「実践 ことばキャンプ」① 「そう思っているんだね」と認めること
今日は令和2年4月15日。
勤務校の同僚の先生から薦められて読んだ本です。
これが良かった。
「コミュニケーション力を育てる 実践 ことばキャンプ」
(高取しづか著/主婦の友社)
いいなと思った文章を書き留めてから、本を返そうと思います。
子どもの意思は、どうしたら育つのでしょうか。それには、まず
子どもの気持ちを、親や周りの人たちが「そう思っているんだね」
と認めることです。
例をあげます。2~3才の子ども同士のおもちゃのとり合いはよ
くあることです。そのとき、親はよく「貸してあげなさい」と言い
ます。思いやりのある子に育てたいからでしょう。協調性を重んじ
る日本社会では、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先させるよ
うに教えます。
ところが、この年齢の子どもには、それは自分のものであたりま
えです。無理やり「貸してあげなさい」と言うと、子どもは貸して
あげたくないという気持ちを認めてもらえない、と受けとります。
まずは「あなたのおもちゃだものな」「貸したくないんだよね」と、
わかってあげることから始めましょう。
でも、それだけではお友だちと遊べませんから、子どもの気持ち
を認めたうえで、「仲よく遊ぶにはどうしたらいいかな?」という
ように話をします。その順番がたいせつです。
どんな小さな子どもでも、自分の意思を持っています。子どもが
思ったこと、感じたことを「そう思ったんだね」と、否定せずに認
めることがスタートです。
「そう思ったんだね」の積み重ねが、子どもの意思を育て、子ども
は成長するにつれて、自分の気持ちや考えを表現できるようになっ
ていきます。
(8~9p)
あなたは子どもの話を聞いていますか?幼稚園や学校であった楽し
かったこと、ビックリしたことなど、子どもが話そうとしていると
きに、耳を傾けていますか?子どもは表現しようとことばをさがす
うちに、自分の気持ちが整理され、考えを進めることができるよう
になります。大人の聞く力が、子どもの表現力を伸ばすといっても
過言ではないでしょう。
(10p)
子どもは、親や大人がこう言ったら喜んでくれそうだとわかると、
ほんとうの気持ちにフタをして、「いい子」を演じることがありま
す。大人が聞き分けのいい、すなおで明るく、だれにでもやさしく
してあげられる子を望めば、子どもは敏感にキャッチし、そのよう
にふるまいます。自然に気に入られようとするのです。
わがままを言ったり、憎まれ口をきく、ネガティブな自分をさら
け出すことができるのは、それができる相手だからです。子どもの
反抗や自己主張はてこずりますが、それくらいでいいのです。いい
子でなくても、ネガティブな感情を出しても、受け止めてくれる場
だからこそ、表現することに躊躇がなくなります。
(11p)
質問されることで、子どもは自分の隠れた気持ちに気づくことが
あります。大人も子どもの気持ちを知ることで、お互いにわかり合
える関係になってきます。
子どもが自分で考えられるように、しつこくならない程度に、い
ろいろな場面で自問自答の回路ができてきます。
「どうしてだろう?」と理由を考える。
「何か違うぞ?これでいいのかな?」と立ち止まって考える。
「ほかの方法はないのかな?」と複数の方法を考える。
「これは事実なのかな?」と事実と推測をかぎ分ける。
「どんな方法があるのかな?」と解決策を考える。
子どもの思考力が伸びてくるのです。
(12~13p)
子どもに限らず大人にも通用することもあります。
質問されることで、頭の中に隠れている思いが出てきたことは
大人になっても体験したことです。
このようなきめ細かいことばに関することが書いてある本です。
つづく
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