豊川市の鍛冶その2/なぜ槌打ちするのか
「松尾かじや」で検索すると、
団体「豊川市障害者しごとネット」の発行している情報誌「Pure Life」(5月1日発行)に、
「松尾かじや」のことが掲載されていました。
http://www.natural-wing.com/Vol-005/page2/index.html
そこにこんな文章がありました。
しぱしも休まず、鎚打つひびき…
童謡「村の鍛冶屋」の一節だ。
そんな鍛冶屋が今も牛久保にある。
「松尾かじや」の創業は大正8年、現在は茂さんと長男の哲明さんが2人で工場を切り盛りしている。
使い込まれた機械が並ぶ工場の中には火処(ほど)と呼ばれるコークス炉があり、その前にベルトハンマーと金床がある。
茂さんはその間で身体を翻して、仕事をしている。
炉で熱して鎚で打つ動きには無駄がない。
「鉄は熱いうちに打て」といわれるように手際の良い熟練の技が要求される。
なぜ鎚打つのでしょう?
熱せられた鉄を伸ばすためと思っていました。
それだけではありませんでした。
そのことが「伝統に生きる職人達」(春夏秋冬叢書)に載っていました。
鉄は、焼いて、叩いて強くなる。
地金になる軟鉄を火に入れて熱し、
軟らかくなったところを叩いて延ばしながら、形を作る。
これを昔は火造りといった。
今でいう鍛造の技術である。(中略)
鋳造やプレス製品と、鍛造の違いは、
おにぎりと、杵で撞いた餅を思ってもらえばいいかもしれない。
熱いご飯を杵で撞くと粘り気が出て、粒が一体化する。
同じように、金属を叩くことで粘り気が増し、
余分な空気やガスが抜け、強度が上がるのだ。(247p)
餅のたとえがわかりやすかったです。
なるほどと思いました。
鎚打つところを生で見たくなりました。
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