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2020年1月27日 (月)

「脳科学者の母が、認知症になる」① 人間にはコントロールできないことがあるのだ

  

今日は令和2年1月27日。

  

またすごい本に出合い、読み終えることができました。

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脳科学者の母が、認知症になる

(恩蔵絢子著/河出書房新社)です。

  

図書館に返す本です。たくさん書き留めるつもりです。

認知症について現時点で関心のない方はすっ飛ばしてください。

認知症に関心をもったときに、思い出してここを読んでみてください。

いや、この本を読んでみるといいと思います。

この本については、以前記事にしていました。

ここでも道草 「脳科学者の母が、認知症になる」/「認知症の第一人者が認知症になった」(2020年1月18日投稿)

☝ この時に読みたいと思い、実行しました。

  

  

一緒に暮らしている脳科学者は、医者よりも、至近距離で患者

に接することができる。医者が患者を診るように、第三者とし

て「病気」に向き合うのではなく、脳科学者であり、もともと

の母の性格をよく知っている娘だからこそ、気付く変化がある。

私は動揺しながらも、母の様子を観察して、どんな行動が現れ、

何が原因でそのような行動になるのか、脳科学の見地から考え

ることを試みた。

日々母にはどんな変化が起きているのか、それは脳の仕組みか

ら考えるとどういうことなのか、二年半の間、日記として記録

し、考えていった。

母を「症例」として見るのではなく、徹底的に母という「個」

に向き合うことによって、「認知症」という病の普遍に触れよ

うと試みた。

「脳にはどんな変化が起こっているのか」という視点から母の

行動を観察し続けていくと、やがて不可解に見える母の言動も、

脳の働きからすると自然なことに御眼てくるようになった。

(10p)

  

やがて私は、「母らしさ」とは、何かについて考えることにな

る。つまりこういう問いだ。

人は、以前で来たことができなくなったら、それは「その人ら

しさ」を失うことになるのだろうか?

その人の記憶こそが、はたして「その人らしさ」をつくってい

るのだろうか?

(11p)

 

このような難しい「問い」に対して、

恩蔵さんは答えを求め続けます。

その答えはとても深かったです。

  

  

母は、かつては1分だって落ち着いて座っている時間がないほ

ど活発で、社交的な人だった。趣味もいっぱい持っていた。そ

んな人がアルツハイマーになるのだから、病気は無慈悲だとい

うことだ。「そんなにだらだらしているといつかボケるからね

!」とか「ボケ防止に趣味をもとう!」とか、世間では自分が

なんとかすればアルツハイマーにならないと思われているよう

なところがあるけど、母のせいなどではなかった。人間にはコ

ントロールできなことがあるのだ。

(25p)

  

だれもがなる可能性のあるアルツハイマー型認知症。

  

  

アルツハイマー型認知症は、初期に、記憶を司る「海馬」の委

縮が起こり、新しいことが覚えにくくなることが特徴である。

それに対して、レビー小体型認知症は、初期に、大脳皮質の中

の「後頭葉」という、視覚を主に司る部位に問題が起こるので、

主要な症状が幻覚で出る。つまり視覚認識に異変が起こる認知

症なのだが、こちらは病気になってから何年も経ってから記憶

障害が現れないことがある。すなわち「認知症」だからといっ

て、必ずしも記憶障害を伴うわけではないのである。

(33p)

 

父親の場合、認知症ではあるが、ルビー小体型認知症の症状も

出てきていると言われています。

  

  

つづく

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