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2020年4月

2020年4月 8日 (水)

日めくりより/ボイコットの由来 本の話を少々

今日は令和2年4月8日。

  

 日めくり「雑学王」(TRY-X)より。

  

「ボイコット」という言葉の由来とは?

Epson288

 

今から150年前の出来事から生まれた言葉だったのですね。

と、いうことは、150年前にはなかった言葉。

まだ新しい言葉なんだと思いました。

 

今日(4月8日)の朝日新聞朝刊より。

Epson290  

今まで買ったことのない月刊誌ですが、

この広告を見たら読みたくなりました。

明日、本屋さんに行こうと思います。

  

  

明日は59歳の誕生日。

1年後には還暦なんだ。

以前、還暦を迎えた人たちの姿を思い出します。

その人たちに比べて、私には貫禄がないなあと思います。

  

  

今晩と誕生日の朝の時間は、

本「ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)を読み切るために使いたいです。

並の本ではありません。

2020年4月 7日 (火)

「続横道世之介」④ 「善良であることを諦めちゃいけない」

  

今日は令和2年4月7日。

 

今晩10時からNHKEテレで放映される

先人たちの底力 知恵泉」で扱う人物は、井原西鶴。

井原西鶴の代表作「好色一代男」にも触れるようです。

Photo NHK

こちらが関心を持っていると、テレビ番組が用意をしてくれます。

なんて、思うことがたびたびあります。

言わずと知れた「好色一代男」主人公名は、世之介です。

  

昨晩の記事の続きで、

「続横道世之介」(吉田修一著/中央公論新社)より

引用します。

  

 去年の4月から、だらだらと始まったこの1年間の物語も、桜の

開花を待たずに、そのままだらだらと終わりを迎えようとしている。

 人生などというものは、決して良い時期ばかりではない。良い時

期があれば、悪い時期もあり、最高の1年もあれば、最低の1年も

ある。

 一応大学は卒業したものの、1年留年したせいでバブル最後の売

り手市場にも乗り遅れ、バイトとパチンコでどうにか食い繋ぎなが

ら始まった世之介のこの1年が、決して最高の時期ではなかったの

は間違いない。

 ただ、ダメな時期はダメなりに、それでも人生は続いていくし、

もしかすると、ダメな時期だったからこそ、出会える人たちという

のもいるのかもしれない。

 桜子や亮太はもちろん、隼人さんに、親父さん、浜ちゃんだって、

コモロンだって、もし世之介が順風満帆な人生を送っていたら、素

通りしていったかもしれない。

 とすれば、人生のダメな時期、万歳である。

 人生のスランプ、万々歳なのである。

(402~403p)

  

  

やっぱり自分と重ねてしまいます。

昨年度は長く休職しました。

休職したからこそ出会った人たちがいます。

休職したからこそ体験したことがあります。

おそらく失ったものもたくさんあると思いますが、

得たものを大事にしたい。

私の強み?は、それを書き残していること。

このブログは私の心の拠り所です。

(「よりどころ」で変換してこの漢字が出ました。

気に入ったので、そのままにしました)

  

  

「続横道世之介」のラストは、世之介と一時期一緒に過ごした

人物の手紙です。

その一部を引用します。

これが、著者が、「横道世之介」「続横道世之介」2冊で

読者に伝えたかったことだと思いました。

  

  

 世界中を船で回っていると、本当に世界にはいろんな国がありま

す。そしていろんな問題があります。目を覆いたくなるようなこと。

悲しみ。憤り。本当に奇跡でも起こってくれないかと思います。そ

んなとき、ふと浮かんでくるのが、あの頼りない世之介の顔なんで

す。

 世の中がどんなに理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをして

も、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない。そう強く思うん

です。

(407p)

  

  

今は、新型コロナウイルスで、前代未聞の事態です。

善良であることを心掛け、我慢できることは我慢をし、

やったらいいと思ったことは実行に移そう。

そう思うんです。

でもまだエネルギーの使い道が見えません。

  

 

  

  

5万ー3万=2万円 姉から弟へお小遣い

 

今日は令和2年4月7日。

  

娘と息子の話。

 

昨日息子(弟)が帰ってきて、第1報が、

アルバイト先の焼き肉店が1カ月休業しちゃったとのこと。

系列店でコロナウイルス感染者が出たためだそうです。

お金を貯めておくことが苦手な息子は、

相当ショックを受けておりました。

「お金がない」「困った」

「政府給付の30万円がほしい」

「30万円はもらい過ぎだから、せめて5万円を」

などと、うなりながらのたまわっていました。

 

息子とは違って、娘(姉)はバイトのお金は貯めておくタイプ。

夕食の時に、娘に対して、

「5万円貸してあげればいいじゃん」

「利子をとって返してもらったら」

「500円ぐらいの利子だな・・・」

と私が言いかけたら、娘から「3万円返してくれればいいよ」と

ぼそっとつぶやきました。

「3万円でいいの?」と耳を疑い、驚き、そして家族で大笑い。

 

  

息子が「それじゃあ、2万円でいいよ」と言ってきました。

冗談のような話でしたが、娘は実行しました。

2万円を弟にプレゼントしたのです。

弟は「マジ?」と驚いて、2万円を受け取りました。

  

高校生時代をピークに、ひきこもり気味で、

常に自信なげに過ごしていた娘です。

そんな姉を、弟は「情けない」「姉とは思いたくない」的な

発言がしていました。

しかし、大学生・専門学生と進学するうちに、

娘に変化が出てきました。

学校には毎日行くようになり、

それも自転車で20分以上、風の日も(雨の日は電車・送り)

颯爽と通っています。

バイトも、スーパーに勤めはじめ、レジの仕事もしています。

高校生の時を思うと、信じられない姿です。

たくましくなってきました。

 

そして今回、窮状の弟に小遣いを渡す展開。

弟も、姉を認めざるを得ない雰囲気になりつつあります。

 

私としては、今回の娘と息子のやり取りは、

とてもうれしいことでした。

前記事で書いたように、真面目に、そして善意で生きていたら、

足もとに「幸せ」のベースができてくると思います。

今回は、娘の行為が、家族のベースを補強してくれました。

   

 

 

2020年4月 6日 (月)

「続横道世之介」③ 「すでにゴール切ってる感じする」

  

今日は令和2年4月6日。

  

今日のお昼に、4月19日までの休校延長の連絡がありました。

やはりそうかという気持ちでした。

前代未聞の事態が続きます。

何にエネルギーを使うのがいいのか、模索しています。

  

  

とりあえず、読み終えた本からの引用をします。

「続横道世之介」(吉田修一著/中央公論新社)より。

  

 東京の戻ると、めっきり寒くなっていた。

 アルミサッシの溝に、隙間風防止の古タオルを押し込んでいるの

は世之介である。このライジング池袋、鉄筋コンクリート造りのわ

りには安普請で、とにかく隙間風がひどい。特に玄関ドアの下が顕

著で、明らかに寸法を間違えて注文したとしか思えないドアの下に

は、隙間と呼ぶには広すぎる空きがあり、酔っぱらったコモロンが

真冬に泊まったことがあるのだが、床に寝かせたせいで、翌朝、凍

死しかけていた。

(232p)

  

「隙間と呼ぶには広すぎる空き」

この言い回しというか、文体がいいんだよなあ。

  

新しい彼女(桜子)の実家が営む自動車整備工場で

働くことになった世之介。

  

作業に集中すればするほど、充実した気持ちになる。技術のない世

之介に与えられるのは単純作業が多いのだが、それがまったく苦に

ならない。自分で認めるのも憚られるが、世の中には亮太の実の父

親のように冒険が似合う男もいれば、自分のようにこうやってボル

トやナットを選り分ける仕事がぴったりと合う男もいるのだと思う。

(274p)

  

私は、こうやって読み終えた本から、

印象に残った文章を書き留めることが楽しい。

これが私には似合う?

やっぱり自分で言うのは、憚られます。

  

さ~て、次の文章。

  

世之介と桜子のたわいのない会話に、

後ろから(寿司職人になることを夢見る)浜ちゃん(女性)が

声をかけます。

  

(世之介)「・・・あ、そうだ。じゃあ、あの焼肉のタレ、買っと

こうよ」

 以前、試して大正解だったタレを世之介が思い出すと、

(桜子)「ああ、あれ、美味しかった。塩ダレのやつだよね?」

 と桜子も頷く。

 早速、調味料売り場へ急ぐ世之介の後ろから、なぜか浜ちゃんの

笑い声がする。

「え?何?」

 と世之介が振り返れば、

「いた、別になんでもないんだけどさ。・・・なんか、二人とも地

に足ついてんなーと思って」

 と、更に浜ちゃんが笑い出す。

「え?所帯くさいってこと?」

 と桜子が冗談半分で睨み返すと、

「違う違う。なんかさ、すでにゴール切ってる感じする」と浜ちゃん。

「何、それ?」

 思わず世之介と桜子の声が重なった。

「いや、だからさ、幸せそうだってことよ。なんか私にしても、コ

モロンにしても、みんな、いろんな夢を追ってるじゃない。でも、

結局、そのゴールってさ、こうやって楽しそうにスーパーでちらし

鮨買ったり、美味しかった焼肉のタレ、探したりすることなんじゃ

ないかなって」

 浜ちゃんの言葉は心からのものなのだが、いかんせん、幸せなと

きには幸せが実感できないものである。

「何、それ、私たちのことバカにしてるでしょ?」

 とは桜子で、

「してないって」

 と、慌てる浜ちゃんに、

「いや、してるね。でもいいもんねー。どうせ俺たちは20パーセ

ント引きのちらし鮨カップルですから」

 と、へそを曲げる大人気ない世之介である。

(278~279p)

「幸せ」について考えさせてくれる文章です。

こういう雰囲気が「幸せ」のベースなんだよなあと思います。

このベースがあるなら、安心して日々過ごせるのだと思います。

めざして勝ち取るすごいものではなくて、

真面目に生きていたら、そして善意で生きていたら、

じわじわッと下からにじみ出てきて

足もとにできあがってくるものだと思います。

この本を読んでいて、そう感じました。 

  

  

今晩はここまで。

2020年4月 5日 (日)

「続横道世之介」② 古いエレベーターをお爺さんに例える

  

今日は令和2年4月5日。

  

前記事に引き続き、

「続横道世之介」(吉田修一著/中央公論新社)より

引用します。

  

女性の寿司職人の目指した浜本さんの話。

  

 20歳のころ、チンピラのような男と付き合った。パチンコと競

で本気で食べていけると思っているようなバカだった。好きだっ

わけではない。自分より惨めな人間と一緒にいることで、どうに

自分の惨めさを忘れられた。

(54p)

  

この微妙な気持ちを、さらりと表現しちゃうんだよなあ。

  

この小説では、2020年東京オリンピックは無事に

実施されており、マラソンも東京で行われています。

実況中継です。

  

 つけっ放しのテレビで、スタート時間に近づいた神宮外苑の新

国立競技場の模様が流れている。

「あ、日吉亮太選手の姿もありますね。あれは・・・ケニアでし

ょうか。ケニアの選手となにかとても楽しそうに話してますね」

「ほんとですね。日吉選手は今朝もいつも通り、ごはんを二杯、

豆腐と油揚げのお味噌汁を二杯、それに目玉焼きと焼き鮭に、ひ

じき、きんぴら、海苔の佃煮と、たっぷりの朝食をとったそうで、

まったく緊張してないみたいですね。とにかく日吉選手はいつも

明るくて、面白くて、気がつくと、みんなが日吉選手の周りに集

まってくるようなキャラクターなんですが、今回の東京オリンピ

ックの選手村でも早速人気者になっているみたいで、海外の選手

たちが日吉選手と笑い合っている動画をYouTubeなんかにたくさ

ん投稿しているみたいですよ」

 丁寧で心のこもった解説で定評のある元マラソン選手の女性解

説者が、とてもあたたかい口調で日吉亮太を紹介している。

(57~58p)

 

ズバリ、増田明美さんですよね。

  

 

 店は歌舞伎町の古い雑居ビルの4階にある。どれくらい古いか

というと、まず、ホテトルや出張エステのチラシがベタベタと貼

られた狭いエレベーターが、なんだかお爺さんに背負ってもらっ

ているようで力がない。あくまでもお爺さんを背負っているので

はなく、お爺さんに背負われている感じなので、動き出すと自分

の体だけ1階に置き去りにされるような不安感がある。

 4階は、世之介が働くバーボンバー「ケンタッキー」と、日焼

けサロン「カリフォルニア」の2店舗あるが、完全に名前負けで

どちらも狭い。

(69p)

  

例えが異色です。「お爺さんに背負ってもらう」

よく浮かびますね。

名前負けも面白い。読みながらくすっと笑わせてくれます。

  

  

 コンビニを出て、ライジング池袋に戻り、10階のエレベータ

ーを降りると、以前AVの音量のことで注意されたことのある美

容師さんとは逆隣のドアが開き、中から背がヒョロッと高い若い

男が出てきた。

 狭い廊下ですれ違うので、

「こんばんは」

 と、とりあえず挨拶すると、日本語は分からないらしく、微笑

んだような、微笑んだことを隠すような、なんとも曖昧な表情の

まますれ違う。

 愛想がいいとは言えないが、悪い人ではなさそうである。

(71~72p)

  

微笑みの記述がすごい。よく他者を観察しているのか、

自分の体験に基づいているのか、表現が細かいです。

  

つづく

2020年4月 4日 (土)

「続横道世之介」① そこは普通に侍でいいんじゃないか

今日は令和2年4月4日。

  

新年度が始まって、3日が過ぎました。

ドキドキして過ごしていました。

3月の休校中に比較して、

周りの先生方の動きが慌ただしくなってきました。

もちろん私もあわただしいです。

みんなに紛れて、3日間がやり通せたことが大きいです。

朝普通に出勤し、仕事をして、勤務時間をやり切って

駐車場を出るときは気持ちがいいです。

休職中のように、人目をはばかるようなところもないし、

働いていないという後ろめたさもなくなってきました。

「あと定年まで2年しかない」という気持ちから、

最初から少々エンジンをふかし過ぎのところを自覚しています。

セーブしよう。

    

   

昨晩は、映画「横道世之介」(2013年)を最後まで見ました。

面白い映画でした。

主人公の世之介と、彼女の与謝野祥子が、

お互いに呼び捨てをして、恋人通しであることを確かめ合うシーンは、

原作とは違った雰囲気でしたが、それはそれでよくてジーンをしました。

「世之介」

「祥子」

「ハイ」

のくり返しでした。

 

ただ以前にも書きましたが、小説「横道世之介」の”文体”は、

映像で表現するのは難しかったと思います。

  

今日、おそらく読破してしまう予定の次の本。

51cfb25cml

 「続横道世之介」(吉田修一著/中央公論新社)

  

この本から、映像では表現しにくい文体を、いくつか引用しまう。

まずは冒頭です。

  

  

 信号はとうに青に変わっている。池袋駅西口五差路の交差点、横

歩道を大勢の人たちが渡っていく。その中にぽつんと突っ立った

まの男がいる。周囲がやたらと動くので、動かぬ男はやけに目立

つ。

(7p)

   

こんな感じで、世之介登場です。

  

世之介が床屋に行くシーン。

   

 「いつも通り?」

 理容師に聞かれ、「はい」と世之介は頷(うなず)いた。

 わりと常連だが、髪を刈ってもらっている間に言葉を交わしたこ

とはない。以前、店主のおばさんだけのときに、ものすごく遠回し

な言い方で、この強面の理容師が刑務所で利用技術を習得してきた

ことを教えてもらった。以来、世之介は目も当てられない偏見だと

は分かっていながらも、もみあげや襟首を剃ってもらうとき、その

剃刀でスッと首を掻き切られる妄想に脅えることがある。

 だが、実際には掻き切られるどころか、この理容師に刈ってもら

うと、とにかくすっきりして気持ちがいい。それこそ一昔前のヤク

ザ映画を見たあとではないが、彼に髪を短く刈ってもらって外へ出

ると、なんとなく肩で風を切って歩きたくなる。

(38p)

  

う~ん、ここは比較的映像にはしやすいのかもしれません。

次の文体はどうでしょう?

  

ある女性(あだ名は”吉原炎上”が床屋にやってきて、

頭を五分刈りにしてほしいとやってきます。

  

 例の床屋で、散髪を終えた世之介と交代に、例の吉原炎上が椅子

に座ったのである。ちなみにすれ違うとき、

「あんた、名前、なんて言うの?」

と、唐突に彼女から訊かれ、

「横道だけど、横道世之介」と世之介が答えた。

先に反応したのは強面の理容師の方で、

「ほう、浪人みたいだな」と笑う。

そこは普通に侍でいいんじゃないかと思いはしたが、これ以上、話

をこじらせてもどうかと思い、敢えて触れずにソファに座った。

(43~44p)

  

この文体は、映像では表現しにくいと思いませんか。

 

つづく

 

2020年4月 2日 (木)

「横道世之介」② 「俺、彼女いるんだ?」「え?俺、彼女持ち?」

  

今日は令和2年4月2日。

  

一昨日の記事の続きで、

横道世之介」(吉田修一著/文春文庫)より。

  

  

 自分のことは自分でやる。

 口で言うのは簡単である。しかし東京で一人暮らしを始めるまで

「自分のこと」というものが、こんなにも多いとは、世之介は夢に

も思っていなかった。

(33p)

  

特にうちの息子は、近い将来このように感じるだろうなあ。

就職がうまくいけばの話ですが。

  

  

 世之介はほっと安堵の溜息を洩らした。洩らした途端に

腹が鳴る。先にフォルックスにステーキを食べに行くべき

か。それとも軽く食パンでも齧っておいて、先に仏語の宿

題を済ませたのちに、ゆっくりステーキを味わいに行くべ

きか。 

 クロード・レヴィ―ストロースとかいう学者の本を和訳

しなくてはならないのだが、分からない言語で分からない

ことを書かれても、正直、自分が何を分からずに困ってい

るのかさえ分からない。

 先にステーキだな。

 悩んだわりには」あっさりと答えが出た。

(90p)

  

こういうささいなことを、

しっかり書き込んでいるんだよなあ。  

  

  

高校2年生の2学期に、横道世之介は、酔った勢いで、

同級生の山崎さくらに、愛の告白をします。

  

その夜さくらはにどのような返事をもらったのか、世之介ははっき

りと覚えていない。しかし桜に見送られて帰る道すがら、「俺、彼

女いるんだ」「え?俺、彼女持ち?」などと何度も独り言を呟いて

いたのだから色良い返事だったはずである。電柱があるたびに飛び

上がっていた記憶だけはある。

(152p)

  

遠い昔を思い出します。

こんな情景も文章にしてしまう著者なのですね。  

  

  

他にも、買った本なので、いい文章に出会うと、

ページの角を折っておきました。

再読では、その折りを直しながら読みます。

ついつい、書き留めずに読み進め、

最後の角の折ったページの文章です。☟

  

 眼下のグランドを覗き込もう、世之介が触れた桜の幹からとて

も細い枝が伸び、そこに一輪だけ花が咲いていた。

 小さな桜の花びらに世之介は指先で触れた。細い枝が撓(しな)

り、花びらが揺れる。世之介はカメラを取り出した。そして気の

早い桜をパシャリと1枚のフィルムに収めた。まだ小さな蕾しか

つけていない樹の中でたった一つだけ咲いてしまった気の早い桜

の花が、なぜか祥子を思い出させる。

(457~458p)  

 

先日似た体験をしています。

ここでも道草 20200322鳳来寺山登山報告(2020年3月24日投稿) 

鳳来寺山の麓で、一輪だけ咲いた桜がありました。

今頃は仲間が増えて、楽しく咲いているかな。

  

   

 

新年度、2日目の出勤。

昨日は一番で下校しましたが、職員玄関の靴ベラを、

右足のかかと付近でバキッと折ってしまいました。

慣れない革靴、慣れない靴ベラの結果でしょう。

折れた靴ベラは持ち帰り、お店で代わりの靴ベラを買いました。

500円少々。

サイズはほぼ同じですが、微妙に違う靴ベラです。

今朝、さりげなくぶら下げておこうと思います。

気がつく人がいるかな?

楽しみが増えました。

2020年4月 1日 (水)

4月1日に「2月26日」の勉強

今日は令和2年4月1日。

  

新聞を読んだことがきっかけに、今晩は「2・26」となりました。

この記事です。☟ クリックして拡大して読んでみてください。

Epson287  

4月1日の朝日新聞朝刊の記事です。

赤木俊夫さんのことが書いてあったので注目した記事ですが、

さらに次の文章に注目しました。

ほぼ中央付近にある文章です。

  

大蔵省側は軍人による蔵相襲撃を予想して防御訓練を重ね、応戦も

覚悟して警視庁を通じピストルの手配までした。

  

高橋是清蔵相側は、襲撃を予想して防御訓練もしていた!

「二・二六事件」のことをまだまだわかっていないと思い、

ふと昨年録画した番組を思い出しました。

2019年8月15日放映の

「NHKスペシャル 全貌二・ニ六事件~最高機密文書で迫る~」

録画はしたけど見ていません。

他にやりたいこと、やるべきことはあったけど、

全部後回しにしてこの番組を見ました。

  

今までは陸軍側の資料によって語られてきた「二・二六事件」

海軍の資料が発見されて、より深く「二・二六事件」のことを

明らかにしていました。

  

衝撃でした。

この事件で、軍が要人を殺すことを目にした人たちは、

軍に心理的に逆らえなくなります。

決起軍を鎮圧した天皇の権威は高まり、

軍はそんな天皇の権威をさらに高かめて、

日本を支配し、日本を戦争に突入させます。

二・ニ六事件と太平洋戦争がつながりました。

 

ここまで理解していなくて「二・ニ六事件」を教えていました。 

  

  

学びはいつでも始まります。

録画した番組がたくさんあるのは

私には幸運です。

 

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