オキシトシンって、すごい
今日は4月6日。
昨晩見た番組がまたよかった。
他にやらねばならないことがあるけど、昨日の番組をここに書き留めておきたいと思います。
4月5日放映「NHKスペシャル 人体 ミクロの大冒険2
~第2回 あなたを変身させる!細胞が出す”魔法の薬”~」です。
2月9日の小嶋先生の講座で、
自閉症の子どもの鼻からオキシトシンを入れることで、
対人関係が良くなったという話を聞きました。
※参考:ここでも道草 2月9日10日連続の講座/めざすは「毅然」(2014年2月16日投稿)
まさにそのオキシトシンの話でした。
オキシトシンの話は番組後半でした。
前半は脳が完成するのを待って、細胞が体を出産モードに切りかえるのだそうで、
その切りかえ時期が「思春期」という話でした。
人間の思春期は、他の動物に比べてはるかに遅いそうです。
それは脳の完成に時間がかかるからです。
思春期に出産モードに体に変化して、いよいよ出産。
その時にあるホルモンがたくさん働きます。それが「オキシトシン」です。
オキシトシン細胞で作られたオキシトシンが、血液中に放出され、
子宮の収縮を促進させます。陣痛が起こり、赤ちゃんを体外に出すのです。
しかし、赤ちゃんが生まれた後も、オキシトシンは出され続けます。
オキシトシンの役目は、昔は出産の手助けのみが知られていましたが、
オキシトシンの本領発揮はその後でした。
↑ネズミの脳内です。光っている部分がオキシトシン細胞です。
下方に足が出ています。ここを通って血液中にオキシトシンが入り、
運ばれて、出産を助けます。
オキシトシン細胞から右にも足が出ています。
これは脳の他の部分に届き、オキシトシンを送っています。
どんな 役目を果たすのか。それがわかるのが下の実験です。
平原ハタネズミです。
オスとメスがつがいを作って、生涯添い遂げるという珍しい種類です。
子どもが生まれると、両親で子どもをかわいがります。愛着行動です。
平原ハタネズミは、脳内にオキシトシン受容体が多くあります。(黒い部分)
ここにオキシトシンが強く作用して、それが愛着行動につながるそうです。
こんな実験しています。
寄り添わない普通のネズミの脳に、オキシトシン受容体を増やす薬を注入します。
注射で脳に!すごい実験です。でも興味深い。
その結果・・・
普通のネズミも寄り添っちゃうんですね。
それでは、脳内に向かったオキシトシン細胞の足はどこに届くのか?
2か所に届くそうです。
一つは、恐怖や緊張をつかさどる扁桃体です。
ここに足が届き、オキシトシンを放出すると、
扁桃体の神経細胞の興奮がおさまり、警戒心が解けるそうです。
もう一つは、快感をつかさどる側坐核です。
ここにオキシトシンが放出されると、
神経細胞が活性化して、すごい快感を覚えるそうです。
そして・・・
警戒心が解けて、快感を感じるということは、「離れたくない」という気持ちが起こります。
これが平原ハタネズミの基礎になっているわけです。
出産後も、オキシトシンが放出されるのは、
子どもが自立するまで細胞が愛着を促しているというわけなのです。
魚類のオキシトシン細胞です。
足が1本しかなく、血液に届き、産卵・出産を促します。
しかし、進化した霊長類のオキシトシン細胞は、足が他の脳の部分に届いています。
オキシトシンを放出することで、お父さんが子どもを育てる時の脳の部位を刺激します。
夫婦の絆をつくる部位も刺激します。
友だちでいたいという気持ちも生み出します。
これは、人間の子育てが、母親だけでなく、
父親、親戚、友だちまでも手伝ってもらってできるように
オキシトシン細胞が進化したものと考えらえます。
オキシトシンの放出で、人間は愛情が湧き、寄り添っているのです。
山中伸弥さんがこうやってまとめました。
「人間は、意志をもった細胞のかたまり」
それじゃあ、人間は結局細胞の意志に左右されるのか?
その辺りは次の投稿に。
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