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2020年11月17日 (火)

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」④ アメリカが軍隊を持たせたくない国

   

今日は令和2年11月17日。

  

前記事に引き続き、

「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」

(吉岡逸夫著/明石書店)より。

  

  

欧米の支配の仕方は、いつも似ている。

例えば、フランスはインドシナを支配した時、ベトナム人にカンボ

ジア人を支配させた。その影響もあって、いまだにベトナム人とカ

ンボジア人は仲が悪い。(中略)

100万人ものカンボジア人を虐殺したというわれる有名なポルポ

ト政権っていうのがあったんだけど、彼らは、反ベトナムというこ

とで結束していたからね。

(70p)

  

このことは知りませんでした。

ベトナム人にカンボジア人を支配させていた・・・

驚きです。

  

  

中南米の国々は相続税がないそうです。

それがどういうことを意味するか。

吉岡さんは次のように書いています。☟

 

相続税がないということは、結果、金持ちの子供は金持ちであり続

け、その孫もまた、金持ちであり続けるということさ。だって、税

金で取られることがないんだから。財産は、丸々引き継がれるから

ね。反対に、貧乏人はずっと貧乏ということだ。

(104p)

   

貧富の差が広がることから、不満がたまり、

中南米ではクーデターが多かったのです。

  

  

次はパナマに軍隊がない理由について書いてある文章です。☟

 

パナマ運河は米国にとって、太平洋と大西洋を結ぶ軍事的要衝。海

軍の大半の船がパナマ運河を通れるサイズ(幅約33メートル)に

設計してあるといわれる。その運河を守る兵隊までも撤退させたの

はなぜだろうか。考えられる理由は、ノリエガ将軍への軍事侵攻で、

兵隊を駐留させなくても、米国のフロリダ半島などにいる南方軍を

派遣すれば数時間で到着できると実感できたからではないだろうか。

フロリダから戦闘機を出せば、おそらく2時間ぐらいで到着できる

だろう。

では、なぜパナマ軍を解体したのか。それは、軍事クーデターの多

いパナマで、ノリエガ将軍のような反米政権が再び誕生しないよう

に考えたからだろう。だとすれば、日本の状況に似てないだろうか。

(中略)太平洋戦争で、かたくなな抵抗を受けた米国は、日本人か

ら武器を取り上げることを考えたとしても不思議ではない。

社会主義国キューバがカリブ海にある以上、中米で反米政権が生ま

れることは、どうしても避けたい。第2のノリエガを出したくない。

そのためには、軍を排除すればいい。日本で武力を放棄する憲法9

条を押しつけて、成功したではないか。それと同じことをパナマで

やったのではないだろうか。

(112~113p)

  

  

日本とパナマの共通点に驚きました。

日本と同じように、アメリカの思惑で

軍隊を持っていない国がありました。

アメリカが軍隊を持たせたくない国。

攻められたら、アメリカ軍が守ってくれる国。

  

コスタリカも軍隊を持ちません。

コスタリカでは内戦で勝利した大統領が、

1949年に軍隊の廃止をうたった新憲法を作ったことによります。

そして攻められた時には、アメリカや国連軍が

守ってくれるようになっています。

  

  

 

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