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2020年5月11日 (月)

「夏の騎士」② 勇気こそ、人生で最も大切なもののひとつ

  

今日は令和2年5月10日。

  

前記事に引き続き、

「夏の騎士」(百田尚樹著/新潮社)

より引用します。

  

 

 帰宅すると、早速、算数の教科書を開いた。そして壬生に教え

てもらった文章題の復習を始めた。壬生に言われた通り、同じ問

題を反復して解いた。壬生は「わからないときは、解答を見ろ」

と言っていた。

「本当はしっかり考えたほうがええにゃけど、時間がもったいな

い。解答を見て、そのやりかたを覚えるほうが早い」

 壬生の言われた通りにしたら、よく理解できた。それで初めて

ひとりで勉強に取り組むことができた。

 ただ、これで勉強が楽しくなったと言えば嘘になる。なにもせ

ずにごろごろしているほうが二倍は楽しいし、マンガを読んだり、

テレビを観ているほうが10倍は楽しいし、ドラクエをやってい

るほうが100倍は楽しい。でも、以前より苦痛でなくなったの

はたしかだ。それに、ゲームやテレビでは味わえない充実感のよ

うなものがあった。この感覚はそれまでに味わったことのなかっ

たもので、この後、より一層強く感じることになる。

 大人になって理解したことがある。世の中には、一流大学に合

格する人は勉強が好きな変わり者だと思っている人が少なくない。

もちろん一部にはそういう人もいるだろうが、優等生にとっても、

やはり勉強は面白くないのだ。ただ、彼らはその苦痛を充実感に

変えたり、その結果得られることを、楽しさに変換しているだけ

なのだ。一流のスポーツ選手は激しいトレーニングを行うが、筋

肉が負荷に悲鳴を上げ、溜まった乳酸が「もうやめろ!」と叫び

出すようなことが快楽のはずがない。それでもアスリートにとっ

て、それらはやはり「楽しいこと」なのだ。そこには達成感があ

るからだ。別の譬(たと)えで言うと、登山のようなものだろう

か。一歩一歩足を動かすと、確実に上へ行く。テレビをどれほど

観ようと、何時間ごろごろしようと、その達成感は味わえない。

(136~137p)

  

最後に登山に例えてくれたことで、腑に落ちました。

「筋肉」「楽しい」でイメージしたのは番組「筋肉体操」の

谷本道哉さんです。

筋肉体操中の声かけは印象に残るセリフが多いです。

「楽しい」「うれしい」「喜ぶ」が含まれる言葉が

多いように思えます。

たとえば・・・

「キツくてもツラくない!キツくても楽しい!」

昨年はこんな本も出版されました。

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 あの夏、ぼくが得たものはそれだけではない。それは勇気だ。

でも勇気は決して天から舞い降りてきたものではない。幸運に

恵まれて道端で拾ったものでもない。

 人はみな勇気の種を持っている。それを大きな木に育てるの

は、その人自身だ。そして勇気こそ、人生で最も大切なものの

とつだ。ぼくが今もどうにかこうにか人生の荒波を渡ってい

るのは、わずかな勇気のお陰だ。

(249p)

 

 

「勇気」はいくつになっても必要です。

まだまだしょぼい「勇気」を時には奮い立たせて、

毎日を過ごしています。

  

  

これで「夏の騎士」からの引用を終えます。

 

「星ちりばめたる旗」

「近松よろず始末処」

「100時間の夜」

「パーマネント神喜劇」

「美しき愚かものたちのタブロー」

 

いつの間にか勤務校の図書館の本を6冊読みました。

どの本も生徒にお薦めです。

お薦めの本が勤務校の図書室にあるという状態は

なかなかいい気持ちです。

休校中の収穫の一つです。

こうなったら10冊を目指す!

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