「長期ひきこもりの現場から」⑮ ”本人””家族””環境”へのアプローチ
今日は令和2年5月22日。
前日に引き続き、
「ドキュメント・長期ひきこもりの現場から」
(石川清著/洋泉社)より引用します。
「最初の壁」に関する話の続きです。
周囲の支援者や家族が最初の壁に突き当たって停滞している当事
者に対してできるアプローチは、およそ次の3つの方向のものとな
る。”本人”へのアプローチ、”家族”へのアプローチ、そして”環境”
へのアプローチである。
”本人”へのアプローチとしては、声かけや手紙などがある。声か
けは本人への圧迫感がかなり強いので、もし強引な手段に頼らずに
当事者の心の壁を開こうとするときは、慎重に進めるべきだ。自傷
他害のおそれがある深刻なときは、医療保護入院や措置入院という
強制入院という手もあるが、できれば使いたくないし、そもそも医
者でない僕にはできない。
(245~246p)
今自分は手紙、写真を届けることから始めています。
先日はほぼ初めて直接対面して声かけができました。
”家族”へのアプローチとしては、家族の不安や焦りを解消して、
家族をエンパワメント(元気づける)することなどだ。家族は現在
ひきこもり状態がどの程度深刻で、これからどういう方法や態度を
とればいいのか皆目わからないでいる。だから、それらの悩みを一
緒に考えて、家族が今後の方針や方策を見つけられるよう、情報を
提供したり、アイデアを出したり、一緒に考えていくことが大切だ。
家族は難しい当事者と付き合うことに必死で、ほかのことを考え
る余裕がないことがある。だから、家族の日常生活全般についての
相談相手になることも、支援者にとっては必要な関わり方だ。ただ、
過剰に干渉して、支援者が家族をコントロールするようになっては
いけない。あくまで家族自身がいろいろ対処できるように脇から支
えていくのが肝要だ。
(246p)
家族の思いをまだしっかり聞いていない。
これからやることである。
”ひきこもり親の会”のような会にさんかしているのか、
外部の力も得ているのかもどうなんだろう。
そんなことも知っておきたい。
本人が頑なにひきこもるときには”環境”へのアプローチも重要で
ある。環境が変わると、家族の雰囲気も変わる。それは間接的、直
接的な刺激となって、当事者の変化へとつながることもある。
人の出入りを多様化、活発化することは、簡単な環境へのアプロ
ーチのひとつだ。いつもいる人がいない状態を作ったり、家の中に
他人が入ってくることは大きな刺激になる。もっとも、統合失調症
などの精神疾患を患っている場合などは、環境をあまりいじりすぎ
ると、かえって本人の症状を悪化させることもあるので、留意しな
がら進める必要がある。
とにかく、ひきこもり当事者にとって、ひきこもりの長期化が著
しいと、最初の壁の克服は、本人だけ、あるいは本人と家族だけで
は難しい。家族や本人が煮詰まって、何もアイデアが出ず、余裕も
ないときこそ、第三者である支援者の果たす役割が重要となる。
(246~247p)
キーワードは「アイデア」だと思います。
煮詰まって停滞している状態を打破するアイデアは、
第三者がもたらしやすい。もたらすべきです。
現在オンラインでの雑談や、オンライン授業への参加を
提案している。
まだ学校の許可が出ていませんが、
新型コロナウイルス感染拡大で、積極的にとられている
オンラインによっ得られるつながりは
打破するアイデアだと思っています。
石川さんは、このアプローチの具体例を示しています。
また今度書きます。
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