« 2020年11月 | メイン | 2021年1月 »

2020年12月

2020年12月23日 (水)

「やめる!生き方」② 思い出の品は絞ったほうが価値が上がる

   

今日は令和2年12月23日。

  

前記事に引き続き、

「弘兼流 やめる!生き方」

(弘兼憲史著/青春出版社)より。

  

「人と言い争ってプラスになることはない」「人とぶつからないよ

うにしよう」と思うようになったのは、その頃(大学時代)からで

す。

(67p)

  

「正義に」によって戦争をするということは、「自分は正しい」と

いう大前提のもと、「対立するやつらは悪だ」「だから懲らしめる」

という論理。お互いの国に正義があるから戦争になるのです。だか

ら、正義を声高に主張するのは、相手の立場を受け入れないという

意思表示でもあるわけです。

こういうことに気づいた時から、正論を主張したり正義をかざした

りすることはやめました。そういう「議(自分の中にある意思)」

というものは口に出さず、自分がやるべきことを黙ってやればいい

と思うようになったのです。

「自分からは争いに参加しない」という考え方は、今も変わりませ

ん。誰かとぶつかりそうになったら、その場から逃げるか、話題を

変えます。

(68p)

  

「争いを避ける」「黙ってやる」に共感です。

それでもいいんだと思いました。

  

  

プラスの感情が湧くことに没頭して、ストレスの元になっているマ

イナス思考やマイナス感情を忘れさせる、ということです。プラス

の感情とは、マイナスの感情の反対ですから、「楽しい」「うれし

い」「心地よい」「美味しい」といった前向きになれる感情のこと

です。

(80p)

   

これは先日まで読んでいた坂口恭平さんも書いていました。

坂口さんは「つくる」ことを勧めていました。

マイナス感情を忘れること、マイナス感情から遠のくこと、

実際にできるんです。

  

  

「いい人」というのは他人基準

(88p)

「いい人」というのは、まわりの人間の願望を満たす存在なのです

ね。

(89p)

60歳からの人生では、誰かの願望を満たすための「いい人」であ

ろうとするのはやめて、自分の幸せのために生きたいですね。

(91p)

  

ごもっとも。

  

  

長い間生きていれば、どうしても持ち物が増えてきます。これは、

自分が生きてきた証として思い出を形に残しておきたいという心理

と、何かあった時に備えてモノをためておこうとする本能的な心理

が影響しているんですね。

とくに思い出の品は、それを捨てたら自分の過去がなくなってしま

うような気がして、なかなか思い切れないものです。

でも、生きていれば思い出は増えていくものなので、本当に大切に

したい思い出の品は、むしろ絞っていったほうが、一つひとつの思

い出の価値が上がるんですね。

(97~98p)

   

本や音楽CD,映画のDVDなどは、「観たい、聴きたいと思った時に

ないと困るから、手元に置いておきたい」という人間の心理をくす

ぐるので、ため込みやすいアイテム。

これは、思いのほか場所を取って生活空間を圧迫するものですから、

思い切った引き算でスッキリ生活を目指したものです。

(104p)

  

私にとっての課題です。

納戸にある13000越えの番組があるビデオカセットテープ、

DVD-R、BD-Rをどうしたらいいだろう。

私が死んだら処分してもらうのも手ですが、

絞り込む作業を自分でやってみたいと思うところもあります。

でもどのような方法で絞り込んでいくか。

  

引退したらやりたいことを一つですね。

  

  

「やめる!生き方」① 65歳までが楽しめるとき

今日は令和2年12月23日。

  

60歳まであと3カ月余り。

こんな本を読みました。

81skm1cknjl amazon

「弘兼流 やめる!生き方」

(弘兼憲史著/青春出版社)

      

「オレは、もうそんな年になっちまったのか」とネガティブな受け

取り方をする人もいるでしょうが、これはやめたほうがいい。年齢

を重ねて、今日生きているということは喜ぶ話であって、年をとっ

たということを残念に思う理由はないのです。

(中略)

「そんな年になれてよかった。自分も成長したものだ」とうれしく

思えばいいのです。

そもそも僕は、”老いは成長”ととらえています。いいことが起こる

ばかりが成長ではありません。他人の名前が思い出せなくなるのも、

目が疲れやすくなるのも、成長といえば成長。人間のあるべき姿と

して正しく成長している、と僕は前向きに考えています。

(19~20p)

   

「老いは成長である」と思いたいですね。

耳が悪くなるのも、成長の証。

私も成長しています。成長させてもらっています感覚かな。

  

  

日本人は楽しみを後にとっておくタイプが多いようです。「後々の

ために我慢しておこう」という考え方です。

でも、60歳を過ぎたらそれは考えもの。もう十分に我慢して頑張

ってきた人が多いはずですから、これからは「老後に楽しみをとっ

ておく」なんて発想は、きっぱりやめてしまいましょう。

(41p)

  

体力が必要なことは、それができる時間とお金が作れるのだったら、

躊躇せずに早くやったほうがいい。僕の経験から言うと、65歳く

らいまでの5年間が安心して楽しめる時期だと思います。

(42p)

 

なるほど、65歳かあ。

具体的に年齢が示されました。

65歳までせっせと山登りをしてみたいと思いました。

  

  

60歳からの人生も、箱根駅伝と同じように最後のほうで逆転する

のは難しい。

だから、エネルギーを最後の追い込みのために温存するのではなく

て、60歳から先行逃げ切りを狙うのがいいと思うのです。

(44p)

  

なるほどなるほど。

体力のある65歳までに活動を活発にさせたい。

65という数字がクローズアップされてきました。

  

  

僕の理想は漫画を描きながら死ぬことだと書きましたが、「どう死

ぬか」を考えることは、「どう生きるか」を考えることと同じだと

思っています。

(47p)

   

私にとって「道草」がキーワードになっています。

好奇心によって、何か夢中になっていることをやっている時に、

ばたりと倒れるのがいいですね。

  

   

老親の世話を抱え込まない

(60p)

 

ちなみに、介護をするために仕事をやめてしまう介護離職は、年間

10万人にも及んでいます。離職する人は、そうせざるを得なくな

ったのでしょうが、辞める前にもう一度視野を広げて、何か方法は

ないか考えてみてほしいと思います。

(61~62p)

  

  

私は辞める直前でした。

辞めなくてよかった。

視野を広げることができて、今があります。

  

  

2020年12月21日 (月)

「鬱は通り過ぎるもの」と確信

    

今日は令和2年12月21日。

  

私はまた少しうつ病のことがわかってきたように思えます。

ほぼ1カ月前に「仕事を辞めたい」と思いましたが、

再び昨日と今日、「仕事を辞めたい」と思いました。

ここでも道草 この1週間の気持ちは波乱万丈でした(2020年11月23日投稿)

うつ病が再び発症したと感じました。

今日は学校に行けませんでした。

休むことを朝、学校に連絡して、それだけで疲労感がありました。

父親が使っている介護用ベッドの布団の中に、

避難するようにもぐりこみました。

寝ました。

変な夢を見ました。

行ったことがないのでイメージですが、

東南アジアの国らしき場所を自転車で走っていました。

家に帰るのに、国境をいくつも越えました。

フリーパスでした。

上り坂の向こうから、水が押し寄せてきて焦りましたが、

自転車で水流に逆らって走っていました。

目が覚めたら昼を過ぎていました。

    

寝たけど、まだ気持ちは波立っていました。

明日教師をやっている自分の姿がイメージできませんでした。

夕方、このブログをうつことにしました。

坂口恭平さんの本で、印象に残った文章を、必死に?うちこみました。

ここでも道草 「苦しい時は電話して」④ 死にたいというのは向上心

ここでも道草 「苦しい時は電話して」⑤ 否定的なエネルギーを外に吐き出す

タイムリーにこの本が読めてよかったとしみじみ思います。

  

坂口さんが言うように、「悩んだ時にはつくる」がよかったようです。

記事をうちこむ作業で、だいぶ気が晴れました。

もんもんと悩むことから、離れることができました。

同じく坂口さんが言うように、

「鬱は通り過ぎる」ことに確信がもてました。

  

晩に心療内科に行きました。

その時点では、明日は出勤できる気持ちになっていました。

「鬱は通り過ぎた」ようです。

でも薬は増量されました。

お医者さんからは「危なっかしいですね」と笑われました。

確かに危なっかしい。

   

坂口さんのように、

自分の病気のうつ病にしっかり対面したいです。

現在の仕事の状態では、

1カ月ごとにうつ病がやってくる可能性があると、

今回の体験で思いました。

きっと問題に正面からぶつかり過ぎているのでしょう。

明日から改善できるなら改善していきたい。

「鬱が通り過ぎた」今なら、元気があるので動きたい。

ただ改善されなければ、再び「鬱は来る」

覚悟したい。

その時にはきっと「仕事を辞めたい」と思うだろうけど、

必ず「鬱は通り過ぎる」と信じて待ちたいです。

  

     

うつ病とうまく付き合って、教師をやりきりたい。

「苦しい時は電話して」⑤ 否定的なエネルギーを外に吐き出す

    

今日は令和2年12月21日。

  

前記事に引き続き、

「苦しい時は電話して」

(坂口恭平著/講談社現代新書)より。

  

死にたいと思う人の多くは、何かを「つくる」ことに向いているので

はないかと僕は考えています。

(158p)

  

苦しむことができる力は、言われた仕事をただそつなくこなす作業に

は向いてないけど、ここにないものを生み出す時には逆にとても大き

な力になります。

(159p)

  

僕の場合、必ず次の鬱がやってきます。やってこないと、体の疲れが

取れないからです。僕は生きるために、定期的に休む必要があり、自

分で意識して休みが取れないために、鬱になることで充電しているよ

うです。しかし、そのせいで死にたいとも感じています。

(中略)

毎回必ず鬱は通り過ぎていきます。そして、死にたいと思うことから

少し解放された時、僕にはある変化が起きます。

それは次にやることが見えてくる、ということです。

(168~169p)  

  

鬱をここまで分析するんだ。

自分の体験と一致します。

鬱としっかり対面してきた人だと感じました。

  

  

悩むを、考えるに置き換えてみましょう。

(177p)

 

死にたくなっている時は、不安に満ちていて、否定的なエネルギーが

溢れている。(中略)

否定的なエネルギーを外に出してみましょう。力自体は創造的な時の

ものとは変わりませんので、とんでもない可能性を秘めています。

(177~178p)

  

もんもんと悩んでいたエネルギーを、外に吐き出す。

それには何かつくること、あるいは書くことを、

坂口さんは勧めています。

そのエネルギーはすごいものだというわけです。

これも実感します。

そして、つくることは継続した方がいいと言っています。

  

つくることを日課にしていくことで、それは積み重なって、少しず

つ、あなたの自信につながっていきます。長所が生かされること。

これこそ自信になるのですから。

(178~179p)  

    

このブログ「ここでも道草」を肯定してもらった気持ちです。

  

   

考え方も性格も思考もなかなか変えることができません。

しかし、行動だけは変えることができます。死にたいという信号自

体、体が発しているわけですから、体を使って変えられることだけ

を変えればいいんです。

(197~198p)  

  

これは鬱状態から抜け出す原則ですね。

  

   

ラスト!

  

電話するのは緊張するかもしれませんが、できるだけ気軽に電話し

てみてください!

死ぬよりマシです。

みんな死にたいけど、死ぬよりも、何か逃げ道はないかとどこかで

思っています。

それを一緒に考えましょうよ。時には笑いを交えながら。

死ぬ前にぜひ電話を。

  

09081064666を一度お試しください。

(206p)

  

以上、引用しきった!

  

「苦しい時は電話して」④ 死にたいというのは向上心

今日は令和2年12月21日。

  

前記事に引き続き、

「苦しい時は電話して」

(坂口恭平著/講談社現代新書)より。

     

自殺者をゼロにするということは夢想ではないと思います。それは強

く思います。今を生きる人々が、自殺で命を落とすことがないように、

やれることをやってみたい。

だから僕は今でも自殺者をゼロにすることを諦めていません。

(100p) 

     

やりがいのあることだと思います。

坂口さん自身が言っていますが、

「世界でも有数のお節介焼き」(202p)だと思います。

先生という仕事もお節介焼きだからできることだと思っています。

  

僕は死にたい時、横になろうとします。つまり、体を休めようとして

いるってことです。横になると、何が楽になるかというと、心臓です

よね。死にたい時はどうも心臓が疲れている時のようです。僕がいつ

も通っている鍼灸院の先生が言うには、ぎっくり腰だって、心臓が疲

れている時になるそうです。とにかく横になりたいから、歩くために

一番重要な腰を動かなくさせるんだと。だから、マッサージやストレ

ッチなどをして、どうにか起き上がって仕事になんか行かないほうが

いいよと言います。

死にたい時もそのようなものと捉えていいのかもしれません。簡単に

休んでくれないあなたに対して、心臓が悲鳴をあげていて、とにかく

横になってほしいのに、寝てくれない。だからこそ、体は鬱状態をつ

くり出して、あなたを休ませようとしているのかもしれません。横に

なるのはサボってるわけじゃなくて、次に動くために心臓を充電させ

ている状態だと考えてみたほうがいいのかもしれません。

サボってるな、と思うのも死にたい人にはあんまりよくないですもん

ね。とにかく僕たちは超生真面目なんですから。そうでないと、死に

たいなんて考えません。ま、いっか、適当に生きようと思えたら、死

にたいというところまで行きません。そして、生真面目なところをま

た悩んでしまいますよね。

(112~113p)    

   

苦しい時は心臓を心配します。

心臓に負担がかかっているな。止まらんでくれよと。

生真面目なところを悩むというのも共感できます。

  

  

死にたいというのは向上心

(中略)

今の状態が最悪だから死にたいと思っているわけではないんです。

むしろ、逆で、今よりもっと満足できるように行きたいという向上心

なのかもしれません。僕は実感としてそう思っていますし、電話でみ

なさんの声を聞いても、実は何かやりたい、何かできると思っている

としか考えられないという人ばかりです。それは人生の否定ではなく、

むちゃくちゃ向上心があるということです。

(119p)

   

「仕事は辞めたい」と思っている時にも、向上心は確かにあるんです。

矛盾しているようですが、実際にそうです。

  

  

僕は、朝遅く起きると、それだけで気分が滅入ってしまいます。なの

で、とにかく早起きです。できるだけ早い時間に一つ仕事を終えると、

とても気持ちがいいです。そして、朝だと疲れはほとんどありません。

(140p)

   

坂口さんはよっく自分のことを観察していると思います。

鬱状態の自分を。

朝遅く起きると、気分が滅入るのは同じです。

二度寝はさらに辛いです。

何やっているんだ、自分はと、自己嫌悪まっしぐらです。

  

 

橙書店という本屋は僕の家から徒歩5分で行ける本屋です。店主の久

子さんは僕の病気の一番の理解者といってもいい人で、どんな状態で

そこにいても変に思いませんし、励ましてくれます。

(143p)

  

突然、今年の読書体験とつながりました。

ここでも道草 「橙書店にて」① 仲間に入れてほしい本好きの集まり(2020年1月18日投稿)

坂口さんは熊本県在住なのだと気がつきました。

 

つづく

2020年12月20日 (日)

「苦しい時は電話して」③ 反省をやめる

  

今日は令和2年12月20日。

  

前記事に引き続き、

「苦しい時は電話して」

(坂口恭平著/講談社現代新書)より。

  

「死にたい」と思っている時の症状として・・・

  

・他人と比べることが止められず、他人が素晴らしく見え、自分が

 みすぼらしく見える。

・恥の感覚が強くなり、ありとあらゆることが恥ずかしくなってし

 まう。

・人とうまく話せなくなっている。特に世間話ができなくなってい

 る。

こういったことも、自分だけの問題だと思っているかもしれません

が、「いのっちの電話」をはじめて、1万人ほどの死にたい人の声

を聞いた結果、僕が感じたことは、ほぼ全員こうなっているという

ことでした。

あなただけではないんです!

そして、僕も僕だけではないと知って、とてもホッとしたのを覚え

ています。

(中略)

この状態は死ぬまで続くのではなく、必ずやまた抜け出して、穏や

かに過ごすことができるんです。

(9p)

   

共感できます。

世間話ができなくなることまでわかります。

「自分の話なんて」と引いてしまうところがあります。

いざ話し出すと焦ってしまいます。

ドキドキして相手と話します。

   

 

死にたい時とは、つまり、何でも反省してしまている時なのではな

いかと僕は考えています。

(21p) 

 

とにかく反省している。なんでこうじゃないんだ。なんであんなこ

とをしたんだ。解決に向かうというよりも、徹底的に自分をいじめ

ているといってもいいかもしれません。いじめ絶対ダメ、の精神で

いきましょう。行きすぎた反省が、自殺なのです。

(25p)

  

第一のポイントは反省をやめるということ。

(26p)

  

反省をよくしているもんなあ。

くよくよしています。

  

  


一番面倒臭い作業に思えるのですが、なぜか悩むことだけは起きて

いる限りやめようとしません。勤勉と言ってもいいくらいです。

悩んでいる限り、面倒臭がっている人ではないんだと思います。

むしろ、悩むことだけにエネルギーを注ぎ込みすぎているために、

他のことが面倒臭いと思うようになってしまっている可能性があり

ます。

つまり、あなたは「24時間悩み続けることができる人」です。こ

れは確かだと思います。決して面倒臭がりの人ではありません。な

んにも試していない人ではありません。悩み続けているんです。悩

むことはつまり考えることですから「24時間暇さえあればずっと

考え続けている人」ということなんです。

(31~32p)

  

他のことが面倒臭くなるというのは、あります。

そうか、悩むことにエネルギーを費やすから、そう思うんだと合点です。

悩み続けることを考え続けることと肯定的にしてもらえるのはいいなあ。

  

  

死にたい時は、たとえば自分のなってきた功績が認められてノーベ

ル賞を受賞したとしても、反省してしまいます。やってきたことの

優劣などは全く関係がありません。

(34~35p)

  

体がどうにか休むために、そのような思考回路にしているのでしょう。

この表現は面白いです。

  

  

つづく

「苦しい時は電話して」② ピントを合わせてくれたレビュー

   

今日は令和2年12月20日。

  

前記事に引き続き、

「苦しい時は電話して」

(坂口恭平著/講談社現代新書)より。

  

amazon

このサイトに載っていた、私のピントを合わせてくれた

カスタマーレビューです。

 

自ら双極性障害(昔の躁鬱病)であることを公開し、作家活動ほかを

している坂口氏の最新刊です。補足すると、「死にたいと思っている

ほど苦しいときは、私(坂口氏)のスマホに電話してください」とい

うことです。この電話を「いのっちの電話」と名付けています。

エッ?個人情報保護が重視されるこの時代に、自分の電話番号を公開?

この疑問は、本を読み終わると解決します。電話で話すことにより、

相手を救い、自分も救われているのですね。

著者は「いのっちの電話」でたくさんのヒトと話をする中で、「死に

たい」と思うときは驚くほどその思考回路が似ていることに気づきま

した。それを「反省熱」とか呼んでいます。

これは一つの“症状”ではないか?

誰でも陥る可能性のあるパターン化した思考回路ではないか?

ならば対処法があるのではないか?という斬新な発想。

精神疾患は思春期以降に発症することが多いとされています。

なぜ小学生では発症しないのか?

著者は「生活リズムがキチンとしているから」と推察しています。

朝起きて、ご飯を食べて、学校へ行き、クタクタになって帰り、風呂

に入ってご飯を食べて寝る。この日課が決まっていると、ヒトは体調

を維持しやすい。

しかし自由度が高くなればなるほど、かえって生活は乱れて心も安定

しなくなるのではないか、と。なるほど、一理あるかもしれません。

それから、「死にたい」と悩んでいるときの体の状況は、

「何かを創造するとき」とよく似ている、という発見をしています。

「24時間あなたは悩み考え続けられる状態で、力が有り余っていて、

もうすでにアウトプット状態に入っていて、思考は毎秒外にあふれ出

ている」

「悩むことは言葉が涌いてくること、だから“書くヒト”になれる」

これには目からうろこが落ちました。

確かに、後世に名を残す小説家や芸術家は、精神疾患を病んでいる人

が多いですね。

現在でも読み継がれている夏目漱石は神経症、芥川龍之介は統合失調

症と言われています。

こんな本、今まで読んだことがありません。

悩める現代人の心の病理への羅針盤になり得る文章だと感じました。

   

こうやって、的確に本の内容を紹介できてしまう。

ありがたいです。

この通りです。

私もこんな本、今まで読んだことがありませんでした。

 

本の骨子はこのレビューでわかります。

次の記事からは、私が印象に残った文章を引用していきます。 

  

つづく

「苦しい時は電話して」① タイムリーな本でした

今日は令和2年12月20日。

  

タイムリーな本を読みました。

71hwteqlil amazon

「苦しい時は電話して」

(坂口恭平著/講談社現代新書)

  

この本を読むきっかけについては、この記事で書きました。☟

ここでも道草 吉岡逸夫さんの本等3冊、図書館に予約しました(2020年11月15日投稿)

新聞記事がきっかけでした。

毎日新聞に目を通しているわけではないのに、

この記事は見ることができ、注目し、

ブログに掲載して、本はすぐに図書館に予約しました。

そして昨日から読み始め、今日読み切りました。

  

 

今朝は早く起きて、30分ほど家事ができました。

洗濯、風呂そうじ、朝食の準備等。

以前にはできていて、最近できていなかったことができて、

いいスタートが切れた日でした。

でも失速。

もやもやした気持ちに覆われました。

その中でこの本は読めました。

  

坂口さんは躁鬱病です。

鬱の時の症状がとても共感します。

私は「死にたい」までは考えませんが、

「仕事を辞めたい」と思うことは、たびたびあります。

11月中旬はひどかったです。

そして今日も「仕事を辞めたい」と思いました。

この本では、鬱の症状がひどくなって「死にたい」と思った時は、

どのような状況なのか、坂口さん自身がそう思った体験と、

さらには電話相談をたくさん受けてきた体験から分析して

説明してくれています。

そして、死を選ばずに、どうしたらいいかを提案してくれています。

  

  

「仕事を辞めたい」と思った人がどうしたらいいか、

道を示してくれました。

タイムリーでした。

   

引用していきます。

  

09081064666

これは僕の携帯電話の番号です。

僕は「いのっちの電話」という、死にたい人であれば誰でもかけるこ

とができる電話サービスをやっています。もちろん無償です。本家本

元「いのちの電話」がほとんどつながらないという現状を知り、20

12年に一人で勝手にはじめました。

(3p) 

  

驚きの電話番号公開です。

新聞記事でも公開し、こうやって本にも公開したのであれば、

多くの電話がかかっているだろうなと想像します。

  

 

坂口さんも「死にたい」と何度も思っています。

  

そこでわかったことがあります。

死にたい時は、毎回、全く同じ状態なのです。

しかも驚いたことに、「いのっちの電話」にかけてきた人たちと、死に

たい状態について話をすると、彼らとも全く同じといってもいいという

ことがわかってきました。

死にたい理由はそれぞれで、とても個人的だからこそ、他の人は手を差

し出すことができず、止めることもできない。そう考えていた時もあっ

たのですが、今は違います。

死にたくなる状態とは、熱が出たり、咳が出たり、血が流れたりするこ

とと同じように、どんな人にも起こりうる症状だから対処可能なのでは

ないかーーー。

「いのっちの電話」を続けてきて、一番実感したのはこのことです。

(6~7p)

   

私にとっては「仕事を辞めたい」と思ったときの対処方法です。

参考になりました。

 

次の記事でも引用を続けます。

  

指先に老化現象?

   

今日は令和2年12月20日。

  

同年代の皆さん、こういうことありませんか。

   

買い物をします。

全部で1390円でした。

財布の中から1000円札を出します。

小銭入れを見ると100円玉、50円玉、10円玉、1円玉など

ジャラジャラあります。

390円はありそうです。

そこからが大変なのです。

まずは100円玉3枚。

1枚、2枚と拾って、もう1枚。

ねらいを定めて指を小銭入れに入れるのですが、

拾い上げたのは100円玉ではなくて10円玉。

何?

あらためて慎重に100円玉を拾う。

たしか50円玉があったぞ。

そう思って探すのだけど、そうかと思ったら1円玉。

やっと50円玉を見つけたけど、小さい分だけ拾いにくい。

そして10円玉4枚。

「1枚」「2枚」「3枚」「4枚」と言いながら、

小銭入れの中から拾い上げます。

やっとトレーに、1000円札を置いて、390円を硬貨で置きました。

ふと見ると、10円玉が1枚多い。

あわてて1枚財布に戻します。

  

  

ずっと以前、授業で老人体験をするというのがありました。

軍手を2枚重ねて、操作をするというものでした。

細かいことができにくくなるというわけです。

その状態に今はなっているのかもしれません。

指先に老化現象を感じ始めました。

  

「自転しながら公転する」③ 配偶者の死の影が及ぼすもの

   

今日は令和2年12月20日。

   

今年も押し迫ってきました。

昨日図書館で借りた本の、返却期限はいろいろ来年となり、

1月9日でした。

  

前記事に引き続いて

「自転しながら公転する」

(山本文緒著/新潮社)より。

  

 

配偶者の死の影は、親のそれとはまったくの別物だった。自分の土台を

容赦なく崩されるような衝撃だった。

(229p)

  

夫が癌であると宣告された時のことです。

こう思うのだろうか。

そうなりそうだと思ったので、引用しました。

  

 

結婚したらこんなふうにどこへ出かけても同じ家に帰るのだなと都は

思いながら、とろんと眠いような幸福を感じつつ彼と手をつないで夜

道をぶらぶら歩いた。

(237p)

  

なるほどと思いながら読みました。

当たり前になっているけど、確かに家族は同じ家に帰っています。

結婚によってそうなっています。

すごいね。

  

  

とうとう絵里もお母さんになってしまうのか、と都は思った。友人の

妊娠はよかったと思う反面、結婚よりもずっと、その人が遠く離れて

いってしまうような淋しさがあった。

(272p)

  

そう思うんだ。

わかる気がします。

  

  

あれほど隙なくお洒落だということは、彼は人の服装にも目を光らせ

ているのだろう。そう思うと背筋が寒くなった。

(319p)

  

これは気をつけたい。

自分は自分。他人(ひと)は他人。

自分に厳しい人は、他人にも厳しくなりがち。

自分に甘くなろう。

そうすれば、他人のことは気にならない。

    

 

滂沱(ぼうだ)の涙を止められなかった。貫一は都の顔を両手で包み、

ゆっくり親指で涙を拭った。

「今、日本人のふたりにひとりは癌になる」

静かな声で貫一はそう言った。都は目をみはる。

「死因は八〇年代からずっと癌がトップで増える一方。年間の自殺者

は二万人強。先進国の中でトップクラス。交通事故死の約六倍。少子

高齢化率も世界の中でダントツ。社会保障費はばんばん増えて、年金

受給年齢はどんどん上がって、支給額はがんがん下がるだろうな。不

安じゃない日本人なんかいないんじゃねえの」

貫一は子供に言い諭すような顔でそう言った。

(366p)

  

定年まであと1年3カ月。

身体も最近衰えが目立ちます。

不安ですね。

  

  

以上で引用終了。

最近の写真

  • Img_5741
  • Img_5740
  • Img_5737
  • Img_5736
  • Img_5735
  • Img_5734
  • Img_5732
  • Img_5731
  • Img_5730
  • Img_5729
  • Img_5728
  • Img_5733

楽餓鬼

今日はにゃんの日

いま ここ 浜松

がん治療で悩むあなたに贈る言葉