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2020年1月 6日 (月)

「地熱の本」① なぜ火山ができるかの説明は難しい

 

今日は令和2年1月6日。

  

本を読破しました。

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地熱の本」(江原幸雄著/電気書院) 

  

引用します。

   

地熱発電はほかの再生可能エネルギーによる発電に比べ、季節

や日々の天候の影響がなく、極めて安定しており、使い勝手が

良い、それだけでなく、火山国日本は発電のための地熱資源量

が世界第3位と恵まれており、まさに日本向きである。さらに、

地熱発電所の心臓部である「地熱蒸気タービン」の供給は、日

本の三大電機メーカー(東芝・富士・三菱日立)が世界の70

%を占めており、技術的に見て圧倒的に優勢である。

 しかし、残念ながら、地熱資源が多いにもかかわらず、発電

技術も極めて優れているにもかかわらず、現在わが国で利用さ

れているのは地熱資源の約3%(地熱発電設備容量に換算して

約50万kW)で世界10位に甘んじている。その状況が近年

いわゆる2011年3.11以降)急激に変わりつつある。

    

「はじめに」からの引用ですが、この本の大事なことは

あらかたここで説明しています。

 

 

沈み込むプレートがマントルに入っていくとき、岩板間に摩擦

が生じる。当初は、この摩擦熱が火山を生成するのではないか

と推定された。

(6p)

  

確かにそう思っていました。でも違うようです。続きを引用します。

  

しかし、計算してみると確かに摩擦熱は生じるが、それは冷え

たプレート自身を温めるだけで、火山が生じるような特別な熱

は出てこない。これは困ったことであったが、次のように説明

された。

(6p)

 

この説明が難しいけど、面白い。引用を続けます。

    

Epson203

沈み込むプレート表面は海水に接しており、そこにある岩石(

正確には岩石を構成する鉱物)中に水が捉えられている。実は、

この鉱物中の水は、浅い(圧力が低い)と鉱物中に捉えられて

いるが、深くなる(圧力が高くなる)と鉱物中から絞り出され

る。これは室内実験で確かめられている。この絞り出された水

は周辺岩石に比べて軽いので、プレート表面から分離しその上

のマントル中を上昇する。いい換えるとプレート上面から周囲

のマントル中に水が注入されることになる。

高温だが融けていない岩石に水が加えられると、融点(岩石の

融ける温度)が下がり、融けはじめる。最初は小さな溶融物(

メルト)であるが、それらは上昇しながら互いに集合し、次第

に大きな塊になる(マントルブルームという)。

Epson203a

融けているので周囲のマントルより軽く上昇を続ける。そして、

マントルと地殻の境界付近でいったん停滞する(マントルより

地殻の密度が低いのでマントルプルームにとっては地殻・マン

トル境界は上昇の障壁となる)。この停滞したマントルプルー

ムはその上部の地殻を温めるとともに、一部は地殻に侵入し、

周囲の地殻岩石とほぼ密度が釣り合ったところで停留する。

多くの場合、深さ数~20km程度である。その差し渡しは、

数~10km程度である。この深度に存在する岩石が溶融した

塊をマグマ溜りという。

(5~7p)

マグマ溜りが地表に出てくれば噴火である。数十万~100万

年といわれる火山の長い寿命のなかで噴火はきわめて稀(まれ)

な現象で、マグマは通常は静かに留まっており、ただ熱だけを

周囲、特に上方に放出している。

(8p)

   

ふ~、何回か読んで、こうやって書き写して

やっと理解できたと思います。

複雑です。

簡単に、プレートが沈み込んだ時の摩擦熱で火山ができるとは

言ってはいけないのだとわかりました。

でもここに書いてあることを説明するのは、難しいなあ。

説明の必要がある時は、この記事を見ながらにしよう。 

 

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