「薬のやめどき」その3/薬の副作用を抑えるためにまた薬
今日は令和元年10月31日。
1種類や2種類ならば、その副作用もある程度予測できる。
しかし、5種類、7種類、10種類と数が増えれば、
それによる副作用が出る組み合わせは、天文学的で、
症状は複雑なものになり、どこにどんな副作用が現れるかは、
とうてい把握しきれない。
つまり、多剤投与となればなるほど、薬の副作用に悩まされる
可能性が際限なく広がってしまう。
(136p)
「お薬手帳」を毎回提出しているけど、薬剤師さんは
ちゃんとチェックできているのだろうか。
副作用を抑えるために、薬が増えるという場合もある。
今、高齢者に一番処方されているのは、低用量アスピリン
(商品名:バイアスピリン)だ。
MRIを撮ったら小さな隠れ脳梗塞が見つかったというとき、
すぐ「血液サラサラのお薬、出しときましょう」と言われて
処方される。ところが、バイアスピリンは胃や小腸に潰瘍を
作ることがあるので、必ず胃薬と併用が推奨される。
定番の胃薬はPPI=プロトンポンプ阻害薬(商品名タケプロン、
ネキシウム、パリエットなど)だ。
副作用を予防するための薬を併用するのが標準治療となり、
保険でも認められている。
同様に、鎮痛消炎剤のロキソニンときたら胃薬、
麻薬のモルヒネを出したら必ず下剤と吐き気止めなど、
ひとつ出したら自動的にふたつ、3つになる
キードラッグ(主要薬)がいくつかある。
(中略)
こうした併用を守らないと、極端な話、生命にかかわる
重大な副作用があった場合、訴えられる可能性がある。
バイアスピリンで血液サラサラになったけれども、
胃潰瘍で出血して死亡したとなると訴えられる恐れが
あるということだ。ひとつの目的で薬を出す際、
自動的に2~3種類に増えるのには、こうした事情もある。
(144~145p)
そうか~、医者の気持ちもわかります。
私のような院外処方の開業医の場合、1枚の処方箋に
対する診療報酬は680円にすぎない。
何十万円の薬を処方しても開業医の報酬は680円なので、
儲かるのは製薬会社ないし調剤薬局である。
だから多剤処方=開業医の儲け主義、という発想は
まったくの的外れである。
(146p)
今日の診察代の明細を見てしまいました。
これから気にしちゃいそう。
コメント