絵本「てぶくろ」その5/登場動物の一覧表/「もりのてぶくろ」
今日は3月19日。
前投稿に引き続いて、
絵本「てぶくろ」の話題5回目です。
「てぶくろ」に似たお話を見つけました。
「もりのてぶくろ」
(八百板洋子:文/ナターリヤ・チャルシーナ:絵/2004年
/福音館書店)
↑このサイトに次のような紹介文がありました。引用します。
きれいな黄色の葉が1枚、森の小道に落ちていました。
その形は、まるでてぶくろのよう。
ネズミがやってきて、そっと手をあてました。
でもネズミの手にはちょっと大きい……。
ウサギやキツネ、クマもやってきて、
自分の手と葉の大きさをくらべていきます。
このきれいな黄色い葉にぴったりなのは、
だれの手なのでしょう?
1枚の葉をめぐって繰り広げられる、
秋の森を舞台にした心温まるお話です。
この絵本のベースには、作者の八百板洋子さんが
ブルガリアに留学していたときの思い出があります。
それは、友人ときのこをとりに訪れた森でのこと。
友人が連れてきた幼い子どもが、
ハリギリという手のような形をした葉を見つけるたびに、
しゃがみこんで自分の手をあてていたのだそうです。
秋の森にでかけたら、ぜひ探してみてください。
きっと見つかりますよ、あなただけのすてきなてぶくろ。
次々に動物が出てくるところが似ています。
最後に出てくる動物が、「てぶくろ」では出てこなかったものです。
ぜひ手に取って確かめてください。
7種類の絵本「てぶくろ」と1本の動画「てぶくろ」について
ブログに書いてきました。
それを見て、出てきた動物の一覧表を作成してみました。
この一覧表を見て気がついたことを書いていきます。
〇全てに登場しているのは「うさぎ」と「くま」
「うさぎ」は中盤に出てくることが多く、
「くま」は最後に出てくることが多い。
「くま」は大型なので、最後に出てきて、
本当に手袋に入れるの?と読む人をドキドキさせる役割のように思える。
この展開は「くまさんのおなか」(長新太:作)でも使っていた。
※参考:ここでも道草 本で「奇想天外」をプレゼントする(2017年2月8日投稿)
〇「ねずみ」も7回登場している。
1回目に登場しているのが5回と多い。
手袋のサイズだと、大きさ的に一番似合っている。
「ねずみ」だけなら、何の問題も起こらない。
(ストーリー的には面白くない)
2回はラストに登場している。
その2回は、無理に手袋に入ったことで、
動物たちが四散する理由を作っている。
それは「こおろぎ」も同じ役割をしている。
最後に小さな動物が登場するのは、手袋がその小さささえ受け付けない
ぎりぎりの状態であることを表現している。
〇「きつね」も7回登場している。中盤に出てくることが多い。
「ねずみ」→「うさぎ」→「きつね」→「くま」が基本形と思われる。
〇「おおかみ」が6回登場している。
民話ができた頃は、「おおかみ」は今より身近だったのであろう。
凶暴性のイメージのある「おおかみ」が手袋に同居するのは、
子どもたちにとっては意外なのではないだろうか。
「おおかみ」を入れても大丈夫なの? と不安にさせ、
仲良く手袋に入っているぞ、と安心させる役割なのでしょう。
〇「はりねずみ」は3回登場している。
針を身にまとい、身を寄せ合う場所にいるのは不向きに思えるので、
いいのかな?と読者に思わせる登場動物でしょう。
そうなると、最初に登場するよりも、6冊目のように
途中で登場するほうが盛り上がります。
〇「いのしし」は5回登場。
体の大きなイメージの「いのしし」本当に入れるの?と不安にさせる。
でもその次のより大きな「くま」の前座的な役割である。
〇1回しか登場しない動物に注目
「トラ」・・・これはビックリ。ウクライナにいたのだろうか?
分布図(Wikipedia トラ)を見ると、いないように思える。
「こおろぎ」・・・手袋がいる季節には生息していなさそう。
「オオヤマネコ」・・・これはウクライナにもいそう。
「もぐら」・・・笑っちゃいました。「もぐら」は土の中のほうが
暖かいですよ。
出てこなくていいと突っ込みたくなる。
まだ未定ですが、この面白いお話「てぶくろ」で、
子どもたちと劇を作りたいです。
どのような動物をどんな順番で登場させるか検討する時に、
この一覧表は役立つと思います。
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