「近松よろず始末処」① 「好色一代男」の主人公の名前
今日は令和2年3月20日。
勤務している中学校の図書館で借りた本。
2冊目の読破。
中野信子さんの説に乗って、
あまり手にしなさそうな装丁の本を選びましたが、
どうでしょう?
スラスラ読んでしまいました。
「近松よろず始末処」(築山桂著/ポプラ社)
江戸時代を舞台にした本でした。
実在した近松門左衛門も出てくるので、
授業で江戸時代を教えたら、
「学校の図書館に面白い本があるよ」と
薦めることができます。
引用します。
近松門左衛門が、井原西鶴の『好色一代男』について、
主人公の虎彦に語るシーン。
「確かに色事の話ではあるが、そればかりではない。世之介という
一人の男の生き方を、男女の営みを通して描いたものだ。20年も
前の作品だが、今も色あせておらん。・・・・まあ、女子供の読む
ものではなかろうが」
(179~180p)
ここで注目は、『好色一代男』の主人公の名前です。
「世之介」だったのですね。
初めて知りました。
思い出すのが、映画「横道世之介」(2013年)
2年ほど前にテレビ放映されたのを録画しましたが、
まだ見ていない映画です。
主人公の名前は世之介。
長崎から上京した青年、世之介がいろいろな人と出会う
1年間を描いたものだそうです。
この世之介という名前は、『好色一代男』の主人公名が
元である可能性が高いです。
Wikipedia 横道世之介には次のように書いてありました。
作者(原作者:吉田修一)によると、主人公名を作品タイトルに
する方針に沿い、まず世之介の名前が決定。「名字は韻を踏んだ
ほうがいい。」という助言を踏まえ、作者の郷里でもある長崎で
横着者を指す「横道もの」という言葉および、横道に逸れるとい
ったニュアンスを意識し、決まったとのこと。
残念、世之介については触れていませんでした。
これを機会に録画してある映画を見たくなりましたが、
原作本「横道世之介」も読みたくなりました。
「続横道世之介」も興味津々の内容。
2019年2月発刊。
amazonの「内容紹介」です。☟
バブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつ
なぐこの男。名を横道世之介という。いわゆる人生のダメな時期
にあるのだが、なぜか彼の周りには笑顔が絶えない。鮨職人を目
指す女友達、大学時代からの親友、美しきヤンママとその息子。
そんな人々の思いが交錯する27年後。オリンピックに沸く東京
で、小さな奇跡が生まれる。
実際の東京オリンピック、どうなるんだろう。
本「近松よろず始末処」のこと、次の記事でも書きます。
コメント