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2024年8月10日 (土)

「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」になった時

   

今日は令和6年8月10日。

   

前記事の続き。

また第112回の聞き書きをします。

みんなで、テーマ曲をレコードで聴いた後の場面です。

  

登場人物は、水木しげる、週刊少年ランドの編集者豊川、

映画会社プロデューサーの船山。

  

船「この曲のおかげで、テレビ化の企画がグッと進展を見せました。」

し「ほう、そうですか。」

船「前から当たりをつけていたテレビ局に、デモテープを持って行っ

  たんです。番組の主題歌はもうできてますとね。

  向こうも乗ってきましたよ。

  編成部長から号令がかかってスポンサーを探しに動き始めまし

  た。」

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船「ところが、壁にぶつかりました。」

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船「『墓場』がいけないようです。縁起が悪いと言って、どうしても

  スポンサーが見つからない。」

豊「そこでご相談なんですが。思い切ってタイトルを変えませんか。」

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し「え、タイトルを変える?」

豊「『墓場』をやめましょう。」

  

※いろいろなタイトルの案が書かれた紙がテーブルの上にある。

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し「どれもパッとせんですなあ。」

豊「少し、時間を置いてみますか。」

し「ええ」

  

※隣の部屋でお絵描きしている娘が歌い出す。

娘「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ〜」

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豊「そういえば、マンガの中でも、虫たちがゲゲゲのゲーと歌って

  いますね。これなんですか。」

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し「何って、鬼太郎の活躍を讃える歌ですよ」

豊「いやいや、それが何でゲゲゲなのかなあと。」

し「これは自分のことです。」

豊・船「ええ!!」

し「子どもの頃、『しげる』と言えなくて『ゲゲる』と行っとん

  たんです。それが今では昔なじみも『ゲゲ』と呼ぶようになって。

  ハハハッ。」

豊「そうか!これだ。」

  

※紙に豊川が「ゲゲゲの鬼太郎」と書く。

豊「ゲゲゲの鬼太郎。これでどうです!」

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船「ゲゲゲの鬼太郎〜。」

布「ゲゲゲの鬼太郎〜。」

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し「ええですな。これで行きましょう!」

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船「決まりですね」

ナレーター

 「あの『ゲゲゲの鬼太郎』という題名には、『しげるの鬼太郎』と

  いう隠された意味があったのでした」

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布「ゲゲゲの鬼太郎か〜。」 


  

「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」になった瞬間でした。

見ることができた!これが見たかったです。

このような事情だったのですね。

「ゲゲゲ」は、鬼太郎の活躍を讃える歌だったんだ。

そこに、自分の昔の呼び名?「ゲゲゲ」を持ってくるセンスがいいです。

ついでに、下駄の音もいい。

「カラン、コロン」

この音から、エンド曲ができます。


YouTube: Gegege no Kitaro ED 1968

この曲の字幕には、作詞をした人の名前はありませんでした。

でも他を調べたら、この曲も、歌詞は水木しげるが作った物でした。

こちらの曲もいいです。

  

「墓場鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」に。

他の人は、14年前に知ったであろうことを、

私は、今週知りました。

  

時間がもっとあったら、こんな番組の聞き書きをして

記事を作ってみたいです。

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