「校則なくした中学校~」③ 思考停止して耐え忍ぶようになっていく
今日は令和2年1月17日。
前記事に引き続き、
「校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール」
(西郷孝彦著/小学館)よりひたすら引用します。
生徒たちは、小学校6年間で、教員から指示されることに慣れ
きっています。「指示を守る子」が「いい子」とされてきまし
た。「先生の考えとは違った自分の考えを主張する子」は、集
団の規律を乱す子と否定されてきたのです。でもそうでしょう
か?
社会に出れば、「自分で考え、判断する」ことが求められます。
指示を待っていても、人生は、前に進んでいかないからです。
私の尊敬するアップル創業者のスティーブ・ジョブズがその代
表的な例ですが、むしろ「自分の考え=アイデア」を持ってい
る人間こそが、最後は社会からも評価を受けます。
だったら、自分で考えるクセを早くからつけるべきではないで
しょうか。しかし、教員が指示を出し続けている限り、生徒は
考えなくなります。自分で考える必要がな、むしろ自分の意見
を言うと「生意気だ」と言われて損をするからです。
(49p)
私は校則の存在そのものを否定しません。
たとえば、厳格な規律で知られるミッション系の私立中学校が
あります。こうした学校は規律=校則そのものが、校風になっ
ています。靴下やセーターも指定されたものしか許されないな
ど細かく決まっている場合が多いですが、そういう見た目もま
た、その学校のカラーです。生徒たちも、その校風に憧れて門
をくぐります。
でも公立中学校は事情が異なります。
公立中には、さまざまな生徒がやってきます。私立と違って、
子どもたちの多くは選んできたわけではありません。たまたま
その学区に住んでいただけです。
そういった多種多様な生徒たちに、理不尽な校則を強制すると
どうなるでしょうか。無用なストレスを与え、情緒を不安定に
しかねません。ストレスからいじめに走る子も出てくるでしょ
う。それだけではありません。過度なストレスは記憶力の低下
を招くことが、いろいろな研究で明らかになっています。
(55~56p)
そしてこの本で最も印象に残った文章を引用します。☟
さらにーーこれがいちばんの問題なのですがーー子どもたちは
やがて、論理的に考えることを放棄してしまいます。そして、
矛盾がある不合理な規則であっても、単に思考を停止して耐え
忍ぶようになっていきます。「先生の指示を守る」ことのほう
が、無用なエネルギーも消費せず、周囲に波風を立てないから
です。
虐待を受けた子どもたちの多くは、自分の持てる力のすべてを
使って虐待環境に適応しようとします。自分を守るために、感
情や思考、行動を抑制し、無反応になっていくのです。いわば
すべて諦めて無気力になってしまう。極端な言い方をすれば、
理不尽な校則を押しつけ続けると、生徒たちの多くは、虐待児
と同じように無気力な子どもになってしまいます。
(56p)
「思考停止」「無反応」
こんな状態にいつの間にかしていないか、
気をつけないといけないと思います。
さらに思うのは、自分自身が
「思考停止」になっていないかということです。
諦めて、波風立たないように時を過ごしていることをしていないか。
大人の集団でも、思考停止はあり得ます。
いろいろなプレッシャーで、思考停止していた自分を思いだします。
もう思考停止したくない。
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