「端緒」「情緒」「緒戦」の「緒」の読み方
今日は5月4日。
連休中日。いい日にしよう。
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昨日届いたNo.481では、
■ 多数に押されて定着した読み方 ■というタイトルで、
誤った読み方が定着した漢字熟語の例を集めていました。
本来の読み方以外の読み方を「慣用読み」と言うそうです。
「端緒」
何と読みますか?
「タンショ」「タンチョ」どちらかな?
私は迷います。7:3の割合で「タンショ」に軍配があがります。
正解は・・・・
本来読み方が「タンショ」
慣用読みが「タンチョ」でした。今はこちらが一般的なのだそうです。
意味は「物事の手掛かり。いとぐち。きっかけ」です。
用例
「紛争解決の端緒となる」
「懸案を解決する端緒を開く」
「話の端緒をつかむ」
う~ん、あんまり身近にある言葉ではないですね。
しかし、次の言葉は身近です。
「情緒」
何と読みますか?
圧倒的に「ジョウチョ」と読みます。
しかし、「ジョウチョ」は慣用読みでした。
本来の読みは「ジョウショ」!
特別支援学級の担任としては、ふだん使う身近な言葉です。
「ジョウショ」が本来だとは・・・・汗
最近よく話題にする昭和23年の当用漢字制定時には、
「緒」の読み方は「ショ」のみでした。
つまり「ジョウショ」だけが正しかったのです。
しかし、戦前から「ジョウチョ」が優勢で、
昭和56年の常用漢字制定では、「チョ」の読み方が認められました。
「端緒」も「情緒」も正式に認められたわけです。
ちなみにNHKは「ジョウチョ」の読みを採用しているそうです。
※参考:Yahoo!知恵袋 情緒って漢字は、 じょうしょ じょうちょ どっちが正しい
「言葉拾い」には紹介されていませんでしたが、
「緒戦」
という言葉を見かけます。
「太平洋戦争緒戦では日本軍は優勢でした」
といった使い方を見かけます。
この読みも揺れています。
本来は「ショセン」ですが、慣用読みで「チョセン」です。
(う~ん、私は「ショセン」と読むだろうなあ)
意味は「戦い・試合の始まった頃」「戦い・試合の始まった段階」です。
「初戦」の意味「何回か行われる戦闘や試合の、最初の戦い」とは違います。
「緒戦」を「ショセン」と読むと、
「緒戦」「初戦」も耳で聞くと「ショセン」になってしまい、
意味も微妙に違うので厄介です。そこで、区別のために、
「初戦」を「ショセン」、「緒戦」を「ショセン」だけでなく「チョセン」
とも読むようです。
※参考:NHK放送文化研究所 放送現場の疑問・視聴者の疑問 「初戦」と「緒戦」
「端緒」は「タンチョ」、「情緒」は「ジョウチョ」、「緒戦」は「チョセン」
流れは「緒」は「チョ」と読むようになっているようです。
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