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2017年11月29日 (水)

研究授業直前に「たゆたえども沈まず」読破

今日は11月29日。

  

10月下旬の腰痛のために延期していた研究授業。

12月1日にやる予定です。

久々、社会科の授業を見てもらいます。

内容は浮世絵。

浮世絵が版画であること。

江戸時代に庶民が好んで見ていたこと。

浮世絵が外国の画家にも大きな影響を及ぼしたこと。

そんなことをつかませたい授業です。

   

研究授業を前に読破できたのが、この本です。

A1ml6lipbflたゆたえども沈まず」(原田マハ著/幻冬舎)です。

  

11月の初めに偶然知ったこの本。

ここでも道草 浮世絵のアンテナにひっかかった情報いろいろ(2017年11月5日投稿)

明治時代に、フランスのパリで浮世絵などの日本の美術を紹介・販売した

美術商の林忠正。その部下である加納重吉。

そして日本の美術に触れて画風を変化させたゴッホと

そのゴッホを支える弟のテオ。

この4人が中心に進む話。

4人のうち加納重吉は原田マハさんの創作人物。

まさに今回の研究授業での内容と一致する話でした。

 

  

一部引用します。

  

モネら印象派の画家たちが、なぜあんなに従来の絵画の手法から

かけ離れた表現を生み出すにいたったのか。

その答えが浮世絵にあるのだ。

極端に対象物に近づいて描く手法。

たとえば」歌川広重の〈名所江戸百景 亀戸梅屋舗〉。

Hiroshige160_main

https://www.adachi-hanga.com/ukiyo-e/items/hiroshige160/

手前に梅の木の枝1本をぐっと近づけて、

他の木々をずっと遠くに点景として描く。

極端な遠近感が、小さな紙の上に無限の奥行きをもたらしている。

たとえ葛飾北斎の〈富嶽三十六景 神奈川沖浪裏〉。

巨壁のようなせり上がった波の彼方に、

巨大なはずの富士山をぽつんと小さく配置する、

あの大胆さ。

浮世絵独特のああいった技法を、はて、

いったいなんと呼ぶかは知らないが、とにかく、

西洋人の目には突拍子もない絵に映ったはずだ。

が、ブルジョアジーはむしろ珍しがってこれを求めた。

そして、新しい表現に飢えていた芸術家たちは、

なんとかして自分たちの創作に取り込もうと

研究と努力を積み重ねたのだ。

浮世絵を紙くずとしかみなしていない日本人たちが、

この現状を知ったら驚くだろう。

パリの金持ちがその紙くずを競って買いあさっていること、

一部の画家たちが浮世絵を自作に活かそうと

やっきになっていることを・・・・。

(195~196p)

  

 

以前にも浮世絵の何が

ヨーロッパの芸術家に影響を与えたか書きました。

たとえばここ↓

ここでも道草 「北斎インパクト」/「竹林の不二」の何がインパクトなのか(2017年11月12日投稿)

今まで私はそこまで子どもたちに伝えてきませんでした。

今回の授業に向けての準備で、

少しは知識を得たので、できたら伝えたいですね。

まだまだ「たゆたえども沈ます」から引用したい文章はありますが、

今朝はここまで。

やらないといけないことが・・・

私にもっと時間をくださいよ!

  

最後に・・・・次のサイトは参考になります↓

アートの定理 美術好き以外に勧めたい「たゆたえども沈まず」の感想(原田マハ作品)

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