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2020年4月

2020年4月13日 (月)

「長期ひきこもりの現場から」⑦ ひきこもりの人を海外旅行に連れ出す理由

  

今日は令和2年4月13日。

  

こうやって書き写していることも、

強迫観念のなせる業なのでしょうか。

この本で勉強になった文章は、ブログに書き留めておきたい、

書き留めておかないといけない。

そう思ってうっています。

前記事の続きで、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

   

 1990年代にひきこもっていた当事者の多くは、親になじられ

たり、冷たくされたりした経験をもっている。それは高度経済成長

を経験して自信に満ち溢れた親の世代と、バブル崩壊後の不景気に

よって繊細な時期を経験する子の世代とのギャップのせいかもしれ

ない。一方で最近の長期ひきこもりの場合、親になじられた経験を

もつ人は、いることはいるのだが、それほど多くはない。逆にひき

こもり状態に陥っても、親に優しくされ続け、どちらかというと過

保護・過干渉の呪縛からひきこもり状態に陥っていく人がかなり増

えているようにみえる。

(149p)

  

いかん!

この次のページをコピーしないで、本を図書館に返してしまいました。

 

前者はともかく、後者は、子どもの心をもったまま

体は大人になった状態と書いてあったと思います。

う~ん、150pが読みたい。

同じひきこもりでも、時代によって事情が違うのです。

   

  

石川さんは、ひきこもりの人を、

なんと海外旅行に連れ出してしまいます。

いきなり!と驚いてしまいますが、ちゃんと理由があるのです。

長いけど、2p分引用します。

  

 海外へのハードルはかなり高いが、いざ行ってしまうと、変な目

で見られるとか、ちゃんとしなければいけないとか、自己紹介をし

なければいけないとか、そういった気遣いや悩みがほとんど消える。

だからかえって気軽に普通の人と普通に触れ合える。

 いきなり日本国内をひきこもりの若者と一緒に歩いても、なかな

かうまくいかないし、得るところも少なかったりする。というのも

民宿やゲストハウスに泊まったとき、同宿の旅人との団らんですぐ

に問題が生じるからだ。

 まず自己紹介のとき、どう話したらいいのか、どう答えていいの

かわからなくてとまどう。正直に「ひきこもっています」とだけ答

えるの苦痛だ。なぜなら、プライドが許さないからだ。軽蔑された

り、バカにされているような”冷たい目線”を向けられると、辛くて

どうしようもない欝々した気分になってしまう。

 かといって、嘘をついて「運送業やっています」とか「フリータ

ーやっています」と答えて、深く突っ込まれた質問をされたら、と

んだ墓穴を掘ってしまう。同宿の旅人のなかにたまたま運送業経験

者がいることもあるのだ。

 では、愛想笑いを浮かべて、自己紹介では自分の名前だけ言って

黙っているのがいいのだろうか。しかし、そうすると話の輪に入っ

ていけず、孤立しやすい。自己紹介は、自分をアピールする絶好の

機会であり、仲間をつくる最大のチャンスでもある。自分に関する

”いい情報や面白い情報”を披露して、ちょっと自慢したいものであ

る。

(158~159p)  

  

  

ひと休み。ふーー。

  

  

 だから、日本国内で普通に対話できるようになるためにも、その

前にある程度の社会性やコミュニケーション力、それにほかの人に

自慢したり、興味をもたれるような体験を2つ、3つくらいはもっ

ていたい。

 そのためには、思い切って海外に出かけたほうがよかったりする。

海外にはもともといろいろな人がいるうえに、こっちは外国人なの

だから、多少不自然な振る舞いをしても許される。変な目で見られ

ることはまずない。言葉が通じないので、無理にこちらから話しか

けなくてもいい。相手のほうから、親切に声をかけてくれることが

多いので、受け身でもかまわない。自己紹介では、名前と出身国く

らいで十分だ。仕事と出身国くらいで十分だ。仕事と略歴まで話す

必要はない。

 慣れてしまえばストレスはかなり減る。

 そのうえで、普通の海外旅行者も経験しないようなエピソードを

2つ、3つ体験できるといい。日本に戻って、何かの拍子に自己紹

介をする羽目に陥ったとき、その海外での面白いエピソード話を披

露すればいい。面白ければ、周りの人たちは感心して耳を傾けてく

れる。なかには「すごいね」と言って評価してくれる人も出るだろ

う。

 そうすれば自分の自信やプライドは守れるし、仲間や友達もでき

やすい。嘘をつく必要もない。万事OKだ。

(159p)

  

  

説得力があります。

ひきこもりの人と海外旅行・・・この発想は、

石川さんの生い立ちに関係します。

ここには詳細を書きませんが、この本では書いています。

やっぱり「プロフェッショナル 仕事の流儀」以上の内容でした。

  

つづく

 

追記:間が開いて、5月3日の続きをうちました。

「長期ひきこもりの現場から」⑥ ひきこもりの人たちは、毎日忙しい

今日は令和2年4月13日。

  

前記事に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

長年ひきこもりの人と対峙してきた石川さんだからこそ、

わかることがあります。

  

(前略)読者の皆さんも違和感を覚えたと思うが、ずっと引きこも

っているのに、タモツ君が「とにかく忙しくて」と言ったのはなぜ

だろうか。実は長期ひきこもっている当事者が、このように「忙し

い」、「ほかのことをやるヒマがない」と語ることはよくあること

だ。

 ひきこもっていない人からみると、あたかもひきこもり続ける人

たちは、日ごろ”何もやっていない””何も考えていない”ようにみえ

るかもしれない。だが、それは誤りであることが多い。

 長期間ひきこもっている当事者の場合、ひきこもっていても自分

の精神がなるべく歪まないように、いろいろな”ノルマ”や”作業”を

1日の時間割のなかにたくさん組み込むことがある。筋力トレーニ

ングをたっぷりこなす、筋骨隆々のひきこもりは案外珍しくないし、

学生時代の問題集や語学をひたすらやり直している人もいる。ネッ

トの掲示板を複数閲覧して、いつもきっちりコメントや返信を返す

人もいれば、ネットゲームの神様としてゲームの世界に常に君臨し

続ける人もいる。時にはそれが”強迫障害化”してしまって、日々の

自分のノルマをこなすのに忙しいから、とても働くヒマなどない、

という状況になってしまうこともある。

(143~144p)

  

  

私も、休んでいるときには筋トレをやっていました。

わかる気がします。

さらに続きます。

   

 タモツ君の場合、日々の掃除やペットの世話、新聞を読むことが

何より優先される”ノルマ”になってしまっていた。ノルマを達成し

続けることが、いつのまにか毎日の目標となってしまい、社会参加

や社会復帰ということを考えなくなってしまったのである。ノルマ

をこなし続ければ、それなりの達成感を味わえるので、一時的に落

ち着くことができるのだ。

 これはあまりに孤立的な生活を長く続けていたからこうなったの

であって、孤立状態が崩れて、日常的に第三者と交流する機会が増

えてくれば、また変化していく可能性は、もちろんある。ただ、日

常的なノルマの量があまりにも多く、時間も取られるので、なかな

かその状態から自力で脱出するのが難しくなってしまったのだ。

 そもそも、当事者自身がそのサイクルを壊したくない、壊すのが

怖い、という心理状態になって、生活に変化を起こしづらくなって

いる。もし今のサイクルを壊してしまったら、その後自分は何をや

っていいのか、わからない。根っこまで染み付いた強迫的な行動や

思考は、すべて自分自身の一部になってしまっており、切り離すこ

となど考えられない状態なのだ。

(144p)  

  

  

このような人にどう接したらいいのか?

長くなっていますが、さらに続きを引用します。

  

  

 そういった状態の当事者と接するときに必要なのは、そんないび

つかもしれない日々の”ノルマ”に支配されている当事者を決して否

定せず理解することなのかもしれない。かといって、僕も一緒に同

じことをやってしまうと、時には相手の歪んだ日常や価値観を拡大

させ、ミイラ取りがミイラになってしまうこともあるので、注意が

必要だ。

 状況によっては、正論を貫くような接し方もあるかもしれない。

ただ、その場合は、一時的に当事者が不安定になって日常生活を送

ることが困難になってしまうことも考えられる。あらかじめ丁寧で、

きちんとしたサポート体制を整えておくことが大事になる。

 つまり、ひきこもり傾向の強い人の場合、自分なりに正しいと思

ってやってきたことが突然無価値なものとして瓦解してしまうこと

はゆるされないのだ。無理すると、抑うつ状態になったり、言動が

荒れて暴力的、攻撃的になってしまうことがある。家族だけでは、

とてもそんな混乱した当事者に対処できなくなってしまう。

(144~145p) 

  

  

ひきこもりも、不登校も、

指導はとてもデリケートなものだと思います。

やるからには、その覚悟が必要です。

  

  

つづく

 

  

「長期ひきこもりの現場から」⑤ 路地の奥の家ほどひきこもりやすい

  

今日は令和2年4月13日。

  

前日の記事に引き続いて、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 密集した住宅街の一角に義雄君の家はあった。密集した住宅街の

路地の奥の家は、ほかの家に比べて長期間ひきこもる人が多いよう

だ。実際、現在僕が訪問している家のなかでも、このような条件の

位置にある家が、5,6軒ある。

(112p)  

  

驚いた。私にも心当たりがあるのです。

石川さんは、理由まで述べています。

  

 路地の奥の家ほどひきこもりやすい、というのには理由がある。

 奥まった家から外に出ると、必ずその路地を通らなければ表通り

に出られない。しかし、路地の両側には近所の家が軒を連ねている。

すると、路地を抜けるときに、両側の家々の人に、”見られている”

ような気分になってしまうことがある。もちろん、実際にはそんな

ことはないかもしれない。だが、一度”見られている”という感覚に

苛まれると、頭の片隅に」から振り払えなくなってしまうことがあ

る。そうなると、路地を通りたくないがために、自宅内にひきこも

ってしまうことがあるのだ。

(112p)  

  

実践者が語ることです。傾聴に値します。

  

  

 僕が最初に訪問支援をしたのは、太郎君だ。2001年のことだ

った。当時は訪問支援という意識はなく、僕は長期間ひきこもって

いた当事者と個人的に接する機会を得て、どうしていいかわからず

にちょっととまどっていたように思う。

 当時、ひきこもり問題の専門家はごくわずかしかいなかった。精

神科医の斎藤環(たまき)さんが『社会的ひきこもり』を出版し、

ひきこもり問題を世に投げかけたのは、1998年11月のことだ

った。

(120p)

  

私が教員になってからのことです。

「不登校」は若い時から聞いていた言葉ですが、

「ひきこもり」はやはり後から聞いた言葉です。

  

 悩みに悩んだ太郎君は、自分が人とうまく付き合えないのは背が

低いせいだと考えた。しかし、当時の太郎君の身長は約170セン

チで、同年代の男子の平均。決して低いわけではなかった。

 太郎君は、典型的な”醜形恐怖”の症状に襲われていた。自分の顔

や外見が悪いため、人に嫌われたり、受け入れられないと頑なに信

じ込み、際限なく悩んでしまう症状だ。

 太郎君の視界には身長の高い人たちの姿しか入らない。自分より

低い身長の人は視界に入らない。いや、もちろん視界には入ってい

るのだが、背の低い人たちの存在は記憶に残らない。だから、太郎

君の頭の中では「自分は世界で最も背の低い、醜悪な男」というふ

うに固定されてしまった。

(122~123p)

  

こういう人もいるのです。

そう思って生徒に接していきたい。

  

 中国や韓国、香港、シンガポール、東南アジアでも、最近は”ひき

こもり”の問題が深刻になってきているという。条件が重なれば、日

本以外でも”ひきこもり”は発生してしまうようだ。

(131p)

  

日本だけではないようです。

今の時代が、ひきこもりを増やす理由があるのでしょう。

  

  

石川さんは、時々ひきこもりの人を海外旅行に連れ出します。

旅行してみて次のような声もありました。

  

「日本にいるときは、周りが皆、忙しそうに動いているので、ひきこ

もっている自分だけがどんどん取り残されてしまうような感じがして、

終始不安でしょうがなかったんです。でも、その島では周りの人が全

員、何もしないで1日じゅうゴロゴロしていて、まるで時間が止まっ

たようでした。いや~、リラックスするってことを初めて体験できま

した。こんなところに長期滞在すれば、なんか癒されそうですね」

 日本人の若者グループ、特に元気のよさそうな男性のグループが近

寄ってくると、すぐに調子が悪くなってしまったが、これも無意識の

うちについ”ひきこもり”の自分と、元気な相手を比較してしまい、嫉

妬と自己嫌悪の念に打ちのめされてしまうからだ。

(135p)

  

こういうひきこもりの人の微妙な気持ち。勉強になります。

私も休職中ににた感情を持ちました。

  

  

タモツ君は職場で同僚とささいなことで喧嘩をしました。

  

 私物のハサミを同僚が勝手に使ってそのまま持ち続けていたことを、

タモツ君が注意したことがきっかけだった。そのことだけみると、タ

モツ君が悪いわけではない。

 しかし、なぜか取っ組み合いの喧嘩となり、タモツ君はつい「こん

な会社、やめてやらぁ!」と啖呵を切って、本当に辞めてしまった。

上司からはもちろん慰留されたが、「男が一度公言した以上、あとに

は引けません」という言葉を残して、タモツ君は会社を去った。

 実はひきこもりがちになる若者の場合、こうした傾向はたまにある。

黒か白か、敵か味方か、行ったか言わないか、の両極端な二者択一、

その中間を考えられない窮屈な思考に陥るのだ。そして、こういう人

ほど、自分が発した言葉に翻弄されて、不器用な生き方しかできなく

なってしまう。社会人としては、当然幼いということになるのだが、

そんなことはもちろんわかっている。しかし、それでも自分をコント

ロールできなくなってしまうのだ。

(138~139p)

これも心当たりがあります。

こういう児童や生徒はいました。

 

「世界」5月号がやっと手に入りました

 

今日は令和2年4月13日。

  

新型コロナウイルス感染防止を言われている時に、

先週木曜日から日曜日まで毎日大きめの本屋に出かけ、

5店目でやっとめざす月刊誌を手に入れました。

Epson291 「世界」2020年5月号(岩波書店)

※購入のきっかけになった記事掲載:ここでも道草(2020年4月8日投稿)

途中、ネットで手に入れようとしましたが、

予想外にスムーズにいきませんでした。

アマゾンでは、送料1800円!になっていてビックリ。

岩波書店のHPでは、注文の仕方が不明でした。

新聞に大きく宣伝していたのに、簡単に手に入りませんでした。

 

近所の図書館の休館日がさらに延長して、5月6日までとなりました。

3月初めに予約した本が、なかなか私の手元にやってきません。

とりあえず、今日からの読書は、この「世界」です。

2020年4月12日 (日)

「長期ひきこもりの現場から」④ 強烈なストレス→際限なくループ

   

今日は令和2年4月12日。

  

不登校・ひきこもりの生徒に対応する場合に、

知っておいた方がいいことがたくさん書いてある本でした。

前日の記事に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

  

 今日はこれから外秩父の敏幸君の家を訪ねるところだ。おそらく、

ゴールデンウィーク中は、調子が悪かっただろう。一部のひきこも

りの当事者にとって、毎年のゴールデンウィーク中は大きく気分が

落ち込む。

 同年代の若者が、羽目をはずしてレジャーや恋、仕事を勤(いそ)

しみながら充実した人生を謳歌しているのに、なぜ自分はひとり取

り残されて、自室で鬱々とした日を過ごしているんだろう・・・・

そんな自問自答を1日じゅう頭の中で延々と反芻しているからであ

る。

 ゴールデンウィーク以外にも、鬼門の時期がいくつかある。まず、

クリスマスから年末年始、成人式にかけての日々。次いでバレンタ

インデー前後。夏のお盆前後の行楽シーズンや、秋のシルバーウィ

ーク、最近ではハロウィンの前後にも調子を落とす人が出ている。

 寒暖の差が大きかったり、気圧が低くなると、抑うつ状態になる

人もいる。

(98~99p)

  

  

敏幸君は自分の後頭部の形が気になり、それを隠すためもあって

髪の毛をずっと切らずに、ひきこもりの生活をしていました。

髪の毛の長さは2メートル近くになりました。

しかし、石川さんと東南アジアを旅した後に、

ばっさりと髪を切ってしまう。

なぜ切ったのかという石川さんの問いに、敏幸さんが答えます。

  

「イシさんとタイの北部のパーイっていう山の中の盆地の町に行っ

たじゃないですか。あそこにレゲエ系の髪の長い人がいっぱいいた

でしょ。それこそ、なかには4、5メートルまで髪を伸ばして、直

に地面にひきずって、歩くような人がいたじゃないですか。髪の毛

の先に泥がまとわりついて玉になって、そのまま歩いている人もい

たでしょ。それを見たら、髪の毛へのこだわりがなぜか消えちゃっ

て、どうでもよくなりました。あの人たちには、もう勝てないし。

ああなりたいわけでもないんです。それで、ちょっともったないけ

れど、切っちゃったんです。もっと普通でいいかなって。いやー、

すがすがしいですし、自分の頭がこんなに軽いもんだって初めてわ

かりました」

(101p)

  

後頭部の形はいいのかと石川さんが聞きました。

  

「いや、前は気になっていたんですけれども、タイの北部で首にリ

ングをはめて長く伸ばした人たちに会ったでしょ。他にも耳たぶを

長く伸ばしたり、下唇に大きな皿をはめている人たちもいたじゃな

いですか。旅行者でも、刺青したり、動物みたいな格好をしている

人もいたりして。ああいう人たちのなかにいたら、あまり外見のこ

とが気にならなくなっちゃったんです。」(中略)

 とにかく、敏幸君はタイの奥地で、さまざまな外見で暮らす、い

ろいろな人たちに出会って、醜形恐怖(自分の容姿や外見を過度に

気にして生活に支障が出ることもある脅迫神経症状の一種)がかな

り減じたようである。

(102p)

  

 

優君と父親の相性はよくありませんでした。

酒に酔うと父親は、ひきこもりの優君に、

「怠け者!」「いい年してごろごろするな」「早く働け!」と

叱咤しました。

優君は黙って我慢していましたが、

時にくってかかることもありました。

 

そんなとき、決まって泣きながら仲裁に入るのは母親だった。優君

はなんとなく申し訳なくなって、母親とも顔を合わせるのが辛くな

ってしまい、逆にしばらく母親を無視してしまった時期もあった。

そうすることで、今度は母親の心が傷ついた。

 閉塞的な家庭環境のなかで、家族の誰かが発した強烈なストレス

は、このように家族のメンバーの間で際限なくループしてしまう。

(103p)

  

辛いループです。

閉塞的な家族の雰囲気を、第3者が壊してあげる必要があります。

   

  

 長期間ひきこもる当事者と接するとき、十分な信頼関係が構築さ

れていないと、たった一度のわずかな言葉のかけ違いや意識のすれ

違いで関係が断絶してしまうことがある。そのまま二度と回復しな

いこともある。(中略)

 幸い、マモル君との関係は断絶せずに修復できたのだが、それま

でに3、4ヶ月かかってしまった。

(111p)

  

焦らず、手探りで関わっていかなければいけないと思います。

 

つづく

2020年4月11日 (土)

「ETV特集 緊急会談 パンデミックが変える社会 歴史から何を学ぶか」から学んだこと 

 

今日は令和2年4月11日。

  

復職プログラム中です。

1年前と違って、読書をする時間が増えたたため、

それまでにやっていたことで、減らさなくてはなりません。

映像の写真を撮って、ここに載せる時間を、

今回は節約しました。

  

4月4日放映の番組

「ETV特集 緊急会談 パンデミックが変える社会

歴史から何を学ぶか」を見ました。

勉強になりました。

  

勉強になったことをここに書き留めます。

 

対談したのは3名。

漫画家のヤマザキマリさん。

歴史家の磯田道史さん。

長崎大学熱帯医学研究所教授の山本太郎さん。

さらにヤマザキマリさんが、

東京大学医科学研究所の教授の

河岡義裕さんを訪問して対談しています。

   

誰が話したことであるかは置いておいて、

勉強になったことを列挙します。

 

〇新型コロナウイルスは変異する。一度治まったとしても、

 別の地区で変異したウイルスが、再び襲う可能性がある。

 治まったからホッとしていてはダメで、

 他地区での感染終息が必要。

 地球という惑星に住む者として、他人事はない。

 

〇誰もが現状から逃れることができない。長い闘いになる。

  

〇人類は今まで何度も感染症に襲われてきた。

〇ペスト 黒死病と呼ばれる。

 14世紀、ヨーロッパでは1/3が犠牲になる。

 

〇1918年~1920年 スペイン風邪(インフルエンザ)

 死者は4000万人とも5000万人以上とも言われている。

 第2次世界大戦。兵士が戦場を移動することで感染が広がった。

 

〇戦争、災害、疫病。社会の変化をもたらす。

 突然別な社会が生まれるわけではなくて、

 それが起こる前にすでに内包していた社会の変化が、

 時間を早送りをするように起こる。

  

※「オンライン授業」という言葉が、最近は飛び交います。

 教育のIT化が急速に進みそうです。

 私としては、進んでほしい。現役中に体験したことがあります。

  

〇パンデミック(感染症の世界的大流行)

 必要最低限なものを意識する風潮になる。

 

〇スペイン風邪 日本でも50万人が死んでいる。

 しかし日本の記録が乏しい。

 磯田さんの師匠が言うには「風景を変えない感染症は忘れられやすい」

  

※今年の「山が笑った日」も異常な日ではありませんでした。

 ツバメが飛んでいるのも見ました。

 愛知県は昨日、緊急事態宣言が出ました。

 勤務校も再び休校状態です。 

 でも景色はあまり変わっていません。

  

〇与謝野晶子が残した文章。

 「盗人を見てから縄をなうというような日本人の便宜主義が

 こういう場面にも目につきます。

 政府はなぜいち早く、この危険を防止するために、

 多くの密集する場所の一時的休業を命じなかったのでしょうか。」

 (「感冒の床から」)

  

〇「いやなことは忘れたい」「もう嵐はすんだ」

 と思った人たちの行動が心配。再び感染が増加する可能性。

  

〇1回目の感染襲来。2回目があるのか、3回目があるのかは

 誰もわからない。

 スペイン風邪。日本の場合は2回目の流行の方が致死率が高い。

 100人あたりの死亡者数

 1回目の流行 1,22人

 2回目の流行 5,29人

 (東京都健康安全研究センター)

 2回目の流行の方が強毒となり、若い人の死者が増えた。

  

〇ウイルスの強毒化をさせないためには・・

 「弱毒化の方向に淘汰圧をかけていくことが必要」

 毒性の強いウイルスはヒトをすぐに殺してしまう。

 ウイルス自体も消えてしまう。

 ウイルスが生き残るためには、感染したヒトが死ぬ前に、

 次から次に感染する状態になることが必要。

 つまり感染速度が速いと、強毒化したウイルスが生き残る。

 逆に、人々が感染防止に十分な注意を払うことで、

 感染のスピードは遅くなり、毒性の弱いウイルスが残る状態となる。

  

〇スペイン風邪

 第2次世界大戦に参戦した国は、情報統制して実態を伝えなかった。

 中立国のスペインでは比較的に情報を出した。

 したがって「スペイン風邪」と命名された。

  

〇日本は経済大国。

 経済を疲弊して、自殺者が増えることを恐れる。

 感染死が増えることを防ぐだけではなく、

 自殺者を増やさないことも必要。

 磯田「死んじゃだめだ。お金のことはどうにかなる」

  

〇河岡義裕さん。

 1999年。インフルエンザウイルスの人工合成に成功。

 スペイン風邪を起こしたウイルスは、大流行して消えてしまった。

 そのウイルスの遺伝子を明らかにしようとした人がいた。

 アラスカの永久凍土に包埋されていた人を掘り起こして、

 肺の中にあったウイルスの遺伝子の配列を明らかにした。

 2018年。その情報を使って、

 スペイン風邪のウイルスを再構成した。

 インフルエンザウイルスの中で一番の強毒であった。

 感染したサルは全て死んだ。10頭ほど。

 他のウイルスは、サルを死なせることはなかった。

  

〇今回のパンデミック。

 河岡「日本人は想像力不足だった」

   「最悪を想定し、最大の防御をし、ガードをだんだん下げていく」

   「1918年もソーシャルディスタンスをやっていた。

    今もできることは同じ」

  

〇2002年 SARS

 2009年 新型インフルエンザ

 2012年 MERS

 2014年 エボラ出血熱 

 2016年 ジカ熱 

 野生動物由来のウイルスによる感染症が連発されるようになった。

 

〇100年に1度くらいだったパンデミック。

 増加の傾向。

 要因:環境の変化 温暖化 都市開発 森林伐採

  

〇日本人は「要請」に対して「自粛」で応える。

 日本の政策が良かったのか悪かったのかは、現時点では判断できない。

  

〇20世紀まで「国を守る」ために近代兵器を買った。

 21世紀は「国を守る」ためにマスクやECMOを買う。  

  

  

※一気にうちました。

 関連番組の紹介。

 明日の情熱大陸。

Photo 情熱大陸HP

2020年「山が笑った日」/ツバメ初見日

  

今日は令和2年4月11日。

   

昨日、ツバメが飛んでいるのを見ました。

きっともっと早くから飛んでいたと思いますが、

私にとっては、ツバメ初見日でした。

  

最近は雨が降りません。

「山が笑った」と思う日は、たいがい雨上がりの日です。

でも今年は、雨上がりではないけれど、

山の濃淡がハッキリしていて、

山が”微笑んでいる”と感じた日がありました。

4月7日の朝、通勤途上です。

明日から雨が降る予報です。

来週、雨上がりの日に、きっと山が”大笑い”するのを

見ることができるでしょう。

しかし、今年の「山が笑った日」は4月7日とします。

  

参考:ここでも道草 2019年「山が笑った日」/腰痛克服?(2020年4月28日投稿)

  

今までの記録一覧です。

 

平成17年 4月21日

平成18年 4月21日

平成19年 特定できず

平成20年 4月19日

平成21年 4月10日

平成22年 4月14日

平成23年 4月18日

平成24年 4月16日

平成25年 4月 8日

平成26年 4月10日

平成27年 4月11日

平成28年 4月 8日

平成29年 4月18日 

平成30年 4月 8日

平成31年 4月26日

令和 2年 4月 7日

  

 

暖冬だった今年。

今までで最も早い記録です。

しかし、異常な早さではありませんでした。

寒暖の帳尻は合ってきました。  

 

 

 

季節ごとの表現も毎年復習のために書いておきます。

春・・・山笑う

夏・・・山滴る(したたる)

秋・・・山装う/山粧う(よそおう)

冬・・・山眠る

「長期ひきこもりの現場から」③ 少なくとも3年以上持続しないと、改善したとみなさない

  

今日は令和2年4月11日。

  

復職プログラムが始まって、1カ月あまり。

最初は、定時の午後4時40分までが長かったです。

みんなよくこんな長い時間働くなあと思いました。

今は慣れました。

復職プログラム期間中は、定時に帰ることを続けたいです。

  

  

前記事に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より。

  

 

 長期間孤立しているひきこもりの当事者は、自分が周囲からどう

見られているか、ということに恐怖しているため、自分から社会と

接点をもつことが難しい。また、家族も同様の妄想に陥って、周り

が見えなくなっいるこていることが多いからだ。

 まず家族以外の第三者が、本人と家族に関わって、ひとりの人間

としてきちんと認めて、他人に対して安心感を感じてもらうことが

大切になる。まずは支援者とつながり、支援者を通じて、少しずつ

その他の優しい人たちとつながっていくことができれば、社会参加

の意欲が高まっていく。

 もちろん、炊事や洗濯、掃除、買い物など生活に必要な能力を身

につけることも重要になる。

(83p) 

 

支援者になるなら、覚悟がいることをこの本では

繰り返し書いています。

やるからには、腰をすえて取り組みたいです。

    

  

 ひきこもりには、極端な節約家で、自分の成長への投資などはい

っさいできないタイプや、逆にかなりの浪費家で自分の欲しいもの

を我慢できずにお金をふんだんに使い込んでしまう。両極端のタイ

プになっているケースがよくみられる。極度の節約家も浪費家も、

どちらもよくない。

(84p)

  

極端な節約家のイメージが浮かびにくい。

でも実践家が書いているのだから、実際にあるのだろう。

  

  

 一時的に就学したり、就労したりすることが可能なひきこもりの

当事者はかなりいる。しかし、その状態が3年以上継続しているケ

ースとなると、少なくなる。

 僕は就労や就学をしたケースについては、少なくとも3年以上持

続しないと、改善したとみなさないようにしている。持続的・安定

的に社会参加し続けることは、長期ひきこもりを経験した若者にと

って、困難なことである。一時的な改善で、ぬか喜びしても、あと

でその反動によって苦労してしまうことは多々あるのだ。

(85~86p)

   

キーワードは「3年」

就労した、就学しただけではホッとしてはいけないというわけです。

  

  

 僕は就労や就学をひきこもりの当事者のゴールに据えることはし

ない。就学や就学を目標とするのは、あまりにも世間の常識や一般

論にもとづくものであって、とても選択肢が狭くなってしまうから

だ。そもそもそんな”人並み”とか”世間並み”という意識がひきこも

りの本人や家族を追い込んでいった。

 一方で単純にひきこもり中の当事者の希望する人生が、そのまま

実現できるわけではない。現実感覚がないひきこもり状態の孤立し

た最中に抱く夢というのは、たとえば小学生が「将来宇宙飛行士に

なりたい」とか「プロ野球選手になりたい」というような実現が困

難なものと同様なものかもしれない。当事者やその家族と一緒に少

しずつ人間や社会への理解や成長を深めながら、それぞれの確実な

道を探していく作業が支援だ。

(81p)

  

  

不登校の中学生が、現実感覚のない夢を語ったことを

実際に体験しています。

実感します。

  

  

最初は長期重篤なひきこもり状態にあえぎ苦しむ若者が、さまざま

な困難を乗り越えて、やがて継続的に社会参加したり、人生のパー

トナーと安定的な暮らしを築いていく長い道筋の、ある程度のゴー

ルと言えるラインに至るまでには、大きく3つの壁があると考えて

いる。

(87p)

  

その3つの壁の1つ目は「孤立の壁」です。

  

①孤立の壁=他人や社会と関わりをもてない状況のときに直面して

 いる壁。時には同居する家族との関わりを絶って、頑なな孤立状

 態に身を置いていることもある。重篤な場合、自分から助けや支

 援を求めて動くことがほとんどないため、訪問支援や医療的ケア

 が必要となる場合も出てくる。ただし、訪問支援を開始したから

 といって、すぐに(数週間~数カ月)孤立状態から脱することが

 できるわけではない。この最初の壁を乗り越えるだけでも、数年

 かかってしまうことも多々ある。

(87p)

  

第2の壁は「成長の壁」

 

②成長の壁=多くの長期ひきこもり経験者は、思春期・青年期(

 10~25歳ごろ)に長期の孤立状態を経験し、人間が成長して

 いくために本来すべきだったはずの経験や学習をできず、いろい

 ろ抜け落ちてしまったことがある。その場合、短絡的に就労など

 社会参加の段階へ移すのではなく、年齢相応の発達段階に至るた

 めに、以前できなかったことをある程度追体験しておく必要も出

 てくる。特に社会や他人と向き合うときに”位負け”しないように、

 ある程度他人への自信や自慢になる個人的な体験をしたり、異性

 と接したり、友人などをつくる経験をしておくことは望ましい。

 というのも、就労や就学など社会参加する際に、孤立したおとな

 しい人は、時にはその集団のなかでいじめの対象となってしまう

 ことがあり、それを防ぐひとつの方策は、早めにごく少数でもか

 まわないので、友達や仲間をつくることが有効だからである。

(88p)

  

この中には、石川さん独特の発想があります。

「自信や自慢になる個人的体験」です。

確かに必要な発想だと思います。

  

  

第3の壁は「社会参加の壁」

これは省略します。

就労や就学、あるいは結婚などによる家族を作り維持すること。

  

  

つづく

「長期ひきこもりの現場から」② 「パーソナリティ障害」とは?

  

今日は令和2年4月11日。

   

前記事に引き続き、

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より。

  

 

 「パーソナリティ障害」は、少し前までは「人格障害」と呼ばれ

ていた。

 ただ、人格障害だと、言葉のニュアンスがきつすぎて、一般人に

誤解を与えてしまうことから、最近はパーソナリティ障害と称され

る場合が多い。

(54p)    

 

 

「パーソナリティ障害」について、この本で勉強。

  

 さて、本人や周囲を混乱に落とし入れてしまうパーソナリティ障

害には、具体的にどういうものがあるだろう。

 平成23年に内閣府が出した「ひきこもり支援者読本」を参考に、

ひきこもりと関連性の深いと思われるパーソナリティ障害のいくつ

かを紹介したい。パーソナリティ障害の傾向は決してひとつにとど

まらない。複数のパーソナリティ障害の傾向をあわせもつ人も少な

くない。

  

●回避性=他人から批判されたり、恥をかくのを極端に恐れて、家に

 とどまったり、何かすることを避けようとする傾向。世間体を気

 にして、自分の生活に支障が出てしまう人など。

●依存性=何ごとも他人頼みで、自分は責任を絶対に負わないという

 姿勢が一貫している。なかには、ほかの人の指示や指導を請いな

 がら、それでうまくいかないと、指示や指導をしてくれた人を恨

 んだり、攻撃したりすることもある。

●強迫性=完全主義で、細部へのこだわりが強く、身動きがとれなく

 なる傾向。いつも指定の場所に物が置かれていないと我慢できな

 かったり、決まったスケジュールや手順が守られないと我慢でき

 なくなってしまう人など。

●受動攻撃性=どんな努力をしても大人から認められず、指図ばかり

 受け続けた子供が「だったらもう動くのをやめた!」という気持

 ちになり、指示に対して不従順となるような”怒り”を抱く傾向の

 こと。ひきこもりの場合、有意義な活動を自ら放棄し、努力をや

 め、家にとどまり続ける。一見すると、自分でチャンスを放棄し

 たり、自分で自分の人生や環境を傷つけているように見える。依

 存性と結びついて、頑なに「俺がこうなったのは親のせいだ」と

 言い張って、お金や物など生活に必要なものすべてを親に依存し

 てしまう場合もある。

●自己愛性=「自分はすごい」「自分は特別なんだ」という思いが前

 面に出る傾向。こうした万能的な”自分”が損なわれるのを恐れて、

 対人関係を回避したり、試される場(試験など)を回避すること

 もある。自分が特別であるという思いにとらわれながら、傷つく

 ことを極端に恐れる。思春期や青年期に健全な自己愛を身につけ

 ていくことを阻まれたり、踏みにじられたりした人に、多く生じ

 るとされる。過保護や愛情不足が一因と言われているが、ほかに

 も要因はいろいろある。

●境界性=虐待やネグレクト(育児放棄)を受けた環境で育ったり、

 安定した愛着(たとえば親子間の愛情ある接触関係)を形成でき

 ない場合に発生しやすい。人にしがみついて生きることに執着す

 る一方、しがみついた相手を自分の思いとおりにコントロールし

 たがることがある。相手と破局すると、激しい孤立感と怒り、無

 力感を感じ、時には自傷行為や薬物の乱用に至ることもある。

●ジゾイド性=ひとりでいても平気、自分のやりたいことができれば

 いい、という感覚が強い。アスペルガー障害などの発達障害との

 親和性が高いとされる。社会に出たり、他人と交わることが苦痛

 と感じるのがジゾイド性の特徴。「ゲームをしていれば満足で、

 働きたくないのです」とか「親がいなくなったら?そしたら死ぬ

 からいいですよ」といういい方をする人は、傷つきやすい。”自分

 を守るために社会への関心を否認しているので、ジゾイド性では

 なく、自己愛性や回避性の傾向が強く考えられる。

●妄想性、統合失調症性=妄想的だったり、非現実的な言動をする傾

 向。統合失調症との親和性が高い。

  

 病気や症状の分類にあまり固執しすぎると、ひきこもりで悩む当

事者本人を見なくなってしまうこともある。右記した病気や症状は

あくまで参考程度にしかならない。

 僕が直接ひきこもりの若者と接するときには、あえて病気や症状

の分類にあまりとらわれないように心がけている。

(57~59p)

 

確かにとらわれるのはいけないと思いますが、

知識として知っておくことは必要です。

2020年4月10日 (金)

「長期引きこもりの現場から」① 雑談ができるように日頃から準備

  

今日は令和2年4月10日。

  

前記事で読み切ると宣言した本を、

昨日の晩、読み切ることができました。

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ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)

  

誕生日のように、区切りの日に読むのにいい本でした。

誕生日の日に読んだ特別な本であり、

この本で何らかの行動を始まりそうな本です。

来年還暦ですが、まだまだ動くぞ。

(復職プログラム中なので、セーブしつつ・・・)

  

  

石川清さんを知ったのは、

「プロフェッショナル 仕事の流儀」でした。

ここでも道草 「ひきこもり支援 石川清」① 「肝心のものをくれてないんだ」(2020年3月8日投稿)

番組以上のことを知りたくて、この本を借りてきて読みました。

「ひきこもり」に関する細かいけど、

重要な情報が散りばめられた本でした。

このブログに引用することで、情報を集約したい。

   

 

 僕は原則として、毎日一般紙とスポーツ新聞のすべての記事にで

きるだけ目に通すようにしている。おかげで広く薄い雑学はかなり

身についていたし、さまざまな場面で役に立っている。

(30p)

  

ひきこもりの人と会う時には雑談が大事なようです。

どれだけ相手に関心ある話ができるか、

あるいは相手が話し出したことに

話を合わせることができるかは、

日頃の努力が必要だというわけです。

 

  

 大人になってひきこもり状態に陥り、ようやく医療機関を受診す

るなどして発達障害と診断されるケースのなかには、もしかしたら

幼児期から少年、青年時代にかけて、本来成長するために必要だっ

たことを経験しなかった結果、大人になってから発達障害のような

症状や傾向が出てしまった人もいるのではないかと考えている。た

とえば、子供のときに屋外で友達と遊んだりしないで、習い事や塾

で受験勉強ばかりさせられた子供。あるいは、ひもを結んだり、ナ

イフを使って物づくりをしないで育った子供。異性と触れ合う機会

がなく、人間関係を制限させられて育った子供。ゲーム機を買い与 

えられてデジタル世界ばかりで遊んできた子供など、大人になって

長期のひきこもり状態に陥る人の多くに、アンバランスな少年期、

青年期を過ごしてきた人が目立つ。

 ただし、同じようなアンバランスな子供時代を過ごした人でも、

問題なく大人になっている人もいれば、深刻なひきこもり状態に陥

ってしまうこともある。この違いはなぜ生まれるのか。

(52~53p)

  

違いが生まれるのかの理由は、石川さんは書いていません。

話はひきこもりの人に絞られます。

   

 細かく探ると、どうやら経験をある程度積み重ねてきた人は、社

会的な関心や他人に対する感受性などを発達させているようだ。逆

に言えば、そこを怠ると、のちのち発達上のなんらかの問題が生じ

てしまうのかもしれない。

 となると、発達障害的な悩みに苦しむ若者の改善のヒントは、多

様な価値や知識を学んだり、さまざまな経験を積み重ねて学習する

ことで、それらを大人になってからでも追体験していけば、少しず

つ改善し、より元気で幸せな人生を獲得できるかもしれない。

(53p)

   

キーワードは「追体験」。

本来なら少年期、青年期で体験すべきだったことを、

機会を作って追体験させる必要があるのです。

この発想が大事。 

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楽餓鬼

今日はにゃんの日

いま ここ 浜松

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