「やばい」の意味は「警察につかまりそうで危険だ」だけだった
今日は9月21日。
前投稿に引き続きメルマガ関連。
毎週日曜日に届くメルマガ「言葉拾い」
※参考:まぐまぐ!「言葉拾い」
8月26日発行の№654より引用します。
■ やばい ■
若者の間で日々飛び交っている「やばい」。
ポジティブにもネガティブにも使える、
変幻自裁の「やばい」を取り上げてみました。
「やば」(形容動詞)
法に触れたり危険であったりして、不都合なこと。
江戸時代にも使われていた語です。
「やばい」(形容詞)
危険や不都合な状況が予測されるさま。あぶない。
「やば」の形容詞化。
元は、的屋・泥棒などが警察の手が及ぶ恐れのある時に
使われた隠語です。
この冒頭の文章で私は興味津々となりました。
江戸時代に使われていた「やば」(形容動詞)の
形容詞化が「やばい」
その「やば」の意味に驚き。
法に触れるような行為でした。
若者の間では、
“最高!”“すごくいい”の意にも使われます。
良くないことをいう否定的用法から
良いことをいう肯定的用法にどのように変化したのでしょう。
ここでメルマガの著者は、
国語辞典の記述の変遷をたどってくれます。
これが面白い。
<<新明解国語辞典>>
◇初版-1972年
警察につかまりそうで危険だ。
◇3版-1981年
1、警察につかまりそうで危険だ。
2、不結果を招きそうで、まずい。
◇4版-1985年
3班と同じ。
◇7版-2012年
1、違法なことをするなどして、
警察の手が及ぶ恐れのある状態だ。
2、自分の身に好ましくない結果を招く様子だ。
3、最近の若者の間では、
一種の感動詞のように使われる傾向がある。
<<岩波国語辞典>>
5版の1994年に初めて「やばい」が登場します。
危険や悪い結果が予測されるさま。
あぶない。まずい。
◇7版-2009年
1、危険や悪い事が起こりそうな形勢だ。あぶない。
2、近年は「すごい」の意味でも使う。
<<広辞苑>>
今年10年ぶりに改訂になった「第7版」で、
若者用法が追加されました。
1、不都合である。危険である。
2、のめり込みそうである。
だいたいの時代感覚がつかめましたでしょうか。
両面で使わるようになって20年くらいと思われます。
最近は、
「やば」「やべえ」「やべ」と短くなっています。
はい、時代感覚がつかめましたよ。
1972年の辞書には
「警察につかまりそうで危険だ。」しか
載っていなかった言葉だったのですね。
驚きです。
さらに著者は面白いことを書いてくれました。
正反対のことを表現する「やばい」。
気心の知れた仲間同士でないと、混乱をきたしますね。
最後に、
「やばい」だけで成り立つヤバイ会話を紹介します。
+ --- + --- +
A「やばい!ここの料理めっちゃやばい!」
B「ほんとだ。ガチでやばい!」
A「あー、もうお腹もやばいわ」
B「オイラ財布やばいからおごりね!」
A「ええ!? ていうか金額やばくね?
やばい! 金ないし」
+ --- + --- +
A「この猫やばい!」
B「ほんとだ。やばいねー」
A「まじやばい! 連れて帰りたい!」
B「君のアパート、ペットやばいんじゃないの?」
A「やばいけど、この子をこんなやばいところに
ほっとく方がやばくない?」
B「じゃさー、もらってくれる
やばいくらいいい人を探そうよ!」
A「よし! 今からやばいいい人を探しにいこう!」
+ --- + --- +
まあー、めまぐるしく良い/悪いの意味が変わること。
これだけ使い倒されていると、あきられないでしょうか。
「やばい」の今後が気になります。
私も気になります。
いいネタを教えてくれて感謝。
2017年3月29日
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