「身近な虫たちの華麗な生きかた」⑤ 「コオイムシ」
今日は令和2年11月15日。
前記事に引き続き、
「身近な虫たちの華麗な生きかた」
(稲垣栄洋著/小堀文彦画/ちくま文庫)より。
今回は「コオイムシ」の章から引用します。
コオイムシには思い出があります。
2008年に初めて見ています。
※ここでも道草 いい田んぼ/コオイムシもいた(2008年6月19日投稿)
その後も関連記事を書いています。
※ここでも道草 飼っていたら出会う残酷さ・・コオイムシ(2008年6月23日投稿)
※ここでも道草 コオイムシの赤ちゃんを解剖顕微鏡で見る(2009年4月29日投稿)
あの自然豊かな校区に勤めなければ、
本物に出合うことがなかったであろう生物です。
久々に本で出合いました。
名前も忘れかけていました。
親が卵を守っていても、肝心の親が食べられてしまっては、卵は全滅
してしまう。虫はそもそも、小さく弱い存在で、鶏や魚の餌になりや
すい。そのため、多くの虫たちは、子育てをするのではなく、たくさ
んの卵を産みっぱなしにして、そのうちのどれかが生き残るようにし
ている。つまり、子育てをしたくても、できないのである。そんな、
子どもを保護する力を持たない弱い生物にとっては、産みっぱなしに
することもまた、子孫を残すための立派な戦略なのである。
そのため、子育てをするのは敵が少ない虫に見られる。虫の仲間では
卵を守るものには、クモやサソリ、ハサミムシなどの比較的、強い虫
が挙げられる。また、虫以外でもたとえば、体内で卵を孵(かえ)し
てお腹で赤ちゃんを守る卵胎生(らんたいせい)の生物は、サメやマ
ムシなど敵のいない強い生き物が多い。そして、鳥類や哺乳類のよう
に、比較的、自然界では強い立場にいる生物は、子どもの保護をして、
確実に子孫を残す道を選んでいるのである。
水中では多くの虫たちがカエルや魚の餌になっているが、コオイムシ
やタガメは肉食で、逆にカエルや魚を食べる。つまり天敵が少ないの
である。
(153~154p)
「産みっぱなし」も一つの子孫を残す作戦。
子育てがしたくてもできないのです。
新しい視点をいただきました。
「強い立場にいる生物が子育てをする」というのも新しい視点。
コオイムシも強い立場にいる生物なのです。
最初に見た時は、卵をたくさん背負って、
よろよろしているイメージでした。
しかし、ダンゴムシを襲う光景(上記2008年6月23日記事)を
読んで、コオイムシの”怖さ””強さ”を思い出しました。
これで「身近な虫たちの華麗な生きかた」からの引用は終了。
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