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2020年3月 8日 (日)

「人はなぜ・・・許せないのか」⑥ 夫婦を長続きさせる秘訣

  

今日は令和2年3月8日。

  

前記事に引き続き、

「人は、なぜ他人を許せないのか?」(中野信子著/

岩波新書)より引用していきます。

  

  

長い時間をかけて徐々に人を許せなくなる事例もあります。そ

の典型は、いったんは愛し合って結婚したはずの夫婦が、「性

格の不一致」を理由として離婚していくことです。

(中略)

結婚したからには、当初は何らかの惹かれ合うものが存在した

はずですが、脳科学的には、実は惹かれる理由も「互いが不一

致だから」こそなのです。つまり合わないことこそが楽しかっ

たはずなのです。

なのに、結婚するとかえって不一致を憎むようになってしまう

のは、皮肉にも、恋人だった頃より互いの距離感が近くなって

しまうことが、かなり有力な理由と考えられます。

遠くから見ているときは、不一致が尊敬や愛情の対象なのに、

近寄ってみると、急に目を背けたくなるような部分があったこ

とに気が付いてしまうからです。結婚からまもなくして気づく

こともあるでしょうが、数十年後、夫がリタイアして一緒にい

る時間が急に増えたことで、それまでは見過ごしていた不一致

が問題としてどんどん浮上するケースも考えられます。

そもそも人間は、自分自身のことですら理解できず、自分を

100%好きになることも難しいものです。それが他人となれ

ばなおさらです。たとえ夫婦であろうと、適切な距離や愛着の

レベルが存在していて、そこに過不足があると、途端に不一致

が粗(あら)として感じられるようになってしまうのです。

(107~108p)

  

 

夫婦の長続きの秘訣は「適当な距離感」なのですね。

参考にします。

  

話は変って・・・

  

哺乳類のうち、かなりの種が、個体としての脆弱性をカバーす

るために、集団を形成するという方法をとります。特にヒトで

はその傾向が顕著となり、ともすれば、集団主義をとりやすく

なる性質を持っています。

そして、なぜかこうした別々の集団は、互いに対立しやすくな

ります。集団主義とは「自己の所属している集団が集団であり

続けることこそが正義」というもので、ことによってはその他

の倫理観がすべてオプションになってしまうくらい強い優先度

があります。

(中略)

集団の一因であることそのものが、生物としての安全性を高め、

生活の効率を高めるための武器になるため、集団への所属と、

所属した集団の持続そのものが最優先の目的となります。正義

という言葉を使うのであれば、何があろうと所属している集団

が続くこと、そして集団の存続を脅かすものから集団を守るこ

とこそが正義なのであって、それ以外に優先すべきことなどな

いというわけです。

(110~111p)

  

幸いにも私は、日本が戦争の時代に生きていません。

戦時中の日本人は、「日本」いやもっと身近な集団「家族」を

守ることが正義であり、命懸けで守ることだと思ったでしょう。

人間の脳はそういうものなのです。

  

そのような雰囲気に異を唱えることができた人は、

多くの人たち以上に知識を得ていて、

前頭前野を発達させていた人だと思いました。

   

  

  

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