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2020年5月14日 (木)

再読「明治・大正 日本人の意外な常識」③ なぜ茶碗や箸は自分専用なのか

 

今日は令和2年5月14日。

  

前記事に引き続いて、

「明治・大正 日本人の意外な常識」(後藤寿一監修/実業の日本社)

より引用します。

 

   卓袱台(ちゃぶだい)が日本に普及したのは明治中頃と意外に歴

史は浅い。それ以前の食卓スタイルはどのようなものだったのだろ

う。

 時代劇などを思い出してほしい。江戸以前の日本では食卓を他人

と共有していなかった。各自、自分の前に膳を置いて食事をすると

いうのが、長らく日本で行われていた食事の風景である。

 膳には多くの種類があり、懸盤(かけばん)や蝶足膳(ちょうあ

しぜん)は貴族用・大名用、宗和膳(そうわぜん)や猫足膳は茶席

用など形式で使用できる身分が決められていた。一般庶民のなかで

すら家長が木具膳(きぐぜん)、ほかの家族は折助膳(おりすけぜ

ん)と区別されていたのである。

(94p)

Epson320 (95p)

 

「時代劇などを思い出してほしい」

私は最近観た映画「武士の家計簿」を思い出しました。

調べてみました。

2016年2月2日放映の映画「武士の家計簿」(2010年)の

写真です。☟

Rimg2215  

全員が木具膳のように見えます。

   

 身分制の結果としてかつて個人の膳を分けていた習慣は、じつは

今日の生活に引き継がれている。フォークやスプーン、洋食用の食

器は揃いものであったり共用したりするのに、茶碗と箸だけはそれ

ぞれ自分専用のものを使っていることが多い。これは膳を使ってい

た時代に、個人の箸や茶碗が決まっていたことの名残であろう。

(96p)

   

8年前に読んだ時にはこの部分どう思ったのだろう。

今回読み直して、最も印象に残ったのはここです。

確かにそうだ、なるほど!と思いました。

  

  

 文化鍋、文化包丁などといった言葉は今でも耳にすることがある

のではないだろうか。

 大正時代には文化鍋、文化包丁などあらゆるものに「文化」とい

う冠をつけることが流行した。もともとは西洋文化から持ち込まれ

たものを「文化〇〇」と呼んでいた。従来使われていたものよりも

便利で合理的なものを指していたようだ。この「文化〇〇」シリー

ズは大正時代の人々がもっていた近代的で合理的なものに対する憧

れの強さの証といえよう。

(96~97p)

 

「文化〇〇」はちょくちょく聞きますが、

大正時代が発祥だったのですね。

ちなみに文化鍋はこれ。☟

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