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2020年2月 7日 (金)

「イタリアン・シューズ」① 「知っていなければならない」が薄れつつある・・・

今日は令和2年2月7日。

  

2月4日から始まった新しい運勢の1年間。

この1年はどんな年なのだろうと

さぐりながら進んでいます。

先日、「立春」の頃に「立川談志を聴け」(山本益博著/

小学館文庫プレジデントセレクト)」を読んでいて、

「立」の字が重なって縁起がいいようなことを書きました。

その後、ふと思い出しました。

立川談志を聴け」の中で、談志師匠の弟子として、

立川談春さんのことが書かれていました。

この川談さんの名前の中に

「立春」があったではありませんか。

昨日気がつきました。

立春の頃に、ちょうど立川談春さんの名前を見たわけです。

益々縁起がいいと思い、立川談春さんの書かれた「赤めだか」を

図書館で予約しました。

これも何かの縁。縁を大事にしたいです。

  

 

ほぼ2日で、スウェーデンの作家の小説を読み終えました。

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イタリアン・シューズ」(ヘニング・マンケル著 柳沢由実子著

東京創元社)です。

  

本のカバーには、この小説のあらましが次のように

書かれていました。

  

ひとり離れ小島に住む元医師のフレドリック。ある日彼の元に、

37年前に捨てた恋人のハリエットがやってくる。直らぬ病に

冒された彼女は、白夜の空の下、森の中に広がる湖に連れて行

くという昔の約束を果たすよう求めにきたのだ。かつての恋人

の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにする。だが、

その旅が彼の人生を思いがけない方向へ導いていくーー。

  

  

344pの小説。

印象に残った文章(どれも短い)を書き留めておきます。

  

ラジオの音が聞こえてきた。ニュースを読み上げる声だったが、

低すぎて言葉が聞き取れなかった。昔、私はいつもニュースを

読み、見、聴いていた。世界は私の注目を請うていた。ユータ

運河で女児が2人死亡。大統領の殺害。私はいつも知っていな

ければならなかった。だが、祖父母の島に移り住んでからは、

そのような習慣は少しずつ消えていった。いまでは新聞は読ん

でいない。テレビのニュースを見るのもたぶん1日おきだ。

(66p)

  

世の中に出回っているニュースを知ってどうする?

私が知らなくても、世の中は進んでいるし、さして困らない。

「知っていなければならない」というのは、思い込みか。

今に自分も、年を取ったらそう思うのだろうなあ。

いや、すでにそう思いつつあるかもしれません。

  

  

「きみは死にはしないよ」

「慰めを言わないで。もちろんわたしは死ぬわよ。誰にでも迫

ってくるものを拒むことができないときが来るの。死だけがは

っきりしている道しるべなのよ。人間にとって死とは。頭がお

かしくなった人間でさえ、死ぬときはわかるらしいわ」

(85p)

  

「死は道しるべ」  なるほど。

その道しるべの横を通り過ぎたら、

次はどんな世界があるのだろう。

  

「そのとき私は人生とはなにかがわかったんだ。人と人が近い

のは、別れるためなんだと。別れるから人と人はいっしょにい

るのだと。そういうことなんだ」

(89~90p)

  

妻子を思い出し、父親を思い出しました。

同じ家に奇跡的に住んでいるメンバー。

今は当たり前に一緒に住んでいますが、

いつかは別れるんだよなあ。

それが目的なの?

う~ん、でも実際にその日を目指して、時を過ごしてはいます。

 

  

つづく

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