「脳科学者の母が、認知症になる」② 85歳以上では2人に1人はアルツハイマー病
今日は令和2年1月27日。
前記事に引き続き、
「脳科学者の母が、認知症になる」
(恩蔵絢子著/河出書房新社)より引用していきます。
アルツハイマー型認知症とは、ドイツの精神科医、神経病理学
者のアロイス・アルツハイマーにちなんで付けられた名前であ
る。1907年に彼によって初めての症例「アウグステ・Dと
いう名前の女性)が発表された。つまり、アルツハイマー病は
発見されてからまだ100年少々しか経っていない病気なので
ある。
(35p)
アルツハイマー病の一番のリスク・ファイターは年齢である。
年齢が上がれば上がるほど、誰でもなる可能性がある。85歳
以上では2人に1人がアルツハイマー病になると言われる。年
齢が上がると、異常なタンパク質の蓄積が増え、発症しやすく
なると考えられる。
(39p)
アルツハイマー病の基礎勉強。
海馬は、大脳皮質に蓄えられている記憶を呼び起こそうとする
時にも使われる(このプロセスを「リトリーブ」と呼ぶ)。海
馬が損傷しても、記憶は大脳皮質という別の場所に保存されて
いるのだから、記憶自体がきえてしまうことはないのかもしれ
ないが、その記憶にうまくアクセスすることができなくなる。
それゆえに昔の記憶が「思い出せない」という現象も起こるこ
とがあるのだ。
(42~43p)
回想療法も、思い出を語り合い、他人とコミュニケーションを
取ることで、アルツハイマー病に伴う「孤独感」を減らすこと
ができる。また、大事な記憶を思い出すことによって、昔との
つながりがかんじられて「安心感」を味わったり、その記憶の
中で感じていた様々な感情が蘇ってきたりする。記憶力の改善
は期待できないが、残っている古い記憶を使って、ポジティブ
な感情を活性化できる可能性があるのが回想療法である。
(48p)
う~ん、イメージが浮かぶ。誰かと共通の思い出を語り合うことは、
心地いいものだと思います。
現段階で言えるのは、(中略)脳の前頭葉が損傷してしまえば、
人格が変わる可能性はある。しかし、そのようなことは、もし
も起こるとしても、アルツハイマー病では、大分進行してから
である。だから、少なくとも初期のアルツハイマー病患者、そ
して周囲の人たちが戸惑っているのは、本当にその人の人格が
変わってしまったからではなくて、まずは海馬の問題により、
ただ「できない」ことが増えるから、今までの「その人」では
ないように「感じられる」ということなのだ。
(49p)
その通りだと思います。
こうやって分析してくれると、客観的に見ることができて
ありがたいです。
つづく
コメント