井上智さんの本より/卒業制作動画「ディスレクシア Dyslexia」
今日は令和元年9月7日。
前投稿に引き続き、「夢見た自分を取り戻す」
(井上智著/エンパワメント研究所)より引用します。
井上さんは、大学の卒業制作で動画を作ることになります。
オレしかできない表現で、ディスレクシアについて
知ってもらえるものを作りたい。
そう考えて「ディスレクシアについての啓発動画」の
計画を作った。
そこには、「見えない障害を、見える動画にすることで、
社会の理解を広げるものを作りたい」と書いた。
(97p)
自分が「伝える側」に立ったとき、
「かわいそう」を強調しなくても伝わるものが
作りたいと思った。
これを見たかつてのオレのような子どもたちが、
今のオレのような大人たちが、
つらいことを思い出して切なくなるのではなく、
明るい気持ちになってほしいと願った。
(99p)
この動画の中で、大阪医科大学LDセンターの
竹田契一先生が登場しているそうです。
なかでも、竹田先生の「Learning Difference、
学び方が違うんです」という言葉が胸を打った。
ディスレクシアだと分かったころ、「LD=学習障害」
という言葉が大嫌いだった。
だって「学習の障害」って、
「頭が悪い」って言われているようで、
みじめでたまらなかったんだ。
そりゃ、学習にたくさん支障が出る。
でも、どうしてもこの言葉は、受け入れられなかった。
でも、LDが「Learning Difference」なら、
心から「そのとおり!!」と言える。
みんなと同じ方法では学びにくいことだって、
引け目に感じなくていいと思える。
だって、「Learning Difference」学び方が違うんだ。
オレたちはオレたちの学び方で学んでいいんだよ。
というか、そうでないと学べないんだよ。
(102~103p)
そして、どうしても入れたかった「識字率99%の日本、
僕らはどっちなんだ」という問いかけ。
きっと99%にカウントされているんだろう。
まったく読めないわけでも、まったく書けないわけでも
ないんだから。
でも、日本は「読めて書けること」が当たり前の社会。
すべてはそれを前提に進んでいく。
その中で、オレたちはその前提に立てずにいたんだ。
それをICTは救ってくれる。「方法」はあるんだ!
(104p)
たくさんの人の力を借りながら、
オレの卒業制作動画「ディスレクシア Dyslexia」は
完成した。
5分4秒この時間に、思いをぎゅっと詰め込んだ。
(110p)
☝ 「明るい気持ちになってほしい」という願いが感じられた
映像でした。
つづく
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