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2016年8月 4日 (木)

「キャプテンシー」からの引用/「本当に真剣にやっているのか」

  

今日は8月4日。

   

今朝、こんなニュースを見ました。

Photo

阪神・鳥谷マルチ安打、第2打席も右前へ 

9試合ぶりのスタメン (8月3日の試合)

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6209871

  

  

野外活動に参加している2泊3日で、

「キャプテンシー」(鳥谷敬著/角川新書)を読破しました。

この本を読むと、鳥谷選手のことが気になります。

読むきっかけになったのは、ある日のニュース。

金本監督と鳥谷選手との関係が

ギクシャクしているといった内容でした。

その時に紹介されたのがこの本。

検索して次のブログもよかったです。

やわなべ (読んだ本)「キャプテンシー」鳥谷敬

 

現役選手の著書、しかもお立ち台のインタビューで

毎回定型コメントしか言わない鳥谷選手とあって、

「当りさわりのないことしか書いてないんだろうなー」と、

期待も薄かったのですが、面白かったです、予想外に。

(中略)  

僕は僕のやり方で阪神を変える

いかにもキャプテンらしい頼もしい意気込みですが、

読んでみると、ややニュアンスが異なることがわかります。

「キャプテンの意味もよくわからないし、

そもそも自分には向いていない。

自分のやり方でやるけど、うまくいくかは各選手の自覚次第だろう」、

といった調子。

彼に持ってたイメージ通りといえばそうなんですが、

この本は、このような、ともすればアスペぎりぎりの

率直すぎる述懐に満ちています。

「キャプテンシー」というタイトルですが、それが何かはわからない、

ということがわかる本です。

スポーツ選手の自著本の楽しみは、

「物議をかもしたあのシーン、実は本人はこう考えていた」

という部分でしょう。

鳥谷選手でいえば、2013年のWBCの台湾戦、

1点ビハインドの9回ツーアウトの状況で、

よもやの盗塁を仕掛けたシーンであったり、

2014シーズン終了後の海外FA宣言、

その後の阪神残留までの心境なんかを

読み手としては期待するわけですよ。

たしかに、それらについての見解も聞けるのですが、

本書の最大の面白味は、彼のドライさ、

そっけなさそのままに語られる、努力観、成功観、職業観です。

言葉や表現はマイルドなんですが

「あー、それ言っちゃうんだー」という言葉のオンパレード。

   

  

こんな文章を読んだら、この本が読みたくなります。

さっそく本を手に入れて読みだしていました。

上記のサイト「やわなべ」にもたくさんの引用がありますが、

私も私なりに引用してみます。

  

鳥谷選手の弟が病に侵され、高校2年生まで野球をやってきたのに、

できない体になってしまいました。

 

病気のことは本人からは何も聞いていなかった。

両親から知らされた。

僕に気を遣わせたくなかったのだろう。

実家に帰ったとき顔を見たら、別人のように変わっていた。

なんと声をかけていいのかわからなかった。

弟の心情を思いやると、たまらない気持ちになった。

弟をただ見守ることしかできなかった。

弟の姿を見ながら、僕は自分にあらためて問いかけてみた。

「自分は思う存分野球ができる。

それなのに、ほんとうに真剣にやっているのか?」

「やっている」と胸を張って言えない自分がいた。

そして、覚悟を決めた。

「弟のぶんまでおれが野球をやってやる!

絶対にプロに行ってやる!」

それから僕は、ガラッと変わった。 (61p)  

  

こう思う時は時々あります。

今の現状は恵まれていることに本人は気がつかない。

やりたくてもできない状態に陥ったり、

あるいは鳥谷選手のようにやりたくてもできない人のことを

知ったりする時に思います。

やっぱり真剣にやることは大事なのです。

今日も真剣、ささいなことにもやるからには真剣。

  

引用はまだまだ続く。

  

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