「ドン・キホーテ」完読/ヒツジ飼いと石
今日は令和元年6月13日。
久々に本を完読。(最近は拾い読み多し)
「ドン・キホーテ」(ミゲール・デ・セルバンテス作/
草鹿宏訳/スズキコージ絵/集英社)
今年度は、授業で扱いました。
有名な話ですが、215ページの長編として読んだのは、
おそらく初めてだと思います。
最後は、ドン・キホーテさんはお亡くなりになります。
印象に残った場面・・・・・
砂煙をあげて移動するヒツジを群れを、
軍隊と勘違いして、果敢に突撃をするドン・キホーテ。
おどろいたのはヒツジ飼いたちで、
「危ねえからやめろ、やめろ。」
と、どなったが、ききめがあるはずがない。
とうとうヒツジ飼いたちは怒って、
腰につけていたこぶしほどの石を、
雨あられとドン・キホーテに投げつけた。
それにもかれは目もくれず、
砂ぼこりにまみれて、かけめぐりながら・・・
(中略)
そのとき、風をきってとんできた石の弾丸が、
ドン・キホーテの横っ腹に命中し、
あばら骨を二本へし折ってしまった。
(54~55p)
今回読んでい、石が武器になって、
ドン・キホーテは、何度か痛い目にあっています。
石が武器・・・今は滅多にありませんが、
日本でも、太平洋戦争の時代まで、
石を投げ合って争うことがありました。
「印地(いんじ)」「石合戦」と言ったそうです。
この記事で、そのことを書いたのを思い出しました。たぐります。
※ここでも道草 初めて「タイムスクープハンター」を見る/印地(2010年7月21日投稿)
きっと、「ドン・キホーテ」の舞台であるスペインでも、
石は武器だったのでしょう。
ここで注目は、次の文章。
腰につけていたこぶしほどの石を、
雨あられとドン・キホーテに投げつけた。
石を拾って投げたのではなく、
腰につけていた?
それもたくさん?
これが疑問です。
「ヒツジ飼い 石」で検索すると興味深いことに行き当たります。
聖書の中に、ヒツジ飼いが投石で巨人を倒す話があったのです。
ヒツジ飼いは、ヒツジがオオカミやハイエナに襲われないように、
石を常備していたようです。
調べていて、「スリング」という言葉に出合いました。
遠心力を利用した紐状の投石機のことです。
こんな映像がありました。
ヒツジ飼いが、このスリングを使ったなら、
ドン・キホーテはもっと大変だったでしょう。
いい道草ができました。
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