« 「パーマネント神喜劇」/時間というものをどう使うか | メイン | 「美しき愚かものたちのタブロー」① 主人公の1人、松方幸次郎 »

2020年3月27日 (金)

これは大ニュースでしょう/近畿財務局職員の自死

今日は令和2年3月27日。

  

キーボードで文字を打つことは長年やってきましたが、

どうも苦手です。

使える指も少なく、貧弱な打ち方だと自分でも思います。

ずっと使ってきたキーボードが不調になり、

新しいキーボードを買ってきましたが、

物珍しさで、キーボードのキーが

円になっているものを選びました。

「打ちやすい」と箱には書いてあり、

その言葉通りになってほしいと思って買いました。

う~ん、間違って隣のキーに触れてしまう頻度が増えた気がします。

  

  

でも、この文章は書き留めておきたいと判断したら、

時間がかかってもうとう!と思います。

今回もそうです。

今日(3月27日)の朝日新聞朝刊。

Epson285

見出しは次のとおり。

 

財務省職員自殺 遺族が提訴

記者の「共感力」あらわに

  

記事本文を少々長めですが、打っていきます。

  

 私の記者生活は今年で48年目になります。長ければいいとい

うものでもありません。何をやってきたんだろうとの自戒を込め

つつ言いたいことは、記者には「共感力」とでもいうべきものが

必要ではないかということです。ここでも私の定義は「弱い立場

の人の思いに共感し、その人に代わって発信する力」のことです。

 「弱者に寄り添う」とか「読者の視線で」とかの表現もありま

すが、「寄り添う」という言葉は、すっかり手あかがついてしま

いました。そこで私が使うのは「共感力」です。

 記者は、世の中のあらゆる事象を扱います。私も駆け出しの記

者時代。さまざまな事件に遭遇し、多数の遺体を見てきました。

無残な遺体の身元確認をすることになった遺族の横で言葉を失っ

たこともあります。

 どうすれば、こんな悲劇が二度と起きないようにすることがで

きるのか。自問自答しつつ、そのためには事件や事故をきちんと

世の中に伝えることだと言い聞かせて仕事をしてきました。

 しかし、慣れとは恐ろしいもの。そのうちに悲惨な現場を悲惨

と感じなくなっていく自分がいました。自分の感情を押し殺した

方が、取材が迅速にできるという事情もあったからですが、いつ

しか「共感力」が摩滅したように思えました。

 でもそれでいいのだろうか。自分は何のために記者になったの

か。いまの現役の記者諸君にも原点に返ってほしいと思うのです。

  

 私がこう思ったのは、「森友文書改竄」問題で財務省の職員が

自殺したことをめぐり、自殺した職員の妻が国と佐川宣寿・元同

省理財局長に損害賠償を求める訴えを起こした記事を読んだから

です。

 私はいま「改竄」と書きました。朝日新聞の用語ルールでは

「改ざん」と書くのですが、改竄と書いた方が悪質なイメージが

喚起されるので、あえて漢字にしておきます。

 3月19日付本紙朝刊は、1面トップでこのニュースを伝え、

2面、4面、39面でも扱っています。

 実はこの話は「週刊文春」が先に報じているのですが、弁護団

職員の手記や遺書を公開したことで、新聞各紙も報じることがで

きました。

 週刊文春でこのニュースを伝えたのは、NHK大阪放送局で森

友事件を取材していた相沢冬樹氏。NHKの人事異動で記者を外

され、いまは大阪日日新聞記者です。記者魂とはどんなものか教

えてくれます。

  

 では、朝日新聞以外の新聞は、このニュースをどう伝えたのか。

毎日新聞は同日朝刊1面の左肩に掲載しています。朝日ほどでは

ありませんが、それなりの報道です。

 1面での扱いは大きくありませんでしたが、26面に残された

手記の全文を紹介しています。朝日は手記の要旨しか掲載してい

なかったので、この点で毎日の扱いが光っていますね。読者は週

刊文春を買わなくても全体を把握することができたのですから。

 読売新聞は、どうか。34面に「自殺職員の妻提訴」という

3段見出しの記事です。4面の政治面でも財務省の対応を小さく

報じていますが、これだけです。記者には「共感力」が求められ

ると冒頭に書いたのは、この扱いを見たからです。

  

 公文書を改竄するように求められた職員が自殺し、改竄の経緯

を記した手記を残していた。職員は、改竄を求められたことなど

からうつ状態になり、自殺。その後、財務省の近畿財務局は、公

務災害に認定している。これは大ニュースでしょう。これを大き

く扱わないというのは、どういうことなのか。現場の記者が短い

原稿を書いただけだったのか。それとも現場の記者はしっかりと

した原稿を書いたのに紙面化の段階で小さな扱いになったのか。

真相はわかりませんが、記者の原点に返ってほしいと言いたくな

ったのです。

 一方、日経新聞は、提訴の記事だけでなく、職員が残した手記

の要旨も掲載しています。日経新聞の記者の方が、読売の新聞よ

り「共感力」があるように思えます。

◆東京本社発行の最終版を基にしています。

Epson286  

私の家は朝日新聞をとっています。

他の新聞の扱いをこの記事で知りました。

読売新聞には驚きです。

このことは池上さんが言うように、

「大ニュース」でしょう。

 

新型コロナウイルスで、

それどころではない人がいると思いますが、

私は赤木俊夫さんのことを忘れてはいけないと考え、

この記事をうつことに時間を割きました。

  

コメント

コメントを投稿

最近の写真

  • Img_5741
  • Img_5740
  • Img_5737
  • Img_5736
  • Img_5735
  • Img_5734
  • Img_5732
  • Img_5731
  • Img_5730
  • Img_5729
  • Img_5728
  • Img_5733

楽餓鬼

今日はにゃんの日

いま ここ 浜松

がん治療で悩むあなたに贈る言葉