(江守正多著/角川SSC新書)

「特撰森林鉄道情景」(西裕之著/講談社) 

「函館の大火 昭和九年の都市災害」(宮崎揚弘著/法政大学出版局)

「燃える海山 新十津川物語8」(川村たかし著/偕成社)

「絵でわかる地球温暖化」(渡部雅浩著/講談社)

「星の見える家 -新十津川物語9-」(川村たかし著/偕成社)

「出口のない海」(横山秀夫著/講談社)

「漫画でよめる!出口のない海」(三枝義浩漫画/横山秀夫原作/講談社)

「インビクタス 負けざる者たち」(ジョン・カーリン著/八坂ありさ訳/NHK出版)

「読書する人だけがたどり着ける場所」(齋藤孝著/SB新書)

「医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む」(中村哲著/石風社)

「マンサクの花--新十津川物語10」(川村たかし著/偕成社)

「あなたの話はなぜ『通じないのか』のか」(山田ズーニー著/筑摩書房)

「地熱の本」(江原幸雄著/電気書院)

「本を読む人だけが手にするもの」(藤原和博著/日本実業出版社)

「シリア内戦」(安武塔馬著/あっぷる出版社)

「石炭火力が日本を救う~CO2神話の崩壊」(木本協司著/現代書館)

「大人の時間はなぜ短いのか」(一川誠著/集英社新書)

「澤田久夫写真集 奥三河物語」(監修・執筆:鈴木富美夫/樹林舎)

「石炭火力発電Q&A『脱石炭』は世界の流れ」(気候ネットワーク編/かもがわ出版)

「校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール」(西郷孝彦著/小学館)

「橙書店にて」(田尻久子著/晶文社)

「山海記(せんがいき)」(佐伯一麦(かずみ)著/講談社)

「貸出禁止の本をすくえ!」(アラン・グラビッツ著/ないとうふみこ訳/ほるぷ出版)

「脳科学者の母が、認知症になる」(恩蔵絢子著/河出書房新社)

「科学者が解く『老人』のウソ」(武田邦彦著/産経新聞出版)

「君が地球を守る必要はありません」(武田邦彦著/河出書房新社)

「バナの戦争」(バナ・アベド著/金井真弓訳/飛鳥新社)

「立川談志を聴け」(山本益博著/小学館文庫プレジデントセレクト)

「イタリアン・シューズ」(ヘニング・マンケル著 柳沢由実子著 東京創元社)

「名鉄沿線ディープなふしぎ発見」(小林克己著/じっぴコンパクト新書)

「フィンランドの教育はなぜ世界一なのか」(岩竹美加子著/新潮新書)

「明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち」(アラン・グラッツ作/さくまゆみこ訳/福音館書店)

「パラアスリート」(山田清機著/PHP研究所)

「歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ」(磯田道史著/中公新書)

「白村江」(荒山徹著/PHP研究所)

「大熊町学校再生への挑戦」(竹内敏秀著/福島県大熊町教育委員会編/かもがわ出版)

「生き物の死にざま」(稲垣栄洋著/草思社)

「赤めだか」(立川談春著/扶桑社)

  

以上55冊。

本名をクリックすると、引用文を書いた記事に飛びます。

2020年3月 4日 (水)

「赤めだか」② やっぱり毒がある毒蝮三太夫さん

  

今日は令和2年3月4日。

  

前記事に引き続き

赤めだか」(立川談春著/扶桑社)より

引用します。

  

昭和63年3月4日。

有楽町朝日マリオンホールは、なんと満席だった。豪華ゲスト

勢のお陰だったろう。談志、春風亭栄橋、毒蝮三太夫、山本晋

也、高田文夫、桂文字助、立川談四楼。この晴れの舞台で志ら

くは短命(たんめい)、談春は黄金の大黒(こがねのだいこく)、

関西改メ談坊は反対俥(はんたいぐるま)、談々改メのらくは

三人旅を演った。

(213~214p)

  

偶然にも同じ3月4日。今日です。

昭和63年は西暦1988年。

今から22年前の今日、談春さん他3人が、

二つ目昇進披露落語会を行いました。

 

この時の毒蝮三太夫さんの口上が面白かったです。

 

続いて毒蝮三太夫。談志(イエモト)の無二の親友。立川流一門

は上から下までお世話になっている。

「この四人よく頑張ったと思います。談志のところで務まれば何

処へ行っても大丈夫です。ヤクザも逃げ出す立川流の修業・・・」

ではじまり、「ここにいらっしゃる皆様方のお幸せと、いない奴

らの不幸を願いしまして毒蝮三太夫のご挨拶と致します」おなじ

みの台詞で次へと続く。

(215~216p)

  

こんな台詞がおなじみなんだ。

やっぱり毒を持っていますね、毒蝮三太夫さん。

1936年3月31日生まれ。もうじき84歳。

今も元気。

  

  

古典落語には”冬の噺”に名作が多いと云われている。

寒さは貧乏を際立たせ、共感させ、少々無理なシチュエーションま

でをも納得させる力を持っているからだろう。次に、正月、元旦に

日本人全員が一斉に歳をとるという風習が過去にはあり、それによ

って大晦日も新年も現代では想像できないほど神聖な儀式だったと

思う。

今年は悪い年だったと嘆く人には、「いつまでも過ぎたことを、グ

ズグズ云うねェ。除夜の鐘と一緒にきれいサッパリ忘れちめェ」で

あり、「良いことばかりあるわけじゃねェだろうが、悪いことばか

り続くと決まったもんでもねェよ。明日になりゃ一陽来福(いちよ

うらいふく)だ。生まれ変わってやり直しだ」となる。

忘れる、やり直せる、生まれ変わって幸せになれる。みんなが信じ

るなら自分だってそう思い込んでも恥ずかしくはない、と救いにす

がれる時代だったのだろう。

(242p)  

  

「時代だった」

古典落語ができた時代を指します。

昔の方が、単純だったのでしょうか。

情報過多の今、つながっているものが多すぎて、

比較するものがおおすぎて、

気に病むことが増えたことでしょう。

「生まれ変わってやり直しだ」と単純に

言えなくなっているのかもしれません。

   

以上で「赤めだか」からの引用を終了。

「赤めだか」① まくしたてる能力

  

今日は令和2年3月4日。

  

赤めだか」(立川談春著/扶桑社)を読みました。

談春さんが立川談志さんに入門をお願いするシーン。

  

(談志)「高校はどうするつもりだ」

(談春)「辞めます」

「そうか。学校というところは思い出作りには最適な場所だ。

同級生がいて遊び場がある。だが勉強は何処でもできる。俺の

側にいる方が勉強になる。学校では会えないような一流の人間

にも会える。学歴なんぞ気にしなくていい」

「はい」

(19p)

  

談志さんの言葉に、学校関係者なのに

「なるほど!」と思っています。

勉強は何処でもできるし、

一流の人と交わることは勉強になると思います。

でも学校はもっと良くなると言いたい。

学校もいい勉強ができるところだと胸をはって言いたい。

  

  

翌日、談春(ボク)は談志(イエモト)と書斎で二人きりにな

った。突然談志(イエモト)が、

「お前に嫉妬とは何かを教えてやる」と云った。

「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であ

げつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云う

んです。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は

安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送れ

ばそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。

嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩(やから)

の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わら

ない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の

中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そし

て現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなっ

たかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理す

りゃいいんだ。その行動を起こせない奴は俺の基準で馬鹿と云

う」

(116p)

  

現状の理解と分析、そして処理。

その通りですよね。

嫉妬するエネルギーを、それらの行動に向けたいです。

きっと改善される。

嫉妬している時間がもったいない。

  

  

来た、高田文夫だ。

トレードマークと云ってもいいギョロ目は近くで見るとほんと

にデカイ。目にもまぶしい真っ赤なスタジャン。袖の部分の白

は革で談春(オレ)達が着てるスタジャンが何枚も買えるほど

高いのだろう。

「高田先生、ほ、本日は、お、お忙しい、と、ところを・・・」

志らくの挨拶をさえぎって高田が云う。

「志らく、お前なんか云わなくていいから。相変わらず口が不

自由だな。可哀そうな噺家だよ。来ちゃったよ。馬鹿野郎。前

座の会なんか観に来るのは初めてだよ。俺に歴史をつくらせや

がって憎いねどうも。こっちの兄(あん)ちゃんは?談春?フ

ーン、しっかりやってくれよ、頼むよホント。お前等何席ずつ

演るの、二席ずつ?災難だなァ。何が悲しくて前座の落語を四

席も聴かなきゃならないんだ。俺そんなに悪いこと何かしたか」

速い。自己完結する会話のスピードと、売れている人間独特の

オーラとでも云うのだろうか。妙なまぶしさで談春(オレ)は

息苦しくなった。

(171~172p)  

    

これだけまくしたてる能力をもつ高田文夫さんは、

すごい人なんだと思った文章です。

  

ページが戻ってしまうけど、立川談志さんが、

弟子たちに指示を出すところも圧巻です。

まくしたてています。

  

ひととおりの掃除をしているうちに談志(イエモト)が起きて

くる。揃って朝の挨拶に伺った途端、指示が飛ぶ。

「二階のベランダ側の窓の桟が汚れている、きれいにしろ。葉

書出しとけ。スーパーで牛乳買ってこい。庭のつつじの花がし

ぼんで汚ねェ、むしっちまえ。留守の間に隣の家に宅急便が届

いている、もらってこい。枕カバー替えとけ。事務所に電話し

て、この間の仕事のギャラ確認しとけ。シャワーの出が良くな

い上にお湯がぬるい。原因を調べて直せ。どうしてもお前たち

で直せないなら職人を呼ぶことも許すが、金は使うな。物置に

写真が大量にある。外枠の白い部分が俺は嫌いだ、きれいにカ

ットしろ。豚のコマ切れ百グラム買ってこい。戸袋に鳥が巣を

作ったようだ、うまく処理しろ、これは談々にやらせろ。スリ

ッパの裏が汚ねェ、きれいにふいとけ。家の塀を偉そうな顔し

て猫が歩きやがる。不愉快だ、空気銃で撃て。ただし殺すな。

重傷でいい。庭の八重桜に毛虫がたかると嫌だから、薬まいと

け。何か探せばそれらしきものがあるだろう。なきゃ作れ。オ

リジナリティとはそうやって発揮してゆくもんだ」

立て続けにここまで云われると人間おだやかな気持ちになるこ

とを僕は知った。なんとか覚えようとはするが無理なものは無

理。スーパーへのお使いはこれとこれ、掃除はココとココ。急

ぐ用事はあれで、時間をかけてもいいのは庭のものと、いくら

か系統だててくれれば、覚えられる可能性を若干残すだろうが、

談志(イエモト)は思いつくままに云い立てるからひとつも頭

に残らない。一番恐ろしいことは、談志(イエモト)は云いつ

けた用事をひとつ残らず覚えていて、一日の終わりに全てチェ

ックが入るという事実。

(45~46p)

  

この出来事も含めて、この本を読んで、

立川談志さんはやっぱり天才だったんだと

思うようになりました。

でも談春さんも、よく思い出してこの指示を書いたなあ。

この指示の後に起こった珍事の数々が、

忘れられない出来事だったのでしょう。

2020年3月 3日 (火)

岩手県田野畑村/「ラジオ文芸館 梅の蕾」

  

今日は令和2年3月3日。

  

2011年7月にNHK「ラジオ文芸館」で放送された

吉村昭さんの短編小説「梅の蕾」を勧められて聞きました。

検索すると次の記事がヒット。

放送されたのが7月17日だとわかります。

masami71の日記 ラジオ文芸館「梅の蕾」 (2011年7月17日)

ネット上で聞くこともできました。

ニコニコ動画 【ラジオ文芸館】吉村 昭 「梅の蕾」

  

いい話でした。

内容はここには書きません。

よかったら聞いてみてください。

  

このお話は、岩手県田野畑(たのはた)村がモデルになっています。

「ラジオ文芸館」の一部聞き書きです。

  

村を訪れる者は、村の前面に広がる海の景観に驚嘆する。

岸をふちどるリアス式海岸は、

全国随一と言われる屹立(きつりつ)した断崖の連なりを形成し、

海は澄み、磯も砂浜も自然のままの姿を保っている。

  

どんな景観なのだろうと、田野畑村のHPに行ってみました。

驚きです!

32 田野畑村HP

  

HPの表紙で、いきなり上記の文章通りの景観を見ることができました。

  

村を紹介する動画です。☟

リアス式海岸の美しさは素晴らしい。  

  

 

しかし、この地形だからこそ、津波は高くなります。

9年前の東日本大震災で被災した村です。

たのはたジオワールド ジオの脅威! 東日本大震災「平成の三陸大津波」

  

 

  

今晩は、川内村に引き続き、

田野畑村を記事にしました。

全国に村は183(2018年10月現在)あるそうです。

そのうちの2つです。

みんなの知識 ちょっと便利帳

福島県川内村/7年ぶりに記事にします

今日は令和2年3月3日。

  

人間の脳は、新しいことでどんどん上書きをされると言いますが、

すっかり上書きされて、その下に隠れていたものが、

偶然浮かび上がってきました。

この記事です。☟

ここでも道草 2年後の福島県川内村/これからも注目(2013年3月10日投稿) 

 

7年前のこの記事を読み直して、愕然としました。

記事のタイトルに「これからも注目」と書いたし、

記事の最後には、次のように書いています。

 

アンテナを立てて、川内村情報はキャッチしていきたい。

このブログにも書き残していきたい。

  

こうやって書いたのに、川内村に関して全く書きませんでした。

なにやっているんだ、自分。

今回の福島旅行で、大熊町とか富岡町に行ったのに、

すぐ横の川内村に行っていません。

すっかり忘れていました。

Epson251 ☝ 2月25日朝日新聞朝刊より

  

聖火リレーのルートにもなっている川内村。

  

事前に思い出すことができていたら、今回行けたのになあ。

また行きたくなった福島県。

 

7年前、川内村は人口を増やすことを目標にしていました。

2012年10月現在で1163人でした。

現在はどうなったのか調べました。

川内村HP

31 2月29日現在で2507人でした。

増えた!

元の人口が3000人で、

目標が5000人だと7年前に言っていました。

そこに向かって増えている状態だと思いたいです。

  

   

 

  

ブログもまもなく7000記事となります。

川内村のように上書きの下に沈んでしまうこともあるでしょう。

でも、ブログにうってさえおけば、

今回のように浮き上がってくる可能性もあります。

やはり、気になったことは、

ブログに書き留めておきたいと思います。

それが私に与えられた時間の使い方です。

2020年3月 2日 (月)

「生き物の死にざま」② チョウチンアンコウの場合

  

今日は令和2年3月2日。

  

前投稿に引き続き、

生き物の死にざま」(稲垣栄洋著/草思社)のことを

書いていきます。

  

引用します。

  

チョウチンアンコウのオスは、メスの体に噛みついてくっつき、

吸血鬼のようにメスの体から血液を吸収して、栄養分をもらっ

て暮らすのである。本当に寄生虫のような存在なのだ。

(67p)

  

  

まさにチョウチンアンコウのオスは、女性に養われているひも

のような存在なのだ。

それにしても、チョウチンアンコウのオスのひも生活は徹底し

ている。

メスの体についたオスは、メスに連れられていくだけで、自分

で泳ぐ必要もない。そのため、泳ぐためのひれは消失し、餌を

見つけるための眼さえも失ってしまう。それだけではない。メ

スの体からオスの体に血液が流れるようになれば、餌を獲る必

要もないので内臓も退化する。そして、メスの体と同化しなが

ら、子孫を残すための精巣だけを異様に発達させていく。

(中略)

チョウチンアンコウのオスは、受精のための精子を放出してし

まえば、もう用無しになる。

(68p)

  

  

生命の進化を顧みれば、生命は効果的に子孫を残すことができ

るように、オスとメスという性の仕組みを作り上げた。メスは

子孫を産む存在である。そして、オスは繁殖を補う存在として

作られたのだ。そもそも、すべての生物にとってオスは、メス

が子孫を残すためのパートナーでしかない。誤解を恐れずに言

えば、生物学的には、すべてのオスはメスに精子を与えるため

だけの存在なのだ。

(69p)

  

  

前記事で、オス(男)としての自己肯定感は少々失うと書きましたが、

チョウチンアンコウのこの生態が、

人間も結局のところそうなのかと思えたからです。

「生き物の死にざま」① 目次をずらっと・・・

今日は令和2年3月2日。

  

この本を読みました。

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生き物の死にざま」(稲垣栄洋著/草思社)

   

面白い本でした。

オス(男)としての自己肯定感は少々失いますが、

それぞれの生き物の生態は興味深く、

たくさん引用したくなる本でした。

この本は、図書館で借りた本ですが、

もう買ってしまおうと思います。

買って、身近に置いておいて、隙あらば再読したいと思います。

  

ここに目次をコピーします。

  

1 空が見えない最期──セミ

2 子に身を捧ぐ生涯──ハサミムシ

3 母なる川で循環していく命──サケ

4 子を想い命がけの侵入と脱出──アカイエカ

5 三億年命をつないできたつわもの──カゲロウ

6 メスに食われながらも交尾をやめないオス──カマキリ

7 交尾に明け暮れ、死す──アンテキヌス

8 メスに寄生し、放精後はメスに吸収されるオス──チョウチンアンコウ

9 生涯一度きりの交接と子への愛 タコ

10 無数の卵の死の上に在る生魚──マンボウ

11 生きていることが生きがい──クラゲ

12 海と陸の危険に満ちた一生──ウミガメ

13 深海のメスのカニはなぜ冷たい海に向かったか──イエティクラブ

14 太古より海底に降り注ぐプランクトンの遺骸──マリンスノー

15 餌にたどりつくまでの長く危険な道のり アリ

16 卵を産めなくなった女王アリの最期──シロアリ

17 戦うために生まれてきた永遠の幼虫──兵隊アブラムシ

18 冬を前に現れ、冬とともに死す“雪虫”──ワタアブラムシ

19 老化しない奇妙な生き物──ハダカデバネズミ

20 花の蜜集めは晩年に課された危険な任務──ミツバチ

21 なぜ危険を顧みず道路を横切るのか──ヒキガエル

22 巣を出ることなく生涯を閉じるメス──ミノムシ(オオミノガ)

23 クモの巣に餌がかかるのをただただ待つ──ジョロウグモ

24 草食動物も肉食動物も最後は肉に──シマウマとライオン

25 出荷までの四、五〇日間──ニワトリ

26 実験室で閉じる生涯──ネズミ

27 ヒトを必要としたオオカミの子孫の今──イヌ

28 かつては神とされた獣たちの終焉──ニホンオオカミ

29 死を悼む動物なのか──ゾウ

      

  

目次を見ると、面白そうでしょ。

この中で、1つだけ引用するとなると

チョウチンアンコウを選びますね。

次の記事で。

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