「エコファシズム」を読む② LNGとは?
今日は令和5年2月27日。
前記事に引き続き
「エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病」
(有馬純・岩田温著/育鵬社)より引用します。
私が環境原理主義の方々の主張を伺って、まず驚くのは、国民の生
活に対する危機意識がないことです。地球環境のためであるならば、
国民はいくらでも犠牲を負ってもしかるべきであるとの歪んだ考え
方があるように思えます。ガソリン価格が高騰して困るのは誰か。
最も裕福な人たちは別段困らないかもしれません。しかし、一生懸
命コツコツと働きながらも決して豊かではない人々にとっては、大
打撃です。この辺りの問題をもっと真剣に考えていただきたいと、
切に願います。国民の生活を犠牲にしてでも自らの主張を貫徹する
となれば、それは偏ったイデオロギーと評されても仕方ないはずで
す。
(30p)
「原理主義」という言葉について調べなくてはいけません。
この本に何回も出てきますが、意味が「こんなことかな」と曖昧でした。
☝ これによると、キリスト教関係の言葉だったようです。
それが転じて、「一般に、基本的な理念や原理原則を厳格に
守ろうとする立場。」と説明してありました。
つまり環境原理主義とは、環境を第一に考えて行動する考え方ですね。
この人たちを、2人の著者は批判しています。
LNGとは、天然ガスをマイナス162℃まで冷却して液化させた
ものです。パイプラインであれば、気体のまま天然ガスを送れます
が、液化すると体積が約600分の1になり、タンクローリーや鉄
道での輸送、タンクでの大量貯蔵が可能になります。
これまで、アジアの国々などが温暖化問題を理由に、「ダーティー」
とされる石炭から比較的クリーンな天然ガスに燃料転換しようとす
る流れがありました。パイプライン網を有さないアジア諸国の天然
ガス調達のほとんどはLNGですが、そこに欧州がバイヤーとして
参入してくると、世界のLNGの価格が上がってしまうのです。
(33p)
LNGというのはどういうものなのか、この本で初めて知りました。
欧州の国々は、ロシアからパイプラインで天然ガスを
送ってもらっていた国が多いです。
ロシアのウクライナ侵攻のため、欧州はロシアからの天然ガス供給を、
制裁のために減らそうとしています。
その代わりに、LNGを買おうとしています。
その結果、LNGの値段が上がってしまうという理屈です。
LPガスというのがあります。
これは液化石油ガスのことで、
主に家庭用で使われているガスだそうです。
プロパンガスがそれです。
ただしLPガスは火力発電所では使われません。
そこで使われるのはLNGです。
このLNGをしまっておくタンクがあるだろうし、
運ぶタンクローリーや鉄道貨車もあるわけです。
運搬船もあるわけですね。
条件が厳しいです。マイナス162℃。
貯蔵も運ぶのもたいへんなことだなと思います。
社会科教師は今頃LNGの勉強をしています。
岩田 2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵略を開始す
ると、プーチン大統領はすぐにウクライナのチョルノービリ(チェ
ルノブイリ)原発を攻撃しました。これをもって「だから原発は造
っちゃならんのだ」という議論を盛んにしている人たちが現れまし
た。政党ですと、れいわ新撰組や立憲民主党の議員や支持者は盛ん
にそう主張しています。
有馬 これは為にする議論です。そういうことを言っている人に限
って、憲法9条があれば日本は安全だとか、日本は攻撃されないと
言っていた。では、なぜ原発の時だけ攻撃されるリスクを口にする
のか。まったく矛盾しています。そんなことが本当にあるならば、
そのリスクは原発だけでなくて、コンビナートもLNGターミナル、
ダム、大都市、その他すべてがリスクです。
(38p)
この議論は難しい。
まず「為にする議論」とはなんだ?
☝ ここには次のように書いてありました。
すでに目的・結論を先行して実質上決めていたが、議論を経て参画者の
合意をもってその結論を定めたという体裁を整える必要があったために
行った議論。
結論ありきの議論ということでしょうか。
う~ん、でも原発は特別危険なものだと思うけどなあ。
原発にミサイルが撃ち込まれたら、
それだけで広範囲に被害が及ぶと思います。
やはり原発はない方がいいと考えますが、
著者たちの考えは違います。
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