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2020年1月17日 (金)

「校則なくした中学校~」③ 思考停止して耐え忍ぶようになっていく

 

今日は令和2年1月17日。

  

前記事に引き続き、 

校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール

(西郷孝彦著/小学館)よりひたすら引用します。

  

  

生徒たちは、小学校6年間で、教員から指示されることに慣れ

きっています。「指示を守る子」が「いい子」とされてきまし

た。「先生の考えとは違った自分の考えを主張する子」は、集

団の規律を乱す子と否定されてきたのです。でもそうでしょう

か?

社会に出れば、「自分で考え、判断する」ことが求められます。

指示を待っていても、人生は、前に進んでいかないからです。

私の尊敬するアップル創業者のスティーブ・ジョブズがその代

表的な例ですが、むしろ「自分の考え=アイデア」を持ってい

る人間こそが、最後は社会からも評価を受けます。

だったら、自分で考えるクセを早くからつけるべきではないで

しょうか。しかし、教員が指示を出し続けている限り、生徒は

考えなくなります。自分で考える必要がな、むしろ自分の意見

を言うと「生意気だ」と言われて損をするからです。

(49p) 

  

  

私は校則の存在そのものを否定しません。

たとえば、厳格な規律で知られるミッション系の私立中学校が

あります。こうした学校は規律=校則そのものが、校風になっ

ています。靴下やセーターも指定されたものしか許されないな

ど細かく決まっている場合が多いですが、そういう見た目もま

た、その学校のカラーです。生徒たちも、その校風に憧れて門

をくぐります。

でも公立中学校は事情が異なります。

公立中には、さまざまな生徒がやってきます。私立と違って、

子どもたちの多くは選んできたわけではありません。たまたま

その学区に住んでいただけです。

そういった多種多様な生徒たちに、理不尽な校則を強制すると

どうなるでしょうか。無用なストレスを与え、情緒を不安定に

しかねません。ストレスからいじめに走る子も出てくるでしょ

う。それだけではありません。過度なストレスは記憶力の低下

を招くことが、いろいろな研究で明らかになっています。

(55~56p)

  

  

そしてこの本で最も印象に残った文章を引用します。☟

  

さらにーーこれがいちばんの問題なのですがーー子どもたちは

やがて、論理的に考えることを放棄してしまいます。そして、

矛盾がある不合理な規則であっても、単に思考を停止して耐え

忍ぶようになっていきます。「先生の指示を守る」ことのほう

が、無用なエネルギーも消費せず、周囲に波風を立てないから

です。

虐待を受けた子どもたちの多くは、自分の持てる力のすべてを

使って虐待環境に適応しようとします。自分を守るために、感

情や思考、行動を抑制し、無反応になっていくのです。いわば

すべて諦めて無気力になってしまう。極端な言い方をすれば、

理不尽な校則を押しつけ続けると、生徒たちの多くは、虐待児

と同じように無気力な子どもになってしまいます。

(56p)

  

「思考停止」「無反応」

こんな状態にいつの間にかしていないか、

気をつけないといけないと思います。

 

さらに思うのは、自分自身が

「思考停止」になっていないかということです。

諦めて、波風立たないように時を過ごしていることをしていないか。

大人の集団でも、思考停止はあり得ます。  

いろいろなプレッシャーで、思考停止していた自分を思いだします。

もう思考停止したくない。

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