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2019年9月7日

2019年9月 7日 (土)

井上智さんの本より/妻の一言/「そうか!」チャート

  

今日は令和元年9月7日。

  

前投稿に引き続き、「夢見た自分を取り戻す

(井上智著/エンパワメント研究所)より引用します。

  

井上智さんのことを先に知っていて、

8月に奥さんの井上賞子先生のセミナーに参加して、

初めてお話を聴きました。

「これぞ特別支援!」という実践をされていて、

驚きました。

  

「夢見た自分を取り戻す」の最後に、

「妻からの一言」と5pの文章が寄せられていました。

その中から引用します。

 

私は教師で、彼(智さん)の語る場所の多くは学校です。

リアルな彼の話を聞いていると、すぐそこに子ども時代の

智の姿が見えるようで、

「自分にできることはなかったのか」と思わずには

いられませんでした。

それは、「現代の学校」にも、40年以上前と同じ状況が

あるかもしれません。

「オレの時代は仕方がない。誰もディスレクシアなんて

知らなかったんだろう。でも、今は違うよな?

すべての教室で『特別支援教育』が行われているというなら、

全員見つけてもらえて、みんな自分の勉強の仕方を教えて

もらえるんやろ?」という彼の問いかけに

「そうだよ。安心して」と答えることはまだできずにいます。

(160~161p)

セミナーのラストでも、井上賞子先生は同じことを言っていました。

これだけの実践をしているにもかかわらずです。

智さんが言うように、まずは見つけることなのです。

その子が、定形の子と何が違うのかを見つけることが第一だけど、

それが難しい。

見つけたら、ICT機器など使って、学習を進めることができます。

 

井上賞子先生は、セミナーで

「そうか!」チャートというのを教えてくれました。

読み書きに課題のある児童・生徒の指導の助けになるサイトです。

見つけ方の参考になると思います。

  

いただいたパンフレットの写真です。☟

Epson097

Epson098 

読むこと・書くことが苦手な子どもの指導と支援チャート「そうか!」チャート 

  

特別支援教育の可能性を示してくれたセミナーでした。

    

井上夫妻の実践は、これからも見ていきたい。

井上智さんの本より/卒業制作動画「ディスレクシア Dyslexia」

 

今日は令和元年9月7日。

  

前投稿に引き続き、「夢見た自分を取り戻す

(井上智著/エンパワメント研究所)より引用します。

  

井上さんは、大学の卒業制作で動画を作ることになります。

  

オレしかできない表現で、ディスレクシアについて

知ってもらえるものを作りたい。

そう考えて「ディスレクシアについての啓発動画」の

計画を作った。

そこには、「見えない障害を、見える動画にすることで、

社会の理解を広げるものを作りたい」と書いた。

(97p)

  

自分が「伝える側」に立ったとき、

「かわいそう」を強調しなくても伝わるものが

作りたいと思った。

これを見たかつてのオレのような子どもたちが、

今のオレのような大人たちが、

つらいことを思い出して切なくなるのではなく、

明るい気持ちになってほしいと願った。

(99p)

  

この動画の中で、大阪医科大学LDセンターの

竹田契一先生が登場しているそうです。

  

なかでも、竹田先生の「Learning Difference、

学び方が違うんです」という言葉が胸を打った。

ディスレクシアだと分かったころ、「LD=学習障害」

という言葉が大嫌いだった。

だって「学習の障害」って、

「頭が悪い」って言われているようで、

みじめでたまらなかったんだ。

そりゃ、学習にたくさん支障が出る。

でも、どうしてもこの言葉は、受け入れられなかった。

でも、LDが「Learning Difference」なら、

心から「そのとおり!!」と言える。

みんなと同じ方法では学びにくいことだって、

引け目に感じなくていいと思える。

だって、「Learning Difference」学び方が違うんだ。

オレたちはオレたちの学び方で学んでいいんだよ。

というか、そうでないと学べないんだよ。

(102~103p)

そして、どうしても入れたかった「識字率99%の日本、

僕らはどっちなんだ」という問いかけ。

きっと99%にカウントされているんだろう。

まったく読めないわけでも、まったく書けないわけでも

ないんだから。

でも、日本は「読めて書けること」が当たり前の社会。

すべてはそれを前提に進んでいく。

その中で、オレたちはその前提に立てずにいたんだ。

それをICTは救ってくれる。「方法」はあるんだ!

(104p)

  

  

たくさんの人の力を借りながら、

オレの卒業制作動画「ディスレクシア Dyslexia」は

完成した。

5分4秒この時間に、思いをぎゅっと詰め込んだ。

(110p)


YouTube: ディスレクシア「Dyslexia」

Photo

☝ 「明るい気持ちになってほしい」という願いが感じられた

映像でした。

  

つづく

井上智さんの本より/「子どもたちの進む先は、こんなに柔軟なんだ!」

今日は令和元年9月7日。

  

夏に井上賞子先生の話を聞きました。

ここでも道草 20190809報告1 これぞ”特別支援” 井上賞子先生(2019年8月11日投稿)

井上賞子先生の旦那さんである

井上智さんの本を読みました。

71e7ukexezl 「夢見た自分を取り戻す」(井上智著/エンパワメント研究所)

ディスレクシアである井上智さんが、

50代で大学に挑戦したお話が中心の本です。

  

引用します。

  

大阪芸術大学短期大学部通信教育部の特修生に

出願するにあたり、次のことを事務局に申し込みました。

  

・自分にはディスレクシアという障害があり、

 紙媒体での読み書きがとても厳しいということ。

・障害に関しては、診断書の提出も可能だということ。

・しかし、理解の力には問題はなく、ICTを活用することで

 学習は可能であるということ。

・具体的には、レポートやテストにおいて、パソコンの使用を

 許可してほしいこと。

・スクーリングの際は、板書の撮影や携帯へのメモを

 認めてほしいということ。 

(42p)

  

  

井上さんは、電話でお願いしたら、「学内で検討してから回答」

ということになります。2日後。

  

かかってきた!!!

「先日、お問い合わせいただいた件ですが・・・」に続いて、

「本学で、LDの方の支援を行った前例はありません」ときた。

やっぱりな。前例がないことは、ダメだろうな。

絶望的な気持ちになったところに間髪を入れず、

「前例はありませんが、学内で検討した結果、

ICT機器の活用で学べるというのであれば、

使用を許可します。」と言われた。

  

そのときの気持ちを、なんと言ったらいいんだろう。

うまくお礼が言えたのかさえ、定かではない。

そのくらい興奮した。

ただただ、頭をぺこぺこ下げていたことだけは覚えている。

  

「ICT機器の活用で学べるというのであれば、

使用を許可します」そうだよな。当たり前だよな。

オレにとってはメガネなんだ。

これがなければ学べないんだ。

本当は許しを請う種類のものではないはずなんだ。

  

でも、この回答がどれだけ貴重なものかも自分は知っている。

啓発活動をしていた日々、出会った子どもたちも

保護者の人も、口をそろえて言っていたのが、

「前例がないと許可してもらえない」だった。

時には現場の先生でさえ、「前例がないと学校の許可が出ない」

と頭を抱えていた。

 

あのさ、どっちかというと、「前例がない」ことの方が、

大問題なんだと思う。

それって、オレみたいな子をほっておいたってことやろ?

「これがあればできる」って分かっているのに、

取り上げてたってことやろ?

もちろん、それが分からなかった時代も、

それができる機器がなかった時代もあったことは分かってる。

でも、今は違う。

機器もある、「これがあれば学べる」と分かっている

ケースだってある。

それなのに「前例がないから」っていう理由で断られるって

本当におかしなことだと思う。

  

おかしいことのはずなのに、あまりにもそっちが多数派だから、

きっと今回も「前例がない」と断られるのが、怖かった。

だから、本当に「ICT機器の活用で学べるというのであれば、

使用を許可します」の一言に心躍った!

自分の選んだ大学を、入る前から誇りに思った!

  

子どもたちの進む先は、こんなに柔軟なんだ!

それがうれしくて、うれしくて、そこにたどり着く前に

力尽きてしまう子どもたちがたくさんいる現場が悲しくて・・・・。

たくさんの人に知ってほしいと思った。

大学は、1人ひとりの学び方を、

ちゃんと受け入れてくれる。あきらめないで。

そして、あきらめさせないで。

「前例」でなく、その子とその子の未来を見てほしい。

心からそう願わずにはいられなかった。

(43~45p) 

 

 

井上賞子先生がセミナーの中で「子どもたちの進む先は、

こんなに柔軟なんだ!」という言葉を使っていました。

この本のここにそのもとの言葉がありました。

言葉というより叫びかな。

前例がないからと言ってあきらめることなく、

あるいはあきらめさせることなく、とにかく動こう。

そう思わせてくれる井上智さんの体験であったし、

いい叫びだと思い、しっかり引用しました。

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