「パーマネント神喜劇」/時間というものをどう使うか
今日は令和2年3月26日。
勤務校の図書館の本、4冊目を読破しました。
この本は、本屋で見かけたなら
手にしないであろう雰囲気の本です。
「パーマネント神喜劇」(万城目学著/新潮社)
著者の名前は「まきめまなぶ」さん。
生徒にどうやって薦めるかな。
人間味あふれる縁結びの神様が、言霊(ことだま)を使って、
人間を翻弄する話。
う~ん、これじゃあ、難しい。
表紙を見せて、これが縁結びの神様なんだよ。
この神様が、神様だから不思議な力を持っていて、
人間の運命をああしたり、こうしたりする話。
この本は、4話で構成されています。
簡単に感想。
1話目「はじめの一歩」
口癖を止めることで、人生が変わっていく展開は面白かったです。
2話目「当たり屋」
主人公の人間が、神様の思惑通りに
動かなかったところがよかったです。
やっぱり最後は、自分で決めなくては。
3話目「トシ&シュン」
縁結びの神様が、事情で芸能面も扱うことに。
人間に芸能面の成功をプレゼントするか、
本職の縁結びを成し遂げるか葛藤するのがよかったです。
4話目が本のタイトルの「パーマネント神喜劇」
ちょっと残念。
ドラマで、最終回が2時間で大げさな設定になることが
間々あるけど、それを見ている感じでした。
ページ数が減ることが惜しいと思いませんでした。
1話目から引用します。
彼女(坂本みさき)が彼氏(篠崎肇)にやめてほしい口癖は
「まず、はじめに」でした。
なぜ口癖になったのかの説明した文章が印象に残りました。
篠崎肇は彼なりに、人生というものを謳歌したいと思っている。
それは簡単に要約すると、たくさんの物事を経験したい、というこ
とに尽きる。
そのためには、物事を効率よく消化せねばならない。人間、持ち時
間は平等に限られている。ゆえに、肇は様々なものに順序をつける。
順序をつけたのちに、厳格に遵守する。それを繰り返し実践するこ
とで効率化され、余りの時間が生まれてくる。そこでまた別のこと
にチャレンジする。時は金なり、肇は時間というものを人一倍大切
に扱う人間だった。
しかし、一方で問題もあった。
それは、順序が一度決まればいいのだが、彼自身の性格として、な
かなかその順序自体を決められない、ということだ。たくさんの物
事を経験したい。だが、途中でうまくいかなかったら、それまでか
けた時間が無断になりはしないか、という心理がどうしても働いて
しまう。結果、なかなか決断に踏みきれない。
期せずして、みさきがディナーの場で指摘した言葉、
「まず、はじめに」
が口から出るときは、実のところ、彼のなかでまだ物事の順序が明
確に定まっていない、というサインでもあった。
(32~33p)
若い時には、まだずっと続く未来を信じて
たくさんのことを体験したいと思いました。
でも、現実「定年」という一つの終わりが見えてくると、
与えられた時間を何につぎ込もうかと考えます。
4月1日から、きっと時間を減らすのが、残念ながら「読書」
4月1日からは、こんなペースで読んでいられないでしょう。
つまり、3月は読みます。あと5日。
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