「エコファシズム」を読む① G7が世界を動かしていない
今日は令和5年2月26日。
この本を読みました。
「エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病」
(有馬純・岩田温著/育鵬社)
引用していきます。
我々は「環境問題が存在しない」「地球温暖化問題など放置してお
けばよい」「原発は絶対に安全だ」などと主張しているわけではな
い。ただし、経済成長、貧困など、その他の問題を無視してでも環
境問題を第一にしなければ「犯罪」であるかのように語るエコファ
シズムを批判しているのだ。現実を見ながら環境問題に対応してい
こうという穏やかな提案をしているにすぎない。社会や政治体制の
全面的変革、人々の生き方の全面的変容を求めるのではなく、現実
的技術革新によって現在の危機を乗り越えていこうと説いている。
(4p)
この本の結論はこれです。
ただ著者たちは「原発も今は必要」という立場。
私にとって、東日本大震災における原発事故は、
インパクトが大きいです。
原発は今は必要という説にはなれません。
他の点は賛成です。
さらに、冷戦期にはプレーヤーですらなかった中国が、今や強大に
なり、ロシアと組んで欧米が培ってきた国際秩序に挑戦しようとし
ている。しかも、G7をはじめとする西側諸国の国際経済に占める
シェアが、ものすごく小さくなりつつあります。日本の報道を見て
いると、G7が世界を動かしていると錯覚するかもしれませんが、
世界の経済・エネルギーに大きな影響を持つのは今やG20です。
そしてロシアへの対応を巡っては、G7とG20で明らかに違いが
あります。G20にはロシア、中国が参加しているのだから当然で
はありますが。
(24~25p)
G20とは?
G7に加えて、20か国の首脳が参加する枠組みでした。
5月に予定されている広島サミットに参加するのはG7。
影響力があまりないということか。
日本には、現在のエネルギー危機を乗り越えるためにこそ自然エネ
ルギーへの転換が重要だという主張を展開する環境派の人々が存在
する。この主張には驚かされますね。一種のユートピア思想と言っ
ていいと思います。ユートピアを語ることは間違いではありません。
理想なき現実主義は、ただの現状肯定に終わる可能性があるからで
す。しかし、現実主義なき理想を語ることも慎むべきです。政治は
プロセスであり、結果です。現実主義的な理想を無視した理想論は
実現できません。永久に実現できないことを主張し続けていても何
の意味もありません。
(27~28p)
昨晩見た日立のCM。
YouTube: Hitachi Social Innovation is POWERING GOOD ‐「コンセプト編」(60秒) -日立
その中で、再生可能エネルギーは安定供給できない
というのを訂正して「安定供給できる」をしています。
いずれはできるかもしれませんが、
現在は再生可能エネルギーは十分ではないということでしょう。
私も再生可能エネルギーの現実を知らないので、
過信しているところがあります。
著者に言わせると、現状では、再生可能エネルギーに頼ることは
無理であると、この本では何度も書かれています。
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