2020年11月17日 (火)

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」⑤ 安全保障のシステム作りに力を注ぐ

   

今日は令和2年11月17日。

  

前記事に引き続き、

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)より。

  

すでに亡くなっていることがわかった吉岡逸夫さんの文章を

ここに書き写して、その思考を参考にさせてもらおうと思います。

  

平和は、どうやって作れるのか。

これは難しい。私の個人的見解はこうだ。

軍隊を持たない無抵抗主義というのは、コスタリカのようにアピー

ルを続けることによって、ある程度可能だと思う。しかし、本質的

な解決にはなりにくい気がする。無抵抗主義は、個人の哲学として

はあり得るし有効だと思うが、哲学や思想がさまざまな集合体とし

ての国民を巻き込むとき、それは難しい。ともすれば、無責任とも

とられかねない。

他国が日本をせめてきた時、無抵抗主義を通せば、万一の場合、日

本は消滅するのだ。そのリスクを負った賭けを、日本全国民が一致

団結してできるだろうか。

ベトナム戦争の時、反戦を訴えて、自ら火あぶりになって死んだ僧

侶がいた。ガンジーも無抵抗主義で、断食でインド独立を訴えた。

これは、個人のレベルだからできることであって、国民全員では相

当に難しい。

それよりも、安全保障のシステム作りに力を注いだ方が現実的だ。

パナマ、コスタリカ、日本。この三国が軍隊なしで平和を保ててい

るのは、はっきり言ってしまえば、バックに米軍が控えているから

だと思う。

私のこの見方が正しいとしても、がっかりする必要はない。それは

それで、人類の壮大な実験なのだ。日本は60年もの間、戦争がな

かったのだ。そんな国は、歴史上なかなかない。(この本の発刊は

2007年)

実験の続きを考えればいいのだ。具体的には、米軍の代わりに国連

軍を持ってくればいいのだ。それも、パナマとコスタリカと日本の

三国だけに限らず、守る対象を世界に広げるのだ。現実には、パナ

マとコスタリカは米州機構(OAS)という地域安全保障機構をす

でに持っている。ニカラグア紛争などを処理した実績も残している。

この地域安全機構を世界へと拡大させればいいのだ。

(220p)  

  

アメリカ軍ではなくて国連軍にする。

守る対象を世界にする。

それぞれの国は武器を持たない。

  

理想かもしれないけど、こうなった時に、

世界の平和がもたらさせると思います。

全く考えたことのない説なので参考になりました。

  

吉岡さんは、日本の警察についても書いています。☟ 

   

日本の安全は、どうやって維持できているのか。私は外交よりも内

政に注目している。みんなも知っているように、日本国民は、武器

を持つことが許されていない。それが許されているのは、警察と自

衛隊と海上保安庁だけだ。

もし、警察官がいなかったら、人々は、自分で泥棒や強盗から身を

守らねばならない。ところが、現実には、武器なしで安全は保たれ

ている。いざとなれば、武器を持った警察官がいるからだ。コスタ

リカの富裕層は、警察官が頼りにならないからと、自分で武器を持

ったガードマンを雇っている。(中略)

日本ではそんなことは必要ない。

なぜか。しっかりと武器を持った信頼に足る警察官がいるからだ。

そうやって、世界に冠たる日本の安全神話は保たれている。

私はこれを世界に広げたい。

(220p)

  

  

日本の平和は、世界の参考になるのです。

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」④ アメリカが軍隊を持たせたくない国

   

今日は令和2年11月17日。

  

前記事に引き続き、

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)より。

  

  

欧米の支配の仕方は、いつも似ている。

例えば、フランスはインドシナを支配した時、ベトナム人にカンボ

ジア人を支配させた。その影響もあって、いまだにベトナム人とカ

ンボジア人は仲が悪い。(中略)

100万人ものカンボジア人を虐殺したというわれる有名なポルポ

ト政権っていうのがあったんだけど、彼らは、反ベトナムというこ

とで結束していたからね。

(70p)

  

このことは知りませんでした。

ベトナム人にカンボジア人を支配させていた・・・

驚きです。

  

  

中南米の国々は相続税がないそうです。

それがどういうことを意味するか。

吉岡さんは次のように書いています。☟

 

相続税がないということは、結果、金持ちの子供は金持ちであり続

け、その孫もまた、金持ちであり続けるということさ。だって、税

金で取られることがないんだから。財産は、丸々引き継がれるから

ね。反対に、貧乏人はずっと貧乏ということだ。

(104p)

   

貧富の差が広がることから、不満がたまり、

中南米ではクーデターが多かったのです。

  

  

次はパナマに軍隊がない理由について書いてある文章です。☟

 

パナマ運河は米国にとって、太平洋と大西洋を結ぶ軍事的要衝。海

軍の大半の船がパナマ運河を通れるサイズ(幅約33メートル)に

設計してあるといわれる。その運河を守る兵隊までも撤退させたの

はなぜだろうか。考えられる理由は、ノリエガ将軍への軍事侵攻で、

兵隊を駐留させなくても、米国のフロリダ半島などにいる南方軍を

派遣すれば数時間で到着できると実感できたからではないだろうか。

フロリダから戦闘機を出せば、おそらく2時間ぐらいで到着できる

だろう。

では、なぜパナマ軍を解体したのか。それは、軍事クーデターの多

いパナマで、ノリエガ将軍のような反米政権が再び誕生しないよう

に考えたからだろう。だとすれば、日本の状況に似てないだろうか。

(中略)太平洋戦争で、かたくなな抵抗を受けた米国は、日本人か

ら武器を取り上げることを考えたとしても不思議ではない。

社会主義国キューバがカリブ海にある以上、中米で反米政権が生ま

れることは、どうしても避けたい。第2のノリエガを出したくない。

そのためには、軍を排除すればいい。日本で武力を放棄する憲法9

条を押しつけて、成功したではないか。それと同じことをパナマで

やったのではないだろうか。

(112~113p)

  

  

日本とパナマの共通点に驚きました。

日本と同じように、アメリカの思惑で

軍隊を持っていない国がありました。

アメリカが軍隊を持たせたくない国。

攻められたら、アメリカ軍が守ってくれる国。

  

コスタリカも軍隊を持ちません。

コスタリカでは内戦で勝利した大統領が、

1949年に軍隊の廃止をうたった新憲法を作ったことによります。

そして攻められた時には、アメリカや国連軍が

守ってくれるようになっています。

  

  

 

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」③ 独立があたり前という風になってきた一因

   

今日は令和2年11月17日。

  

前記事に引き続き、

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)より。

  

パナマ運河はアメリカが中心になって建設され、

その後も米国が運河による利益を享受していました。

  

パナマ運河は米国が建設したって言っただろ。だから、その後もず

っと米国が仕切っていたんだよ。それに、運河を守っていたのも米

国さ。運河周辺に何万人もの米兵がいた。パナマ人にとっては、そ

れは屈辱的だったんだな。なんとかしたい、ずっと思っていたみた

いなんだ。

それを、トリホス大統領が、1977年にカーター米大統領に運河

の返還を約束させたんだ。(中略)

それ(返還)は、当時の世界情勢から、仕方なかったんだろうな。

(中略)

それはね、15世紀以後、白人たちはずっと、アジア、アフリカ、

中米、南米などの地域を植民地化、つまり支配していったんだ。と

ころが、いったん支配した植民地が、次々と独立を宣言し始め、植

民地ではなく、独立があたり前という風になってきたんだ。パナマ

だって、ずっと米国に支配されているのは嫌だろ。

(65~66p)

  

  

独立があたり前という風になってきた一因を作ったのは

日本だと吉岡さんは書いています。☟

  

日本が、日露戦争で白人の国ロシアに勝ったり、日中戦争でも、日

本は満州を支配したり、上海や南京を侵攻するなどかなり強かった。

日米開戦の火蓋を切った有名なハワイの真珠湾攻撃、その翌日の対

英シンガポール陥落にしても、数日後のマレー沖海戦でも、英国海

軍の戦艦などを撃沈している。航空機が戦艦を撃沈したのは史上初

めてだったそうだ。最近2本の映画になった硫黄島の戦いも、米国

は数日で攻略する予定が1カ月もかかり、相当苦戦したようだ。

日本が中国ばかりでなく、欧米と互角に戦っていたので、自分たち

でも白人に対抗できるんだという機運が高まった。戦後は、アジア、

アフリカ、中南米の旧植民地が、次々と独立していったんだ。いう

なれば、日本が率先して、欧米に立ちむかったからだと思う。

(66p)

  

この考え方は、授業づくりJAPANの人たちも力説していたことです。

これで日本の戦争を正当化しようとは思いませんが、

独立の機運を盛り上げることにはつながったように思います。

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」②  イスラム教と共産主義の似たところ

   

今日は令和2年11月17日。

  

前記事に引き続き、

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)より。

  

共産主義というのは、金持ちも貧乏人もない平等社会だから、貧富

の差が激しい国、貧しい労働者や農民の多い国では、当然求められ

るよね。虐げられる人が多ければ多いほど、共産主義革命は起こり

やすいよね。

(58p)

 

実は、イスラム教も共産主義に似たところがあるように思うんだよ。

イスラム教も、貧富の差が広がるのを嫌うんだ。イスラム教の経典

コーランには、稼いだ金の何%かは、必ず貧しい人のために使うよ

うに書いてある。たくさん稼いだ人は、それだけ納める割合も増え

てくる。敬虔なイスラム教徒たちは、毎日のように寺院にお金を納

めているんだよ。決して、強制じゃないんだ。

(59p)

  

そんなイスラム教が、世界に広がっては大変、と米国や英国はやっ

きになって戦っているのかなと思うんだ。なにしろ、イスラム教に

は「働かざる者、食うべからず」みたいな教えがあるからね。逆に、

白人の金持ちは、利子で食べたりして、「働くのは下層階級がやる

こと」なんていって、年中遊んでいるからね。

(59~60p)

  

イスラム教に対するこのような視点は、勉強になりました。

「利子」についての記述も印象に残りました。☟

 

(利子は)イスラムの世界にはないんだ。(中略)

利子を考え出したのはユダヤ人かもしれないよ。ユダヤ人は世界中

に散らばっているけど、利子をとって金を貸して生活していた人が

多い。イスラムを説いた予言者マホメットも、ユダヤ人の利子にず

いぶん苦しめられたそうだ。それもあって、イスラム教徒はユダヤ

人を嫌うんだ。

(60p)

  

お金を預ければ「利子」がつくというのは当然のことではないんだ。

「利子」も発明品だったことに驚き。

イスラムの世界には「利子」がないことにさらに驚き。

私の常識は、どこであっても常識であるとは限らないのだ。

  

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」① 日本が永久に武力を放棄した理由

   

今日は令和2年11月17日。

   

前記事でも触れたこの本について書いていきます。

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「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)

   

日本国憲法では、永久に武器の放棄を誓い、武器を持って戦うという

意味の交戦権を認めていないが、パナマは違っている。

パナマ憲法305条は「パナマ共和国は軍隊を持たない」と書いてい

るものの、「すべての国民は、国の独立と国土を守るために武器を取

ることが求められる」と交戦権を認めている

この部分は、日本とパナマでは全く違っている。なぜ、日本は永久に

武力を放棄したのだろう。国防機能の投げ捨てである。パナマでは、

戦うことは認められている。きわめて現実的だ。実は、次章に出てく

るコスタリカも交戦権を認めている。

(53~54p)

  

「なぜ、日本は永久に武力を放棄したのだろう」

この問いに対して、吉岡さんは次のように書いています。

   

第二次世界大戦が終わった時、米国は日本にもう武器を持たせたくな

かったんだ。日本は、強過ぎたからね。かつては、日露戦争で、ロシ

アに勝ったし、米国との戦争でも激しい抵抗をみせた。特攻隊は思わ

ぬ戦法だったし、真珠湾攻撃、硫黄島の闘いに米国は畏怖した。こん

な国に軍隊を持たせたら、大変だと恐れたんだね。もう二度と軍隊を

持たせないように、憲法第9条で、戦争の放棄を誓わせたんだ。

(54p)

  

「日本に武器を持たせたくなかった」

そうだろうなと思っていましたが、

こうやって文章で書かれたもので読んだのは初めてかも。

美辞麗句な条文の裏側には、アメリカの思惑はあったことでしょう。

その思惑が、5年後に崩れます。

  

その後、1950年に朝鮮戦争が起こると、米国は「日本も軍隊を作

って、共産主義と戦おう」と言ってきたんだ。(中略)

米国もさすがにいいにくかったんだろうな。軍隊とはいわずに、警察

予備隊を作ってよとなった。それが、自衛隊の前身、つまり元々の名

前だ。「せめて、自分の国は自分で守ってよ」ということなんだろう

な。それだけでも、米国は助かるからね。それまで、ずっと日本の防

衛をしてきたんだから。警察予備隊ができたら、その分の兵力を朝鮮

に派遣できるからね。警察予備隊を作った時から、第9条に矛盾が生

じ始めたんだな。

(55p)

  

  

警察予備隊ができたいきさつは、結局こんな簡単なことだと思います。

アメリカの都合だったのです。

アメリカの思惑に振り回されている日本の歴史は、

伝えていかなといけないことだと思う。

  

 

2020年11月15日 (日)

吉岡逸夫さんの本等3冊、図書館に予約しました

    

今日は令和2年11月15日。

  

今日読破した本もよかった。

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)

この本は2007年発刊の本。

吉岡逸夫さんの最近の本も読みたいと調べたら、

吉岡さんが2018年2月に

すい臓がんで亡くなっていることを知りました。

Wikipedia 吉岡逸夫

遅ればせながら、他の本も読みます。

次は「クロスロード」

図書館に予約しました。

  

  

昨日(11月14日)朝日新聞朝刊の記事です。 ☟

Epson545  

毎日、この「ひと」のコーナーで、素晴らしい人が紹介されています。

世の中には、信念をもって一生懸命に取り組んでいる人が

たくさんいるんだとあらためて思います。

私もそんな人になりたいと思います。

でも日々揺らいでいます。

この記事中にある本「苦しい時は電話して」は、

これまた図書館に予約しました。

  

  

同じく11月14日朝日新聞朝刊の記事です。☟

Epson546  

この記事を読んで、引き続き「孤塁」を図書館に予約しました。

   

「身近な虫たちの華麗な生きかた」⑤ 「コオイムシ」

   

今日は令和2年11月15日。

  

前記事に引き続き、

「身近な虫たちの華麗な生きかた」

(稲垣栄洋著/小堀文彦画/ちくま文庫)より。

  

今回は「コオイムシ」の章から引用します。

  

コオイムシには思い出があります。

2008年に初めて見ています。

ここでも道草 いい田んぼ/コオイムシもいた(2008年6月19日投稿)

その後も関連記事を書いています。

ここでも道草 飼っていたら出会う残酷さ・・コオイムシ(2008年6月23日投稿)

ここでも道草 コオイムシの赤ちゃんを解剖顕微鏡で見る(2009年4月29日投稿)

あの自然豊かな校区に勤めなければ、

本物に出合うことがなかったであろう生物です。

久々に本で出合いました。

名前も忘れかけていました。

  

  

親が卵を守っていても、肝心の親が食べられてしまっては、卵は全滅

してしまう。虫はそもそも、小さく弱い存在で、鶏や魚の餌になりや

すい。そのため、多くの虫たちは、子育てをするのではなく、たくさ

んの卵を産みっぱなしにして、そのうちのどれかが生き残るようにし

ている。つまり、子育てをしたくても、できないのである。そんな、

子どもを保護する力を持たない弱い生物にとっては、産みっぱなしに

することもまた、子孫を残すための立派な戦略なのである。

そのため、子育てをするのは敵が少ない虫に見られる。虫の仲間では

卵を守るものには、クモやサソリ、ハサミムシなどの比較的、強い虫

が挙げられる。また、虫以外でもたとえば、体内で卵を孵(かえ)し

てお腹で赤ちゃんを守る卵胎生(らんたいせい)の生物は、サメやマ

ムシなど敵のいない強い生き物が多い。そして、鳥類や哺乳類のよう

に、比較的、自然界では強い立場にいる生物は、子どもの保護をして、

確実に子孫を残す道を選んでいるのである。

水中では多くの虫たちがカエルや魚の餌になっているが、コオイムシ

やタガメは肉食で、逆にカエルや魚を食べる。つまり天敵が少ないの

である。

(153~154p)

  

「産みっぱなし」も一つの子孫を残す作戦。

子育てがしたくてもできないのです。

新しい視点をいただきました。

「強い立場にいる生物が子育てをする」というのも新しい視点。

コオイムシも強い立場にいる生物なのです。

最初に見た時は、卵をたくさん背負って、

よろよろしているイメージでした。

しかし、ダンゴムシを襲う光景(上記2008年6月23日記事)を

読んで、コオイムシの”怖さ””強さ”を思い出しました。

  

  

これで「身近な虫たちの華麗な生きかた」からの引用は終了。

「身近な虫たちの華麗な生きかた」④ 「ジャコウアゲハ」「ゴキブリ」

    

今日は令和2年11月15日。

  

前々記事に引き続き、

「身近な虫たちの華麗な生きかた」

(稲垣栄洋著/小堀文彦画/ちくま文庫)より。

  

「ジャコウアゲハ」の章から引用します。

  

昆虫は目立たないように身のまわりと同じ保護色で身を隠すのが

ふつうである。ジャコウアゲハがわざわざ目立つような色をして

いるのは、ジャコウアゲハの幼虫が毒を持っているためである。

ジャコウアゲハの幼虫を食べた鳥は、中毒を起こして、胃の中の

ものを吐き出してしまう。そして、ひどい目にあった鳥は、これ

に懲りて二度とジャコウアゲハの幼虫に手を出さなくなる。その

ため、誤って食べられないように、体を目立たせて食べられない

ように鳥に警告しているのである。

いくら猛毒を持っていても、食べられてから毒が効くまでには時

間が掛かるから、食べられてしまってからでは身を守ることはで

きない。食べられないということが大切なのだ。その点で、ジャ

コウアゲハの毒の使い方は実に巧みである。毒が強すぎて相手を

殺してしまっては、ジャコウアゲハの毒を知らない鳥ばかりにな

ってしまう。毒の恐ろしさを学ばせることが大切だから、殺して

しまっては元も子もない。相手にひどい目にあわせる程度の毒の

強さがちょうどいいのだ。

(22p)

   

なるほどと思います。

ただ最初に食べられる幼虫は犠牲になるということですよね。

どんな姿をした幼虫なのだろう?

みき♂の虫撮り友人帖  ジャコウアゲハ、幼虫〜蛹〜成虫(2015年10月11日)

ここで見ることができました。

見たことがあるかなあ。

成虫は見たことあるけど、

この蛹は覚えがありません。

  

「ゴキブリ」の章から引用します。

    

昆虫の体は、人間のように大きな脳が情報を処理するのではなく、

複数の小さな脳や神経中枢を体の節目に分散させて、体の各部位が

条件反射的に反応できるようになっている。そのため、危険に対し

て極めて敏速に行動することができるのだ。

不気味なことにスリッパで叩かれて頭がなくなっても、ゴキブリは

残った胴体で逃げていく。ヒーローにはふさわしくない不気味な能

力ではあるが、これも、体を動かす命令系統が分散しているから、

可能なのである。

(75p)

  

全ての生物は同じ仕組みと思いがちですが、

昆虫の神経は分散しているのですね。

なかなか理解できない、共感できない。

  

シーラカンスやカブトガニなど、古代の姿をとどめている生物は「

生きた化石」と呼ばれて大切にされているが、同じ「生きた化石」で

あるゴキブリは、あの手この手で退治されて、その扱いはあまりにひ

どい。ゴキブリと同じく古生代から姿を変化していない昆虫には、シ

ロアリやシミがいるが、シロアリの柱を食べて嫌われるし、シミも障

子紙や本を食べてしまう。昆虫界の「生きた化石」は、どれも害虫な

のだ。人間に嫌われて駆除されながらも人家で暮らすためには、三億

年を生き抜く図太さが必要ということなのだろうか。

どんなに退治されても、ゴキブリは進化の過程ではずっと後輩の人間

に負ける気がしないのだろう。人間がやっきになって、さまざまな退

治法を考えだしても、しぶとく生き残る。最近では殺虫剤でも死なな

い抵抗性のゴキブリも出現して、まるで人間の浅はかな科学技術を嘲

笑っているかのようだ。

(77~78p)  

  

人間が絶滅しても、ゴキブリは残ると言われます。

しぶといのでしょう。

ゴキブリにとって、人間はまだまだ「天敵」になっていないようです。

  

  

  

2020年11月14日 (土)

今の自分を励ましてくれる歌「RUN」

   

今日は令和2年11月14日。

  

やっぱり歌には力があると感じた曲に出合いました。

高橋優のアルバム「PERSONALITY」の中の1曲。

「RUN」です。

  

今の自分を励ましてくれる歌でした。 

 

歌詞をピックアップします。

 

♪ もう少し走ったら限界が来るからそんなときは

  その場に倒れこんじまおう

  そう何回思ったろう 何回くじけたろう

  それなのになんでまたオレ走ってんだろう? ♪

  

4回も休職したけど、まだ走っている自分と勝手に重ねます。

  

 

♪ 身体が悲鳴を上げてるか? 心が悲鳴を上げてるか?

  普通はここらでやめてるか? そうかもしれないな普通なら ♪

  

心に響く歌詞です。

4回も休職したら、普通なら辞めてるぞと、再び自分に重ねます。

  

♪ 誰も見たことがない 景色を見に行きたい

  憧れ仰ぎ見る だけの自分を叩き起こせ! ♪

♪ この道の先をさあ見に行こう ♪

  

4回も休職した挙げ句に、定年を迎えたら、

それは、あまり体験した人が少ない景色を見ることができると、

都合よく考えます。

  

♪ 瞳はまだ死んでいない ♪

  

私の瞳はまだ死んでない。まだ頑張れる。

  

自分の人生を格好がいいものに見せてくれる歌です。

定年までの生活のBGMにしてもいいなと思える歌です。

ここで聴けます。☟


YouTube: RUN

 

 

「身近な虫たちの華麗な生きかた」③ 「タマムシ 輝きは時代を超えて」

    

今日は令和2年11月14日。

  

今日(11月14日)の朝日新聞朝刊は

取り上げたい記事がたくさんありました。

その一つ。☟

Epson544  

「玉虫」に注目。

玉虫の羽が使われていたことがわかった馬具です。

現在が21世紀の初めと考えると、

約1400年前のものとなります。

そんな古いのに、玉虫の羽が使われていることを

判明させるなんてすごいなと思いました。

そしてCGは、素晴らしい出来です。

  

  

「身近な虫たちの華麗な生きかた」

(稲垣栄洋著/小堀文彦画/ちくま文庫)は、

ブログに引用したい文章がたくさんあります。

でもこの記事に出合って、

「タマムシ 輝きは時代を超えて」の章から引用することにしました。

  

 

タマムシの羽は、微細なナノ構造をしていて、光をさまざまに反射し

たり、散乱させたりする。そのため、見る角度によって反射される光

の波長が異なり、特定の光が重なって強調される。この仕組みによっ

て、さまざまな色に見えるのである。

(142p)  

有名なのは玉虫厨子だろう。飛鳥時代に作られた玉虫厨子には、四千

五百匹ものタマムシの羽が貼りつけられている。現在では、ほとんど

羽が取れて失われてしまったが、よく見るとわずかに残った羽が今も

輝きを放っていて、当時の面影を残しているという。

どんなものでも色がついているものは、時間とともに色あせてしまう。

ところが、タマムシの羽には色がついているわけではない。ただ、そ

の微細な構造で光を反射しているだけである。そのため、どんなに長

い時間を経ても、タマムシの羽は色あせることがなく、いつまでも、

その妖しいまでに美しい輝きを失わずにいるのである。

千四百年もの時を経ても、タマムシの羽は、当時の輝きを失うことが

ない。

見る人によって見え方が違う「玉虫色」とはいうけれど、昔の人も同

じタマムシの輝きを見ていたのかと思うと、本当に不思議な気持ちに

させられる。

(144p)

  

今回の馬具にもタマムシの羽は残っていたのでしょうか。

そんなことを想像するのも、この記事でハッとしたのも、

この本を読んだからでしょう。

見過ごさなかった。

   

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