「薬のやめどき」その2/抗不安薬を減らして調子悪くなる理由
今日は令和元年10月31日。
昨日の投稿に引き続き、
「薬のやめどき」(長尾和宏著/ブックマン社)より
引用します。
「続けることは考えても、やめることなど考えることもない」
専門医は、降圧剤やインスリンの始めどきは知っていても
やめどきは知らない。抗がん剤についても、何人かの
専門医に訊いてみたが、やめどきなど考えたこともないという。
それどころか、「どうやって死ぬまで続けようか」しか
考えたことがない、と豪語する専門家もいる。
(62p)
医療者は悪意で抗がん剤を死ぬまで続けるわけではない。
製薬会社との癒着で動く医師など、ごく一握りだと信じたい。
多くの抗がん剤専門医は、あくまで善意で死ぬまでやり続ける。
だからタチが悪いのだ。だからこそ、受け身の医療では
いけないのだ。賢い患者にならないと絶対に後悔が残る。
患者さん側からやめどきを切り出し、
主治医とよく相談してほしい。皮肉なことに、
早めに抗がん剤をやめたことで体調がモリモリ回復し、
会いたい人に会いに行ったり、諦めていた仕事や家族旅行を謳歌し、
結果的に長生きしたと確信をもって思える人はたくさんいる。
あの川島なお美さんも、胆管がんに対する抗がん剤や
過剰な輸液をやらなかったからこそ、
亡くなる1週間前まで大好きな舞台に立ち、歌って踊れたのだ。
抗がん剤のやめどきさえ間違えなければ、「がんは人生を
二度生きられる」病とも言えよう。
(67~68p)
強力な抗不安効果があり、同時に依存性も高い
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬が、デパスを筆頭に
何種類か使われている。(中略)
デパスを減らすと調子が悪くなるのはなぜか
薬を減らして調子が悪くなる人には、3つの場合がある。
①病気の再発・再燃
②効果が強いゆえの離脱症状の出現
③薬を減らしたこと自体の不安感
(83p)
本書を読みながら「自分の意志で減薬しよう」と
思い立つ人もいるだろう。しかし焦らないでほしい。
減薬を始めるタイミングをまず主治医とよく相談してほしい。
不安の根というのは本当に深いものなので、
不安を克服できたと感じていても、意識していない部分に
不安や恐怖が蔓延(はびこ)っていることがある。
「無意識」の不安は、かなりの大きさがあるので
急いで薬をやめると、急に不安がまた強くなってしまうことがある。
(84p)
(抗不安薬の)減薬の前にやるべきこと
(中略)
そして何より、毎日6000~8000歩、歩くことだ。
歩くことでセロトニンの代謝が向上し、不安が和らぐことが
証明されている。
(84~85p)
これまで医者はむやみに睡眠薬を出しすぎてきた。
その結果、20代から30年間飲み続けている、
という人もいる。しかし睡眠薬を長期間飲み続けると
耐性ができてしまい、どんどん効かなくなってくる。
(92p)
睡眠時間が徐々に短くなる高齢者が睡眠薬を飲むと、
朝目覚めても睡眠薬の作用がまだ残っている場合がある。
午前中は頭がぼーっとして、ふらつき→転倒・入院→
寝たきり→認知症という悪循環に陥ってしまう人もいる。
さらに年を取って人生の終わりが近づくと、
再び睡眠時間は長くなっていく。ウトウトする時間が伸びて、
赤ちゃんに返っていく。つまり人生の最終段階に差しかかると
睡眠薬はもはや不要。その前にやめどきを考えるべきである。
(93p)
(睡眠薬の)やめかたの実際
(中略)
基本的には前項の抗不安薬のやめかたと同じだ。
朝日をしっかり浴びて日中に6000~8000歩程度を
歩いている人には、時間がくれば必ず睡魔が襲ってくる。
そのタイミングを逃さずに床に入ることが大切である。
時間がきたから寝るのではなく、眠くなるから寝るのである。
(94p)
抗不安薬の減量は、私にとって現在進行形のことです。
客観的な気持ちで自分の状態を見て
それを伝えて、お医者さんと相談して決めていきたい。
この1週間は調子よかったです。
どうなるかな。
今から病院に行ってきます。
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