2020年5月 5日 (火)

「長期ひきこもりの現場から」⑪ ”優しさ”と”温もり”と”流されない厳しさ”のバランス

  

今日は令和2年5月5日。

  

前々日の続きで、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

⑪まで行くのは珍しいけど、まだ続きます。

  

当事者と家族の話です。

  

 埼玉県北部K市の立花さん一家も”忖度家族”だ。ハルキ君(27)

はもう10年ほどひきこもっている。高校を中退してからひきこも

ったのだが、両親ともに息子がひきこもったのは、「親である自分

たちの育て方がまちがっていたからだ」と思っている。父親が言う。

「私も妻も共働きで、子供を早くから保育園に預けてしまい、子育

てに預けてしまい、子育てに時間を割けませんでした。今も何かあ

ると、そのことを子供に指摘されます。親としても自覚があるだけ

に、言い返せなくなってしまって。結局、子供の言いなりになって

しまいます。それに、先日まであるひきこもりの支援団体に相談に

行っていたのですが、そこでは”子供の要求には、どんなことがあ

ってもできるだけ応えてあげてください”と言われましたし・・・」

 ひきこもる子供の要求には何でも応えなさいーーーとは、状況に

よっては、たしかに効果はある。たとえば、親が子供の声をまった

く聞かず、抑圧や虐待すれすれの育児を繰り返した場合(まだひき

こもり問題の深刻さが理解されていない2000年前後やそれ以前

のひきこもりの親には、よく見られた)や、ひきこもり中の子供の

言動の荒れ方がとにかくひどいとき、それにひきこもりの子供の症

状が軽くて、人間的に年相応に成長しているときなどである。

 しかし、それでもあくまで緊急避難的な措置で、子供が未成熟な

状態のまま、子供の要求に応え続けていると、依存や逃避などの問

題が新たに生じることがある。たとえば最初にたくさんの小遣いを

渡しておいて、のちに小遣いの額をカットしようとしても、既得権

と化してしまって、変更は難しく、家計が破綻するおそれもある。

買い物や手続き関係など何か面倒くさいことがあると、すべて親に

代わりにやってもらおうとして、子供が生活力を身につけられなく

なることもある。

 子供を温かく見守るのは大切なことだが、過保護や過干渉がすぎ

ると、かえってひきこもり状態を長引かせたり、こじらせてしまう

から注意が必要だ。

 逆にスパルタ的にただ厳しく対応するだけなのは、さらにひきこ

もり問題を深刻化させてしまう。”優しさ”と”温もり”と”流されない

厳しさ”のバランスが重要だ。ひきこもりと孤立状態が長引くと、親

も子供も、このバランスがとれなくなってしまう。

 立花さんの家の場合は”課金地獄”に陥った。

(217~219p) 

  

う~ん、引用がどうしても長くなってしまいます。

結論は太字のところだと思いますが、先の文章がないと、

後日読んでも理解が十分できないと考えます。

 

立花さんのような家族と接するかもしれない。

石川さんの体験談は、希少であるので勉強になります。

「匝瑳市」「行方市」は何と読むか?

   

今日は令和2年5月5日。

  

昨晩は愛知県の廃線のひとつ田口線が出るかなと思って、

この番組を午後10時から見始めていました。

Rimg2190

ところが10時7分くらいに突然この画面。☟

Rimg2191 

さらにはアナウンサーが画面に映り、地震情報を伝え始めました。

Rimg2192

Rimg2193

 

ここで驚いたのは、アナウンサーが市町名を次々に伝えるシーンです。

Rimg2194  

神栖市(かみすし) そうかなとは思いました

匝瑳市(そうさし) 読めませんでした

山武市(さんむし) 「やまたけし」かなと思いました。

多古町(たこまち) 「たこちょう」ではなくて「たこまち」

Rimg2195  

行方市 これは難しい!

    何と読むか知っていましたか?

    茨城県です。

    読み方は「なめがたし」!

 

その他、たくさんの市町名を、よどみなく読んでいたのに感心しました。

ちなみに「アーカイブ秘蔵映像でよみがえるにっぽんの廃線100」

5月6日の午前9時から放映されることになりました。

次回の大河ドラマ「麒麟がくる」は道三の最期?

 

今日は令和2年5月5日。

  

2020年5月4日の朝日新聞朝刊「天声人語」を

書き写します。斎藤道三に関する記述でした。

  

 岐阜・金華山のふもとにある常在寺の北川英生(えいしょう)住

職(79)はこのところ、大河ドラマ「麒麟がくる」が気になって

仕方がない。わが寺を菩提寺とする武将の斎藤道三を熱心に見守る

▼「本木雅弘さん演じる道三には貫禄がある。この寺にも来られ、

道三の肖像をにらんでヒゲの生え方まで研究して帰られました」。

ドラマでは主役の明智光秀に勝るとも劣らぬ存在感を放つが、住職

が幼いころは地元でも忘れがちな武人だった▼道三といえば、下剋

上の代名詞だろう。油売りだった父を持ち、主家を乗っ取った経歴

から、もっぱら悪役「美濃のマムシ」として知られた。だが197

3年以降は大勢のファンが岐阜へ押し寄せる。その年の大河「国盗

り物語」で平幹二郎さんが熱演し、にわかに魅力あふれる存在とな

ったからだ▼1日に何千人も訪れ、本堂の床が抜けそうになった住

職は話す。それでも長年の梟雄(きょうゆう)イメージが払拭され

ていく手応えがあった。「水路や道路、市場など内治にも尽力し、

城下町の土台を固めた功労者です」▼久方ぶりの大河登場とあって

地元は沸いた。ところが感染症の猛威で、4月初めの恒例の「道三

まつり」は中止となった。この大型連休も、期待された観光のにぎ

わいも見えないままだ。▼さて昨夜の放送で道三の破竹の人生もい

よいよ大詰めに。特徴的なヒゲにしばし見入った。長らく狡猾な「

国盗り」の悪漢と目されてきたが、将来は、「国造り」に燃える主

役として語り継がれていく予感がする。

 

79歳の住職が幼き頃は、斎藤道三は、

地元でも忘れがちな武人だったことに驚きました。

そうだったのですね。

テレビの力は強し。

私は子どものころに「国盗り物語」を見て、

斎藤道三はメジャーな人と思っていました。

その大河ドラマ「国盗り物語」が大きな転機だったのですね。

ここでも道草 46年ぶりに見た大河ドラマ「国盗り物語」(2019年6月29日投稿)

    

不明な熟語がありました。

梟雄=残忍で強く荒々しいこと。また、その人。悪者などの首領をいう。

引用:コトバンク

梟は「ふくろう」

2020年5月 4日 (月)

黒板アートに挑戦③ 今度はチョッパー

今日は令和2年5月4日。

  

今日はのこのこ学校に出向いて、

黒板アート風の絵を再び描いてきました。

Rimg2189

Rimg2187  

今度はチョッパーです。

元の絵は次のサイトにありました。☟

【ONE PIECE】 チョッパー 画像まとめ 【100枚以上】 壁紙・高画質

 

この写真を家族に見せました。

おでこに帽子の影があるのですが、

ダークなチョッパーに見えると言われました。

う~ん、確かに写真を見るとそう思えますが、

教室で見た時にはそう感じなかったので、

まあいいかなあ。

  

「元気にやってる!」

「待ち遠しいね!」

そんなセリフを書いて、写真に撮って、

生徒たちに送りたいと考えています。

  

  

 

ニュースで、最近、郵便配達の人たちの仕事が

増えたと言ってました。

その理由の1つが、先生が郵便を使って、

児童・生徒にいろいろ送るようになったからとのこと。

私もその一人だ!と思いました。

  

  

黒板アート風1作目はこれでした。☟

ここでも道草 入学・進学祝い/黒板アートに挑戦②(2020年3月11日投稿)

 

2020年5月 3日 (日)

「長期ひきこもりの現場から」⑩ 当事者だけでなく、その家族も

  

今日は令和2年5月3日。

  

今晩もう1本!

前々記事に引き続いて

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 両親は(中略)保健所へ何度も相談に行った。医療機関にも十数

回にわたり相談に出かけ、支援団体にも足を運んだ。

 しかし「まず本人をなんとかして連れてきてください」「別の専

門家に相談してください」「あせらず気長に考えましょう。また来

てください」」などと言われるばかりだった。

 両親は(ひきこもっている)孝徳君に昔「一度病院に行かないか

?」とメモや声かけで勧めたことがある。

 すると、次の日の朝食のあと、食卓に孝徳君は次のようなメモを

残していた。

「病院に連れていくなら、必ず自殺します。孝雄と絹代に殺される

わけです。ぼくがこうなったのは、孝雄や絹代が僕の苦しみを無視

して、学校や勉強をさせたことが原因です。これ以上、ぼくを苦し

めてどうしたいの?もうお願いしますよ」

 そのメモを見て以来、両親は孝徳君と向き合う気力が消滅した。

しばらくの間、夫婦ふたりで夜通し号泣して過ごした。父親はその

後、二度と孝徳君に声をかけられなくなった。

 ひきこもりを抱える家族の場合、当事者だけでなく、その家族も

心をズタズタに引き裂かれる。誰も悪いわけではないのに、である。

 こうしてひきこもりの孝徳君に両親が忖度し続ける”忖度家族”が

できあがった。両親の心中では”忖度”というより”謝罪”の意識なの

かもしれない。その意識が正しいかどうかはともかくとして、両親

にも心の支援が必要だ。

(216p)

  

  

この事例は辛いです。ひきこもり(不登校)は、

家族だけで解決できるものではないと思います。

だれか時間をかけて介入できる第3者が必要だと思います。

ここまで引用すると、この家族のその後が知りたくなりますよね。

続きを引用します。

  

 僕(石川清さん)が相談を受けて、1年あまりが経った。手紙

や声かけを続けているが、本人と顔をあわせたことはない。しか

し、ドア越しに会話をすることはできるようになった。

 また孝徳君は月に一度くらいは外出するようにもなった。その

時は決まって、朝の6時前に外出し、両親が寝たあとの夜の11

時過ぎに帰宅する。両親と顔を合わせたくないらしいのだが、ど

こで何をしているのだろうか。

 ただ、話し合いの甲斐があって、心療内科にも一度、ひとりで

通院を始めた。かなり遠方の病院に通ったようだが、「お医者さ

んは僕を”病気じゃないから、治療に来なくていい”と言いました」

と言って、治療をうち切られたという。その医者がどこの誰なの

かまったくわからないので、詳細はわからない。

 孝徳君と”忖度家族”の脱ひきこもりの道のりはまだまだ長い。

時間がかかりそうだ。

(217p)  

 

変化はありましたが、解決には至っていませんでした。

ここから学びたいのは、石川清さんの心がまえです。

焦らず、間違った手段をしないように慎重に、

根気よく対応するということです。

覚悟がいるということです。

「愛は勝つ」はいい曲だとあらためて思いました

  

今日は令和2年5月3日。

  

昨晩放映された番組「ザワつく金曜日」で、

この動画が紹介されました。


YouTube: 高嶋ちさ子 「ザワつく音楽会2020」テレワークで「愛は勝つ」を弾いてみた

 

「愛は勝つ」がいい曲だとあらためて思いました。

自粛中の日本とって元気の出る曲です。

 

高嶋ちさ子さんは、他にも動画をアップしていました。

嶋ちさ子 岸谷 香 テレワーク演奏「Diamonds<ダイアモンド>」

 

この動画に届いたコメントのうち1つをコピーします。

 

皆さまに感謝を伝えたくコメントさせて頂きます。

私は医療従事者ですが、毎日帰宅後そのままお風呂へ直行し

全てを洗い流しながら最近よく涙してしまいます。

不安からだけでなく、最近多くの方々が医療従事者に対しての

感謝を表してくださるからです。

仕事中は自分でもよくわからない色々な感情が押し寄せ

不安定になりそうにもなりますし、

なにより両親がとても心配しており

そんな不安な毎日を送らせていると思うと辛くもなります。

でも最近、YouTubeのコメント欄もそうですし

メディアでも目にしますが、皆さまのありがとうの一言に

救われている医療従事者は本当に本当に多いです。

こちらこそ、ありがとうございます。

そして音楽の力も偉大です。改めて実感しました。

これからも楽しみにしています。 長文失礼いたしました。 

  

以前、医療従事者の親の意見が書かれた記事を紹介しました。

ここでも道草 記事「娘が看護師というジレンマ」(2020年4月27日投稿)

今回は医療従事者自身の発言です。

両親が心配していること、

本人も不安に思っていること、

帰宅してそのままお風呂に直行していること等、

医療従事者自身の状態・思いが知れてよかったです。

いろいろな立場の人の気持ちを

こうやって知っていきたいです。

みんな同じたいへんな時期を過ごしている人たちです。

「長期ひきこもりの現場から」⑨ ゴリゴリの嫌韓、嫌中論者になってしまう理由

  

今日は令和2年5月3日。

  

前記事に引き続いて

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 ツグオ君はひきこもるまで、ずっと周囲に気を配り、周りの人た

ちの空気を読み続けてきた。そして、空気を読み続けたり、周囲に

気を配り続けることについに疲れ、ひきこもった。

(175p)

  

こういう人もいるということです。

私もこの傾向があると思います。

  

次は友和君というひきこもりの人の話。

 

 新聞やテレビはほとんど見ず、情報源はもっぱら「Yahoo!ニュー

ス」だった。

「それでひととおりわかりますから、十分ですよ」

 インターネットはさまざまなニュースができる情報の宝庫だ。ただ、

検索したり、リンクをたどると、どうしても自分の関心がある情報や

見たいニュースしか接しないことが多くなる。自分の興味のある分野

については、人一倍よく知っている反面、関心がない分野については

驚くほど知らないことがある。

(184p)  

インターネットのニュースのみだと偏る可能性が高いでしょうね。

  

閑話休題    

最近、amazonのホームページを見て驚きます。

私が欲しいなと思う本が、気持ち悪いくらいに、

いかがですかと宣伝で並んでいるのです。

その本を、amazonのホームページで検索した覚えがありません。

どこからの情報だろう?

ゾッとしました。

  

  

 友和君は、自分が日本人であることに人一倍プライドをもってお

り、最近の自分の国である日本を卑下する論調や人たちに対して、

強い怒りや不満を抱いていた。政治や社会のことをいつも考えてい

て、社会意識が偏るきらいはあるが、かなり高いほうといえる。

 特にここ数年の中国や韓国などの傍若無人な日本批判ぶりや、軍

事的な挑発行為などに怒りを抱いていた。そのため、坊主憎けりゃ

袈裟まで、ではないけれど、観光で来日して我が物顔で街を集団で

歩く大勢の中国人や韓国人に対しても、強い反感を抱いていた。

(184p) 

 

参考までに、この本が出版されたのは3年前の2017年2月です。

この文章を読み直した時に、

韓国や中国との関係がどうなっているかな。

  

続きを引用します。ひきこもりの人と長く多くかかわっている

石川清さんだからわかることだと思います。

  

 ひきこもりの若者にこのような考えをもつ人が多いのには、理由

がある。日本が批判されたり、否定されたりすると、まるで”自分”

が批判されたり、否定されたように感じてしまうのだ。

 もともと、今の自分はきちんと評価されていないとか、順調に生

きていないという自覚はあって、そうしたなんとなくの挫折感や不

遇感は、強い心の澱(よどみ)=コンプレックスになっている。そ

れらが生み出すストレスはどこかにはけ口を求めていて、外国はそ

のはけ口の対象にしやすいのだ。ひきこもりにとって、外国は最も

世界の対極にある存在で、ふだんは馴染みのない存在だ。つまり、

いろいろなことを言いやすいのである。何を言っても仕返しされる

心配はないのだから。近所や同級生の悪口を大声で堂々と言うより

は、はるかに言いやすい。

 ひきこもりの皆がこういう考えではもちろんない。しかし、意外

とたくさんいるのである。

 とにかく友和君はゴリゴリの嫌韓、嫌中論者だった。

 友和君たちが祖国日本に誇りをもつ根拠はもちろんある。生まれ

た時から、日本は世界第3位(少し前までは2位だったが、最近中

国に抜かれてしまった)の経済大国であり、先進7か国が参加する

サミットのアジア唯一の主要メンバーでもある。

 だから、このまま大国としての日本であり続けてほしいと願って

いる。そして、大国なのに外国から批判されてしまうのは、理不尽

に思えて腹立たしく、我慢がならないのだ。

 先進国であり、経済大国の国民であるから、自分もすごいんだ、

自分をもっとリスペクトしろ、という気持ちになる。途上国の人に

対して、差別や蔑視とまではいかなくても、かなりの優越感をもっ

ている。

(184~185p)

   

 

そうか、こう考えるのかと思いました。

「自分もすごいんだ」にまでつながる考え方は

なかなか見抜けるものではないと思いました。

この本が勉強になるのは、

経験した人だからわかるようなことがたくさん書いてあるからです。

それがありがたいことに、300pほど読むことで

知ることができるのです。

 

 

「長期ひきこもりの現場から」⑧ ひきこもりの人の”初笑い”体験

 

今日は令和2年5月3日。

  

少し間が開いてしまいましたが、

4月13日の続きで、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

この本は「ひきこもり」「不登校」について参考になることが

まだまだたくさんあります。

  

石川清さんが、ひきこもりの人(茂雄君)と

一緒に海外旅行をしていた時のこと。

  

 その宿の食堂で談笑しながら食事をしていたときのことだった。

突如として茂雄君の笑いが止まらなくなってしまった。2分、3分

・・・・5分・・・・茂雄君の笑いはなかなか止まる気配がない。

それどころか、5分を過ぎたあたりで、こんな奇声を発した。

「ハハハハ、い、行きができませんっ!フハハハハッ」

 笑いすぎて息継ぎのタイミングがどうやらわからなくなったよう

だ。とはいえ、普段から時々、笑ってはいたが、いったいどうした

のだろうか。ちなみに、茂雄君も僕も酒はまったく飲んでいない。

僕はアルコールアレルギーの下戸なので飲めないし、茂雄君も酒を

飲む習慣はなかった。

 5分を過ぎても、笑いはまったく止まらない。息継ぎはあいかわ

らずうまくできないようだ。笑いながらお腹を抱えて、椅子から崩

れ落ちて地べたに座ったり、寝転んでいる。それでもしばらく笑い

続けていた。(中略)

 10分近くたって、ようやく笑いがおさまった。

「あー、楽しかったけど、しんどかった・・・・」

 どうやら、僕と話していて、気分が高揚してきて、すごく楽しい

というか、幸せな気分になったらしい。そして、笑いだしたのだが、

いつもの笑いと全然違うというのである。

「正直言って、今までなんとなく笑わなければいけないんじゃない

かな、と思って、笑っていたものばかりでした。無理したわけじゃ

ないですけれども、周りの空気を意識しながら笑うというか。愛想

笑い延長、みたいなものかもしれないです。テレビを見て笑ったこ

とはありましたが、ひとりで笑うそれとも全然違いました。

 今の笑いは、突然自然に湧き上がってきた笑いなんです。不意打

ちでした。準備もできないうちに、勝手に笑いだしてしまったので、

息をするヒマもなくなって、生まれて初めてですよ。純粋におかし

くて笑ったのって。僕は本当に笑ったことなかったから、笑い方を

知らなかったんですね・・・・・」

 その後も何度か大笑いしたが、じょじょに息継ぎはうまくなって

いった。というより、その後は周囲を気にすることなく、茂雄君は

よく笑うようになった。

(173p)

 

 

”初笑い”体験者がもう一人紹介されていました。

シンゴ君。石川さんと沖縄旅行中でした。

 

 首里城の博物館を一緒に見学した。その展示物に”チブルシーサー”

があった。

 シーサーとは、沖縄の魔除けで本土では狛犬にあたる。チブルとは

琉球の言葉で”頭”の意味で、チブルシーサーとは異様に頭でっかちの

愛嬌あるシーサーのことだ。ちなみにウルトラセブンに登場するチブ

ル星人のモデルともいわれている。

 そのチブルシーサーを見て、僕が右(上)のような解説を始めた途

端、突然笑いだしてしまった。茂雄君と同じようになかなか笑いが止

まらない。そして「い・・・息ができませんっ」とつぶやいて、床に

転げながらしばらく笑い続けていた。

 数分後にようやく落ち着いたとき、こう言った。

「ああ、面白かった。チブルシーサーとチブル星人のイメージが頭の

中で重なってしまった途端、不意に楽しくなって、笑いだしてしまい

ました。こんなの初めてです。本当に笑ったのは初めてかもしれませ

ん。自然に不意に笑いの衝動って、湧き上がってくるんですねぇ。息

が続かなかったです。笑いながら息をするのって、どうやってやるん

でしたっけ?」

(174p)

 

こうなると、チブルシーサーと見たいし、

チブル星人を思い出したい。

 

チブルシーサー

Ikutouen_chiburusisa102 和雑貨美輪

  

チブル星人

Photo 趣味とかコレクションとか

 

ひきこもりの人は、笑いについてこのような状況なのだと知りました。

この件については、「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも

扱われていました。

ここでも道草 「ひきこもり支援 石川清」⑤ 取材者から支援者になった(2020年3月10日投稿)

 

私がこれから接する不登校の子にも

この可能性があると思って接したい。

石川さんのような努力をすることの結果で、

”初笑い”現象が起こるのですね。

実際に目の前で見たい。

2020年5月 2日 (土)

映画「42~世界を変えた男~」を見ました/42番と1番

今日は令和2年5月2日。

  

映画「42~世界を変えた男~」(2013年)を見ました。

これが予告編動画です。☟


YouTube: 映画『42 ~世界を変えた男~』予告【HD】 2013年11月1日公開

  

Photo  

この42番に1番が寄り添うシーンが一番よかったです。

涙、涙でした。

なぜアメリカ大リーグでは4月15日に全員が背番号42なのかも

このシーンでわかりました。

ここでも道草 「不可能の反対語は可能ではない。挑戦だ」と言った大リーガー(2020年4月20日投稿)

  

先日見た映画「オデッセイ」もよかったけど、

この映画もよかったです。

充実の2時間でした。

 

7年前の映画でした。

こうやって見逃しているいいものはたくさんあるんだろうなあ。

出合えたことをラッキーと思い、

こうやってブログに書き残しておきたいです。

  

 

 

「1番」はすぐに寄り添ったのではありません。

「42番」の人知れずの頑張りに知って、驚き、葛藤して、

寄り添うことを決断しました。

「1番」は「42番」のおかげで、偏見を脱しました。

「42番」は「1番」のおかげで、安堵をもらいました。

限られた時間の授業で見せるなら、この2人の話のところですね。

「1番」も「42番」もお手本になる人です。

  

すでに見た人は共感してくれると思います。

まだ見ていない人は、お薦めの映画です。

  

◇5月3日追記

5月3日朝日新聞朝刊より。広島カープの大瀬良選手が

お薦めの映画として紹介していました。

Epson307  

確かに気持ちは高ぶる映画です。

 

「三陸海岸大津波」③ 古老が「死ぬ人はめったにない」と思っていた でも・・・

 

今日は令和2年5月2日。

  

前記事に引き続いて

「三陸海岸大津波」(吉村昭著/文春文庫)のことです。

  

前記事で田老町の防災の歴史について書きました。

  

「三陸海岸大津波」のラストは、明治29年の大津波、

昭和8年の大津波、昭和35年のチリ地震津波、

さらには昭和43年の十勝沖地震津波も経験した

岩手県田野畑村の早野幸太郎氏(小説発刊時87歳)の

言葉で締めくくられています。

  

 早野氏は、言った。

「津波は、時世が変ってもなくならない。必ず今後も襲ってくる。

しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、死ぬ

人はめったにないと思う」

 この言葉は、すさまじい幾つかの津波を体験してきた人のもの

だけに重みがある。

 私は、津波の歴史を知ったことによって一層三陸海岸に対する

愛着を深めている。屹立した断崖、連なる岩、点在する人家の集

落、それらは、度重なる津波に堪えて毅然とした姿で海と対して

いる。そしてさらに、私はその海岸で津波と戦いながら生きてき

た人々を見るのだ。

 私は、今年も三陸海岸を歩いてみたいと思っている。

(178p)

  

田野畑村は、下閉伊郡にある村であり、

かつて田老町もおなじ郡内でした。

田野畑村については、ここで記事にしました。☟

ここでも道草 岩手県田野畑村/「ラジオ文芸館 梅の蕾」(2020年3月3日投稿)

  

 

吉村昭さんの亡くなった年を調べました。

2006年(平成18年)7月31日です。

したがって、東日本大震災の前に亡くなっています。

  

吉村さんが書いたように、田老町では防災の歴史を積み重ね、

田老町だけではなく、三陸海岸の町々は、

津波に対して警戒していました。

田野畑村の古老が言ったように、

「死ぬ人はめったにない」はずでした。

  

しかし、吉村さんが想像した以上に、

いや多くの人たちが想像していた以上に、

東日本大震災で起こった津波は巨大でした。

  

Wikipedia 田老町より引用します。

 

2011年3月11日の東日本大震災の影響に伴い発生した津波は、

午後3時25分に田老地区に到達した。海側の防潮堤は約500メ

ートルにわたって一瞬で倒壊し、市街中心部に進入した津波のため

地区では再び大きな被害が発生した。目撃証言によると「津波の高

さは、堤防の高さの倍あった」という。市街は全滅状態となり、地

区の人口4434人のうち200人近い死者・行方不明者を出した。

「立派な防潮堤があるという安心感から、かえって多くの人が逃げ

遅れた」という証言もある。

  

 

津波によって再び三陸海岸では多くの人が亡くなりました。

自然は人間の力をやすやすと越えます。

昭和45年発刊のこの小説を読み、2011年に起こったことを見て、

あらためてそう思います。

もし、吉村昭さんが、東日本大震災の津波被害を見たら、

どんなことを思い、どんなことを書いたでしょうか。

 

 

  

 

吉村昭さんが亡くなった年を調べて、

死んだ前日の出来事に驚きました。

Wikipedia 吉村昭より引用します。

  

2005春に舌癌と宣告され、さらにPET検査により膵臓癌も発

見され、2006年2月には膵臓全摘の手術を受けた。退院後も短

篇の推敲を続けたが、新たな原稿依頼には応えられなかった。同年

7月30日夜、東京都三鷹市の自宅で療養中に、看病していた長女

に「死ぬよ」と告げ、みずから点滴の管を抜き、次いで首の静脈に

埋め込まれたカテーテルポートも引き抜き、数時間後の7月31日

午前2時38分に死去。79歳だった。

  

  

小説家ですから、客観的に自分を見て、

ここで自分の物語を自分で終わらせようと思ったのでしょうか。

長女さんはさぞ面食らったでしょう。

  

  

以上で「三陸海岸大津波」からの引用は終了。

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