« 「シリア内戦」② 政権に反対する者は断固討伐するほかない | メイン | 「シリア内戦」④ アメリカとロシアの参戦 »

2020年1月12日 (日)

「シリア内戦」③ 2013年から内戦にISILが加わる

  

今日は令和2年1月12日。

  

前記事に引き続き、

シリア内戦」(安武塔馬著/あっぷる出版社)より

引用していきます。

  

クルド人は多民族国家「シリア・アラブ共和国」における最大

の民族的マイノリティ(少数民族)である。

周知のとおり、クルド人とは元来、言語的には印欧語族の一部

で、広義のペルシア語であるクルド語を母語とする人々を指す。  

だからアラビア語を母語とするアラブ人や、トルコ語を母語と

するトルコ人とは、別の民族集団とみなされる。

(136p)              

   

シリア、トルコの問題として出てくるクルド人の復習。

  

「アラブの春」は独裁政権に対する民衆の正当な抗議活動であ

り、その結果生じた体制転換と、その後の民主的な政権移行プ

ロセスを全面的に支持する。これが西側諸国の建前上の立場で

ある。

ところがその結果、社会のイスラム化を追及するMB(ムスリ

ム同胞団)が(エジプトとチュニジア の)政権を掌握してしま

った。

社会のイスラム化とは、究極的には議会制民主主義の否定であ

る。しかも、MBはそのパレスチナ支部であるハマースがそう

であるように、根本的にユダヤ国家イスラエルの生存権を認め

ない。そのような政権を、米欧諸国が歓迎できるだろうか?

(155p)

 

このような見方も必要。

  

2013年春から、シリア内戦に新たなプレイヤーが参入する。

「イラクとシャームのイスラム国」、すなわちISILである。

ISILは広い意味でのシリア反体制武装勢力である。つまり、

アサド政権を力で打倒するため、次から次へと誕生し、合同し、

消滅してきた、おそらくは何百という武将集団のひとつに違い

ない。しかし、他の集団とは根本的に異質な、不気味きわまり

ない部分がISILにはある。その徹底的な独善性であり、残

虐さである。

(164p)

   

  

ジハーディストの究極の目的は、ただ一人のカリフが統治し、

イスラム法が施行される統一イスラム国家の建設である。その

ためには、欧米諸国が第1次世界大戦後に勝手に中東に引っ張

った国境線や、諸国の利益にかなうように勝手に作ったーーと

ジハーディストは考える――既存の国家群を認めるわけにはい

かない。

(174p)

  

ISILも過激派ジハーディストです。

  

  

レバノンはシリア危機と内戦の影響を最も大きく受けた国のひ

とつである。

1923年のフランスによる委任統治まで、シリアとレバノン

は実質的にひとつの国であり、不可分の文化圏に属していたこ

と。両国国境をまたいで広がる部族社会や宗派集団の存在。レ

バノンの国境線のほろんどはシリアに隣接していること、など

が原因で、1943年に両国が別個の国として独立して以降も、

お互いに隣国情勢の影響を受けやすい。1971年のハーフェ

ズ・アサドにょるシリア政権の把握以降、特にその傾向は強ま

った。

(186p)

  

カルロス・ゴーン氏の逃走先としてレバノンは、

最近のニュースでよく出てきます。

レバノンも、シリア内戦に深くかかわっています。

  

 

つづく

コメント

コメントを投稿

最近の写真

  • Img_8725
  • Img_8724
  • Img_8723
  • Img_8722
  • Img_8721
  • Img_8718
  • Img_8715
  • Img_8714
  • Img_8712
  • Img_8710
  • Img_8709
  • Img_8263

楽餓鬼

今日はにゃんの日

いま ここ 浜松

がん治療で悩むあなたに贈る言葉