「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」になった時
今日は令和6年8月10日。
前記事の続き。
また第112回の聞き書きをします。
みんなで、テーマ曲をレコードで聴いた後の場面です。
登場人物は、水木しげる、週刊少年ランドの編集者豊川、
映画会社プロデューサーの船山。
船「この曲のおかげで、テレビ化の企画がグッと進展を見せました。」
し「ほう、そうですか。」
船「前から当たりをつけていたテレビ局に、デモテープを持って行っ
たんです。番組の主題歌はもうできてますとね。
向こうも乗ってきましたよ。
編成部長から号令がかかってスポンサーを探しに動き始めまし
た。」
船「ところが、壁にぶつかりました。」
船「『墓場』がいけないようです。縁起が悪いと言って、どうしても
スポンサーが見つからない。」
豊「そこでご相談なんですが。思い切ってタイトルを変えませんか。」
し「え、タイトルを変える?」
豊「『墓場』をやめましょう。」
※いろいろなタイトルの案が書かれた紙がテーブルの上にある。
し「どれもパッとせんですなあ。」
豊「少し、時間を置いてみますか。」
し「ええ」
※隣の部屋でお絵描きしている娘が歌い出す。
娘「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ〜」
豊「そういえば、マンガの中でも、虫たちがゲゲゲのゲーと歌って
いますね。これなんですか。」
し「何って、鬼太郎の活躍を讃える歌ですよ」
豊「いやいや、それが何でゲゲゲなのかなあと。」
し「これは自分のことです。」
豊・船「ええ!!」
し「子どもの頃、『しげる』と言えなくて『ゲゲる』と行っとん
たんです。それが今では昔なじみも『ゲゲ』と呼ぶようになって。
ハハハッ。」
豊「そうか!これだ。」
※紙に豊川が「ゲゲゲの鬼太郎」と書く。
豊「ゲゲゲの鬼太郎。これでどうです!」
船「ゲゲゲの鬼太郎〜。」
布「ゲゲゲの鬼太郎〜。」
し「ええですな。これで行きましょう!」
船「決まりですね」
ナレーター
「あの『ゲゲゲの鬼太郎』という題名には、『しげるの鬼太郎』と
いう隠された意味があったのでした」
布「ゲゲゲの鬼太郎か〜。」
「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」になった瞬間でした。
見ることができた!これが見たかったです。
このような事情だったのですね。
「ゲゲゲ」は、鬼太郎の活躍を讃える歌だったんだ。
そこに、自分の昔の呼び名?「ゲゲゲ」を持ってくるセンスがいいです。
ついでに、下駄の音もいい。
「カラン、コロン」
この音から、エンド曲ができます。
YouTube: Gegege no Kitaro ED 1968
この曲の字幕には、作詞をした人の名前はありませんでした。
でも他を調べたら、この曲も、歌詞は水木しげるが作った物でした。
こちらの曲もいいです。
「墓場鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」に。
他の人は、14年前に知ったであろうことを、
私は、今週知りました。
時間がもっとあったら、こんな番組の聞き書きをして
記事を作ってみたいです。
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