「人はなぜ・・・許せないのか」⑦ 同調圧力/一人一人に丁寧に/30年かけて成熟
今日は令和2年3月8日。
前記事に引き続き、
「人は、なぜ他人を許せないのか?」(中野信子著/
岩波新書)より引用していきます。
周囲の行動に合わせなければいけない(逆らうと恐ろしいこと
が起きるかもしれない)と感じさせる環境要因のことを「同調
圧力」と言います。いわば、集団のなかで少数意見を持つ人に
対して、多数派の考えに従うよう暗黙のうちに強制してしまう
ことです。
(126p)
最近、「同調圧力」という四字熟語をこの本を含めて、
何度か見ました。こういう意味なんだよと確認です。
実際にこのような雰囲気になった時に「同調圧力だ」と
つぶやいてみたい。何か波紋を起こせるかもしれない。
ある集団にとって、グループ外の人々をあれこれ細かいことを
考えず一元的に処理できるというのは、脳がかける労力という
観点からは、コストパフォーマンスが高い行為です。「あの人
たちはああだから放っておけ」とひと括りにしてしまうことで、
余計な思考や時間のリソースを使わずに簡単に処理することが
できるわけです。本来は、韓国人にもフランス人にも、関東人
にも関西人にも、男性にも女性にも当然、個々にさまざまな違
いがあり、その人の歴史や独自の考えもあるわけで、本来はそ
の一人一人に対して、丁寧に判断していく必要があります。し
かし、このバイアスが働くと、手間をかけずに一刀両断できる
のです。
(134~135p)
これは、自分の仕事でも注意するべきことだと思っています。
特別支援学級こそ、一人一人をよく見て、
その子に合った教育をしてみたいと思っています。
この文章を読んで再確認。
どのような相手に対しても共感的に振る舞い、人間として尊重
し、認めていくという機能はとても高度なもので、前頭葉の
眼窩(がんか)前頭皮質という領域で行われています。
ここは25~30歳くらいにならないと成熟せず、さらに、し
っかり発達させるためには、相応の刺激(教育)も必要になり
ます。また、重要な部分なのに、アルコール摂取や寝不足とい
った理由で簡単に機能が低下してしまいます。しかも、その機
能が得られるまでには人生の3分の1近い長い時間がかかるの
に、衰えてしまうのは早いのです。
(146p)
※眼窩=眼球の収まる頭蓋骨のくぼみを指す
だから老人は頑固であるわけです。気をつけよう。
う~ん、ここまでにしよう。
「人は、なぜ他人を許せないのか?」からの引用は終了。
この本は買った本なので、読み直したい時には手軽にできます。
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