「シリア内戦」① 物理的な達成感も味わった本
今日は令和2年1月12日。
本を読み終えることができました。
「シリア内戦」(安武塔馬著/あっぷる出版社)です。
藤原和博さんが、
本は、物理的なものであるがゆえに、読み終わったあとの達成
感がある。
(「本を読む人だけが手にするもの」170p)
と書いていました。
※参考:ここでも道草 「本を読む人だけ」⑤ 中学校では3割が情報編集力(2020年1月9日投稿)
この本は、その達成感を感じました。
全397p。
シリア内戦ぼっ発は、2011年3月のことでした。
日本では東日本大震災があった時です。
それ以後、シリアでは内戦がずっと続いていて、現在に至っています。
この本では、内戦ぼっ発から2016年までのことが書かれていました。
シリアと周辺中東諸国、あるいは米国ロシアヨーロッパ諸国が
どのようにシリア内戦に関わったのか、
ほぼ時系列の詳細に書かれています。
人の命が、簡単にもぎ取られる日が、シリアでは毎日なのです。
そして内戦が簡単に終わらないことが実感できてしまう本でした。
でも作者は、あとがきに次のように書いています。
本当の意味で内戦が終結し、シリアが元の統一国家に戻る道筋
は見えない。本書が提供する情報が、今後の状況を変える流れに、
何らかのかたちで貢献できるとすれば、筆者としての望外の
幸せである。
(387~388p)
私はこの本を読んで、2011年~2016年のこの地での
出来事が、ニュースで知ってはいたけどバラバラだったものが、
繋がってきました。その繋がった延長に、今があるんだなと
想像することができました。
この本では、最近アメリカ軍の無人飛行機で殺された
スレイマニ司令官についても書かれています。
なぜ彼が殺されて、イランがあのような反応をしたのか、
なぜ旅客機を撃墜するという悲惨なことをしてしまったのかも
見えてきました。
過去があるから今がある。今を少しでも変えていかないと、
未来はまだまだ暗いと思います。
「わかった」「なるほど」と思って読んだところに、
上の写真のように付箋を貼りました。
今からその部分だけ再読しようと思います。
そして特に手元に残しておきたい文章を書き留めたいです。
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