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2018年6月

2018年6月15日 (金)

地元愛知県での「ゴロン」

今日は6月15日。

  

せわしい毎日ですが、何かのきっかけで、

忘れていたことを思い出すことがあります。

そうやって思い出したことは大事にしたい。

  

 

今朝、映画監督の安藤桃子さんが

離婚していたというニュースを見ました。

このニュースで思い出したのが、

ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうための企画

ゴロン

安藤さんがかつて「ゴロン」を取材した番組について

このブログで書いたからです。

この記事です↑

ここでも道草 “ヒロ”難病ALSとの闘い3/ゴロン(2014年8月9日投稿) 

 

 

こういう機会に、今の「ゴロン」少々調べました。

そしたらこのサイトに出会いました。

Als2 世界ALSデー in NAGOYA みんなでゴロンしよう!

  

6月17日に地元愛知県で「ゴロン」が行われます。

このサイトで手に入るチラシの写真です↓

Als3

Als4  

特にここに注目↓

Als  

立浪さんが図書館に寄贈している本

「PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って」

以前読みました。その本についても以前書きました。

ここでも道草 「PL学園最強世代」からの引用その1.清水哲さんからの言葉(2016年2月5日投稿)

恩田聖敬さんについても何度か書いてきました。

ここでも道草 恩田聖敬さん(38歳)/理不尽とうまくつきあう(2016年12月7日投稿)

6月17日に出かけていって、実際に出会いたい人たちですが、

その日は部活動の大会。残念。

動画を転載。


YouTube: 「世界ALSデーin Nagoya〜みんなでゴロンしよう!2018」詳細決定‼️


YouTube: このイベントを始めたきっかけ

  

安藤桃子さんには申し訳ありませんが、

離婚のニュースで、直近の「ゴロン」のイベントを

知ることができました。

2018年6月14日 (木)

NHKスペシャル「人類誕生」をどう授業で生かすか?

今日は6月14日。

 

社会の授業で、いよいよ歴史を教えるにあたって、

NHKスペシャル 人類誕生 第1集 こうしてヒトは生まれた

(2018年4月18日放映)

NHKスペシャル 人類誕生 第2集 最強のライバルと出会い 

そして別れ」(2018年5月13日放映)

この2本を一気に見ました。 

面白かった!

授業に使えるネタが満載でした。

  

  

録画はしてあったのですが、この番組がきっといい番組だぞと思ったのは、

修学旅行で国立科学博物館に行った時でした。

ここでこの番組のことを特集したコーナーがあったのです。

そのコーナーの写真です。

Rimg2915

Rimg2912

Rimg2913  

このコーナーには、モニター画面があって、

番組の紹介映像が流されていました。

(撮影禁止だったので、モニター画面の写真がありません)

そのCG映像の精巧さに驚きました。

そして担当者の声↓

Rimg2913_2  

一部引用します。

 

これまでに見たことのない、まったく新しいドキュメンタリー

作品をつくる。(中略)

我々は、多くの専門家の協力のもと、人類の先祖たちを

主人公に見立てて、CGに命を吹き込み、

人格を宿らせました。

観る人を引き込む、活き活きとリアルに描かれた、

原始の世界。

この作品が、視聴者の皆さんの、人類に対する新たな理解や

発見につながることを、心から願っています。

田畑 端(スクウェア・エニックス/ルミナスプロダクションズ)

  

この文章を読んで、ハタと思いました。

「NHKスペシャル 人類誕生」も、日々数多く放映される

たくさんの番組の一つです。

でもその番組に携わっている人は「今までにない」ものを

つくろうという意欲をもって作っているんだなあと。

そういう人たちにとって、番組は「番組」ではなくて、

「作品」なのだと。

教えている子どもたちの中で、この作品に出会った子は、

そうはいないと思います。

私は運よく録画してあります。

授業時間数に限りがあるので、見せられるのはわずか。

どこを見せるか?

授業にどう絡ませるか?

制作者の人たちの思いを生かしたい。

  

そして第3回を自分で選択して見ることができる生徒にしたい。

「授業で面白かったから、第3集は見てみよう」と思わせたい。

Photo NHKスペシャル

放送日は7月8日です。 

 

Youtubeで映像が一部配信されていました。

NHKより。

画像の埋め込みは無効状態だったので、

リンクだけ。

【人類誕生CG】440万年前の人類は愛妻家でイクメンだった!?【NHKスペシャル×NHK1.5ch】

【人類誕生CG】370万年前の人類は虫を食べていた!【NHKスペシャル×NHK1.5ch】

【人類誕生CG】240万年前の人類のライバルはハイエナ!?【NHKスペシャル×NHK1.5ch】

【人類誕生CG】180万年前の人類はマラソンランナーだった!?【NHKスペシャル×NHK1.5ch】

NHK1.5ch」!

あの小国さんの企画です。

※参考:20170902報告その10.「注文をまちがえる料理店」その2(2017年9月19日投稿)

そこで小国士郎さんの言葉を引用しています。

ここに再掲載。

 

そもそもは、ずっともったいないなあと思っていたんです。

いい番組がたくさんあるのに、

ちゃんと皆さんに届けられていないことが。

 

この発想、大賛成。

2018年6月11日 (月)

マングローブの資料置き場その2/なぜマングローブさんはマングローブ?

 

今日は6月11日。  

 

今日の授業で子どもたちに「マングローブ」って、

聞いたことがあるかい?と質問しました。

うなずく子が多かった。

そうか!ミッツ・マングローブさんだ!

 

なぜミッツ・マングローブさんは、

「マングローブ」を名のるようになったのか

知りたくなりました。 

調べました。  

  

Wikipediaには次のように書いてありました。

  

本名は徳光修平。(中略)

父は、英国伊勢丹社長や伊勢丹の新宿本店店次長を務めた

徳光次郎。伯父(父の兄)はアナウンサーの徳光和夫。

(中略)

「ミッツ・マングローブ」という名は、自ら命名したものである。

「ミッツ」については、和夫が「徳さん」と呼ばれるのをアレンジし、

「自分は分家だから『徳光』の『ミツ』を使った」という。

「マングローブ」については、大げさで洋風な名前をつけようと、

響きと字面だけで付けたが、

本人はマングローブがどんなものか知らなかったという。  

  

 

そうだったのですね。

 

前投稿に引き続き、

マングローブの様子を伝える映像を探してみました。


YouTube: 沖縄アクティビティ「島あそび」 - マングローブカヤック

 

  


YouTube: 世界のさまざまなマングローブ

  

 

pixabayで無料の写真がありました。

並べてみます。

Green2803161_1920

Phuquoc3058774_1920

Sunset2947819_1920

Australia695200_1920

Kitten632633_1920

Mudcrab2833653_1920

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マングローブの資料置き場/そもそもマングローブとは?

今日は6月11日。

  

さあ、今週も頑張ろう!

  

社会科の授業で、はたと説明に困る時があります。

「マングローブ」も困りました。

教科書では熱帯のフィジーの記述の中で

次のように出てきます。

  

観光の中心は、ビチレブ島の北西に並ぶ小さな島々ですが、

観光開発によってさんご礁やマングローブが破壊される

といった問題が起こっています。

「新編 新しい社会 地理」(東京書籍)33p

  

マングローブの下調べが十分ではなく、

どのような樹木なのか、

授業では説明ができませんでした。

教科書の記述だけを見ると、

子どもたちは樹木とも思わないでしょう。

後で見たら、資料集にフィジーで、

マングローブを植林している写真がありました。

独特の根のはり方など写真を通してよくわかります。

授業でここを見せればよかったと後悔。

  

マングローブに詳しいサイトを探しました。

マングローブと生き物たち

このサイトによると、マングローブの定義は次のようです。

  

みなさんはマングローブを知っていますか?

「マングローブ」という名前がついた植物が

あるわけではありません。

熱帯(ねったい)や亜熱帯(あねったい)地域の

河口(かこう)など、満潮(まんちょう)になると

海水が満ちてくるところ(潮間帯(ちょうかんたい))に

生えている植物をまとめてマングローブと呼びます。

たとえば、雪のふる高山(こうざん)に生えている植物を

まとめて高山植物と呼ぶように、

海水が満ちてくる潮間帯に生えている植物を

みんなまとめてマングローブと呼んでいるのです。

ヤシやシダの仲間も合わせると、

世界中では100種類以上の植物がマングローブと呼ばれています。

 

わかりやすい定義です。感謝。

写真も豊富です。

1枚転載。

Pecu01 マングローブの巨木(エクアドル)

 

このサイトで、マングローブの勉強ができそうです。

次の映像も役立ちそうです。


YouTube: タイ マングローブ林再生プロジェクト

  

  

以上です。

ブログが、マングローブの資料置き場となりました。

2018年6月10日 (日)

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」からの引用5/卒業までに、教科書を読めるようにすること

今日は6月10日。

  

前投稿に引き続き、「AI vs 教科書が読めない子どもたち

(新井紀子著/東洋経済新聞社)からの引用です。

  

たくさん引用してきました。

  

図書館に返す本なので、手元に大事な文章をとっておきたい、

何度も読み返したい気持ちからです。

でもいよいよ最後。

  

中高生の読解力については、現場の教員のみなさんが、

最も敏感にそれを察し、危機感を抱いておられます。

高等学校の先生からは、「板書ができない」という

悩みを打ち明けられました。

板書をしても、書き写せない生徒が増えているからだそうです。

筆記試験が難しくて普通免許が取得できない卒業生や、

折角、板前修業をしても、調理師免許が取れない卒業生も

少なくないそうです。 

AIと共存する社会で、多くの人々がAIにはできない仕事に

従事できるような能力を身につけるための

教育の喫緊の最重要課題は、中学校を卒業するまでに、

中学校の教科書を読めるようにすることです。

世の中には情報は溢れていますから、

読解能力と意欲さえあれば、

いつでもどんなことでも大抵自分で勉強できます。

今や、格差というのは、名の通る大学を卒業したかどうか、

大卒か高卒かというようなことで生じるのではありません。

教科書が読めるかどうか、そこで格差が生まれています。

(240~241p)

  

何度も書いてきましたが、

4月から18年ぶりに中学校教師となりました。

定年までの4年間は、

このまま中学校での勤務でしょう。

そんな時にこの本を読んだのはタイムリーでした。

 

中学校の教科書が読める子どもを育てることをベースに、

今からやっていきたい。

当然、今晩つくる社会科プリントは、

少し変化をつけたい。

戸田市の先生たちのように工夫をしていきたい。

いい本でした。

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「AI vs 教科書が読めない子どもたち」からの引用4/注意!デジタル化

 

今日は6月10日。

  

前投稿に引き続き、「AI vs 教科書が読めない子どもたち

(新井紀子著/東洋経済新聞社)からの引用です。

  

表層的理解はできるけれど、推論や同義文判定などの

深い読解ができない場合、文章を読むのは苦ではないのに、

中身はほとんど理解できていないということが起こり得ます。

コピペでレポートを書いたり、ドリルと暗記で定期テストを

乗り切ったりすることはできます。

けれども、レポートの意味や、テストの意味は理解できません。に似ています。

AIに似ているということは、

AIに代替されやすい能力だということです。

私が最近、最も憂慮しているのは、

ドリルをデジタル化して、項目反応理論を用いることで

「それぞれの子の進度にあったドリルをAIが提供します!」と宣伝する塾が

登場していることです。

こんな能力を子どもたちに重点的に身につけさせることほど

無意味なことはありません。

問題を読まずにドリルをこなす能力が、

最も AIに代替えされやすいからです。

  

小学生のうちからデジタルドリルに励んで、

「勉強した気分」になり、テストでいい点数を取ってしまうと,

それが成功体験となってしまって、

読解力が不足していることに気づきにくくなります。

中学校に入ってもデジタルドリルを繰り返せば、

1次方程式のテストで満点が取れて、英単語や漢字は

身につきますから、そこそこの成績は取れるはずです。

ところが、受験勉強に向かい始める中学3年生になると、

なぜか成績が下がってしまう。

本人は薄々気づいているはずです。

「なんだか学校の先生が言っていることがわからない」、

「教科書は読んでもわからない」......。

けれども、どうしてよいかわかりません。

だから余計にデジタルドリルに没頭してしまいます。

東ロボくんに散々「ドリル」をさせた私は自信を持って言います。

読解力を身につけない限り、そこから先の成績は伸びません。

読解力のある生徒が受験勉強に精を出し始めると、

読解力のない子の相対的な成績は、むしろ下がる一方になります。

東ロボくんも、いくら憶える英文の数を増やしても、

英語の偏差値は50前後で伸び悩みました。

(229~231p)

 

ここは警鐘ですね。

特に特別支援学級での指導は、

デジタルドリルが多くなりがちです。

読解力の育成をもっと入れなければと反省します。

  

  

新井さんは、アクティブラーニングについても書いています。

  

つまり、教えてもらうだけではなくて、

自分でテーマを決めたり自分で調べたりして

学習したり、グループで話しあったり議論したり、

ボランティアや職業体験に参加したりというのが

アクティブ·ラーニングだということです。

なんだかとても魅力的に聞こえます。

でも、ちょっと待ってください。

教科書に書いてあることが理解できない学生が、

どのようにすれば自ら調べることができるのでしょうか。

自分の考えを論理的に説明したり、

相手の意見を正確に理解したり、推論したりできない学生が、

どうすれば友人と議論することができるのでしょうか。

「推論」や「イメージ同定」などの高度な読解力の正答率が

少なくとも7割ぐらいは超えないと、

アクティブ・ラーニングは無理だろうと私は考えています。

(235p)

  

 

私が驚いたのは、「悪は熱いうちに打て」という

珍答にではありません。

答を知っている者にとっては珍答である解答が、

それを知らなかった4人にとって、

一番確からしい解答になっていく過程に驚いたのです。

つまり、「推論」が正しくできない人ばかりが集まって

グループ·ディスカッションすると、

このような事態に陥ってしまう危険性が

高いことを思い知ったのです。

(237p)

 

  


もちろん、アクティブ·ラーニングは、

必ずしも、正解に辿り着くことを目標としていないことは知っています。

正解に辿り着く方法を身につけさせるのが主眼なのでしょう。
 

たまには結論が間違っても構わない。

また、他者と討論したり、グループで議論したりすることで、

自然と社会性も身についていく。それも狙いなのかもしれません。

現代の社会の中で上手く生きて行くには、

場の空気を読むことは非常に大切で、

論理的に正しいこと正しく推論するとそうなるに違いないことを

主張し過ぎると、窮地に立たされることがあることを、

私も知っています。
 

ですが、正解に辿り着く、あるいは正解に辿り着く手法を

身につけさせるためにアクティブ・ラーニングを

教育に取り入れるのであれば、

少なくとも議論をした後で、
 

事典やなんらかの手段、せめてウィキペディアなどで調べて、

何が正しかったのか、確認できなければしょうがない。

でも、ちょっと待ってください。

彼らはウィキペディアを読めるでしょうか。

なにしろ教科書が読めないのですよ。

せめてRSTの正答率が8割以上にならなければ、

ウィキペディアを読むのは無理でしょう。
 

ネットには「正解そのもの」は書いていないかもしれない。

だとしたら、正しい情報から正しく推論して、

どの答が正しいかを、判断しなければならない。

RSTが測っている「推論」や「具体例」の問題を

遥かに超える能カを前提としているのです。

RSTの2万5000人を超えるデータから断言できます。
 

意味のあるアクティブ·ラー二ングを実施できる中学校は、

少なくとも公立には存在しません。

高校でも、ごく限られた進学校だけです。
 

このような絵に描いた餅が学校現場に導入された責任は、

文部科学省よりもその方針を決定した中央教育審議会、

そしてその構成員である有識者にあります。

私のような一介の数学者がRSTを発明するまで、

なぜ「中高校生は教科書を読めているか」という事実を考えようとも、

調べようともしなかったのでしょうか。

なぜ、数十年前に卒業した中学校の記憶と、

自分の半径5メートル以内にいる優秀な人たちの印象に基づいて、

こんな「餅」の絵を描いてしまったのでしょうか。

(238~239p)

  

  

でも学校では「アクティブラーニング」が行われます。

上のことを知って取り組みたい。

何か手はある。

  

あと1回投稿したい。

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」からの引用3/埼玉県戸田市の先生たちの実践

 

今日は6月10日。

  

前投稿に引き続き、「AI vs 教科書が読めない子どもたち

(新井紀子著/東洋経済新聞社)からの引用です。

 

ここまで読むと「読解力を上げる方法なんてないんだ」

と思うかもしれません。いいえ、そんなことはないのです。

埼玉県戸田市では2016年以降、小学6年生から中学3年生まで

全員がRSTを受検しているとお伝えしました。

それだけではないのです。

埼玉県では(まだ一部ですが)先生たちもRSTを受検します。

なぜか。RSTでは問題を使いまわすので、

例題以外の問題を公開しません。

ですから、先生たちは自分でRSTを受検しないと、

どんな問題が出題され、どうして生徒たちがつまずいたのか、

わからないのです。

先生が自ら受検するのは勇気が要るに違いありません。

「もし、自分も解けなかったらどうしょう 」

と心配になるでしょうから。

実際に受検した先生方からは次のような感想をいただきました。

「実際にRSTをしてみるまで,教科書の文章を読むことが

こんなに難しいこととは思いませんでした。

解説を聞いてみるときちんと読んでいれば正解できたなと

思う問題ばかりで普段いかにきちんと読んでいないかを痛感しました」

「日ごろいかに自分があいまいに文を読んでいるかを

理解することができました。RST はとても興味深く、

すべての教科において『教科書を読む』ことの大切さ、

そしてそれに『国語』という教科が

いかに深く関わりを持っているのかの自覚を持つことができました」

特に、中学·高校の先生方は、教科担任制ですから

自分の科目以外の教科書がどのように書かれているか、

ほとんど読んだことがありません。

読みなれていない分野の教科書から出題される問題に取り組むことで、

生徒たちが「読み」のどこでつまずいているのか

実感できたのでしょう。

戸田市ではさらに、学校内で先生たちが放課後集まって、

RSTの問題を自力で作ったり,どうすれば読めるようになるのかの

授業の検討を毎週のように重ねたりしているそうです。

その活動をしている先生に「大変でしょう?」と尋ねると、

「いいえ、楽しいです」

という返事が返ってきました。

「元々、子どもたちが好きで、教えるのが好きで教員になっているので。

子どもたちがわかっている,という手応えを感じられると嬉しいんです」

なるほど。

  

  

学校というところは,本当に大変な職場です。

どこかの学校でいじめなどのす不祥事があるたびに、

全国一斉に「アンケート調査をしろ」というようなお達しが下ります。

調査調査の明け暮れです。

中教審の委員の思いつきとしか思えない、

プログラミング教育とかアクティブラーニングとか

キャリア教育とか持続可能性社会教育とかを突っ込まれ、

さらには小学生から英語教育。

いい加減にしてくれ! と多くの先生たちは内心、

思っていたのかもしれません。

子どもが好きで教えるのが好きで教員になった彼らです。

「教えたら、わかる」という手応えこそが

最大のモチベーションになるのでしょう。

(225~226p)  

  

その通り!

  

  

そういう中で、埼玉県が独自に行っている

 

「埼玉県学力学習状況調査」が行われました。

そこで、驚くべきことが起こったのです。

それまで戸田市は埼玉県全体の中で、

ずっと中くらいの成績でした。

それが突如として,中学校は1位、小学校は2位で、

総合1位の成績に急上昇したのです。

1年だけの結果からは何とも言えませんし、

因果関係の検証も必要でしょう。

でも、光明が見えてきた気がします。

科学的なデータに基づいて、先生たちが

「きちんと教科書が読めるためにはどうしたらよいか」を研究し、

実践する、そういう地味でベーシックなことが、

いかに重要かということを示唆する結果ではないでしょうか。

(226p)

  

こういう実践例が、明日からの・・・いやいや今晩からの

行動力につながります。

 

教科書を読めるようにする教育を

全国2万5000人を対象に実施した

読解力調査でわかったことをまとめてみます。

・中学校を卒業する段階で、

 約3割が(内容理解を伴わない)表層的な読解もできない

・学力中位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない

・進学率100%の進学校でも、内容理解を要する読解問題の正答率は

 50 %強程度である。

・読解能力値と進学できる高校の偏差値との相関は極めて高い

・読解能力値は中学生の間は平均的には向上する

・読解能力値は高校では向上していない

・読解能力値と家庭の経済状況には負の相関がある

・通塾の有無と読解能力値は無関係

・読書の好き嫌い、科目の得意不得意,

 1日のスマートフォンの利用時間や学習時間などの自己申告結果と

 基礎的読解力には相関はない

 

高校生の半数以上が、教科書の記述の意味が理解できていません。

これでは、8割の高校生が東ロボくんに敗れたこともうなずけます。

記憶力(正確には記録カですが)や計算力、そして統計に基づく

おおまかな判断力は,東ロボくんは多くの人より遥かに優れています。

このような状況の中で, AIが今ある仕事の半分を代替する時代が

間近に迫っているのです。.れが、何を意味するのか、

社会全体で真摯に考えないと大変なことになります。

(227~228p)

 

  


まだつづく

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」からの引用2/中学生の半数は、中学校の教科書が読めていない状況

 

今日は6月10日。

  

前投稿に引き続き、「AI vs 教科書が読めない子どもたち

(新井紀子著/東洋経済新聞社)からの引用です。

  

現在の中学生はどれくらいの語彙が

不足しているのでしょう。

ある公立中学校の社会科の先生に教えていただきました。

大変熱心な先生で、以前から

「教科書が読めない生徒が増えている」と感じ、

社会科の教科書の音読を授業でさせているそうです。

(202p)

 

この先生に賛成。

私も4月から速音読実践中。

この本を読んで、続けてやっていこうと決めました。

  

  

AIが苦手とする問題があります。

2つの文章を読み比べて意味が同じかどうかを判定する

「同義文判定」というジャンルの問題です。

例を挙げましょう。

たとえば、こんな問題です。

 

【問3】次の文を読みなさい。

 

幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、

大名には沿岸の警備を命じた。

 

右記(ここでは上記)の文が表す内容と、

以下の文が表す内容が同じか。

「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。

  

1639年、ポルトガル人は追放され、

幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

 

 

沿岸警備を命じられたのは大名ですから、

答は「異なる」です。当然ですよね。

でも、A1には結構難しいのです。

なにしろ、出てくる単語はほぼ同じですから。

やっぱり人間のほうが優秀だと喜べるかというと、

残念ながらそうではありません。(中略)

なんと中学生の正答率は57%だったのです。

どういうわけか中学3年生が一番低くて55 %です。

私自身、その結果を知ったときに愕然としました。

(中略)

同義文判定の問題は「同じ 異なる」の二択ですから、

コインを投げて裏表で解答しても50%正解します。

ということは、中学生の正答率は

ほぼコイン投げ並みだということです。

(205~206p)

  

 

しかし、恐ろしいのは、AIと差別化しなければならない

 

「同義文判定」「推論」「イメージ同定」「具体例同定」の

 

ランダム率(まったくできない率)です。

 

「推論」は4,「同義文判定」は7割を超えています。 

 

つまり、教室で座っている生徒の半分が、

  

サイコロ並みだということです。

 

推論や同義文判定ができなければ、

 

大量のドリルと丸暗記以外,勉強する術がありません。

 

推論の例題4 ( P, 192)を見てください。

  

「エベレストは世界で最も高い山である」が提示文です。

  

それに対して、「エルブルス山はエベレストより低い」かどうかが

  

わからない生徒は、「富士山はエベレストより低い」

  

「キリマンジャロはエベレストより低い」「クック山はエベレストより低い」

 

と、あらゆる例を覚えなければならないでしょう。

  

つまり「一を聞いて十を知る」ために必要な

  

最も基盤となる能力が推論なのです。。

 

これが、私たちが「中学生の半数は、中学校の教科書が読めていない状況」と

  

判断するに至った理由です。

 

数学の定義に従って4つの選択肢の

 

どれにあてはまるかを選ぶ「具体的同定(数学)」のランダム率は、

 

なんと約8割です。

 

「偶数とは何か」「比例とは何か」という定義を読んで、

  

偶数や比例を選ぶだけの、計算も公式も必要ない問題において、

 

中学3年生の8割がサイコロ並みにしか答えられなかったのです。

  

こんな状況でプログラミング教育を導入できるのでしょうか。

 

プログラミングはまさに数学的な定義のみでできているのですから。

 

日本の科学技術の未来は暗いと

  

言わざるを得ないでしょう。

  

(215~216p)

  

  

 

まだつづく。

 

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」からの引用/RST

 

今日は6月10日。

  

AI vs 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著/東洋経済新聞社)を

拾い読みしました。 

勉強になった。

今までの授業のやり方を後押ししてもらい、

さらに授業をどうやって変えていくといいかを

示唆してもらえた気持ちです。

引用しておいて、くり返し読んで、血や肉にしていきたい。

  

(AIに奪われずに)「残る仕事」の共通点を探してみると、

 

コミュニケーション能力や理解力を求められる仕事や、

 

介護や畦の草抜きのような

  

柔軟な判断力が求められる肉体労働が多そうです。

  

AIでは肩代わりできなさそうな仕事なのですから当然ですが、

  

それは第2章で見てきたAIに不得意な分野と合致します。

  

つまり、高度な読解力と常識、

  

加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野です。

  

もう少し詳しく説明すると、AIの弱点は、

  

万個教えられてようやく一を学ぶこと、応用が利かないこと,

  

柔軟性がないこと,決められた(限定された)フレーム(枠組み)

  

でしか計算処理ができないことなどです。

  

繰り返し述べてきたとおり、A1には「意味がわからない」ということです。

  

ですから、その反対の、一を聞いて十を知る能力や応用力、

 

柔軟性、フレームに囚われない発想力などを備えていれば、

  

AI恐るるに足らず、ということになります。

  

では 現代社会に生きる私たちの多くは

 

AIには肩代わりできない種類の仕事を不足なく

 

うまくやっていけるだけの読解力や常識、

  

あるいは柔軟性や発想力を十分に備えているでしようか。

  

常識の欠如した人が増えてきているのは嘆かわしいことですが、

  

大半の人が持ち合わせていなければ,それはもはや常識とは言いませんから、

  

常識や無意識の人間らしい合理的判断は

  

大半の人が持ち合わせていることにしておきます。

  

問題は読解力を基盤とする、コミュニケーション能力や理解力です。

  

(171~172p)

 

  

「読解力」に視点が絞られてきました。

子どもたちの「読解力」がどうなっているのか?

  

その読解力を調査するために、新井さんは

リーディングスキルテスト(RST)を開発しました。

RST開発の部分の文章を引用します。

 

方法論はありました。

コンピューターや言語学の専門家らと一緒に、

東ロボくんに読解力をつけさせるための挑戦を

続けていたからです。

AIが文章を論理的に読めるようになるとしたら、

  

まずは文がどこで区切られるか、

  

まり文節が理解できなければなりません。

  

それができたら,「何がどうした」という主語と述語の関係や

  

修飾語と被修飾語の関係を理解しなければなりません。

  

これを「係り受け解析」(以下「係り受け」)と言います。

  

たとえば、「私はパスタが好きです」という文では、

 

「私」が「好き」に〈係り〉、

  

「好き」は「私」を<受ける)関係にあるという言い方をします。

  

また、文章には「それ」「これ」といった

  

指示代名詞が頻繁に出てきますから,

  

示代名詞が何を指すかも理解できなければなりません。

 

それを「照応解決」(以下、「照応」)と言います。

  

文節と係り受け,照応ができれば、

  

単純な文章は読めるようになります。

 

「照応」や「係り受け」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、

  

これから頻繁に出てくるので,憶えておいてください。

 

自然言語処理研究者は、

 

係り受け解析や照応解決のベンチマークを作って,

  

AIに解かせることによってA1の性能を測っています。

 

係り受け解析では、分野にもよりますが、

  

80 %程度の精度は出ています。

 

これを参考にして人間向けのテストを作れば、

  

基礎的読解カを判定するテストになると思いついたのです。

 

「係り受け」「照応」は自然言語処理で

 

すでに盛んに研究されています。

 

一方、長年研究されているのに、

  

なかなか精度が上がらないものがあることを知りました。

 

「同義文判定」です。

 

同義 判定」は2つの違った文章を読み比べて、

  

意味が 同じであるかどうかを判定します。

  

これができると、たとえば、入学試験の記述問題を

  

AIが自動採点できるようになる可能性があります。 

 

解答例と学生の解答を読み比べられるからです。

  

そのため、研究が続けられていました。

  

が、うまくいっていません。

  

それ以外に,意味を理解せず、フレーム問題につまずき、

  

常識のないAIにはできそうにないもの,、 

  

つまり人間がAIに勝てる可能性がある重要分野として

  

「推論」「イメージ同定」「具体例同定」という課題を、

  

新たに設定しました。

 

「推論」は文の構造を理解した上で、生活体験や常識、

  

さまざまな知識を総動員して文章の意味を理解する力です。 

 

「イメージ同定」は、文章と図形やグラフを比べて、

  

内容が一致しているかどうかを認識する能カ、

  

「具体例同定」は定義を読んで

  

それと合致する具体例を認識する能力です。

  

定義には、国語辞典的な定義と、

  

数学的な定義の2種類があります。

  

推論,イメージ同定、具体例同定の3つは、

  

意味を理解しないAIではまったく歯が立ちません。

  

つまり、A1に読解力をつけさせるための研究で積み上げ、

 

エラーを分析してきた蓄積を用いて、

  

人間の基礎的読解力を判定するために開発したテストが

  

RSTなのです。

 

RSTはAIの正解率が80%を越える「係り受け」や

 

急速に研究が進んでいる「照応」と、

  

AIがまだまだ難しいと考えられている「同義文判定」、

 

AIにはまったく歯が立たない「推論」「イメージ同定」

  

「具体例同定(辞書・数学)」の6つの分野で

 

構成しました。

 

(185~188p)

 

 

長く引用しました。

RSTの「係り受け」~「具体的同定」は大事だと思い、

書き写しました。

  

RSTの結果から見えてきたこと。

次の投稿に続く。

同じ6月3日に噴火したグアテマラのフエゴ山 

今日は6月10日。

  

前投稿に引き続き、6月3日のことを書きます。  

 

2018年6月3日に、

グアテマラのフエゴ火山が噴火しました。

グーグルアース グアテマラ

グーグルアース フエゴ山

Photo_11

山の高さは3763m。富士山と同じくらいです。

「フエゴ」とは、現地の言葉(スペイン語)で

」(または「」)を意味するそうです。

頻繁に噴火してきた歴史のある山です。

※参考:Wikipedia

今回の火山は、大きな噴火でした。

  

 

雲仙普賢岳のように火砕流が発生して、

麓の村を襲いました。

それを伝えるニュース動画です。6月3日放映。

Photo_12  

もう1本。6月6日放映。

Photo_13  

火山灰を被った村。犠牲者がさらに発見される可能性も。

  

  

そして昨晩のNHKBS放送のニュースの写真です。

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フエゴ火山周辺はコーヒー豆の産地であり、

コーヒーは、グアテマラの経済を

支えているものだそうです。

火山の噴火で被害を受けた生産者は5098軒。

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Rimg3002

Rimg3003  

 

グアテマラにとってコーヒー栽培が

基幹産業なので、気になります。

  

  

  

6月3日の「今日は何の日」を調べていて、

雲仙普賢岳の火砕流が発生した日だと思い出し、

そしてその6月3日に噴火して、火砕流で大きな被害を出した

グアテマラのフエゴ山噴火のニュースを見ました。

この偶然に驚き、授業でも紹介しました。

  

 

ニュースは毎日たくさん流れますが、

縁のあったニュースは注目していきたいです。

  

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