「君が地球を守る必要は・・・」① 鉄鉱床ができるまでの話
今日は令和2年1月31日。
1月最後にこの本を読破しました。
「君が地球を守る必要はありません」
(武田邦彦著/河出書房新社)
引用します。
真面目なことは人生でとても大切だが、真面目にも欠点もがあ
る。それは自分が真面目だととかく「自分は偉い」と思ってし
まうことだ。真面目なことと偉いということは違う。真面目だ
けではダメで、真面目な人は人一倍、勉強して力をつけないと
いけないと孔子様は教えて下さった。
(26p)
地球が出来てまもなく原始の海が作り出され、そこには大量の
鉄が融けていた。だからその頃の海は汚い緑色をしていたので
はないかと想像される。その鉄が生物のはき出す酸素で酸化さ
れて赤茶けた鉄になって沈殿した。汚い色の鉄が沈殿して次第
に現在のような澄んだ海に変わっていった。
この時代にもし寿命が10億年ぐらいあって海岸線に住んでい
たら、徐々にキレイになっていく海を見ることができただろう。
沈殿した鉄は海流に乗ったり、生物の中に取り込まれたりして
集まる。そうして鉄鉱床になって、さらに10億年以上が経ち、
今から3400年ほど前から人類が使い始めた。海の生物が
CO2を吸収して酸素を出している時、まさか数十億年後に人間
という動物が登場して、沈殿した鉄を使うとは全く考えもしな
かった。でも、このことが起こらなければ人類は「鉄器時代」
を迎えることもできなかったのである。
(31~32p)
社会科の授業でも語れる内容です。ここに取り置きしました。
筆者が長い地球の歴史や人類のこれまでの足跡を勉強すると、
生物や人間の出来ることは「今の瞬間を一所懸命に生きること
で、将来を考えるとろくなことはない」ということだった。
(40p)
人間だけでなく生物もそうだということ。
一生懸命にやってきた結果が、今の地球です。
恐竜は生物としては設計が成功した部類で、実に2億年も生き
延びて地球を支配した。人間はせいぜい500万年ぐらいだか
ら、恐竜のすごさが分かる。
(43p)
なるほどです。
武田教授の本は「なるほど」と思うことが多いです。
ヒットラーがユダヤ人を皆殺しにしようとした時に、もし学問
の自由が政治に優先したら、「ユダヤ人は普通の人だから殺し
てはいけない」と言う学者がいただろうし、もし新聞が報道の
自由をもっていたら、「今日は、100人のユダヤ人が収容所
で殺された。その中には何の罪もない女子中学生もいた」と新
聞に書いただろう。
「みんなが心を合わせてする」というのは良いことだが、時に
は悪いことに対してみんなが心を合わせてしまうこともある。
(79p)
教訓です。人間は冷静にならないととんでもないことを
してしまうことあり。
つづく
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