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2020年5月

2020年5月25日 (月)

「ICTがより重要に」① 児童生徒全員に学校公式IDを配ること

 

今日は令和2年5月25日。

  

いい記事がありました。

今日(5月25日)朝日新聞朝刊です。

 

学校再開後 ICTがより重要に

オンライン学習 どう進めれば

限られた授業時間 効率化が必要

全員に公式IDを PCなくてもつながりやすく

  

これらの見出しを見て、

きっといいことが書いてあるぞと思いました。

予想が当たって、いい勉強になりました。

書き留めたいと思います。

 

Epson331_2  

 新型コロナウイルスの影響による休校で、様々な形で「オンライ

ン学習」を模索する自治体が増えてきた。学校を再開した地域もあ

るが、第2波への対策も含め、今後、どういう形で進めるのがいい

のか。教育の情報化に詳しい国際大グローバル・コミュニケーショ

ン・センターの豊福晋平准教授(53)に聞いた。

 ---4月以前からオンライン学習をしている学校と、担任の顔

さえわからない学校。学校を再開した地域と、再開できない地域。

格差が出ている。

 学校が再開されれば、もうICT(情報通信技術)は不要と思わ

れるかもしれないが、再開後はこれまで以上にICT活用が重要に

なる。例えば、学級の人数を半分にして授業を行う場合、教師は単

純に2倍の授業をこなせるか。都市部では、感染を恐れて登校しな

い「積極的な不登校」も増えるだろう。学習保障はどうするのか。

 子どもも保護者も、学校とほとんどやりとりができていないこと

に、不安や不満を抱いている。一方、急きょの対応を迫られてきた

教師側のストレスも相当なものだ。再開した途端、授業時数の確保

のために詰め込みで土曜も夏休みも授業となれば、意欲は下がり、

保護者の反発も強くなる。

 限られた授業時数を前提に、効率的かつ魅力的な学習を構成する

工夫が求められる。ICTはその貴重な手段になる。

 

 ---各地の教育委員会から相談を受け、まず学校公式IDの付

与を勧めたとか。

 ICT教育には、端末、通信環境、公式ID、クラウド環境の四

つが必要。本格的なオンライン学習には、1人1台のノートパソコ

ンやタブレット端末が必須だ。文部科学省の「GIGAスクール構

想」は予定を前倒しし、今年度中に配備を終える。しかし、数百万

台規模の特需で、端末は準備にはそれなりに時間がかかる。「全て

が整うまで待つ」という姿勢では、貴重な時間を無駄にする。

 休校措置の最初の1カ月で学校が困惑したのは、子どもや保護者

とのやりとりの手段を失ったことだった。オンライン学習そのもの

より、子どもや保護者の欲求が強いのは、学校、担任とのつながり

だ。

 お勧めするのは、グーグルやマイクロソフトなどのクラウドサー

ビスを用いて、児童生徒全員に学校公式IDを配ること。公式ID

でメールやメッセンジャーなどの連絡応答手段を確保し、将来的に

はクラウドを学習にフル活用できる。教育機関向けに無償で提供さ

れ、神奈川県、東京都、奈良県、広島県、東京都豊島区などではす

でに取り組みが始まっている。

 スマートフォンの利用率は、成人や高校生は9割を超え、中学生

でも約6割。パソコンがなくてもスマホで、環境が整わない家庭に

は端末やルーターを貸与すれば、日常の連絡や短時間のビデオ会議

には支障ない。大切なのは、児童生徒の孤独や不安を解消してメン

タルの安定をはかることと、学びへの動機づけを維持すること。

絡応答と朝のホームルームだけでも大きな効果がある。

  

  

特にアンダーラインを引いた箇所は、喜んで読みました。

「その通り!」と思いました。

グーグルのアカウントを配付することは思いつき、

提案もしましたが、却下されました。

結果、公式IDが必要なのだと教えられました。

  

大切なのは、児童生徒の孤独や不安を解消してメン

タルの安定をはかることと、学びへの動機づけを維持すること

いい文章です。

第2波が来ても、この文章が基本です。

  

この記事はまだつづく。

 

次の記事へ。

  

 

 

 

「生きるぼくら」② 目で深呼吸/生きることをやめない力

今日は令和2年5月25日。

  

前記事に引き続き  

「生きるぼくら」(原田マハ著/徳間書店)より

  

  

マーサおばあちゃんが、2人の孫である人生とつぼみに、

稲作について語っているシーンです。

  

 初夏から梅雨にかけては、苗はどんどん分決して、すくすく育っ

ていくの。葉っぱは青々として、丈もぐんと伸びる。七月頃の水田

の風景は美しいわよ。このあたりでも、八ヶ岳の背景に広がる水田

の風景を見れば、目で深呼吸したような気分になるのよ。そうね、

この頃の稲は青年期。青春時代そのままに、生き生きと、エネルギ

ーに満ちて、生きることを謳歌しているみたい。

(192p)

  

「目で深呼吸したような気分」という表現がお気に入りです。

この小説は、最初は何から始まったのでしょうか。

原田マハさんらしく、東山魁夷の「緑響く」の景色がまずあって、

御射鹿池を舞台に物語を描こうと考えたのでしょうか。

御射鹿池のある茅野市の田園風景がほぼ同時に眼中にあり、

その稲に「生きることをやめない力」(312p)を感じました。

稲の「生きることをやめない力」によって

人が再生される話を生み出したのではないでしょうか。

それが主人公の25歳の引きこもりの麻生人生です。

  

映像化されたら、美しい映画になるだろうなと思いました。

 

 

 

これで「生きるぼくら」の引用完了。

今日返却して、図書館9冊目の本を借りる予定です。

2020年5月24日 (日)

「生きるぼくら」① 東山魁夷「緑響く」

  

今日は令和2年5月24日。   

  

勤務校の図書室で借りた8冊目の本を読破。

81qhwxezcil amazon

「生きるぼくら」(原田マハ著/徳間書店)

  

主人公の名前は麻生人生(あそうじんせい)です。

  

それでは引用していきます。

  

 ネット情報によると、日本の引きこもり人口は70万人はいるそ

うだ。そのうち成人の引きこもりは8割を占めるらしい。引きこも

り予備軍は100万人以上とも。中には、引きこもり歴25年なん

ていう筋金入りの引きこもり職人みたいなのもいるいという。それ

にくらべれば、引きこもり歴4年の人生は、ヒヨッ子みたいなもの

だ。

(10p)

 

主人公の麻生人生は引きこもりでした。

この話は、引きこもりから脱して再生をしたストーリーでした。

何気なく、勤務校の図書館から引き抜いてきた本ですが、

現在関心を持っていることに関連していました。

  

 

 それから、ばあちゃんは、人生とつぼみに教えてくれた。その画

家は、東山魁夷(ひがしやまかいい)という日本画家で、この風景

(御射鹿池/みしゃかいけ)をモチーフに『緑響く』という代表作

のひとつを描いたのだということを。

 新緑の溢れる森と、それを映す磨かれた鏡のような湖面。その境

界線にすっと現れた、幻のような一頭の白馬。一度見たら決して忘

れられない、それはそれは美しい絵なのだと。

(147p)

  

美術作品が絡んでくるのは、原田マハさんらしさ。

こうなると、『緑響く』が見たくなります。

ここで見ることができました。

This is Media

Higashiyamakaii_01 

☟ ここでさらに情報を得ることができました。

さんぽのしるべ

以前、SHARPのCMでこの絵が使われた?

 

あまり覚えがありませんが、探しました。

2008年頃のCMでした。


YouTube: SHARP AQUOS シャープアクオス CM 「緑響く」篇 30秒

すっかり忘れていましたが、今回楽しめました。

このCMについては、ここ ☟ で勉強できます。

青い日記帳 アクオスが映しだす「幻想美」

  

  

つづく

2020年5月23日 (土)

この教室風景を、コロナ禍後どう見るか?

   

今日は令和2年5月23日。

  

5月22日朝日新聞朝刊より。

Epson330  

数年後?

コロナ禍が過ぎ去った時に、この光景をどう見るだろうか?

 

唾(つば)の中にウイルスが存在することを知って、

現在の私は、この光景は正しい感染防止方法だと思います。

 

昨日、トイレ掃除のことを書きました。

トイレ掃除を生徒がするなら、

フェースシールドが必要ではと書きました。

しかし、学校の方針は、生徒がトイレ掃除をするとして

次の2点を気をつけることになりました。

・拭き掃除をしない

・手洗いを徹底する

でした。

便器掃除の時に、目から感染することを恐れます。

  

これから感染防止で2つに分かれると思います。

 

感染しないように、思いつくことはできる限りやる方向。

そんなことを言っていたらきりがないから、

ある程度のところでとどまる方向。

 

思いつくことはできる限りやった方が、

後悔は少ないと思うのですが、

そうもいかないところがあります。

  

  

トイレ用のフェースシールドを作ってしまおうかな。

作ってしまい、便利ならば、否定はされないでしょう。

天声人語2本 お助け橋の町/公園は都市の肺

  

今日は令和2年5月23日。

 

休職中に毎日、朝刊に目を通すことを

するようになりました。

我が家は朝日新聞です。

最近書き留めておきたい「天声人語」が連続してありました。

実行します。

  

  

5月20日朝刊「天声人語」

 

 東京・日本橋浜町(はまちょう)で生まれ育った稲崎知伸(いな

ざきとものぶ)さん(54)は、天保年間から続く表具屋の6代目。

額装や掛け軸、びょうぶ絵を扱う職人である。同じ町内にある東横

インのために何かできないかと考えた▼コロナの感染拡大による病

床不足を解消するため、軽症者らを受け入れると決めたホテルだ。

ところが東京都内第1号として公表されると、にぎやかだった隣接

の公園から子どもたちの姿がぱたりと消える。SNSには不安をあ

おるような投稿があふれた▼六つの商店街を束ねる立場の稲崎さん

は、仲間に相談。患者と医療従事者を励ます旗や幕を作ることにす

る。「快癒祈願 せっかくこの下町に来て頂いたのに、何も出来な

いのは心苦しい」「もう少しの辛抱。力を合わせて困難を乗り切り

ましょう」。そんな言葉をホテルの部屋から見えるところに掲げた。

「地域の皆さんに、心配は無用です。落ち着きましょうと呼びかけ

る意味も込めました」▼ウイルスが世の中を一変させて久しい。感

染者の名前や住まいを暴いたり、病院勤務者の子どもとの接触を避

けたり、ぎすぎすした雰囲気は各地でなお消えない▼東横インの周

辺を歩く。目の前の隅田川にかかる新大橋は、地元で「お助け橋」

と呼ぶらしい。1923年の関東大震災で奇跡的に焼失せず、大勢

が橋の上で難を逃れたことにちなむ▼下町っ子が練った言葉はこう

結ばれる。「是非お身体(からだ)を治してから、またいらしてく

ださいませ」。お助け橋の町ならではの心意気である。

 

新大橋に興味をもち調べました。

大震災当時は下のような鉄橋でした。

Photo AERAdot.

 

現在、新大橋は架け替えられ、

この写真の鉄橋の一部は、何と地元の愛知県明治村にありました。

C0112559_1301752

C0112559_1301453 レトロな建物を訪ねて

 

こういう歴史を知って、訪れたい。

県内なので、緊急事態宣言中でも行けるぞ。

  

  

5月21日朝刊「天声人語」

   

 7歳と5歳の子どもが父親と公園にいると、警察官に職務質問さ

れたーー。本紙の「声」欄に先日、そんな投稿が載った。「自粛中

に遊んでいる」との通報があったという。この春、公園の光景が各

地で一変した▼そもそも公園は何のためにあるのか。近代史を調べ

て驚いた。明治時代、政府が初めて公園を造ったのは主に防疫のた

めだった。コレラの伝染は空気中の湿って汚れた「瘴気(しょうき)

」によるものと考えられ、土地を乾かすには空間を開放するのが良

策とされた▼「公園は都市の肺である」。伝染病に苦しんだ欧州で

唱えられた説が、維新後の日本にもたらされる。「公園は腐を転じ

て鮮となす」「精神の洗濯場、空気の転換場であれ」。文豪幸田露

伴も著書で熱く訴えた▼なお多くの人々が巣ごもり生活を送る都市

部では、公園は数少ない憩いの場である。とりわけ子どもたちには

貴重な居場所だ。「立ち入り禁止」のテープが巻かれた遊具は、見

るたび悲しい。こぞって使用禁止とされたのは自治体の横並びゆえ

か▼「批判を恐れた行政が過敏に反応した結果かもしれません」と

話すのは立教大の小野良平教授(57)。公園の歴史や設計に詳し

い。「そもそも公園はゆとりの場。だれもがふらりと立ち寄って、

ボーッと過ごすことができる空間であってほしい」▼行く先として

公園しか浮かばないのに、行くのがはばかられる。百五十余年前に

「都市の肺」として生まれた場所で、深呼吸も自由にできないのは、

皮肉な話であろう。

 

 

「公園は都市の肺である」

この歴史を思い出させたい。

今だからこそ。

「長期ひきこもりの現場から」⑯ 孤立するには最適の部屋だったのを変えた

  

今日は令和2年5月23日。

  

前日に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 

石川清さんの具体的手法を述べているところを引用します。

  

 長期ひきこもりが家族以外の第三者と関わるきかっけ

(中略)

 まず1点目は、声かけや手紙のアプローチが彼の心を揺さぶった

こと。

 僕は訪問してすぐに声かけをしない。ゆっくりと、本人の緊張や

恐怖を誘発しないように進める。それが功を奏したのか、手紙を読

んで、いずれ相談したいと思ったという。本人が受け入れてくれれ

ば、手紙はどんな声かけよりも効果がある。なぜなら、手紙は形と

して残るので、気が向いたら、いつでも読み直すことができるから

だ。

(248p)

  

シンプルだけど、後で読み直すことができる手紙はいいのです。

実践しています。

  

  

 2点目に”環境”へのアプローチのひとつがうまくいったこと。

 ひきこもりが深刻化したところで、家族で引っ越してもらった。

もともと2階建ての社宅に住んでいたので、そこから出て、フラ

ットなマンションに引っ越したのだ。社宅では、当事者は2階の

いちばん奥の、孤立するには最適の部屋に陣取っていた。しかし、

引っ越ししたあとのマンションでは、家族の努力で本人の部屋は

リビングに隣接する和室となった。入り口もドアから襖に変わり、

リビングから家族や、来客があったときなど他人の雰囲気を感じ

やすくなった。

(248~249p)

   

環境へのアプローチは具体的にこういうことなのでしょう。

石川さんは「路地の奥の家ほどひきこもりやすい」

とも書いていました。

ここでも道草 「長期ひきこもりの現場から」⑤ 路地の奥の家ほどひきこもりやすい(2020年4月13日投稿)

環境は、影響を与えるのです。

  

  

長期ひきこもりの人にとって、家族以外の第三者と関わりを

もったり、家庭以外の社会と最初に関わりをもつことを

「最初の壁」と石川さんは書いています。

この「最初の壁」を越えたとしても、長期ひきこもりの人には

「第二の壁」があるとしています。

  

 第二の壁は”成長”の壁で、ひきこもっている間に経験できなかっ

たことを、その後の人生でどれだけ追体験できるか、必要な知識や

経験をどれだけ獲得できるかが重要となる。よく学び、よく遊ぶこ

とで自分なりの他者との交わり方をどれだけ会得するかが重要だ。

(253p)

  

第一の壁を越えても、第二の壁があり、

上記のことを配慮しなくてはいけません。

長期ひきこもりに人だけでなく、

長く不登校だった生徒に対しても同じだと思います。

登校したら終わりではなく、そこから次の対応が必要です。

2020年5月22日 (金)

さあ学校が始まる/トイレ掃除をどうするか?

  

今日は令和2年5月22日。

  

6月1日から勤務校では終日授業が始まります。

それに伴って、清掃が始まります。

  

ここで問題がトイレ清掃。

新型コロナウイルス感染が広がる前は、

普通に、生徒がトイレ掃除をやっていました。

しかし、糞尿にもウイルスが含まれていることがわかっている今、

どうしたらいいでしょうか。

   

三重県のニュースを見ると、しばらくの間は

トイレ掃除は教職員が行うそうだ。

ニュースONE トイレ掃除も下校後の消毒も#先生が担当”

  

掃除のコツは・・・

ぞうきんで拭くときには、1方向で。

ウイルス除去が目的なので、ぞうきんでごしごしすれば

ふたたびついてしまいます。

ウイルスが集まりやすい壁・トイレのマル秘掃除術

  

トイレの便器掃除で、水を流しながらやったときの

飛沫が目に入ることを心配します。

フェースシールドが必要でしょうか。

やっぱりあった方がいいと思います。

皆さんの学校では、どうされていますか?

「長期ひきこもりの現場から」⑮ ”本人””家族””環境”へのアプローチ

   

今日は令和2年5月22日。

  

前日に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

    

「最初の壁」に関する話の続きです。

 

 周囲の支援者や家族が最初の壁に突き当たって停滞している当事

者に対してできるアプローチは、およそ次の3つの方向のものとな

る。”本人”へのアプローチ、”家族”へのアプローチ、そして”環境”

へのアプローチである。

 ”本人”へのアプローチとしては、声かけや手紙などがある。声か

けは本人への圧迫感がかなり強いので、もし強引な手段に頼らずに

当事者の心の壁を開こうとするときは、慎重に進めるべきだ。自傷

他害のおそれがある深刻なときは、医療保護入院や措置入院という

強制入院という手もあるが、できれば使いたくないし、そもそも医

者でない僕にはできない。

(245~246p) 

 

今自分は手紙、写真を届けることから始めています。

先日はほぼ初めて直接対面して声かけができました。

  

 ”家族”へのアプローチとしては、家族の不安や焦りを解消して、

家族をエンパワメント(元気づける)することなどだ。家族は現在

ひきこもり状態がどの程度深刻で、これからどういう方法や態度を

とればいいのか皆目わからないでいる。だから、それらの悩みを一

緒に考えて、家族が今後の方針や方策を見つけられるよう、情報を

提供したり、アイデアを出したり、一緒に考えていくことが大切だ。

 家族は難しい当事者と付き合うことに必死で、ほかのことを考え

る余裕がないことがある。だから、家族の日常生活全般についての

相談相手になることも、支援者にとっては必要な関わり方だ。ただ、

過剰に干渉して、支援者が家族をコントロールするようになっては

いけない。あくまで家族自身がいろいろ対処できるように脇から支

えていくのが肝要だ。

(246p)

  

家族の思いをまだしっかり聞いていない。

これからやることである。

”ひきこもり親の会”のような会にさんかしているのか、

外部の力も得ているのかもどうなんだろう。

そんなことも知っておきたい。 

    

 本人が頑なにひきこもるときには”環境”へのアプローチも重要で

ある。環境が変わると、家族の雰囲気も変わる。それは間接的、直

接的な刺激となって、当事者の変化へとつながることもある。

 人の出入りを多様化、活発化することは、簡単な環境へのアプロ

ーチのひとつだ。いつもいる人がいない状態を作ったり、家の中に

他人が入ってくることは大きな刺激になる。もっとも、統合失調症

などの精神疾患を患っている場合などは、環境をあまりいじりすぎ

ると、かえって本人の症状を悪化させることもあるので、留意しな

がら進める必要がある。

 とにかく、ひきこもり当事者にとって、ひきこもりの長期化が著

しいと、最初の壁の克服は、本人だけ、あるいは本人と家族だけで

は難しい。家族や本人が煮詰まって、何もアイデアが出ず、余裕も

ないときこそ、第三者である支援者の果たす役割が重要となる。

(246~247p)

  

キーワードは「アイデア」だと思います。

煮詰まって停滞している状態を打破するアイデアは、

第三者がもたらしやすい。もたらすべきです。

現在オンラインでの雑談や、オンライン授業への参加を

提案している。

まだ学校の許可が出ていませんが、

新型コロナウイルス感染拡大で、積極的にとられている

オンラインによっ得られるつながりは

打破するアイデアだと思っています。

  

  

石川さんは、このアプローチの具体例を示しています。

また今度書きます。

  

2020年5月21日 (木)

「長期ひきこもりの現場から」⑭ 「最初の壁」を越えられず、「世界最低妄想」に陥る

  

今日は令和2年5月21日。

  

今日は昨年の6月以来、久しぶりの教室での授業をしました。

テレビ番組を使った自分らしい授業ができました。

ちゃんとできる自分を確認しました。  

   

前日に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

    

  

 成果のない支援に対して、幻滅を早々に抱く傾向が強いので、可

能ならほんの少しでもいいので、家族が少しでも手応えを感じるよ

うな、小さな変化を早い段階で実現したいところだ。

(230p)

  

ひきこもり・不登校への対応は焦ってはならないけど、

家族が幻滅しないような小さな変化を起こさなくてはならない。

ここが難しいけど、家族の立場ならそうだろうなと思います。

 

 最近、メディアによく”毒親”の文字が踊る。”毒親”とは”毒になる

親”の略語だ。

 もともとはアメリカのセラピストであるスーザン・フォワードが、

1990年代に書いた『毒になる親』という著作で世に出た言葉だ。

日本語訳も出ている。(中略)

 1章から3章までは、日本のひきこもり問題にも深く関わる考察

が並ぶ。第1章は”親の権威や方針は絶対であり、正義や正しさを押

しつける親”について書かれている。ここでは親は正しく、子供は無

力になって、悪い意味での”いい子”になってしまい、自立できなく

なる場合について書かれている。

(230~231p)

  

 

この”いい子”はいけないのです。

この”いい子”は自立していない。

この”いい子”は自分のやったことに責任をもたない。

この”いい子”を教師は見極めなくてはならないと思います。

  

  

 長期ひきこもりの人にとって、家族以外の第三者と関わりをもっ

たり、家庭以外の社会と最初に関わりをもつ「最初の壁」の高さは、

言葉に表せないほど高く、そして険しい。

 その時に気にしてしまうのは、自分はどう思われるか、どう振る

舞えばいいか、嫌われずにコミュニケーションをとるにはどうすれ

ばいいかーーなどだ。気にし始めると、常に最悪のことを考えてし

まう。そして、最悪のことが起こるにちがいない、と確信してしま

う。最悪のことが起きるとわかっているならどうすべきか。そう、

何もしないこと、外へ出ないことだ。

 そして何もできずにチャンスを逃したあとに去来するものは「自

分は世界で最低の存在なんだ・・・」という究極の自己嫌悪や自己

否定の念だったりする。僕が”世界最低妄想”と呼んでいるものだ。

 もちろん、最初の壁を乗り越えられない人のすべてが”世界最低妄

想”の持ち主というわけではない。すでに本書で紹介したように、最

初の壁を乗り越えられない理由は、ほかにいくつもある。ただ、こ

の壁は、すでに健やかに育って何の苦労もなく壁を乗り越えている

人には、まったく感じられないし、その存在も見えない。

 最初の壁にぶち当たってもがくひきこもりの当事者は、誰とも接

しない孤独な状態で自室で悩み苦しむ。孤独が続くかぎり、壁は乗

りこえられないが、当のひきこもり本人にはそれがわからない。

(244p)

  

最初の壁に突き当たって停滞している当事者に、

どうやってアプローチするかを、石川さんは書いています。

すごく参考になりました。

  

次の記事でうちます。

2020年5月20日 (水)

「長期ひきこもりの現場から」⑬ 「KHJ」は「Kazoku Hikikomori Japan」の略

  

今日は令和2年5月20日。

  

今朝も出勤前に1本。

  

前日に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 

 (ひきこもりを抱える)家族の孤立化を防ぐことと、家族への

支援の充実は、ひきこもり問題の解決にきわめて重要だ。そうい

う意味で、専門家ではなく、当事者である家族の立場や状況に立

脚した、”親の会”の存在は重要だ。”親の会”は有益な情報公開の

場である。ほかの家族の成功例を知ることで、自分の家族の問題

の解決につなげることもできる。

 ”全国ひきこもりKHJ親の会”のことは、ホームページやほか

の書籍で詳しく紹介されているので、(後略)

(225p)

  

KHJ全国ひきこもり家族会連合会HP

「KHJ」は「Kazoku Hikikomori Japan」の略でした。

このサイトより一部引用します。

  

「全国の家族の皆さまへ」

      KHJ全国ひきこもり家族会連合会理事長(共同代表)
                 ながおか心のクリニック院長
                   中垣内正和(精神科医)

 当会は1999年、埼玉岩槻にて故奥山雅久氏によって創設され、

ひきこもりに取り組む唯一の全国的な組織として活動を重ねてま

いりました。相談先すらなかった時期を経て、いまやひきこもり

は、社会全体で取り組むべき課題として認識されています。

 創意工夫を続ける当会は、ひきこもり当事者やその家族にはな

くてはならない活動団体として幅広く認められています。 全国

の悩めるご家族の皆さま、どうぞ問題を家の中におかないで、当

会にご参集ください。次世代のために、ご自身のために、新しい

社会のために出会いましょう。

  

  

こういう団体があることを知ったのも、この本です。

不登校の保護者と接する時にはしっておかなければ。

   

  

 なんといっても親が死んだあと、子供の生活がどうなるかが心

配だ。直接的には経済的不安(お金の問題)がよく出る。さらに

突っ込んで尋ねると、経済的不安以前に、そもそもひとりで生き

ていくノウハウやスキル、経験、さらに相談相手など、あまりに

も”脆弱な生活力”や”生命力”にこそ、不安があることがわかる。 

 それなら、何ごとも自分でやってもらうように日ごろ家で実践

すればいいのだが、親の心理と習慣から、子供はいつまでも子供

だという。かわいそうな子供を放っておけないので、いつまでも

養うために頑張って子供に尽くしてしまう。なかには80歳にな

っても、50代のひきこもりの子供を養うために看護士として働

き、炊事、掃除、洗濯の世話をし続ける親御さんもいる。こうし

た関係を”共依存”と呼ぶこともある。

(227p)

  

「8050問題」と言われます。

※参考:ひきこもりクライシス 100万人のサバイバル 「8050問題」 求められる多様な支援

ここを読んで勉強しました。

 

う~ん、ここまで。

出勤準備します。

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