「バベルの塔」1・・・油絵だからできる細密描写
今日は4月14日。
休んでいる間に書いてきたことを、投稿していきます。
まずは「バベルの塔」について3連発。
2月の終わりにブリューゲルの「バベルの塔」について書きました。
きっかけはやっぱりテレビ番組でした。
2月27日放映の「極上美の饗宴」という番組で「バベルの塔」が特集されました。
「バベルの塔」がいかに細かいところまで丁寧に書かれているかよくわかりました。
細密描写と言うそうですが、そのことについて番組中に説明がありました。
勉強になりました。聞き書きして下に示します。なぜ油絵なのか・・・よくわかりました。
画家ブリューゲルを生んだフランドル地方(ベルギー)。
ここでは「バベルの塔」が描かれる以前から、
細やかな描写を追い求める絵画の伝統がありました。
中でも、ずば抜けた技術で、すぐれた作品を残したのが、
15世紀の画家ヤン・ファン・エイクです。
その代表作の肖像画。
イタリア商人の夫婦を描いたこの作品には、
それまでの絵画では考えられなかった細密描写を見ることができます。
たとえば人物の陰影と服装の質感、光に浮かび上がる記事が見事に表されています。
そしてかすかな光を通すステンドグラス。きらめく玉。
こうした細密描写は、この時代、フランドルで発展したある技法によって生み出されました。
油絵です。
この頃ヨーロッパで主流だった絵画は、石を砕いた顔料を、卵の黄身などで溶いて描くテンペラ画でした。
テンペラ絵の具は乾くのが早く、一度塗ってしまうと、その色を変えるのは困難です。
一方、顔料を油で溶いた油絵具は、ゆっくり乾きます。
そのため、塗った後でも上から絵の具を重ねて、細かく色を変えることができます。
複雑な色で質感を出したり、ぼかして光や影を描くことは油絵の登場で生まれました。
ブリューゲルも、こうした技法を受け継ぎます。
次の投稿につづく。
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