「バンキシャ」で報じられた風力発電3・・・スタットオイル社(ノルウェー)
今日は7月21日。
洋上風力発電の開発に積極的なのが、ノルウェーのスタットオイル社。
石油生産の大手企業で、北海油田の権益を所有しているそうです。
石油にかかわる企業が、風力発電開発にかかわるのは、
石油がいつまでもある資源ではないと考えているからでしょう。
スタットオイル社の風力発電のことが、
朝日新聞の「Global Press」というコーナーで紹介されていました。
この記事からの引用。
風力発電は有力な代替エネルギーだが、
景観上の問題、騒音といった問題に阻まれてきた。
洋上風力発電ではそれらの問題をクリアできる上、
海の上を吹く風は陸上の風よりも強く安定しており、
発電効率も高いため、大きな期待がかかっている。
しかし、海底での大掛かりな工事が必要な上、生態系に与える影響も心配されている。
そこで生まれたのが浮体式洋上風力発電だ。
タービンを海底に直接設置するのではなく、
おもり(いかり)につながったフロートに設置する。
そのため、海底への影響が少なく、上記の問題をクリアできる可能性が高い。
おさらい(復習)を兼ねての引用。
「浮体式」は、「バンキシャ!」では「フロート型」と言っていました。
陸上の風力発電の短所と、
それを克服するフロート型風力発電の説明です。
いよいよ次の引用にスタットオイル社登場。
ノルウェーのエネルギー企業Statoil(スタットオイル)社が開発中の
浮体式洋上発電装置はHywindと呼ばれ、
水深120~700mの沖合いへの設置が可能だ。
海底に沈めた三つのおもりにつながれた柱状のフロートに、
シーメンス社製のタービン(2,400kW)を設置、
ケーブルを通じて地上へと送電する。
風車の直径は82.5mで、総重量は5,300トン。
1基あたりの価格は4億ノルウェークローネ(約62億円)。
Statoil社は、2009年6月からノルウェー・スタバンゲルの沖合い10km地点で、
Hywindの実証実験を行ってきた。
先ごろ2010年の実験結果が発表されたが、その発電量は、
予想されていた350万kWhの2倍以上の730万kWhだった。
浮かせる発想は面白いし、ちゃんと実績も残しているようなので、
フロート型の風力発電は広がりそうです。
さっそく取り組み出したのが、スコットランドとアメリカです。
いち早くこの技術に目をつけたのが、スコットランドとアメリカ・メイン州だ。
スコットランドでは、北海、またはルイス島沖合いへの設置を検討している。
アレックス・サルマーンド首相は、今後10年間に総額300億ポンド(約4兆円)を投資、
20,000人の雇用を見込んでいると話す。
メイン州はメイン湾への設置を検討、
今後10~20年かけて総額200億ドル(約1.7兆円)を投資、
15,000人ほどの雇用を見込んでいる。
これら2ヶ所では、早ければ2015年にも3~5台のHywindが稼動することになる。
そして、日本へ。
Statoil社が次の目標に定めているのが日本だ。
同社広報部のMorten Eek氏は、
日本周辺の海の深さは浮体式風力発電に適していると話す。
フロート式の風力発電をこれからはたくさんに目にする予感がします。
九州大学のフロート型風力発電も楽しみです。
スコットランドへの風力発電設置の記事に使われていた想像図は迫力がありました。
ここに載せちゃいます。(2010年8月の記事)
嵐の海でも大丈夫?
※http://www.ecool.jp/foreign/2010/08/statoil66-858.html
風力発電について今回もちょっと前進。
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