「身近な虫たちの華麗な生きかた」③ 「タマムシ 輝きは時代を超えて」
今日は令和2年11月14日。
今日(11月14日)の朝日新聞朝刊は
取り上げたい記事がたくさんありました。
その一つ。☟
「玉虫」に注目。
玉虫の羽が使われていたことがわかった馬具です。
現在が21世紀の初めと考えると、
約1400年前のものとなります。
そんな古いのに、玉虫の羽が使われていることを
判明させるなんてすごいなと思いました。
そしてCGは、素晴らしい出来です。
「身近な虫たちの華麗な生きかた」
(稲垣栄洋著/小堀文彦画/ちくま文庫)は、
ブログに引用したい文章がたくさんあります。
でもこの記事に出合って、
「タマムシ 輝きは時代を超えて」の章から引用することにしました。
タマムシの羽は、微細なナノ構造をしていて、光をさまざまに反射し
たり、散乱させたりする。そのため、見る角度によって反射される光
の波長が異なり、特定の光が重なって強調される。この仕組みによっ
て、さまざまな色に見えるのである。
(142p)
有名なのは玉虫厨子だろう。飛鳥時代に作られた玉虫厨子には、四千
五百匹ものタマムシの羽が貼りつけられている。現在では、ほとんど
羽が取れて失われてしまったが、よく見るとわずかに残った羽が今も
輝きを放っていて、当時の面影を残しているという。
どんなものでも色がついているものは、時間とともに色あせてしまう。
ところが、タマムシの羽には色がついているわけではない。ただ、そ
の微細な構造で光を反射しているだけである。そのため、どんなに長
い時間を経ても、タマムシの羽は色あせることがなく、いつまでも、
その妖しいまでに美しい輝きを失わずにいるのである。
千四百年もの時を経ても、タマムシの羽は、当時の輝きを失うことが
ない。
見る人によって見え方が違う「玉虫色」とはいうけれど、昔の人も同
じタマムシの輝きを見ていたのかと思うと、本当に不思議な気持ちに
させられる。
(144p)
今回の馬具にもタマムシの羽は残っていたのでしょうか。
そんなことを想像するのも、この記事でハッとしたのも、
この本を読んだからでしょう。
見過ごさなかった。
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