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2020年3月

2020年3月31日 (火)

ミネラル水で3つの効果が出ました

  

今日は令和2年3月31日。

  

年度末の最後の時間は、ブログに使います。

  

今日の夕方、整体に行ったことを前記事で書きました。

その整体の人に薦められて、昨年の12月から

ミネラル水を毎日せっせと飲んでいます。

私は、整体の人に全幅の信頼を置いていますが、

家族は半信半疑です。

ミネラル水を飲み始めて、私の体にはいいことが起こっています。

主なことで3点。

  

①便通がよくなりました。

 うつの薬は副作用で、便秘気味になると言われ、

 実際に便秘気味でした。

 しかし、飲み始めたら解消されました。

 ミネラル水の解毒作用が効いたようです。

 

②頭髪が太くなりました。 

 昨年の夏あたり、おでこのすぐ上あたりの頭髪が薄くなりました。

 家族に言われ、認めたくないけど、自覚もしていました。

 父親を見ていたら、薄くなるのは仕方がないのかと

 あきらめ気味でした。

 しかし、飲み始めて1カ月ほどしてふと気がつきました。

 薄くなったところが目立たないのです。

 これはミネラル水のおかげだと思いました。

 家族にも同意を求めました。確かに薄くはなっていない。

 しかし、それがミネラル水のおかげとは限らない。

 それが家族の考えでした。

  

③花粉症が発症しません。

 最近気がつきました。

 毎年3月のはじめくらいから花粉症に悩まされ、

 鼻炎薬のお世話になっていました。

 しかし、今年は花粉症の症状が出ていません。

 これもミネラル水のおかげだと思いました。

 再び家族に同意を求めました。

 確かに花粉症で苦しんでいない。

 しかし、それはミネラル水のおかげとは限らない。

 それが家族の考えでした。

  

  

ミネラル水。

私が妄信していると家族は思っているようです。

そんなことはないのになあ。

参考までに・・・これを飲んでいます。☟

サーバー&ライフエッセンス

  

  

  

以上です。

通算7050通目の投稿。

すごい1年は終了。

もうすぐ寝ます。

来年度、いい年にしたいです。

「横道世之介」① 映像では表しにくい文体

今日は令和2年3月31日。

  

令和元年度の最終日。

令和元年度はすごい年でした。

6月5日から休みだして、

復職プログラムで復帰したのが3月2日。

よく休みました。

  

今日は午前中出勤。

新年度に備えて気づいたことを少し準備。

教材研究で動画を1本、教室で視聴。

NHKスペシャル 食の起源 ③ 脂

魚などに含まれるオメガ3脂肪酸は積極的に取り、

オメガ6脂肪酸を取り過ぎないようにしようと思いました。

 

午後は自宅で読書。今年度最後の読破です。☟

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横道世之介」(吉田修一著/文春文庫)

  

録画してあった映画「横道世之介」も見始めました。

夕方は、整体に行って、腰痛予防の体操を新しく教えてもらいました。

  

  

映画「横道世之介」は今晩、そして明朝に分けてみる予定です。

映画は面白そうですが、独特の楽しい文体は、

映像では表現できないぞと思いました。

どんな文体か?

さっそく引用していきたいです。

読んでいて、声を出して笑ってしまう体験は、いつ以来だろう?

  

 

長崎県出身で、東京の大学に進学した世之介。

上京して、無事にマンションに着いたことを

家に電話した件(くだり)。

  

(父)「そうか、それより、お母さんが今朝からずっと泣き通しで

・・・・」

(世之介)「泣き通し?なんで?」

「さぁ、女親にしか、この気持ちはわからんらしい」

 面倒臭そうな父親が受話器の向こうで母親を呼ぶ。そばにいたよ

うで、今にも泣き出しそうな声で母親が出る。

 たかが息子を東京に出すくらいで、なんでこう悲しむのかわから

ない。

 なんとなく気が重くなった世之介は、「あのさ、目覚ましの乾電

池って、どれくらい持つのかな?」と訊いた。唐突な息子の質問に

母親も泣くタイミングを逸したらしい。

 それでも母親は、難産だったらしいお産の話から始め、隙あらば

泣こうとする。元々、女優気質のある母親である。親戚の葬式とか、

息子の旅立ちとか、こういう一世一代の見せ場を逃すわけがない。

親戚の葬式などは、あまりにも大袈裟になくものだから、必ず母の

元に葬儀場の係員が請求書を持ってくる。

(13p)

  

こんな感じで、会話でないところが面白い文体なので、

映像で表わすのが難しいと思います。

  

  

「世之介」という名前に関する文章も引用します。

やはり「好色一代男」の主人公名でした。

※参考:ここでも道草 「近松よろず始末処」① 「好色一代男」の主人公の名前(2020年3月20日投稿)

    

 ちなみに世之介が自分の名前の由来を知ったのは中学校1年の国

語の時間であった。もちろん小学校の先生たちも井原西鶴の「好色

一代男」の主人公と同じであることは知っていたであろうが、短パ

ン姿の少年に教えてよいものか迷ったに違いない。

 中学の国語教師が定年退職間近の「稲爺(いなじい)」と呼ばれ

る助平そうな爺さんだった。初めての授業の時、出欠確認で「横道

世之介!」と呼ばれて返事をすると、「ほぅ。大した名前をつけて

もらったなぁ」とニヤニヤ笑い、親に由来を聞いたことがあるかと

訊かれた。

 「はい。昔の小説の主人公で理想の生き方を追い求めた男の名前

からです」

 世之介が父親に教わった通りにはきはきと答えた。はきはきとし

た答え方が面白かったのか、興に乗った稲爺が、年頃の少年少女を

前にして、「理想の生き方を追い求めた」という男の話をたっぷり

1時間もかけてしてくれたのだ。

 遊女、遊郭の説明が始まった辺りで、クラス委員の女子が抗議し、

男子は喝采。それでも稲爺の話は止まらない。床(とこ)の責め道

具を好色丸(よしいろまる)に積み込む終盤近くなると、あまりの

破廉恥さに隣の女の子は啜(すす)り泣く。世之介はどうしていい

のか分からない。

 やっと終業のチャイムが鳴って、稲爺が満足げに出ていった。途

端に教室は騒然となり、女子は親に報告すると声を上げるし、「そ

んな立派なもんなら、一度見せてみろ」と世之介は他の男子たちか

らズボンを脱がされそうになっていた。

(17p)

  

「定年退職間近」が引っかかりました。

いつの間にか消えていくような教師にはなりたくないですね。

稲爺のような下ネタ話はしないと思いますが、

私らしく、何か目立って終えたいと思います。

  

社会科教師ですが、井原西鶴は教えても、「好色一代男」の内容は、

題名から想像するのみで、実際はわかっていません。

真面目に・・・読んでみるかな。これも教材研究。

(知るとしゃべりたくなるかもしれません)

 

 

つづく

2020年3月30日 (月)

ZOOMのこと、わかってきたぞ、使えるぞ

きょうは令和2年3月30日。

  

前記事にも少し書きましたが、ZOOMのこと。

だいぶわかってきました。 

最初は、「ZOOM 使い方」で検索したサイトを

読んで理解しようとしましたが、いまひとつ。

そこで閃いたのが、動画。

こういうのこそ、動画がいいぞと思い、実行。

 

まずはこの2本の動画で勉強 ☟


YouTube: 【2020最新】パソコンでZOOMを始める方法・ZOOMの使い方をわかりやすく解説します


YouTube: 【2020最新】スマホ、タブレットでZOOMを始める方法・ZOOMの使い方│iPhone・iPad

この動画を見て、ZOOMには「プラウザ」画面と

「アプリ」画面があることがわかりました。

”てっぱ”でZOOMをいじくっている時には、???でした。

1回では理解できずに、2回見ました。

最初の動画は3回見ました。

そして実際にZOOMをいじくりました。  

 

その後に、この動画を見ました。☟

私と同じiPad Proを使っての説明は、すっと頭に入ってきました。


YouTube: 無料で100人会議ができる「Zoom」が今アツい!iPadでの使い方。

せっかく大枚はたいて買ったiPad Pro。

もっと使いこなしたいです。

  

  

  

もうじき新年度が始まります。

どのような状況になるかまだ見通せませんが、

どのような状況でも、ZOOMは、教育に使えそうです。

  

新聞記事のおかげで、いいものを知りました。

ここでも道草 3月23日の朝刊より/GIGAスクール構想始動(下)(2020年3月24日投稿)

2020年3月29日 (日)

異常事態/自分の使命を確かめるのが大事

今日は令和2年3月29日。

  

今日(3月29日)の朝日新聞朝刊「天声人語」も

書き留めたいと思った文章でした。

  

 主人公は、事故でたった一人火星に残された宇宙飛行士。小さな

基地から一歩外に出れば死に直面する。限られた食料をどう食つな

ぐか。水をどう確保するか。SF小説『火星の人』は何一つ自由に

ならない極限生活を描く▼慰めは、仲間の宇宙飛行士が残した電子

書籍や音楽を見つけることだ。アガサ・クリスティーを読み、ビー

トルズを聴く。この週末、手持ちぶさたのまま家にこもる方も多い

だろう。人の消えた繁華街の映像はまるでSFだ▼世界中が外出制

限の波を被(かぶ)るなか、AFP通信が本物の宇宙飛行士に閉じ

こもり生活の極意を尋ねていた。かつて宇宙ステーションにいたス

コット・ケリー氏は制限の長期化を見越し、「宇宙で1年暮らす」

ような心構えが必要だと言う▼「とにかく日課を決めること。決ま

った時間に起き、決まった時間に眠ることだ」。昼夜の別のない宇

宙暮らしゆえの教訓か。AFPの記事には潜水艦の元艦長の言葉も

あり、自分の使命を確かめるのが大事だと説いていた。外出しない

ことで人々や医療関係者を守るという使命を▼「この1,2週間が

瀬戸際」と言われたのが、ずいぶん前だった気がしてくる。長期化

するウイルスとのたたかいである。中国のように強制されずとも、

欧州のように戦時下だとことさら言わなくとも、一人ひとりの行動

で乗り切りたい▼家の中を探し、しばらくぶりの本や音楽に出会う

のも悪くない。火星と違い、窓やドアを開け外の空気を吸うことも

できる。

   

私は映画「オデッセイ」を録画して持っていますが、

まだ見ていません。

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この文章中に出て来たSF小説「火星の人」が原作だったのですね。

こういう機会を大事にしたい。

映画「オデッセイ」は近いうちに見ることにしよう。

  

「外出しないことで人々や医療関係者を守るという使命」は

共感できますが、学校が始まって生徒が登校するようになったら

どうするか。

感染を広げることをせずに、

遠隔で生徒の学力を伸ばす手段を探ることはできないか。

ヒントは、以前の新聞記事にありました。

ここでも道草 3月23日の朝刊より/GIGAスクール構想始動(下)(2020年3月24日投稿)

「Zoom」に注目中です。

今日はタブレット端末にアプリを入れて、

奥さんとできるか挑戦しました。

映像は映りましたが、音声がうまくいきませんでした。

明日また挑戦です。

  

新型コロナウイルスの感染で、学校のICT機器が

もしかしたら飛躍的に普及するのではと

楽観的に思うようになりました。

あと3月も2日。

読書を進め、Zoomに挑戦し、

所有している映像の目録作りにも取り掛かってみたいです。

映画「オデッセイ」も見てみたい。

 

  

「美しき愚かものたちのタブロー」② もう2人の主人公 田代雄一 日置紅三郎

  

今日は令和2年3月29日。

  

前記事に引き続き、

美しき愚かものたちのタブロー」(原田マハ著/文芸春秋)

より。

  

とにかく、松本幸次郎は、田代がそれまでに会ったどんな人物とも

違っていた。世界を渡り歩いて仕事をする姿勢も、桁外れの財力も、

とことんまっすぐな性格も。

また、非常に強い好奇心の持ち主であることもわかってきた。知ら

ないことは、是非とも知りたい。行ったことがないところには、率

先して行ってみたい。やったことがないことならば、まずはやって

みたい。この好奇心こそが、松方幸次郎の核心となって彼をかたち

作っている。

そして、その好奇心が常に新しい体験を求め、それを吸収し、日々

学んでいるのだ。

経験を重ねたからといって老獪(ろうかい)にならず、「面白いじ

ゃないか」と少年のように心躍らせることを恥じない。

普通は、なかなかそうはいかない。経験を積めばずる賢くもなるし、

大のおとなが欣喜雀踊(きんきじゃくやく)するなど恥ずかしくて

きるものではない。

(174p)

  

好奇心は大事ですよね。

「欣喜雀躍」は初めて見た四字熟語。

  

  

1891年、父・(松方)正義が内閣総理大臣に就任し、第一次松

方内閣を組閣する。松方は首相秘書官となり、父を政務を支えるこ

とになる。

しかし第一次松方内閣は短命であった。組閣直後に来日中のロシア

皇太子が巡査に襲撃される「大津事件」が発生、いきなり冷水を浴

びせられた。翌年の総選挙も混乱をきたし、結果、わずか1年3カ

月で松方内閣は退陣となった。

(200p)

  

社会科教師だと、こういう文章に反応してしまいます。

「大津事件」について復習。

Wikioedia 大津事件

こんな文章がありました。☟

 

小国であった日本が大国ロシアの皇太子を負傷させたとして、

「事件の報復にロシアが日本に攻めてくる」、

と日本国中に大激震が走り、さながら「恐露病」の様相を呈した。

学校は謹慎の意を表して休校となり、神社や寺院や教会では、

皇太子平癒の祈祷が行われた。ニコライの元に届けられた

見舞い電報は1万通を超え、山形県最上郡金山村(現金山町)では

「津田」姓および「三蔵」の命名を禁じる条例を決議した。

  

 

皇太子を襲った巡査名が、津田三蔵でした。

この時にも学校は「休校」していました。

ほらほら、おもしろい歴史の勉強ができました。

  

   

林忠正(はやしただまさ)

(240p)

  

19世紀末にパリに本拠地を置いた画商。

原田マハさんの「たゆたえども沈ます」の主人公が

このページに名前が出てきました。

  

(松方幸次郎は)とにかく机上の空論が嫌いなのが性分である。や

るとなったら 実現のために自分が動き、廻りも動かす。それが松

方のやり方であった。

(247p)

  

私も、思いついたら、なにか始めないと

気が済まないところはあります。

これはいい性分だと思っています。

廻りを動かすところまで行くのは簡単ではありませんが。

 

  

この小説の主人公は、3人です。

松方幸次郎と、田代雄一、日置虹三郎です。

松方幸次郎は実在する人物ですが、

あとの2人はどうなのだろうと思っていました。

そしたら次のサイトが参考になりました。

なぎさの書籍紹介 原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』ほぼ実話!国立西洋美術館設立までの冒険

実在した人物がモデルのようです。

「美しき愚かものたちのタブロー」① 主人公の1人、松方幸次郎

今日は令和2年3月29日。

  

勤務校の図書館の本5冊目を読破しました。

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美しき愚かものたちのタブロー」(原田マハ著/文芸春秋)

 

原田マハさんの本は2冊目。

ここでも道草 研究授業直前に「たゆたえども沈まず」読破(2017年11月29日投稿)

  

国立西洋美術館の誕生にかかわった人たちの話です。

今まで全く関心がなかった国立西洋美術館でしたが、

このようなことがあってできたのだと知って、

機会があったら行ってみたくなりました。

  

印象に残った文章を引用していきます。

   

  

松方幸次郎は、明治の元勲で総理大臣も務めた松方正義(まさよ

し)の三男として生まれた。アメリカのエール大学で博士号を取

得するほどの秀才で、国際的な感覚の持ち主であった。父の秘書

官として働いたのち、神戸川崎財閥の創始者、川崎正蔵にその才

覚を見込まれて、川崎造船所の初代社長となる。その他にも神戸

新聞、神戸瓦斯などの社長も兼任し、神戸商業会議所(のちの神

戸商工会議所)の会頭や衆議院議員を務めた。戦前、戦中、戦後

を通して、日本の政財界に大きな影響を与えた大人物であった。

(17p)

  

この本の主人公の1人が、松本幸次郎。

首相になった松方正義はかろうじて聞いたことのある人でしたが、

その息子がである幸次郎のことが、

この本を読んで認識できました。

  

  

この本は、時代が20世紀前半になったら、

中盤になったりします。

次の引用な1953年の段階です。

  

故・松方幸次郎が、かつて欧州で買い集めた西洋絵画・彫刻の作

品群〈松方コレクション〉総数は数千点にのぼるとも言われてい

たが、実際は正確な数を誰も把握していないーーーということが、

それまでの調査でわかっていた。

〈松方コレクション〉は、大きく分けて三通りの運命をたどった

ということも、すでに田代は承知していた。

一、日本へ持ち帰ったものの、松方の生前に競売にかけられ、日

  本国内外に売却されたもの。

二、ロンドンの倉庫に預け置かれていたが、そこが火災に遭った

  ため消失してしまったもの。

三、パリのロダン美術館の倉庫に預け置かれていたが、戦時中に

  行方不明になってしまったもの。

(60p)

  

3通りの運命のうち、3番目について、戦時中にどこに

あったのかは、この本の後半に詳細に書いてありました。

  

   

銀の匙(さじ)

(64p)

  

この言葉を引用したのは、先日あった出来事に理由があります。

地元スーパーでアイスクリームを買って、

レジで「匙(さじ)」をつけてほしいと頼んだところ、

レジの若い女性に「さじって何ですか?」と聞かれました。

「匙」が通じなかった!

でもアイスクリームを食べるときに、

あの「匙」を「匙」以外の言い方がある?

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スプーンとは違うと思います。

でもこうやって、2019年発行の本に「匙」が出てきて

ホッとしました。

  

  

「19世紀後半には欧米を結ぶ航路が整い、新聞、雑誌、電信など、

報道や情報網も整備されました。20世紀になると、ヨーロッパの

流行は時間を置かずに世界へ伝播するようになります。裕福なアメ

リカ人やロシア人、そして日本人もヨーロッパへ渡航するようにな

り、最先端の芸術に触れることも可能になりました。そんな中、フ

ランスの近代美術は、実はフランス人が最初に評価したのではなく、

目の早いアメリカ人収集家や、シチューキンたちのようなロシア人

収集家、そして松方さんのような日本人収集家が、さきに価値を見

出したのです」

前衛芸術家たちの作品、たとえば印象派や後期印象派と呼ばれる画

家たちの一派は、いまでこそ欧米で人気を博しているが、最初のう

ちは酷評され、フランス人はほとんど見向きもしなかった。「印象

派」という呼び名も、モネやドガなどの前衛画家たちが自費で場所

を借りてグループ展を開催したさいに、モネが出展した作品の題名

〈印象 日の出〉をもじって評論家がからかい半分でつけたもので

ある。

(92p)  

 

20世紀になってからは、前衛美術を積極的に収集するコレクター

が次々に現れた。皮肉なことに、フランス人が見向きもしなかった

前衛美術に外国人のほうがさきに価値を見出した。アメリカのレオ

とガートルードのスタイン兄妹、バーンズ博士、ロシアの富豪シチ

ューキンとモロゾフーーーそして、松方幸次郎。

(134p)

  

これも歴史。

いい勉強になりました。

2020年3月27日 (金)

これは大ニュースでしょう/近畿財務局職員の自死

今日は令和2年3月27日。

  

キーボードで文字を打つことは長年やってきましたが、

どうも苦手です。

使える指も少なく、貧弱な打ち方だと自分でも思います。

ずっと使ってきたキーボードが不調になり、

新しいキーボードを買ってきましたが、

物珍しさで、キーボードのキーが

円になっているものを選びました。

「打ちやすい」と箱には書いてあり、

その言葉通りになってほしいと思って買いました。

う~ん、間違って隣のキーに触れてしまう頻度が増えた気がします。

  

  

でも、この文章は書き留めておきたいと判断したら、

時間がかかってもうとう!と思います。

今回もそうです。

今日(3月27日)の朝日新聞朝刊。

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見出しは次のとおり。

 

財務省職員自殺 遺族が提訴

記者の「共感力」あらわに

  

記事本文を少々長めですが、打っていきます。

  

 私の記者生活は今年で48年目になります。長ければいいとい

うものでもありません。何をやってきたんだろうとの自戒を込め

つつ言いたいことは、記者には「共感力」とでもいうべきものが

必要ではないかということです。ここでも私の定義は「弱い立場

の人の思いに共感し、その人に代わって発信する力」のことです。

 「弱者に寄り添う」とか「読者の視線で」とかの表現もありま

すが、「寄り添う」という言葉は、すっかり手あかがついてしま

いました。そこで私が使うのは「共感力」です。

 記者は、世の中のあらゆる事象を扱います。私も駆け出しの記

者時代。さまざまな事件に遭遇し、多数の遺体を見てきました。

無残な遺体の身元確認をすることになった遺族の横で言葉を失っ

たこともあります。

 どうすれば、こんな悲劇が二度と起きないようにすることがで

きるのか。自問自答しつつ、そのためには事件や事故をきちんと

世の中に伝えることだと言い聞かせて仕事をしてきました。

 しかし、慣れとは恐ろしいもの。そのうちに悲惨な現場を悲惨

と感じなくなっていく自分がいました。自分の感情を押し殺した

方が、取材が迅速にできるという事情もあったからですが、いつ

しか「共感力」が摩滅したように思えました。

 でもそれでいいのだろうか。自分は何のために記者になったの

か。いまの現役の記者諸君にも原点に返ってほしいと思うのです。

  

 私がこう思ったのは、「森友文書改竄」問題で財務省の職員が

自殺したことをめぐり、自殺した職員の妻が国と佐川宣寿・元同

省理財局長に損害賠償を求める訴えを起こした記事を読んだから

です。

 私はいま「改竄」と書きました。朝日新聞の用語ルールでは

「改ざん」と書くのですが、改竄と書いた方が悪質なイメージが

喚起されるので、あえて漢字にしておきます。

 3月19日付本紙朝刊は、1面トップでこのニュースを伝え、

2面、4面、39面でも扱っています。

 実はこの話は「週刊文春」が先に報じているのですが、弁護団

職員の手記や遺書を公開したことで、新聞各紙も報じることがで

きました。

 週刊文春でこのニュースを伝えたのは、NHK大阪放送局で森

友事件を取材していた相沢冬樹氏。NHKの人事異動で記者を外

され、いまは大阪日日新聞記者です。記者魂とはどんなものか教

えてくれます。

  

 では、朝日新聞以外の新聞は、このニュースをどう伝えたのか。

毎日新聞は同日朝刊1面の左肩に掲載しています。朝日ほどでは

ありませんが、それなりの報道です。

 1面での扱いは大きくありませんでしたが、26面に残された

手記の全文を紹介しています。朝日は手記の要旨しか掲載してい

なかったので、この点で毎日の扱いが光っていますね。読者は週

刊文春を買わなくても全体を把握することができたのですから。

 読売新聞は、どうか。34面に「自殺職員の妻提訴」という

3段見出しの記事です。4面の政治面でも財務省の対応を小さく

報じていますが、これだけです。記者には「共感力」が求められ

ると冒頭に書いたのは、この扱いを見たからです。

  

 公文書を改竄するように求められた職員が自殺し、改竄の経緯

を記した手記を残していた。職員は、改竄を求められたことなど

からうつ状態になり、自殺。その後、財務省の近畿財務局は、公

務災害に認定している。これは大ニュースでしょう。これを大き

く扱わないというのは、どういうことなのか。現場の記者が短い

原稿を書いただけだったのか。それとも現場の記者はしっかりと

した原稿を書いたのに紙面化の段階で小さな扱いになったのか。

真相はわかりませんが、記者の原点に返ってほしいと言いたくな

ったのです。

 一方、日経新聞は、提訴の記事だけでなく、職員が残した手記

の要旨も掲載しています。日経新聞の記者の方が、読売の新聞よ

り「共感力」があるように思えます。

◆東京本社発行の最終版を基にしています。

Epson286  

私の家は朝日新聞をとっています。

他の新聞の扱いをこの記事で知りました。

読売新聞には驚きです。

このことは池上さんが言うように、

「大ニュース」でしょう。

 

新型コロナウイルスで、

それどころではない人がいると思いますが、

私は赤木俊夫さんのことを忘れてはいけないと考え、

この記事をうつことに時間を割きました。

  

2020年3月26日 (木)

「パーマネント神喜劇」/時間というものをどう使うか

  

今日は令和2年3月26日。

  

勤務校の図書館の本、4冊目を読破しました。

この本は、本屋で見かけたなら

手にしないであろう雰囲気の本です。

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「パーマネント神喜劇」(万城目学著/新潮社)

  

著者の名前は「まきめまなぶ」さん。

生徒にどうやって薦めるかな。

人間味あふれる縁結びの神様が、言霊(ことだま)を使って、

人間を翻弄する話。

う~ん、これじゃあ、難しい。

表紙を見せて、これが縁結びの神様なんだよ。

この神様が、神様だから不思議な力を持っていて、

人間の運命をああしたり、こうしたりする話。

  

この本は、4話で構成されています。

簡単に感想。

  

1話目「はじめの一歩」

口癖を止めることで、人生が変わっていく展開は面白かったです。

2話目「当たり屋」

主人公の人間が、神様の思惑通りに

動かなかったところがよかったです。

やっぱり最後は、自分で決めなくては。

3話目「トシ&シュン」

縁結びの神様が、事情で芸能面も扱うことに。

人間に芸能面の成功をプレゼントするか、

本職の縁結びを成し遂げるか葛藤するのがよかったです。

 

4話目が本のタイトルの「パーマネント神喜劇」

ちょっと残念。

ドラマで、最終回が2時間で大げさな設定になることが

間々あるけど、それを見ている感じでした。

ページ数が減ることが惜しいと思いませんでした。

  

 

1話目から引用します。

彼女(坂本みさき)が彼氏(篠崎肇)にやめてほしい口癖は

「まず、はじめに」でした。

なぜ口癖になったのかの説明した文章が印象に残りました。

  

篠崎肇は彼なりに、人生というものを謳歌したいと思っている。

それは簡単に要約すると、たくさんの物事を経験したい、というこ

とに尽きる。

そのためには、物事を効率よく消化せねばならない。人間、持ち時

間は平等に限られている。ゆえに、肇は様々なものに順序をつける。

順序をつけたのちに、厳格に遵守する。それを繰り返し実践するこ

とで効率化され、余りの時間が生まれてくる。そこでまた別のこと

にチャレンジする。時は金なり、肇は時間というものを人一倍大切

に扱う人間だった。

しかし、一方で問題もあった。

それは、順序が一度決まればいいのだが、彼自身の性格として、な

かなかその順序自体を決められない、ということだ。たくさんの物

事を経験したい。だが、途中でうまくいかなかったら、それまでか

けた時間が無断になりはしないか、という心理がどうしても働いて

しまう。結果、なかなか決断に踏みきれない。

期せずして、みさきがディナーの場で指摘した言葉、

「まず、はじめに」

が口から出るときは、実のところ、彼のなかでまだ物事の順序が明

確に定まっていない、というサインでもあった。

(32~33p)

  

  

若い時には、まだずっと続く未来を信じて

たくさんのことを体験したいと思いました。

でも、現実「定年」という一つの終わりが見えてくると、

与えられた時間を何につぎ込もうかと考えます。

  

4月1日から、きっと時間を減らすのが、残念ながら「読書」

4月1日からは、こんなペースで読んでいられないでしょう。

つまり、3月は読みます。あと5日。

「阿・吽(あ・うん)」5・6巻/「三筆」の1人、橘逸勢

今日は令和2年3月26日。

  

今日は午前中出勤。

最初の愉しみは、図書館に行くこと。

読み終えた「100時間の夜」を書棚に戻します。

そして次に借りる本を選びます。

何とワクワクすることか。

勤務校の図書館に少しでもお気に入りの本を増やしておいて、

生徒たちに読むことを勧めたいですね。

  

  

マンガ本を2冊読みました。

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阿・吽」5・6巻(おかざき真里作/小学館)です。

5巻から橘逸勢(たちばなはやなり)が登場します。

空海と同じ遣唐使船に乗って唐にわたり、長安を訪れます。

  

6巻の21話「夜行解禁」の中で、橘逸勢について

次のように説明しています。

  

橘逸勢

後に空海、嵯峨天皇と並んで

「三筆」と称賛される。

Epson284  

何と、そんな人生をたどるのですね。

まだ登場して間もないのに、怨霊になったことまで

書いてありました。

気になって調べました。

  

Wikipedia 橘逸勢

無実の罪で、流罪となり、伊豆に移動中に亡くなりました。

その場所にビックリ。

浜松市三ケ日でした。

近い。

さらに調べると、ゆかりの神社があることがわかりました。

LINEトラベル 静岡・浜松「橘逸勢神社」は三筆の一人・橘逸勢を祀る寺院

場所を地図で示します。

何度も目の前の道を自動車で走っています。

 

2020年3月25日 (水)

「100時間の夜」② ハリケーン・サンディーは実存してた

今日は令和2年3月25日。

  

前記事に引き続き、

「100時間の夜」(アンナ・ウォルツ著/野坂悦子訳/

フレーベル館)より。

  

印象に残った文章を引用します。

  

私は落ち着いて、携帯電話をとりだす。美術館の中は、インター

ネットが無料なんだ。

「ハリケーン・サンディー」で検索する。

記事をいくつか読む。

そして、くすくす笑いだし、笑いが止まらなくなった。くすくす

笑いの発作っていうのがあるなら、そんな発作におそわれたんだ。

だって、ハリケーン・サンディーは実存してたから。しかも、も

うすぐやってくる。進路はまだ確かじゃないけど、ただ通過する

んじゃなくて、月曜日にニューヨークを直撃する可能性があるそ

うだ。

ってことは、ほんとの話なんだ。この世界には何十万も都市があ

るのに、私はよりにもよって、あと二日で、ハリケーンにおそわ

れる街を選んで逃げ込んだ。

笑いの発作はもちろん、あっというまに消え、そのあとは美術館

でぐずぐずしていられなくなった。現実を避けている時間はもう

ない。セスとアビーのところへ行かなくちゃ。みんなでハリケー

ンにそなえないと。

(100~101p) 

 

  

そうです。この辺りぐらいから、

私はこの物語に入ることができたと思います。

読むのを止めなくてよかったと、今は思います。

 

前記事で書いたように、オランダ在住の著者が、

たまたまニューヨークに滞在している時に、

ハリケーン・サンディーに襲われた体験から生まれた物語。

実感がこもっています。

次の文章もそうです。☟

  

地下鉄の駅には、ハリケーン・サンディーを知らせる巨大なポス

ターが、あちこちに貼ってある。電光掲示板には、地下鉄の運行

は今晩7時まで、と注意する掲示が出ている。

「観光客は気の毒ね。ニューヨーク見物に来るのに、たまたま今

週を選ぶなんて・・・」

そう言ったとたん、自分もそんな気の毒な観光客のひとりだった

と気がつく。

(143p)

  

きっと、実体験なのでしょう。

Sandy_oct_25_2012_0320z

参考:Wikipedia ハリケーン・サンディ(☝ 写真はここから)

  

  

ジムの発言。

「つまり、それがこの世でまちがったことなんだ。みんな、ほん

とはしたくないことをしてるのに、それでたくさん金を稼いでる。

ドラッグを売る。売春する。そんなこと、するつもりはないんだ

と思う。だけど、金のためにやってるんだ。」

(155p) 

  

金のために、本当はやりたくないことをしている。

厳密に言えば、そういうところはあるかもしれない、自分でも。

でも少しでもやりたいことをやって、お金を稼ぎたいですね。

くどいけど、残り2年だから。

  

  

どうにかなりそう。私たちはここで、このハリケーン避難所にす

わって、ひょっとしたら直撃するかもしれない嵐を待っている。

ほかの800万の人たちといっしょに、ハリケーンの細かい動き

を追っている。このあと正確になにが起こるか、だれも知らない。

ひょっとして、サンディーが私たちの手前でカーブしてくれたら、

万事オーケー。でも、ひょっとしたら街の半分が壊れて、がれき

になるかもしれない。

(160p)

  

昨年の台風15号、19号のことを思い出す文章です。

  

ハリケーン・サンディーは、

ニューヨークに停電をもたらしました。

 

「クソッ」ジムの顔も、下から携帯電話で照らされている。「ネッ

トはつながらないし、電波さえない。マンハッタンのどまんなかで、

信じられるか?」

「うそっ!生まれてから一度も、電波が消えたことなんてないよ!」

アビーはそう言って、自分の携帯電話を見た。「それに、バッテリ

ーがあともうちょっと・・・市長はこのことを伝えるべきだったよ。

『みなさん、手遅れになるまえに充電しなさい』って!」

私は部屋のまんなかで足を止める。いまでは、暗闇を感じられる。

暗闇はあちこちから、私の肌を静かに押してくる。私はそれを吸い

込む。

(171p)

  

ちなみにアビーは10歳。電波は常にあったでしょうね。

暗闇の描写がよかったです。静かに押してくる感じは、

共感できます。

 

 

引用する文章はここまでです。

100pくらいから物語が見えてきて、

あまりに大きな問題を抱えてしまった親子は

残りのページ数でどうなるか心配しましたが、

どうにか乗り越えてホッとしました。

何より、ハリケーン・サンディーを一緒に乗り切った、

4人の少年少女の成長が素晴らしかったです。

  

自分の勤務する中学校の図書館に、

生徒に読むことを勧められる本があることはいいこと。

3月には入って「星ちりばめたる旗」「近松よろず始末処」に

引き続き、「100時間の夜」もお薦め本になりました。

ただ最初の100pは難しいかもと予告したい。

  

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