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2018年8月26日 (日)

「この先輩たちがあって今日がある」先輩の一人が沢村栄治

今日は8月26日。

  

スバルのCMソングでもある小田和正さんの

「wonderful life」を聞き込みたくて、

この曲の入ったアルバムを、レンタル店で借りました。

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CD3枚組のアルバムでした。

「オフコース」時代のセルフカバー曲も

たくさん入っていて、

懐かしさもあるアルバムでした。

まだしばらく生活のBGMは小田和正だ。

   

「英雄の選択」で沢村栄治さんのことを取り上げました。

やっぱり興味のある人だったので、注目しました。

さらに本も読みたくなり、次の本を借りて読みました。

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後楽園球場のサムライたち」(澤宮優著/現代書館)

巨人軍の6人のサムライのことが書かれた本でしたが、

今回は、私は沢村栄治のみ読みました。

  

「まえがき」の文章をたっぷり書き留めます。

  

 

まえがき

 

今年(平成18年)2月13日に巨人軍の

 

宮崎キャンプで起こった小さな事件である

 

OBの400勝投手金田正一氏と広岡達朗氏が

 

練習の視察に訪れていた。

  

二人が立っている中、原辰徳監督が若手のある左腕投手に向かって、

 

「この人を知っているか?」と金田氏を指した。

 

投手はドラフト1位で入団し3年目奈迎え

 

将来を嘱望されている選手である。

 

同じ左腕という理由で金田氏を紹介したのである。

 

若手投手は「金村さんです」と答えて、

 

さらに「何勝したか知っているか」という原監督の質問に

  

「300・・・・ うーん」と首を傾げてしまった。

  

さすがに原監督も「バカヤロウ、400勝だ!」と

 

を軽く叩いて叱ったが,この光景を見ていた広岡氏が

  

危機感を覚え、二軍練習場へ直行した。

  

氏は、二軍ナインの前で「巨人軍は伝統のあるチーム。

 

OBの名前くらい覚えておかなければ」と一喝し、

 

臨時講義を始めたという。

 

氏は中島治康、沢村栄治、川上哲治、水原茂,スタルヒン、

 

千葉茂、長嶋茂雄、王貞治ら各氏の名前を挙げられて、

 

70年にわたる球団の歴史を12分にわたって語った。

 

村禎章二軍監督をはじめ2軍ナインは直立不動、

 

脱帽で話を聞いていたという。

 

さてこの件に限らず私はプロ野球で活躍した選手たちの

 

ほとんどが歴史の中に埋没してしまって忘れられてしまう

 

危機感じている。とくに近年は忘却の度合いが激しい。

 

現代という時代のみに目を向け、過去に活躍した選手は

 

凄まじい勢いで忘れられている。

  

その加速度はじつに驚くべき速さである。

 

私はそこにプロ野球の危機を感じる。

  

広岡氏はこうも言った。

 

「君たちはすばらしい球団に入った。

 

この先輩たちがあって今日がある。

 

君たちには私の話を権利があるし、

 

先輩が後輩を指導するのは義務だ」

 

氏の懸念通り、歴史に学ばない結果、

  

プロ野球はいつしか魅力を失ってしまった。

 

(5~6p)

  

「この先輩たちがあって今日がある」

 

この言葉は、今回いやに重たく感じました。 

 

最近、巨人軍選手の不祥事が多いからか?

  

現代の野球ファンが、過去の名選手たちに思いを馳せるとき、

  

今のプロ野球に何が欠けているのか一目瞭然とわかるはずである。

 

すべてが管理化された社会では、

  

個人は組織の歯車としてしか生きてゆけなくなった。

 

そこに個性の輝きを見ることはできない。

 

私たちは組織の規律にとらわれず自由に伸び伸びと

 

己の信念に従ってプレイした選手を見ることで、

 

自己の願望をそこに見出して大きな溜飲を下げるのである。

 

今のサラリーマン社会の投影をプロ野球に見ようとは思っていないはずだ。

 

自分もあの選手のように自由に生きてみたい。

 

そんな思い 抱かせる野球選手が現れない限り、

 

われわれの窮屈な毎日は救われない。

  

私は巨人という常に優勝を求められる組織で、

  

チームのために自分を殺すことなく、

 

自己の誇りを大事にした選手たちを取り上げたつもりである。

 

「巨人軍は紳士たれ」と言われながらも、

 

自由に個性を発揮したサムライたちがかつてはいた。

 

ここに利益を強く求められる現在の企業社会の中で、

 

かに個人が自己の誇りをもって生きてゆくかという

 

ヒントがちりばめられている。

  

学ぶべきは現在ではなく、過去にあるのだ。

 

広岡氏の言うように先人たちの足跡に謙虚になって教えを請うとき、

 

おのずからわれわれが今どう生きるべきかという道は開かれる。

 

広岡氏の言われる「この先輩たちがあって今日がある」という言葉は、

  

野球界に限らず現代日本がもっとも忘れている

 

大事な忠告なのである。

 

 

ロ野球にはサッカーの リーグなどとは違って

 

強くも悲しい長い歴史がある。

 

それは戦争を生き抜いてきたという点である。

 

戦争という暗い時代を体験して、社会的な地位を

 

確立した点は他のプロスポーツに見られない唯一の特色である。

 

温故知新というが、今原点に帰ってプロ野球を見つめなおす

 

時期が来ているように思う。

  

 

ここに取り上げた人たちは、偉大な記録を残しただけという

 

選手ではない。

 

その瞬間にすべてを出し尽くして己の信念をまっとうした

 

素晴らしい方たちである。

  

そして軽く派手なものがもてはやされる今の時代において

  

一生懸命に生きる行為がどんなにすばらしいものかを、

 

彼らの生き方は教えてくれる。

  

6人の物語を通して今、平和の中で野球が思い切りでき幸せと、

 

打算なく全力を出し切った男たちの潔さを

 

知っていただければと思う。

 

(7~8p)

 

このまえがきの文章は、たくさん書き留めておきたいと思った

印象的なものでした。

  

6人のうちの沢村さんの生き方は、やはり参考になりました。

全力を出した生き方だったと思います。

また後日の投稿に書きます。 

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