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2014年12月 4日 (木)

「チュ」になってしまう理由/オ列の長音「頬」は「ほお」と書く

  

今日は12月4日。

  

6年生の漢字の学習。

漢字ドリルの音読をしました。

  

「さまざまな技術」

  

これを読むと、A君は「サマザマナギジュ”チュ”」となってしまいます。

もともと滑舌のよくない子ですが、なぜそうなってしまうか観察しました。

その結果、「ジュ」の口のまま、「ツ」と言おうとすると、

「チュ」になってしまうことがわかりました。

つまり、「ジュ」を言った後に、「ツ」の口の形を作って発音をしないといけないようです。

そのことをAくんに話して、「ツ」を口の形を意識して発声練習。

「ツ」はけっこう口をダイナミックに動かすんだと、あらためて思いました。

その口の形を横着すると、「チュ」になってしまうわけです。

  

  

「尊い命」

  

これは「尊い」の長音が難しい。

「トウトイ」と読んではダメで、「トートイ」と読みます。

これはオ列の長音。ああ難しい。

でも「トウトイ」と読むより「トートイ」と読んだほうがすんなり読めて、「尊い」気がします。

  

この日、20文を音読しましたが、オ列の長音を含む単語はいくつか出てきました。

「将来(しょうらい)」「可能性(かのうせい)」「冷蔵庫(れいぞうこ)」

「化石燃料(かせきねんりょう)」「故障(こしょう)」「発電装置(はつでんそうち)」

「死亡事故(しぼうじこ)」などなど。

普段意識せずに、「ウ」と言っていることもあるなあと思います。

   

  

オ列の長音に関して、先日ミスをしていました。

  

漢字「」を以前、子どもたちに紹介します。

その時に、子どもたちによみがなを教えました。

「ほう」「ほほ」と2通りです。

  

しかし、これが違いました。

  

「頬」の読みは、オ列の長音の例外でした。

※参考:ここでも道草 「遺書」ではなくて「衣装」/オ列の長音の例外22個

     (2014年11月14日投稿)

  

「頬」は「ホー」と読み、オ列の長音ですが、「ほう」とは書きません。

例外として、「ほお」と書くそうです。

  

なぜ「頬」は例外になったのか?

それは、上記の投稿で引用した文章がとても参考になりました。

  

再度引用します。

TOSSランド 「長音の授業」(TOSS横浜 武田晃治)

  

(前略)オ列の長音は、オ列の仮名に「う」を添える。(例:おとうさん・おはよう)

(中略)

例外が22個もある。


 おおかみ  おおせ  おおやけ  こおり  こおろぎ  ほお sign03

 ほおづき  ほのお  とお(十) いきどおる おおう 

 しおおせる とおる  とどこおる しおおせる とおる もよおす

 いとおしい おおい  おおきい  とおい  おおむね おおよそ

 

なぜ、このような例外が生まれたのか。

それは、戦前に「オ」の発音で使われていた「ほ」と「を」を、

「お」と表記することにしたからだ。

(例:こほり おほかみ おほきい とほる とを  など)

  

「オ」の発音で使われていた「ほ」と「を」!

これは紛らわしい。

そのような性格の「ほ」と「を」を、「お」にしました。

(「う」にすれば良かったのに・・・)

  

「頬」の場合、つい「ほほ」と書かれるぐらい、「ほほ」が一般的です。

2つ目の「ほ」は、実は「オ」と読ませたい「ほ」だったのかな。

だからその名残で、「頬」には「ほほ」「ほお」の2通りの読み方があるのでしょう。

 

  

  

  

後日、子どもたちには「頬」は、「ほほ」と「ほお」だと訂正しました。

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