「チュ」になってしまう理由/オ列の長音「頬」は「ほお」と書く
今日は12月4日。
6年生の漢字の学習。
漢字ドリルの音読をしました。
「さまざまな技術」
これを読むと、A君は「サマザマナギジュ”チュ”」となってしまいます。
もともと滑舌のよくない子ですが、なぜそうなってしまうか観察しました。
その結果、「ジュ」の口のまま、「ツ」と言おうとすると、
「チュ」になってしまうことがわかりました。
つまり、「ジュ」を言った後に、「ツ」の口の形を作って発音をしないといけないようです。
そのことをAくんに話して、「ツ」を口の形を意識して発声練習。
「ツ」はけっこう口をダイナミックに動かすんだと、あらためて思いました。
その口の形を横着すると、「チュ」になってしまうわけです。
「尊い命」
これは「尊い」の長音が難しい。
「トウトイ」と読んではダメで、「トートイ」と読みます。
これはオ列の長音。ああ難しい。
でも「トウトイ」と読むより「トートイ」と読んだほうがすんなり読めて、「尊い」気がします。
この日、20文を音読しましたが、オ列の長音を含む単語はいくつか出てきました。
「将来(しょうらい)」「可能性(かのうせい)」「冷蔵庫(れいぞうこ)」
「化石燃料(かせきねんりょう)」「故障(こしょう)」「発電装置(はつでんそうち)」
「死亡事故(しぼうじこ)」などなど。
普段意識せずに、「ウ」と言っていることもあるなあと思います。
オ列の長音に関して、先日ミスをしていました。
漢字「頬」を以前、子どもたちに紹介します。
その時に、子どもたちによみがなを教えました。
「ほう」「ほほ」と2通りです。
しかし、これが違いました。
「頬」の読みは、オ列の長音の例外でした。
※参考:ここでも道草 「遺書」ではなくて「衣装」/オ列の長音の例外22個
(2014年11月14日投稿)
「頬」は「ホー」と読み、オ列の長音ですが、「ほう」とは書きません。
例外として、「ほお」と書くそうです。
なぜ「頬」は例外になったのか?
それは、上記の投稿で引用した文章がとても参考になりました。
再度引用します。
(前略)オ列の長音は、オ列の仮名に「う」を添える。(例:おとうさん・おはよう)
(中略)
例外が22個もある。
おおかみ おおせ おおやけ こおり こおろぎ ほお
ほおづき ほのお とお(十) いきどおる おおう
しおおせる とおる とどこおる しおおせる とおる もよおす
いとおしい おおい おおきい とおい おおむね おおよそ
なぜ、このような例外が生まれたのか。
それは、戦前に「オ」の発音で使われていた「ほ」と「を」を、
「お」と表記することにしたからだ。
(例:こほり おほかみ おほきい とほる とを など)
「オ」の発音で使われていた「ほ」と「を」!
これは紛らわしい。
そのような性格の「ほ」と「を」を、「お」にしました。
(「う」にすれば良かったのに・・・)
「頬」の場合、つい「ほほ」と書かれるぐらい、「ほほ」が一般的です。
2つ目の「ほ」は、実は「オ」と読ませたい「ほ」だったのかな。
だからその名残で、「頬」には「ほほ」「ほお」の2通りの読み方があるのでしょう。
後日、子どもたちには「頬」は、「ほほ」と「ほお」だと訂正しました。
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