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2016年1月 5日 (火)

「それはホロコーストの”リハーサル”だった」より6.「貴重な説教」

  

今日は1月5日。

  

前投稿に引き続き、

2015年11月7日放映の

【ETV特集 それはホロコーストの”リハーサル”だった

             ~障害者虐殺70年目の真実~】より

  

いよいよラストの投稿です。

  

人々が沈黙する中、行われ続けていた障害者の虐殺。

ついにある人が声をあげました。

Photo_2  

それはドイツ北西部の町ミュンスターの司教だった

フォン・ガーレンでした。

説教の中でこう言ったのです。

  

『行われていることは障害者を救済する”恵みの死”ではなく

たんなる殺害だ』

貧しい人 病人 非生産的人な人 

いて当たり前だ。

私たちは 他者から生産的であると

認められた時だけ生きる権利があるというのか

非生産的な市民を殺してもいいとの原則ができ、実行されるならば

我々が老いて弱った時 我々も殺されるだろう

非生産的な市民を殺してよいとするならば 

いま 弱者として標的にされている精神病者だけでなく

非生産的な人 病人 傷病兵 

仕事で体が不自由になった人すべて 

老いて弱った時の私たち全てを殺すことが許されるだろう

 

この説教の原稿を没収しようと、ナチスの秘密警察が動きましたが、

できませんでした。

数多くの書き写しが作られ、どこまでも流れて行ったそうです。

ドイツの隅々まで説教の原稿は広がり、

防空壕の中に避難した人も目にしたそうです。

この説教があった20日後、

1941年8月24日にヒトラーはT4作戦の中止を命令しました。

このような行為があったことを忘れないでいたい。

まずはここに書きとめました。

  

  

次にレポーターの藤井克徳さんの言葉。

この言葉に影響を受けて、さっそくこのシリーズの「2」で

私は自分の意見を書いています↓

「もちろん今だって正しい判断をしているかどうか。

後の人が見たら、とんでもないことをしているかもしれません。

基本は命の扱われ方だと思うようになりました。

命の扱いが軽い場面は、何らかの問題があるはずなのです」

  

藤井さんはこう言っています。

Rimg6334  

どんな問題にも、戦争にも、悪行にもね

必ず最初があるわけですね。あるいは前触れがあるわけです。

その段階で気づく力、ここが問われてくるということと、

やはり社会的に弱い立場、障害者にやはり問題が現れやすい。

これが前触れの警鐘であるということを、

とらえていくことが大事だということを感じましたね。

  

藤井さんは目が見えません。

見えない人から「気づく力」を言われてしまいました。

目のある人はちゃんと見とけよと言われている感じです。

  

  

以上で、【ETV特集 それはホロコーストの”リハーサル”だった

~障害者虐殺70年目の真実~】のまとめは終了です。

見ただけでは終わらせたくない内容だったので、書きとめました。

日本の戦争時における障害者については、

以前やはり番組の聞き書きをしました。

ここでも道草 「肢体不自由児たちの学童疎開」引用/職員室の片隅での発見(2014年8月27日投稿)

  

この時も、障害者に対して冷たい風が吹きました。

障害者に問題が現れたら、世の中はおかしくなっているのです。

障害者の尊厳が守られていたなら、まだまだ世の中はまともです。

特別支援学級担任の自分が、子どもたちを大切にしていたら、

世の中が平和な証拠です。

世の中の状況がわかる現場にいるわけです。頑張ろっと。

  

最後にもう一度、現時点でこの番組が見られるところを紹介します↓

dailymotion それはホロコーストのリハーサルだった

コメント

今日、この番組をDailymotionで視聴しました。全部を見るつもりではなかったのですが、気づいたら釘付けになって、最後まで見終わりました。

私もギーゼラ・プッシュマンさんの話というか、最後の新聞広告へ載せたメッセージが最も印象に残りました。悲しいエピソードであるとともに、会ったこともなく存在さえ知らなかった姪が、殺されたヘルガさんを一番よく供養しているという点に、なんだか救われた感じがして 微妙な感動を覚えました。

ところで そのあとも色々と番組のことを調べたり、タイトルを検索したり、そうこうしているうちに ここへたどり着いた次第です。

そして再び妙な感動というか、ちょっとジ~ンと来たフレーズがあります。ひとつ前の記事に書かれていた「このブログにもヘルガさんのことを記録しましたよ。遠い日本のここでも、ヘルガさんのことを記憶した人物がいますよ。」です。

実は私も“見ただけでは終わらせたくない”タイプなので、普段はめったにコメント欄へ書き込むという事はしないのですが、せっかくなので お邪魔させていただきました。

Dailymotionだけではちょっと心細いので、Internet Archive へ動画を保存しました。
https://archive.org/details/holocaust_rehearsal

こちらのページも素敵な記事でしたので、ウェイバックマシンでポチッと録(と)らせていただきました。
https://web.archive.org/web/20230721095646/https://mitikusa.lekumo.biz/blog/2016/01/post-bd19.html

第二次世界大戦、原爆投下、ホロコースト、T4作戦、決して忘れてはならない、そして繰り返してはならない歴史だと思います。これら人類の大きな過ちの元、多くの人は記憶されることも無く歴史の闇へと消えていったのですよね...。アンネフランクやヘルガさんといった、人々に思い出される人間は本当の本当に極々一部だけでしょう。

この動画や記事が、いつか後世の誰かに読まれたり見られたりして歴史を振り返るきっかけになってくれるといいですね。歴史が残らなければ 人は過去から失敗を学べないのですから。

HKさんへ。
ブログっていいなと思いました。
7年前の記事なのに、読んでくださる人がいて、
こうやってコメントをいただける。
同じ番組について、共感したことを教えてもらえる。
とてもうれしい体験でした。
これからも、ブログを書き続けたいと思いました。
  
Internet Archiveやウェイバックマシンについて
私は知りませんでした。
調べました。
このような場所に、あの番組が保存され、
さらには私の記事までも保存してもらえたなんて、
とっても光栄でした。
ありがとうございました。
  
コメントのラストにあるように、
いつか後世の誰かに読まれたり見られたりして
歴史を振り返るきっかけになるといいです。
HKさんみたいに。

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