今日は令和４年５月６日。
この本を読みました。
「キネマの神様」（原田マハ著／文春文庫）
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図書館で借りた本の表紙は上の写真です。
現在店頭で売られている表紙は下の写真です。
この「キネマの神様」関連作品の出合いは、
最初は本「キネマの神様 ディレクターズ・カット」
※ここでも道草 本「キネマの神様 ディレクターズ・カット」（2022年4月22日投稿）
次が映画「キネマの神様」
※ここでも道草 ６番組（2022年4月25日投稿）
そして今回の小説です。
出来上がった順番で考えると、遡っていますね。
「キネマの神様」は映画「キネマの神様」の原作ですが、
びっくりするほど映画のストーリーは大きく変わっていました。
したがって、文庫本「キネマの神様」の表紙が、
映画の写真でいいのかと思うほどです。
原作を大きく変えたというのは、
「キネマの神様 ディレクターズ・カット」で知っていましたが、
これほどまでに映画は変えたんだと驚きました。
山田洋次監督は、原作を読んでインスパイアされて、
自分の体験を織り込んだストーリーを創り上げたのでしょう。
原作には円山郷直さんや淑子さんの若い時は出てきません。
桂園子さんも全く登場しません。
過去に遡ることもなく、現代の話でした。
こうも変えてしまって、
「キネマの神様」を原作としていいのだろうか。
別物だと思いました。
原田マハさんが「ディレクターズ・カット」を書いたのも
わかるような気がします。
それこそが映画の原作です。
順番は逆ですが。
引用します。
「映画は映画館で観てもらう。そのために、すべての映画人が努力し
てるのよ。そんなこともわからないの。あなたは」
それだけじゃない。莫大なお金と時間、情熱と持てる力のすべて、映
画人は人生を賭けて動画を世に送り出している。スクリーンに広がる
世界に観客をどれだけ引きこめるか。それこそが、もっとも重要な結
果なのだ。ＤＶＤで観ればいいや、と思われるような映画を作りたい
映画人がいるものか。
（２４２ｐ）
そうも言えないことが最近はあると思います。
ネットフリックスなどは、大きな画面を意識していないと思います。
でも映画が、映画人が人生を賭けて世に送り出したものだとは
信じたい。
それは、日々放映されているテレビ番組にも言えることです。
映像を創り出した人たちに敬意をもって観ていきたいと思います。
「あんまり期待しちゃいけないよ。『キネマの神様』は、そう簡単
には奇跡を起こしちゃくれないんだから。神様ってのは、結構残酷
なのさ。長く生きてりゃあ、それくらいわかるんだ」
（２５９～２６０ｐ）
７８歳のテラシンの言葉です。
人生の中で「奇跡」と思えることが起こってほしいなと、
日々思っています。
贅沢な願いなのでしょう。
でも生きているからには、劇的なことを期待しています。
ローズ・バット、いや、リチャード・キャパネルは、最近の映画界
の状況をひとしきり話し、ひところにくらべて人々の足が映画館に
向かなくなったことを嘆いた。
いい映画ってのは、映画館で観る。でなきゃ、ほんとの価値はわか
らない。最近のハリウッドの連中は、ＤＶＤを作るために映画作り
をしているところがある。映画館で繰り返し上映して、何度でも劇
場に足を運んで観てもらえるような名作を作れないなら、映画なん
かやめちまえ。
（２７４ｐ）
しばらく映画館で映画を観ていない身としては、
居心地が悪い文章です。
ついタブレットで、１人で、アマゾンプライムビデオで
映画を観ている自分がいます。
その手軽さがいいのです。
でも本当の映画の楽しみ方ではないのでしょうね。
退職して時間的には余裕があるのだから、
映画館に行くことをやってもいいよなあ。
「キネマの神様」の大事なアイテムは「ブログ」です。
やっぱりブログには魅力があります。
毎日２００以上のアクセスがあって、
時々コメントをいただいて、
いいですよ、ブログは。
