「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」① 日本が永久に武力を放棄した理由
今日は令和2年11月17日。
前記事でも触れたこの本について書いていきます。
「『平和憲法』を持つ三つの国 パナマ・コスタリカ・日本」
(吉岡逸夫著/明石書店)
日本国憲法では、永久に武器の放棄を誓い、武器を持って戦うという
意味の交戦権を認めていないが、パナマは違っている。
パナマ憲法305条は「パナマ共和国は軍隊を持たない」と書いてい
るものの、「すべての国民は、国の独立と国土を守るために武器を取
ることが求められる」と交戦権を認めている
この部分は、日本とパナマでは全く違っている。なぜ、日本は永久に
武力を放棄したのだろう。国防機能の投げ捨てである。パナマでは、
戦うことは認められている。きわめて現実的だ。実は、次章に出てく
るコスタリカも交戦権を認めている。
(53~54p)
「なぜ、日本は永久に武力を放棄したのだろう」
この問いに対して、吉岡さんは次のように書いています。
第二次世界大戦が終わった時、米国は日本にもう武器を持たせたくな
かったんだ。日本は、強過ぎたからね。かつては、日露戦争で、ロシ
アに勝ったし、米国との戦争でも激しい抵抗をみせた。特攻隊は思わ
ぬ戦法だったし、真珠湾攻撃、硫黄島の闘いに米国は畏怖した。こん
な国に軍隊を持たせたら、大変だと恐れたんだね。もう二度と軍隊を
持たせないように、憲法第9条で、戦争の放棄を誓わせたんだ。
(54p)
「日本に武器を持たせたくなかった」
そうだろうなと思っていましたが、
こうやって文章で書かれたもので読んだのは初めてかも。
美辞麗句な条文の裏側には、アメリカの思惑はあったことでしょう。
その思惑が、5年後に崩れます。
その後、1950年に朝鮮戦争が起こると、米国は「日本も軍隊を作
って、共産主義と戦おう」と言ってきたんだ。(中略)
米国もさすがにいいにくかったんだろうな。軍隊とはいわずに、警察
予備隊を作ってよとなった。それが、自衛隊の前身、つまり元々の名
前だ。「せめて、自分の国は自分で守ってよ」ということなんだろう
な。それだけでも、米国は助かるからね。それまで、ずっと日本の防
衛をしてきたんだから。警察予備隊ができたら、その分の兵力を朝鮮
に派遣できるからね。警察予備隊を作った時から、第9条に矛盾が生
じ始めたんだな。
(55p)
警察予備隊ができたいきさつは、結局こんな簡単なことだと思います。
アメリカの都合だったのです。
アメリカの思惑に振り回されている日本の歴史は、
伝えていかなといけないことだと思う。
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